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2014年第4回定例会―きくち幸江議員(改正条例について)
議員提出議案第22号、江東区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例について、御説明いたします。
本条例案は、こどもの医療費の助成の対象について、現在の中学校卒業までを延長し、18歳になった年度の3月31日までに拡大するものです。
今日、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らすこどもの割合を示すこどもの貧困率は、16.3%と過去最悪を更新し、6人に1人が貧困家庭に属するという深刻な事態にあることが明らかになりました。加えて、ことし4月からの消費税増税や円安による物価高が家計を締めつけています。
本区においても、就学援助受給者は中学生で4割近くに上るなど、生活保護基準ぎりぎりの世帯も多い中、貧困の連鎖を断ち切り、人間らしい生活と発達を保障するための具体的な施策が求められています。
本条例案で、新たに医療費助成の対象とする義務教育終了後から18歳までのこどもたちは、法律上も実態としても保護されるべき対象であるにもかかわらず、行政支援は不十分で、家庭の経済的困難により高校を中退せざるを得ない生徒がふえていることなども問題となっています。
適切な医療の提供は、こどもたちの命を守り、健やかな成長を保障するために平等に提供されるべきものですが、全日本教職員組合作成の「保健室からの報告」高校生の部では、けがをして救急車が来ても、保険証がないからと乗ることを拒む、虫歯があっても医者に行かない、食事も十分ではなく摂食障害を疑うなど、命を守り、健やかな成長を保障するとはとても言えない状況が列挙され、上記団体を初め弁護士会など、こどもの貧困にかかわる団体や個人から、医療費助成の高校修了までの実施を含む医療体制の強化を求める意見が挙げられています。
本区においては、こどもの健やかな成長と保健の向上、福祉の増進を目的としたこどもの医療費助成を、先駆的に中学校3年生まで対象とし、子育て世帯に歓迎されてきました。その対象を高校生等、児童福祉法に定める児童の規定である18歳まで拡大し、もって区民福祉の向上を図るため、本案を提出するものです。
以下、内容について御説明いたします。
条例のうち、用語の定義を定めた第2条の児童について、「15歳」を「18歳」に改めます。
附則において、施行日を平成27年6月1日といたしました。
以上、説明といたします。
よろしく御審議の上、御可決くださいますようお願いいたします。
2014年第4回定例会―大つきかおり議員
日本共産党江東区議団を代表し、大綱2点にわたって、区長及び関係理事者に質問を行います。
- 江東区の行財政運営と来年度予算編成について
- 江東区のまちづくりについて
初めに、大綱の第1は、江東区の行財政運営と来年度予算編成についてです。
安倍首相が衆議院を解散し、総選挙が行われることになりました。これは、消費税大増税や集団的自衛権の行使容認、医療・介護など社会保障の改悪、さらに原発再稼働や労働者派遣法の改悪など、国民の声に背を向け、悪政を次々と強行してきたことに、国民の怒りと批判が広がり、安倍政権が追い詰められた結果です。
この間、山崎区長は、社会保障の改悪を容認し、「推移を見守る」、「動向を注視する」などと答弁するだけで、政府に改悪中止を求める姿勢はありません。
また、集団的自衛権の行使容認でも、「集団的自衛権は抑止力だ」、「江東区平和都市宣言も同じ趣旨だ」などと答弁しましたが、江東区平和都市宣言は、「二度と戦争はしない」、「武力は放棄する」とした憲法第9条に基づいて行われたものであり、他国とともに戦争をし、際限のない軍拡競争をもたらす抑止力論とは相入れないものです。
さらに、消費税増税でも、区長は増税を容認し、増税後も景気は上向いているなどとの認識を示すなど、政府の主張をそのまま繰り返すだけです。
地方自治体の最も重要な仕事は、住民福祉の向上です。区民福祉を向上させ暮らしを守るためには区民の立場で悪政をやめさせることが必要ではないでしょうか。区長の見解を伺います。
安倍政権は、総選挙を前に、来年10月からの消費税率10%への増税を1年半ほど先送りするとしました。これは安倍政権の経済失政をみずから認めたということにほかなりません。
この間のアベノミクスによる異次元の金融緩和による物価の上昇と消費税率8%への増税によって、暮らしも経済も深刻な状況です。GDPは2期連続減少、実質賃金は15カ月連続マイナス。区民からは、「年金も減らされ、消費税の増税で、これ以上どこを削ればいいのか」、「売り上げが減って商売が続けられない」など、深刻な声が寄せられています。アベノミクスによって暮らしが悪化し、景気が落ち込む悪循環に陥っています。大企業が利益を上げれば景気はよくなるという安倍政権の経済対策を大もとから見直すことが必要ではないでしょうか。区長の見解を伺います。
日本共産党は、「消費税に頼らない別の道がある」と、国民の立場に立った改革の提案を行ってきました。第1は、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革によって財源を確保すること。第2には、大企業の内部留保の一部を活用し、国民の所得をふやす経済対策によって税収をふやすことです。この2つの方策をあわせてとれば、社会保障や暮らしのための財源、財政再建のための財源もつくれます。
消費税率10%への増税は、何年先に実施しようと、経済と暮らしを破壊する悪政に変わりはありません。政府に対し、先送りではなく、きっぱり中止するよう求めるべきではないでしょうか。区長の見解を伺います。
山崎区長は、この間、国の悪政に追随するだけでなく、行財政改革と称し、生活保護の健全育成費や中学卒業者自立支援金の廃止、ひとり親家庭休養ホーム事業や景気対策融資など、区独自の施策を廃止しました。
また、保育料の値上げ、スポーツセンターや文化センターの使用料の値上げと駐車場の有料化、胃がん、大腸がん、子宮頸がんなど、無料だったがん検診も有料化し、国民健康保険料は毎年値上げを繰り返すなど、負担増を実施するとともに、区民を生活保護に追い込むほどの保険料や区民税の徴収強化を進めてきました。
さらに、この間、毎年人口が増加しているにもかかわらず、区の職員を削減し、学校や保育所の給食調理業務や用務業務、学童保育クラブや児童館、福祉会館などの民間委託を行い、区みずからが不安定、低賃金の労働者を増加させてきました。
このような区民犠牲の行財政改革を行う一方、区は基金をため込み、平成25年度決算時点で基金総額は過去最高の886億円にも膨らんでいます。区民への負担増や施策の切り捨て、不安定雇用を広げながら莫大な基金をため込む区民犠牲の行財政改革は見直すべきではないでしょうか。見解を伺います。
区はさらに、今後、行財政改革の後期計画を策定し、引き続き民間委託の推進、区民への負担増、徴収強化を進めようとしています。
第3回区議会定例会で報告された、計画に盛り込む個別項目には、生活保護事業のあり方の検討が新たに盛り込まれ、生活保護の訪問業務まで民間委託しようとしています。生活保護の訪問業務は、被保護世帯の生活実態を把握するなど、プライバシーにかかわる業務です。また、ケースワーカーは、被保護世帯の生活実態を把握した上でどのような支援が必要か判断するなど、極めて重要な業務を行っています。
区は民間委託への検討の理由を、被保護世帯数の増加や支援の多様化に対応するためとしていますが、そもそも被保護世帯が増加しているにもかかわらず、十分な職員の増員を行ってこなかったことこそ問題です。
被保護世帯の増加と支援の多様化に対応するためと言うのであれば、民間委託ではなく、社会福祉士の資格を持った専門職員を増員すべきではありませんか。見解を伺います。
また、窓口業務のあり方検討では、豊洲シビックセンター内出張所での業務見直しを踏まえ、区民課等の窓口業務のあり方を検討することが新たに盛り込まれました。住民票や戸籍の記載内容は極めて重要な個人情報で、委託業者に幾ら守秘義務を課しても常に情報漏えいの危険にさらされることになります。窓口業務の民間委託は行うべきではありません。見解を伺います。
さらに、後期計画では、後期高齢者医療保険料の徴収強化や庁舎駐車場の有料化の検討など、新たな区民への負担増が盛り込まれています。
後期高齢者医療保険料は、見直しのたびに保険料が引き上げられ、年金の引き下げや消費税の増税で、払いたくても払えない状況が広がっています。保険料の滞納が発生しているのは、年金から天引きできない年間18万円以下の年金しかもらっていない世帯です。徴収強化策だとして正規の保険証を取り上げ、短期被保険者証や資格証明書になってしまえば、病院にかかれなくなり、命にかかわる事態になりかねません。資格証明書や短期被保険者証の発行は行うべきではありません。見解を伺います。
また、庁舎駐車場の有料化は、相談や手続など、必要性があって区役所に来る区民に対して負担を求めるものです。気軽に来庁してもらうことこそ必要ではないでしょうか。受益者負担という理由で新たな負担を求めることはやめるべきです。見解を伺います。
次に、本区の来年度予算編成について伺います。
安倍政権のもと、区民の暮らしは厳しくなるばかりです。生活保護世帯は、10月時点で7,700世帯を超え、前年と比べ170世帯近く増加しています。国民健康保険料が払えない世帯は約3万世帯、被保険者の4割近くにも達しています。また、就学援助を受けるこどもの数も、小学生で22.6%、中学生では38.5%にもなっています。
日本共産党江東区議団が実施した区民アンケートでは、暮らしが厳しくなったと答えた人が6割を超えています。区長は区民の生活実態について、どのように認識しているのか、伺います。
安倍政権による悪政が進められているときだからこそ、区政が区民の暮らしを守る防波堤の役割を果たすべきです。日本共産党江東区議団は、この間、区民アンケートに取り組むとともに、障害者や中小業者、医療関係者など、区内のさまざまな団体の皆さんとの懇談会を実施し、区民要望を伺ってきました。区長には、区民から寄せられた要望や区政の重要課題について、462項目に上る予算要望書を提出していますが、来年度の予算編成に当たり、区民生活の実態を踏まえ、以下の視点を盛り込むことを求めるとともに、見解を伺います。
第1は、暮らしが厳しくなる中、命と健康を守るため、国民健康保険料や介護保険料の引き下げ、有料化したがん検診を無料に戻すこと、また、入院見舞金や重度介護手当の支給など、医療や介護の負担軽減策を実施することが必要だと思いますが、伺います。
第2は、公立保育所の増設や特別養護老人ホーム、障害者のグループホームなど、不足する福祉施設について、民間任せの姿勢を改めて、区の責任で増設すべきだと思いますが、伺います。
第3は、こどもの貧困などが社会問題になる中、23区で一番高い保育料の引き下げ、こどもの医療費助成を18歳まで引き上げること、就学援助の対象拡大など、子育てや教育にかかる負担の軽減を行うべきだと考えますが、伺います。
第4は、消費税増税で景気が悪化する中、景気対策融資の実施や、仕事おこしのための住宅リフォーム助成、店舗・設備改修助成など、中小企業への直接支援を行うなど、地域経済を支える中小企業支援を抜本的に強化すべきだと思いますが、見解を伺います。
第5は、これ以上の民間委託は行わず、暮らしや福祉を支え、災害時などでも重要な役割を果たす区の正規職員の増員を図るべきだと思いますが、見解を伺います。
国民健康保険料を1人当たり年間1万円引き下げるのに必要な予算は約13億円、介護保険料を年間5,000円引き下げるには約6億円、がん検診を無料に戻すには約2,600万円、子ども医療費助成の18歳までの引き上げは約2億円あれば可能です。区の財政状況や886億円にも膨らんだ基金を活用すれば、財政的にも十分に実現できます。見解を伺います。
大綱の第2は、江東区のまちづくりについてです。
2002年、小泉内閣は、都市再生の名のもとに都市再生特別措置法を制定し、規制緩和で東京一極集中を進めてきました。
東京都では、石原都政のもとで世界都市・東京を目指すとし、都心部を中心に同時多発的な開発を打ち出し、国と一緒になって大規模開発を進めてきました。
江東区では、豊洲や有明など、臨海地域が国の都市再生緊急整備地域に指定され、超高層マンションが次々と建設されてきました。
山崎区長は、この間、国や都の都市再生路線に追随し、「人口は力だ」と言って、学校受け入れ困難地区でのマンション建設を抑制する条例を廃止し、みずから大規模開発を促進してきました。一方、公共施設の整備は立ちおくれ、保育所や学校の教室不足は深刻な状況です。
安倍内閣は成長戦略に基づき、都市再生特別措置法の改正や国家戦略特区で一層の規制緩和を行い、舛添都知事も東京大改造を掲げ、年内に長期ビジョンを策定するとともに、さらなる東京・都心集中を進める都市計画マスタープランの改定を行う予定です。
これ以上の大規模開発促進は、江東区の公共施設の不足を一層深刻にしてしまいます。国や都の規制緩和による大規模開発促進政策への追随はやめ、見直しを求めるべきではないでしょうか。伺います。
これまで住宅がほとんどなかった有明地域では、この間、大規模マンションが次々と建設される一方、人が生活する上で必要な施設などの整備が大きく立ちおくれる状況です。
日本共産党江東区議団が実施した区民アンケートでも、有明地域には「公園がない、幼稚園がない、児童館も図書館もない」など、公共施設の整備を求める声が寄せられています。図書館や文化センター、子育て施設など、区として早急に整備をすべきではないでしょうか。伺います。
また、有明北地区では、大手開発業者による1,750戸の大規模マンション建設計画を初め、オリンピック・パラリンピック後には、競技施設跡地は住宅用地として開発が進められていく予定です。
東京都の地区計画では、有明北地区の人口フレームは3万8,000人ですが、区が今後行う公共施設の整備は、(仮称)第二有明小・中学校と保育所が1園しかありません。
現在、人口2万9,000人の豊洲地域では、学校や保育所の不足が深刻です。公共施設を整備するための用地の確保も大変困難です。豊洲小学校や豊洲北小学校は増築を繰り返し、工事期間中はこどもたちにも負担がかかり、工事後も校庭が狭くなり、教育環境が悪化しました。
豊洲地域以上の人口フレームを持つ有明地域で同じ過ちを繰り返さないためにも、人口フレームに見合った公共施設の整備計画を策定すべきではないでしょうか。また、東京都に対し、都有地の提供を求めるべきではないでしょうか。伺います。
次に、辰巳団地の建てかえ問題について伺います。
辰巳団地ではようやく建てかえ工事が始まりました。公共事業での入札不調などが相次ぐ中、工期のおくれなどが発生しないよう、着実な実施が求められます。
辰巳団地は建設されてから47年余りたちますが、この間、一度も大規模修繕が行われていません。共用廊下の手すりもペンキがぼろぼろに剥げ、排水管清掃のたびに下水管が破損するなど、施設の老朽化は深刻です。全体の建てかえが終了するのは10年以上も先になります。建てかえが後になるところについては、耐震工事だけでなく、建物や設備の修繕を行うよう求めるべきではないでしょうか。伺います。
この間、高齢者住宅、シルバーピアの設置を求める私の質問に対し、区は、東京都とも相談して検討していきたいと答弁していますが、いまだ具体化されていません。辰巳団地では高齢化が進み、3,200世帯の団地で70歳以上の居住者が約2,000人で、ひとり暮らし高齢者も増加しています。見守り支援を行うことのできるシルバーピアの設置を早急に都と協議すべきではないでしょうか。見解を伺います。
辰巳団地の建てかえ計画では、新たに高齢者の福祉施設用地が確保されていますが、内容の具体化はまだこれからです。地域包括支援センターや特別養護老人ホーム、地域交流スペースなど、高齢者の生活を総合的に支援するための施設を整備すべきだと考えますが、見解を伺います。
次に、カジノ解禁問題について伺います。
安倍政権は、カジノ賭博場の合法化を成長戦略の目玉と位置づけ、カジノを解禁しようとしています。江東区臨海部にカジノが設置されれば、江東区のまちづくりに悪影響をもたらします。
区長は、会議施設や展示施設、宿泊施設やこどもたちも遊べるレクリエーション施設とセットでカジノをつくる統合型リゾート(IR)について、観光振興や雇用創出など、経済活性化につながるとして、カジノ解禁を容認する立場を表明しています。
IR施設の収益の約8割はカジノ賭博だと言われています。賭博は新たな付加価値を生み出すものではなく、単に人のお金を巻き上げるだけで、負ける人が多ければ多いほど収益が上がるような仕組みは、まともな経済対策とは言えません。
また、IR施設は、顧客を全て囲い込み、周辺地域で使われるお金がカジノに全て吸い上げられてしまうことになり、江東区の観光振興にも役立たないと思いますが、見解を伺います。
カジノは、健康で文化的な社会の基盤をなす勤労の美風を害し、暴力団の暗躍、犯罪の発生、風俗環境の悪化、青少年の健全育成への悪影響、ギャンブル依存症など、さまざまな問題を引き起こします。だからこそ賭博は現在、犯罪として刑法で禁じられています。
私たち日本共産党江東区議団が行った区民アンケートでも、賛成が2割弱なのに対し、反対は6割近くにも上ります。江東区の健全な発展にとって大変な悪影響をもたらすカジノを解禁しないよう政府に求めるべきではありませんか。
以上、区長の見解を伺い、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
2014年第3回定例会―赤羽目たみお議員
私は、日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。
- 介護保険制度と高齢者支援について
- 若者の雇用と生活支援について
- 教育問題について
大綱1点目、介護保険制度と高齢者支援について伺います。
介護保険について区民から、「高い介護保険料を払っているのに必要なときに使えない」、「利用料が高いのでヘルパーさんを断った」、介護現場からも、「職員の確保が厳しい」、「ゆとりを持って介護がしたい」など、多数の声が上がっており、介護保険制度の充実、改善が強く求められています。
しかし、安倍政権はこうした願いに背き、介護保険制度の改悪を強行。今でさえ保険あって介護なしの状況をさらに深刻化させると、批判が広がっています。
今回の制度改悪によって、要支援者は訪問介護、通所介護から外され、区が実施する新たな総合事業に移行されます。区民から「今までと同じサービスが受けられるのか」と不安の声が寄せられています。区は、これまでボランティアやNPOなどの地域資源や既存の介護事業者を活用して、必要なサービスを提供していくと答弁してきましたが、受け皿となるボランティアがどのくらい必要かという見当もついておらず、NPOの把握も進んでいません。また、介護事業者や社会福祉協議会、シルバー人材センターも対応は困難だと言っています。区はこうした状況をどう認識し、今後対応していくのですか、伺います。
このまま移行されれば必要なサービスの提供ができないことは明らかであり、区民生活に重大な影響を及ぼします。区長は、安心して介護が受けられるよう、介護保険制度の見直しを求めるべきです。伺います。
次に、介護保険料について伺います。
現在、区は、来年4月からの介護保険料の見直しを行っています。私たち区議団が行った区民アンケートに、「年金は減る一方で保険料、医療費、電気代などが値上げされ生活が苦しい」、「介護保険料の負担が非常に重い」という声が多数寄せられています。来年も年金は削減され、消費税の増税も予定されており、生活が苦しいと嘆く高齢者に今以上の負担増は耐えられません。
区は約18億円が見込まれる介護給付費準備基金を活用することや、特別区長会を通じて要望している国庫負担の引き上げを実現させるなど、あらゆる手だてを尽くし、介護保険料の負担を軽減すべきです。伺います。
次に、特別養護老人ホームの増設についてです。
現在、区の特別養護老人ホームの待機者は2,000人を超える深刻な状況です。区民から、「母の介護で疲れて病気になり倒れそうです。江東区の特別養護老人ホームに申し込んでいますが入れません。歩くのが困難で認知症も進み、昼眠って夜騒ぎ、介護者は眠れなくてつらいです」と、このように施設整備のおくれが家族介護者を精神的にも肉体的にも追い詰めています。
我が党は、この間、都有地や国有地を活用して特別養護老人ホームの増設を求めてきました。このたび東京都は、特別養護老人ホームを整備する際の都有地貸付料の一層の減額と保証金の減免等を行う、新たな支援策を打ち出しました。この支援策を活用し、区として引き続き特別養護老人ホームの増設を行うべきです。伺います。
次に、地域包括支援センターの充実について伺います。
地域包括支援センターは、介護、医療、福祉などが連携をとり、高齢者の生活を総合的に支える重要な拠点施設です。ところが、現場からは、「職員が定着しない」、「1人で70件のケアプランの作成に追われ、訪問活動が困難」などの声が上がっています。増加する高齢者に対し、十分な支援が行えていない状況をどう認識していますか、伺います。
区は地域包括支援センターの機能が十分発揮できるよう一層の増員配置など、体制強化を図るべきです。そのためには、全ての在宅介護支援センターを地域包括支援センターに移行し、充実させ、きめ細かい支援を行うべきです。区は移行について、「今後、考えていきたい」と答えていますが、高齢者人口が急増する中で速やかに整備すべきです。
さらに、高齢者の生活実態を直接把握し、区が中心になって暮らしを支えるために、区直営の基幹型地域包括支援センターを整備すべきです。あわせて伺います。
大綱2点目、若者の雇用と生活支援について伺います。
今、若者を使い捨てるブラック企業のような違法、無法な働かせ方が、学生やアルバイトにも広がり、ブラックバイトという新たな社会問題が起きるなど、若者の雇用と暮らしを取り巻く現状は厳しさを増しています。
私たち区議団にも、「パートで働いているが手取りは16万円、生活するのがやっとで貯金はできない。将来のことを考えると不安でいっぱい」、「上司からのパワハラに耐え切れず退職した。再就職したいが仕事がなく、自分は必要とされていないと思う」という切実な声が多数寄せられています。区内でも深刻な若者の実態について、区長の認識を伺います。
安心して働き、暮らしたいという若者の願いに反し、安倍政権は、違法であるサービス残業の合法化や不安定雇用を拡大させる労働者派遣法の改定など、労働法制の大改悪を推進していることは許せません。区長は我が党のこれまでの質問に対し、「国の審議の動向を見守る」などと答弁してきましたが、若者が人間らしく働き、成長できる雇用のルールに改善するよう求めることが必要です。区長は政府に対し、労働者派遣法の抜本的改正を行い、正規雇用の拡大を図ること、さらに、最低賃金を1,000円以上に引き上げることを求めるべきです。伺います。
多くの若者が、労働基準法を初め、労働者としての権利や雇用主の責任について何も知らされず、低賃金・長時間労働を押しつけ、若者を使い潰すブラック企業やブラックバイトで働きながら泣き寝入りの状態になっています。労働法を知らないがゆえに不利益を受ける若者を減らすために、東京都が発行している冊子「ポケット労働法」を成人式の案内に同封するなど、積極的に活用すべきです。伺います。
若者の相談に乗る窓口を設置することも重要です。就職や仕事などに関して悩みがある若者の職業的自立を支援し、雇用問題の相談と解決を図るため、窓口を直接区の事業として取り組むべきです。伺います。
次に、ひきこもり支援について伺います。
雇用破壊や労働条件の悪化が進み、ひきこもりや若年無業者など、人間的自立に困難を抱えている若者がふえています。15歳から34歳のひきこもり者数は、都が行った調査によると、都内で2万5,000人、江東区内でも760人以上と推計されています。
私のところにも、「派遣社員で働いていた息子が体調を崩し、雇いどめに遭ってから2年以上、家から出ようとしない。どこに相談したらいいのかわからない」という声が寄せられています。支援策の拡充が強く求められています。区長は、きめ細かい支援を行うために実態調査を行うべきです。さらに、足立区が行っているひきこもり者への訪問相談や居場所の確保、社会体験事業などを江東区としても行うために、医療や福祉、教育など、関係機関と連携して常設の総合支援窓口を設置すべきです。伺います。
次に、若者の住宅支援について伺います。
居室が極端に狭く、建築基準法などに抵触している危険な脱法ハウスが社会問題になるなど、低賃金、非正規雇用の拡大に加え、社会保障の負担増や消費税増税で、若者の住まいの確保が困難な状況が続いています。こうした問題の原因は、都営住宅を全くつくらず、単身者への住宅対策が軽視され続け、民間賃貸住宅家賃の高負担を放置してきた住宅政策にあると言わざるを得ません。区長は、都営住宅の建設や低所得の若年単身者を都営住宅の入居対象に加えるよう、東京都に求めるべきです。
また、区として、低所得の若者などを対象に家賃補助制度を創設することや、区内の空き家の実態調査を行い、シェアハウスなどに転用できる住宅は、区の責任で調整・あっせんする制度を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
大綱3点目は、教育問題について伺います。
まず、いじめ問題についてです。
先月、江東区いじめ防止基本方針が策定され、今後、各学校の基本方針がつくられると聞いています。いじめを防止するためには、こどもがいじめられずに安全に生きる権利を持っていることを明らかにし、それを保証することが重要だと考えますが、区教育委員会の見解を伺います。
次に、区のいじめ防止基本方針では道徳教育の充実が示されています。市民道徳が重要なことは言うまでもありません。しかし、多くの関係者が指摘しているように、道徳教育の名で一方的に規範意識を教えるやり方は、いじめの解決をおくらせ、陰湿化させる危険があります。何よりも全てのこどもが人間として尊重されることを教える人権教育を重視すべきと思いますが、見解を伺います。
学校の基本方針策定に当たっては、教職員が情報を共有し、学校全体で知恵と創意を結集して対処することが重要です。各学校でつくられる学校いじめ問題対策委員会は、いじめを発見したときの機敏な対応を初め、相談窓口、情報収集、いじめの対応の中心として動きやすい組織となるよう、また、いじめ防止等の創造的な教育実践を支援するような組織にすべきです。伺います。
いじめのない学校づくりのためには、教育条件の拡充が不可欠です。今、学校現場では、教職員同士を評価し合う主幹教諭制度の導入や授業時間の増加によって、長時間・過密労働が常態化し、こどもが抱えている悩みや心の声に耳を傾ける余裕が持てないという声が上がっています。
教職員を増員するとともに、多過ぎる報告や事務処理を教職員参加のもとで整理し、教職員一人一人がこどもたちに向き合うことができ、多様な価値観や課題、困難を抱えるこどもたちを支え、成長できるような学校づくりを進めることが必要です。そのためにも、「生徒一人一人に目が行き届くようになった」など、試され済みの少人数学級を全学年で実施するよう、国や東京都に求めること。さらに複雑化する家庭の問題などに応対するスクールソーシャルワーカーを増配置すべきです。伺います。
いじめ問題の根本的解決を図るためには、これまでの学校と教職員に対する上からの一方的な管理統制主義、そしてこどもたちへの過度な競争、選別教育を改め、教職員や学校の創造性を励まし、全てのこどもたちが生き生きと学び、それぞれの能力を豊かに伸ばせる教育を目指す方向へ、教育のあり方を転換すべきです。伺います。
次に、教育費負担の軽減について伺います。
憲法第26条には、「義務教育は、これを無償とする」と明記されています。しかし、実際には制服や体操着代、給食費、修学旅行の積み立てなどは保護者負担となっており、消費税増税など経済環境が悪化するもとで、教育費負担を軽くしてほしいという声が大きく広がっています。お金の心配なく安心して勉強できる条件を保障することは、国や自治体の重大な責任です。
区は、就学援助の認定基準を引き上げ、支援対象の拡大を図るべきです。また、負担が重い給食費について、品川区、葛飾区では多子世帯の給食費に補助を行い、文京区ではひとり親家庭を実質無料にしています。江東区も給食費負担の軽減を図るべきです。あわせて伺い、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
2014年第3回定例会―赤羽目たみお議員(動議提出)
この際、動議を提出いたします。
ただいま一括議題となりました認定案第1号から認定案第4号までの4件につきましては、議長を除く42名の委員をもって構成する平成25年度決算審査特別委員会を設置されまして、これに審査を付託されることを望みます。
(「賛成」「賛成」と呼ぶ者あり)
2014年第3回定例会―そえや良夫議員
日本共産党区議団を代表し、大綱4点について質問します。
- 集団的自衛権行使について
- 消費税増税と中小事業者支援について
- 自治体の役割を投げ出す本区の行財政計画について
- 子ども・子育て支援新制度について
第1は、集団的自衛権行使についてです。
7月1日、安倍政権が集団的自衛権行使容認の閣議決定をした後も、国民の批判が広がり続けています。世論調査では、「反対、評価しない」が、閣議決定直後から過半数にのぼり、8月上旬の調査では6割近く、20歳から30歳の若者では7割近くに達しています。自民党元幹事長の古賀誠さんや小林節慶応義塾大学教授、公明党の元副委員長だった方などが、安倍政権の危険な暴走に、「戦争の怖さを知らないもの」、「憲法第9条を壊す」、「立憲主義を否定」など、厳しく批判しています。
安倍首相は、国内では「閣議決定によっても何も変わらない、今までどおり」と言いながら、外遊先では、「閣議決定を具体化するために法体系を一新する」と、危険な狙いを隠しません。日本の進路にかかわる重大な問題です。
ところが、区長は、前定例会での我が党議員の質問に、「国や国会の動向を見守る」と繰り返し、何一つまともに答えませんでした。あなたは集団的自衛権行使を容認するのですか、伺います。
本区でも、自衛隊が住民基本台帳を閲覧し、18歳から26歳までの若者に入隊を働きかけています。戦争になればこうした若者が戦場に駆り出され、殺し合いをさせられます。また、戦場に行かなくても、戦争が起これば多くの国民が犠牲になります。
原爆で多くの命を奪われた広島・長崎市でのことしの平和祈念式典では、被爆者から集団的自衛権行使容認の閣議決定に批判が相次ぎました。
3月10日の東京大空襲で数万人もの犠牲者を出した本区は、平和を希求する江東区民の強い願いに基づき、「我が国が日本国憲法に掲げられた恒久平和の理念と、「非核三原則」を堅持していくことを強く求める」との平和都市宣言を採択しています。集団的自衛権行使は、この本区平和都市宣言と相入れないものと思いますが、認識を伺います。
また、憲法尊重・擁護義務を持つ区長として、同じく憲法擁護義務を持つ政府に対し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回するよう求めるべきではありませんか、伺います。
第2は、消費税増税と中小事業者支援についてです。
4月からの消費税増税強行に、高齢者は「年金は下げられ、消費税も保険料も上げられて暮らしていけない」と悲鳴を上げています。都内屈指の商店街、砂町銀座商店街でも、「昨年より売り上げが1割減った」などの声が上がっています。区長は我が党の質問に対して、「消費税増税は社会保障のために必要」と答えてきました。しかし、ことしの消費税増税分5兆円のうち、社会保障のために使われたのはわずか1割、5,000億円にすぎません。消費税増税が社会保障のためどころか、区民の暮らしや営業に深刻な打撃となっています。区長の認識を伺います。
消費税増税を機に個人消費も国内総生産も大きく落ち込み、最近の世論調査では、来年10月の消費税増税について、見送り、反対が、合わせて8割に上ります。政府に対し、来年10月の増税中止を速やかに決断するよう求めるべきです。伺います。
次に、国の経済施策についてです。
安倍政権の経済政策でもうけをふやしたのは大企業だけで、末端まで潤うどころか、実質所得は低下し、景気の先行きが懸念されています。この上、さらに大企業のもうけのために、労働法制の改悪や外形標準課税の拡大などで暮らしや中小企業を痛めつければ、景気は悪化するばかりです。
「アベノミクスは失敗しつつあるのか」との社説を掲げたイギリスの経済誌フィナンシャル・タイムズは、創出された雇用の多くは低賃金と指摘し、正社員と非正規雇用労働者との格差を縮める必要性を強調しています。国に対し、実質所得をふやし、GDPの6割を占める個人消費を拡大する政策に切りかえるよう求めるべきです。伺います。
次に、区内中小事業者への支援体制についてです。
安倍政権の経済政策が区内中小事業者の経営を一段と困難にしています。ことし6月に制定された小規模企業振興基本法を踏まえ、区独自の支援を強化し、地域経済の活性化に力を尽くすべきです。区長、伺います。
区は、昨年、製造業と商店街を対象に産業実態調査を実施しました。しかし、委託業者によるアンケート調査がほとんどで、区職員もかかわった訪問調査は製造業の26社のみ、商店街は歩いて視察しただけ。調査報告には、具体的な支援策もありません。
同様の調査を行った荒川区では、区の職員が巡回相談員と一緒に事業所を訪問調査、猛暑の中で働く現場を見て、小規模事業者を対象に、上限100万円、補助率25%の荒川区小規模事業者経営力強化支援事業を始めました。墨田区は、17人の巡回指導員を中心に3,551社を訪問調査、並行して行った事業承継等についてのアンケート調査とあわせて、区域内の産業・技術の集積を継承するための取り組みを強化しています。
区長の中小事業者支援に対する構えが問われます。本区の製造業の事業所数は、墨田区とほぼ同じです。しかし、巡回相談員は、墨田区17人に対し本区はわずか5人、3分の1以下です。経済課職員も巡回相談員も大幅に増員し、支援体制を抜本的に強化すべきです。伺います。
次に、具体的な支援策についてです。
製造業の調査では、加工を中心とする事業者の4割近くが機械、設備の老朽化で、また、2割以上が建物の老朽化で困っていると答えています。一方、経営状況は横ばい、または不振が、あわせて6割以上を占め、老朽化した設備等の改善を決断しにくい実情がうかがえます。速やかな訪問調査と改修に対する助成事業を行うべきではありませんか。伺います。
商店街については、役員の高齢化が進んでいることなどを踏まえ、早めに個店支援策にかじを切りかえる方向も必要との指摘があります。老朽化した設備や地代の更新などを機会に、廃業している商店は少なくありません。「ことみせ」のような個店紹介事業では間に合いません。商売の継続、世代継承を支援するためにも、設備や備品などの更新に対する補助事業に速やかに踏み出すべきです。伺います。
区内の小規模事業所のうち建設業の数は、小売り、飲食業に次ぐ大きな位置を占めています。しかし、依然仕事が少ないなど苦労をしています。中小建設業者の支援を地域経済活性化のためと位置づけた住宅リフォーム助成は、全国的には5つの県と556区市町村で、都内でも4区5市1町で実施され、業者からも利用した住民からも大変喜ばれています。本区でも速やかに取り入れるべきです。伺います。
第3は、自治体の役割を投げ出す本区の行財政計画についてです。
歴代政府は財界の言いなりに、行革の名のもと、社会保障費削減と規制緩和を進め、自治体に対しては、民間活力の活用などとして正規職員を削減し、非正規労働者への置きかえと民間委託の拡大を押しつけてきました。その結果、低賃金、不安定労働が拡大し、区民サービスが低下するなど、さまざまな問題が起きています。
保育所の運営委託は、運営費3,500万円の引き下げと、直営時には実施しなかった長時間保育の実施が最低条件となっています。価格を引き下げ、より多くの仕事を求める、まるで大企業の下請いじめではありませんか。
しわ寄せを受けた保育士は、重い責任と劣悪な処遇のため、わずかなきっかけで退職、保育士がころころ変わり、経験年数が浅い保育士が多いことに、保護者からも不安の声が上がっています。さらに、保育士が確保できず、こどもを定員まで受け入れられない事態まで起きています。さらなる運営委託は中止すべきです。
給食調理業務の民間委託では、こどもたちに安全な給食を保障するために、新たに各園ごとに非常勤栄養士を配置しています。
また、委託先労働者は、期間12カ月の契約社員での募集も多く、賃金は区職員の半分程度、一緒に働くパート労働者の時給も900円前後にすぎません。民間委託の拡大は、低賃金、不安定雇用を拡大しています。しかも、民間委託は経費削減にもなっていません。給食調理業務を委託した23園の平均委託料は、1園当たりおよそ1,380万円で、直営で調理する人件費を上回り、民間委託にかかる経費全体では、年間合わせて9,000万円を超える支出増加となっています。委託業者をピンはねでもうけさせているだけではありませんか。保育所給食調理業務の民間委託拡大は中止すべきです。伺います。
次に、技能系職員の削減問題についてです。
区は、道路や街路灯などの点検・補修作業や集中豪雨の際の対応など、区民の安全確保に欠かせない技能系職員の削減を推し進めてきました。その結果、土木事務所の職員は、平成12年の70人から24人に、およそ3分の1に減らされ、今では集中豪雨でも当日では土のうも持ってきてもらえません。
また、道路事務所では、昨年まで職員が3つの班をつくって区内を巡回し、点検・補修などを行ってきました。それがことしから2班体制に縮小され、8月から11月までの4カ月間だけ民間委託で補充されました。しかし、不良箇所を見つけても、作業の中身は区職員の判断が必要で、緊急時の対応におくれが出る心配があります。技能職の業務委託は、技能の継承を困難にし、区民の安全をないがしろにするものです。技能系職員を採用し、正規職員による保守点検体制を強化すべきです。伺います。
次に、窓口業務の民間委託についてです。
窓口業務の民間委託についての我が党議員の質問に、区は前定例会で、既に実施している足立区の状況を注視すると答えました。
その足立区の民間委託について、東京法務局は、戸籍受け付けは判断業務であり、民間がやることは戸籍法違反として改善を指示。この指示に基づいて、区の職員が関与したら、今度は東京労働局が、偽装請負に当たり、労働者派遣法違反と断定しました。しかも、区民からは、「2月に入籍、4月に養子縁組の手続をしたが、ともに1日がかり」という批判も寄せられ、記者会見で足立区の近藤区長は、「窓口で長時間待たせてしまった」と謝罪。委託前に比べて経費が1,188万円余計にかかることも認めました。
窓口業務は、区民の生死や所得状況などの人権、プライバシーにかかわる情報を取り扱うもので、ベネッセ事件のように流出したら取り返しがつきません。窓口業務の委託は検討そのものを取りやめ、正規職員による安全で良質な区民サービスの提供体制を強化すべきです。伺います。
次に、行財政改革と区民の暮らしについてです。
区は、施設使用料などの定期的な値上げや区税、国民健康保険料の徴収強化を行革の柱の一つに位置づけ、一昨年は文化・スポーツ施設の使用料、利用料の大幅値上げ、昨年は無料で行ってきたがん検診の有料化、さらに今後も受益者負担の名目で区民への負担強化を進めようとしています。また、財政基盤の強化を掲げ、特別区民税、国民健康保険料滞納者の生活費を差し押さえるような徴収強化。そうしてため込んだ基金は過去最高。本末転倒です。住民福祉向上という自治体の本旨に立ち返り、ため込み主義を改めて、区民負担の軽減、暮らし応援に切りかえるべきです。伺います。
第4は、子ども・子育て支援新制度についてです。
新制度は、保育の市場化を目指した制度改革をベースに従来の規制を緩和するもので、不安と改善を求める声が上がっています。しかし、区の保護者に対する直接の説明はいまだに一度も行われず、保育園に国がつくったパンフレットを置いておくだけ。余りにもひど過ぎます。全ての保護者に速やかにわかりやすく説明すべきです。伺います。
次に、保育施設及び運営に関する基準を定める条例についてです。
本区では、こどもたちの安全で健やかな保育を保障するために、国が定めた最低基準に上乗せして、区独自の保育面積や保育士の配置基準をつくってきました。
例えばゼロ歳児室1人当たりの保育面積は、国の基準3.3平方メートルに対し、本区は5平方メートルに。保育士の配置も、1歳児では、こども6人に保育士1人の国基準に対し、本区はこども5人に保育士1人、さらにゼロ歳児が9人以上いる保育所に看護師を配置するなどです。
しかし、区が新たに定める施設及び運営に関する基準を定める条例案には、これまで積み上げてきた肝心の上乗せ部分は全く記載がありません。区は新制度になっても、認可保育所の面積基準や保育士の配置基準は、現在の水準と変わらず、維持・継続すべきと答えてきました。それならば新たに定める条例に、これまで本区がつくり上げてきた基準を明記すべきです。伺います。
また、新制度では、新たにゼロ歳から2歳児を対象にした、定員19人から6人の小規模保育と5人以下の家庭的保育が、認可施設とされますが、その保育士配置基準の引き下げは、こどもの命にかかわる重大問題です。
小規模保育B型では、保育士が職員数の半分で、小規模保育C型と家庭的保育では、保育士がいなくても認可施設とされます。現行では、認可外とされる水準への引き下げです。しかし、保育施設での死亡事故は、厚生労働省の調査でも、ゼロ歳から2歳児が8割を占め、しかも、保育士の配置等が不十分な認可外施設での事故は、認可施設の2倍以上に上ります。新たに認可される小規模保育などの保育士配置基準の引き下げは、こどもの命を脅かすものです。現行認可基準の引き下げは許されません。小規模保育の施設と運営基準に現行の区の基準を盛り込むべきです。伺います。
次に、施設の安全基準についてです。
新制度で、建物の4階以上に保育室を設置する場合に、これまで義務づけられてきた屋外避難階段の設置が外されたのは問題です。ビルの一室での保育が想定される小規模保育は、こどもの安全や災害時の避難を考慮し、設置は原則2階までとし、3階以上となる場合は、屋外避難階段等の設置を義務づけるべきです。伺います。
次に、放課後児童健全育成事業についてです。
現在、学童クラブ及び江東きっずクラブB登録事業は、家庭にかわる居場所を保障するため、各施設とも教員、保育士などの資格を持つ2人以上の指導員により運営されています。ところが、新制度に伴って示された条例案では、有資格者は1人以上とされています。新制度移行に紛れてのこどもの保育環境の引き下げは許せません。現行どおり2名の有資格職員の配置とすべきです。伺います。
次に、待機児童対策についてです。
待機児童解消に向け、保育施設の増設が図られていますが、一方で、園庭がない保育園がふえ、公園への園児の集中、水遊び、プール遊びができないなど、施設面での新たな課題が生まれています。
また、民間委託の拡大や営利目的の株式会社の参入が、保育士の処遇を悪化させ、保育士の入れかわりが激しくなって、保育士の質の低下が心配されています。
特に株式会社が運営する認可保育所では、園長自体が開園後1カ月や半年程度で交代する例があり、1年程度での交代も珍しくありません。安定した保育を保障する上で極めて重大な事態です。実態を調査し、問題ある法人には改善を求めるべきです。伺います。
保育環境と質を維持しながら待機児童解消を進めるためにも、民間任せにせず、都有地活用の新たな制度も活用し、区立認可園の増設を図るべきです。
以上、伺って質問を終わります。(拍手)
2014年第2回定例会―斉藤信行議員
私は、日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点について伺います。
- 地方自治体をめぐる状況とその役割について
- 労働法の改悪について
- 教育問題について
まず、第1は、地方自治体をめぐる状況とその役割についてです。
安倍政権による地方交付税の削減、福祉・医療の大改悪、加えて高齢化と人口減少などにより、自治体は厳しい状況に置かれ、住民福祉の増進という使命が果たせない状況に追いやられつつあります。
23区でも、法人住民税の一部国税化で独自財源が539億円も国に吸い上げられ、本区も30億円減収の影響を受けます。特別区長会の対応のおくれもあり、23区の独自財源である法人住民税の一部国税化を許したことに、区長はどのような認識をお持ちか。消費税が10%に引き上げられたら、さらに国税化が拡大されると危惧されています。国税化の撤回と復元を国に求めて、今後どう運動していくつもりか、伺います。
今、自治体は、平成の大合併で住民に身近な仕事が遠くなり、交付金削減の追い打ちで一層疲弊しています。政府は、財界、大企業の要求に沿って、地方を大再編する道州制の導入への動きを強めています。これに対し、全国町村会や自治体の首長、議会、住民から、「中央集権が強まる」、「地方自治の破壊だ」と、厳しい批判の声が上がっています。道州制は23区の統合にも連動するもので、住民不在、地方自治破壊の道州制には反対すべきです。伺います。
地方自治体は、最も身近な住民自治として、命と暮らしを守る防波堤の役割が一層求められています。山崎区政は、この間、行財政改革と称し、民間委託、職員削減、非正規雇用の拡大など、自治体の役割を放棄し、加速させています。本区は、既に120もの施設を民間に委託し、利潤追求の株式会社にまで委託しています。自治体の仕事は利潤を目的にするものではなく、株式会社に委託すれば、そのしわ寄せが労働者の低賃金や労働条件の悪化を招き、利益をさらに上げるため、委託料の引き上げ要求へとつながりかねません。
株式会社に委託している自転車駐車場で働いている人は、時給870円で、最低賃金869円を1円上回るだけであり、法違反ぎりぎりの状態で、「ひど過ぎる」との声も上がっています。
区が委託している保育園でも、賃金が低く仕事はきついなど、ある保育園では平成22年度で10人、平成23年度で6人も保育士がやめ、他の保育園でも同様の事態が起き、園児への影響も懸念されます。
学校給食調理業務でも、パートで時給900円前後と賃金が低く、入れかえが激しく、ワーキングプアを生み出しています。こうした民間委託の実態をどう受けとめているのか。賃金の引き上げを委託先に求めるべきです。伺います。
公共サービス基本法は、「良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるため、労働条件の確保、労働環境の整備に必要な施策を講ずるよう努めなければならない」と、委託先についても自治体にその責任を課しています。ところが、本区は、委託先の労働者の賃金、労働条件の把握もしていません。法に基づき労働条件を把握し、必要な施策を講ずるべきです。伺います。
自治体と契約する事業者に、一定額以上の賃金の支払いを求める公契約条例を制定する自治体が広がっています。都内でも渋谷区、新宿区、台東区、足立区、千代田区、国分寺市、多摩市などに広がっています。良質なサービスを提供し、労働条件の改善から本区も公契約条例を制定すべきです。伺います。
次に、窓口業務の民間委託について伺います。
区は、窓口業務の民間委託に向け、有限責任監査法人トーマツに調査を委託し、その報告書が1月に提出されました。それによると、平成27年4月の実施を想定し、ことしの8月から事業者選定に入るとされています。今後、窓口業務を民間委託するつもりか、伺います。
足立区が、戸籍、住民票などに関する窓口業務を1月から民間会社に委託しました。さまざまな問題が発生しています。東京労働局の立ち入り調査まで行われ、委託先の労働者の業務実態が、違法な偽装請負の疑いで改善指示が出されました。戸籍や課税、国民健康保険など、区民のプライバシーが委託によって外部に漏れるなどの危険性があります。サービスが向上するどころか、手話通訳や外国人の通訳も簡単に利用できなくなり、待ち時間が逆に長くなるなど、住民から厳しい批判と、直営に戻すことを求める声が上がっています。こうした実態をどう認識しているのか、伺います。
平成27年オープン予定の豊洲シビックセンターの窓口業務について、住民票や戸籍などに関するものを含め、民間に委託することを検討していると聞いています。戸籍や個人のプライバシーに係る窓口業務は、足立区の例にあるように民間委託すべきではありません。伺います。
職員を削減し続け、際限のない民間委託を進め、地方自治体の役割をみずから否定するような行革は、矛盾が広がる一方です。根本的に見直すべきです。伺います。
第2に、労働法の改悪について伺います。
安倍政権は、成長戦略において、企業が世界一活躍しやすい国にするとして、法人税のさらなる減税や派遣労働の規制緩和、残業代ゼロなど、労働法の大改悪をやろうとしています。労働者派遣法は何度も改悪され、低賃金で不安定な雇用で働く労働者をふやし続けてきました。それでも「派遣労働者の常用雇用代替の禁止」、「派遣労働は一時的・臨時的業務に限定」という大原則を取り外すことはできませんでした。企業が雇用主としての責任を果たすためには、直接雇用が基本であり、間接雇用は例外的な場合だけというのが、戦後の労働法制の根幹であり、世界で確立している原則だからです。
こうした雇用の大原則を投げ捨て、一層大規模かつ公然と正社員を派遣労働者に置きかえることができるようにする派遣労働の拡大は、労働者全体の賃金を引き下げるとともに、異常な長時間労働など、労働条件の悪化をもたらします。労働組合の連合、全労連、全労協など、ナショナルセンターの違いを超えて反対に立ち上がっています。全労働者に影響する労働者派遣法改悪に反対し、政府に撤回を求めるべきです。伺います。
厚生労働省は、5月28日、産業競争力会議に残業代ゼロ制度の導入を示しました。現行労働基準法では、1日8時間、週40時間と定め、これを超えて働かせる場合は、労使協定を結んで残業代を支払うよう厳しく規制しています。これがなくなれば労働者は際限なく働かされ、いくら働いても残業代も支払われず、過労死しても自己責任として片づけられかねません。
厚生労働省は、月80時間以上の残業は極めて危険性が高いとして、過労死との関連性を認めています。長時間労働やサービス残業が区役所内にも存在しています。首相は、残業代ゼロは対象が限定的と言っていますが、産業競争力会議で幅広い労働者を対象にする意見も出されるなど、一度導入すれば対象は拡大されていきます。労働者・若者の使い捨てやブラック企業の一層の横行を招きます。
今、サービス残業の根絶、最低賃金1,000円以上、解雇規制など、人間らしく働けるルールの確立こそ必要ではないでしょうか。区長は区役所の労働実態を是正するとともに、特別区長会や全国市長会にも呼びかけ、労働法の改悪に反対していくべきです。あわせて伺います。
第3に、教育問題について伺います。
教育委員会制度の改変に、教育関係者、父母から不安と反対の声が相次いでいます。教育委員会制度は、戦前の軍国主義教育の反省の上に立って、教育行政を文部省、行政の直接的な指導と統制のもとから外し、教育の政治的中立性、専門性を確保しようとしてつくられた制度です。今の教育委員会はさまざまな問題を抱えながらも、区長から独立した合議制のもと、政治的中立と安定した教育行政が行われるようにしたものです。
ところが、政府が国会に提出している法案は、首長の権限を強化し、国も積極的に関与できるようにする。教育委員会委員長と教育長を統合し、新教育長を新たに設け、首長に任命・罷免する権限を持たせる。自治体の教育政策の大もととなる大綱の決定権を首長に与えるなど、「首長がかわるたびに教育方針が変わりかねない」との声や、「教育の自主性を破壊するもの」、「教科書選定で自主性が消える」など、批判と反対の声が上がっています。こうした教育関係者や父母の声をどう受けとめているのか、伺います。
教育長は、我が党の質問に対し、「国会の議論を注視していく」と答え、教育委員会制度改変の本質には全く触れようとも、見解を表明しようともしませんでした。全国では多くの教育委員や教育長が、教育の自主性、政治的中立性に懸念を表明する意見を述べています。改めて教育長の見解を伺います。
次に、教科書選定について伺います。
沖縄県八重山地区の竹富町が、地区内の他の市町が使っている育鵬社版とは違う中学公民教科書を採択し、使用していることに、下村文部科学大臣が同町教育委員会に、育鵬社版の採択を強要するなど、異常な政治介入を行って国民から強い批判が上がりました。
教科書調査委員もPTA連合会も校長会も、育鵬社版導入に反対していました。育鵬社の公民教科書は、戦前の大日本帝国憲法を美化し、南京大虐殺や従軍慰安婦など、歴史の事実を消し去ろうと意図するものです。今、全国的に靖国派と言われる勢力が、育鵬社の教科書を採択させようと画策しています。
侵略戦争を美化し、アジア解放のための戦争と教える歴史逆行の特異な教科書を全国の学校で使わせようとする、これらの勢力の圧力に区教育委員会は左右されてはなりません。教科書選定は、現場の自主性と住民自治が大切にされなければなりません。現場で教える教師の意見を最大限尊重して選ぶべきです。教科書選定に対する教育委員会の見解を伺います。
次に、全国学力テストについて伺います。
4月22日、国語と算数・数学の2教科のテストが行われました。文部科学省は、8月下旬をめどに、都道府県別の平均正答率を公表するとしています。これまで文部科学省は、序列化や過度な競争を招くことを理由に、市町村や学校ごとの平均点公表を禁じていました。安倍内閣はそれを覆し、自治体の判断で公表可能としました。こどもが傷つき、点数を上げるためのテストの練習や、朝の時間に学校独自のテストが行われるなど、競争教育を一層激化させるものとなっています。このような全国学力テストは中止すべきです。そして、結果の公表はすべきではありません。あわせて伺います。
安倍政権は、集団的自衛権の行使や戦争ができる国づくりを教育分野に広げようとしています。我が党はこうした動きを絶対に許さない国民運動を展開することを表明し、私の質問を終わります。(拍手)
2014年第2回定例会―きくち幸江議員
日本共産党江東区議団を代表し、質問します。
- 子ども・子育て支援新制度について
- 高齢者の見守り支援について
- 本区の水辺と緑の公園整備について
第1は、子ども・子育て支援新制度についてです。
政府は、これまでの幼稚園、保育所のあり方を大きく変える子ども・子育て支援新制度を、来年4月から本格実施させようとしています。この制度については、政府の当初案に対し、幼稚園や保育所関係者から多くの批判があって修正され、保育所に対する自治体責任の後退や幼稚園への保育の強要などは削除されました。しかし、企業が参入できる条件を緩和し、施設面積や保育士配置などが低水準でも小規模保育として認可するなど、多くの問題を抱えた制度です。本区はこれから、極めて短期間で事業実施に向けた準備を迫られることになりますが、各施設の基準設定、利用要件などは、事業全体にわたって現行水準を下げることなく、より改善されたものとなることを基本に据えるべきと考えます。まず伺います。
次に、区が対応すべき具体的課題についてです。
まず、保育施設の基準設定についてです。
本区はこれまで、保育所の保育面積や保育士配置について、国基準に上乗せして保育環境の改善をしてきました。新制度においても、本区の現行基準を守り、さらに充実を図るべきです。
また、新制度で新たに認可施設とされる小規模保育などは、保育士の配置がなくてもよいなど、保育水準に大きな格差がありながら、同じ認可施設とするのは問題です。国に改善を求めるとともに、区として、地域型保育事業の保育面積、保育士配置は、認可保育所と同じ水準の保育が受けられるように設定すべきです。
また、調理室や避難階段の設置、人員の加配など、命を守り成長保障に必要な基準は引き下げることなく、全ての施設に義務づけるべきです。伺います。
次に、認証保育所への対応についてです。
本区において、施設数で65、定員で2,000名を超える認証保育所は、新制度では位置づけがありません。今後5年間で、いずれかの認可施設へ移行することになりますが、事業者からは今後の運営について、保育所には小さく、小規模保育には広過ぎるということや、2歳までの小規模保育にして3歳からの受け皿があるのかなど、不安の声が上がっています。移行を急がせず、準備が整うまで事業継続ができるように制度として残すよう都に求めるべきです。
また、今後の方向として、保護者が強く入所を希望している認可保育所に移行できるように、施設の確保、保育士の確保について都の行政支援を求めるべきです。伺います。
次に、保育認定についてです。
新制度では、保育の必要性と必要量の認定を受けなければ、幼稚園や保育所の利用ができません。障害や育児休業などの場合、認定が受けられるのか。また、保育の受け入れ時間が異なることになれば、これまでの保育プログラムが生かせなくなるのではないかなど、不安の声が上がっています。父母や保育所の声をよく聞き、必要な保育が保障され、保育所運営に混乱のないように、要保育度の認定、保育士の配置を行うべきです。伺います。
次に、保育料についてです。
保育料は、国が示した徴収基準をもとに応能負担で区が決めます。本区の保育料はこれまでも高く、引き下げるように求めてきました。新たな保育料の設定は、現行の負担額を上回ることのないように引き下げるべきです。また、保育所以外の施設は直接徴収となるため、保護者の病気や失業などで収入が激変した場合、迅速に見直しができるようにし、保育料滞納を理由に契約解除とならないように、事業者への指導基準をつくるべきです。
新制度では、特別な保育の実施や施設整備をした場合は、保育料以外に上乗せ徴収ができることになりました。しかし、公的保育では、全てのこどもに平等で公平な保育が保障されるべきであり、保育料以外の徴収は認めるべきではないと考えます。いかがですか、伺います。
次に、財源問題についてです。
新制度では、保育の量と質の確保がうたわれてきましたが、課題となっていた保育士の給与や保育士配置の改善も極めて不十分な上、保育時間延長に対する保育士配置はわずかです。加算・増額が1割ほど見込まれるとのことですが、その実施は消費税10%の導入時にと先送りされました。保育士配置基準のさらなる改善と時間延長に見合った予算を直ちにつけるよう求めるべきです。都に対しても、財政調整算定や民間施設への補助金は、これまでどおりの水準が保てるように求めるべきです。伺います。
保育士不足の現状に対し、育児経験のある女性が一定の研修で保育ができるようにする動きがあることは問題です。こどもの命を預かり、成長、発達にかかわる専門的な知識と経験は、保育事業にとって何より大切です。
保育士不足の大きな要因は、厳しい労働条件と低い待遇にあり、60万人が資格を持ちながら働いていません。安易な資格の創設ではなく、賃金引き上げや処遇改善で保育士不足の対策をとるように求めるべきです。伺います。
次に、事業計画の策定と実施についてです。
子ども・子育て支援新制度は、これまでの保育を大きく変えて、多種多様な施設に加え、保護者の入所手続や事業所への給付なども変える大転換です。来年度実施を強行すれば現場は大混乱となり、こどもたちの保育にも影響を与えることは必至です。新制度の拙速な実施の中止を求め、こどもの成長、発達を保障する制度のあり方について、幼稚園、保育所関係者、保護者の意見も広く集め、納得、合意のできる制度とするよう改善を求めるべきです。
また、今年度、認可保育所を希望しながら入園できなかったこどもは1,446人であり、保育の待機児童対策は待ったなしです。今後の事業計画策定では、これまでの認可保育所を基本に据え、早急に待機児童をなくす計画とすべきです。あわせて伺います。
第2に、高齢者の見守り支援について伺います。
人知れずひっそりと亡くなり、死後何週間も発見されない孤立死。家族や地域とのきずなが薄れ、孤立する人がふえている状況が、無縁社会として社会問題になっています。認知症の高齢者も増加の一途で、戸惑う本人とともに、その家族も介護に疲れ切っています。
我が党が行った区民アンケートでも、「助けてください、もう限界です」と、悲痛な声が寄せられました。こうした社会状況に対し、本区の長期計画では、団塊世代の高齢化や地域力の低下などを課題として挙げながら、今後5年間の事業展開では、施設整備のほかは見守り支援協議会しかありません。それどころか、在宅高齢者の生活支援や見守りに役立ってきた高齢者福祉電話事業や高齢者緊急通報システム設置事業、おはよう訪問事業などは、介護保険制度導入以来、利用条件が厳しくされ、利用できる人数が減っているのが現状です。認知症、孤立化などに対する見守り支援の抜本的強化が必要であると考えますが、まず伺います。
次に、見守り支援の充実についてです。
緊急通報システムは、とりわけひとり暮らしの高齢者にとって、何かあったときに連絡をとることができる安心につながります。本区の緊急通報システムの支給要件には、「慢性的な疾患があり、常時見守りが必要」という項目がありますが、日ごろ元気でも、突然の発作や骨折などで倒れれば、誰かに気づいてもらうまで待つしかありません。
都の監察医務院で異常死とされた6割は、心疾患、脳梗塞などで、直ちに異変が通報されれば助かった命がたくさんあるはずです。
品川区は、今年度から、本区と同じであった慢性疾患の要件を外しました。23区中7区で、身体上の要件なく支給しています。本区も、65歳以上の希望世帯に対象の拡大を求めます。伺います。
次に、地域の見守り活動の支援についてです。
町会・自治会、見守り支援協議会などで地域の皆さんが熱心に活動されていますが、悩みも多く、孤立死をなくすことに心を砕いて活動しても、連絡がとれない、心を開いてくれないなど、高齢者に働きかける苦労をされています。今年度から災害協力隊に渡される避難行動要支援者名簿を、日常の見守り活動にも使えるようにできないかという声が寄せられています。日常のつながりがあってこそ、災害時にも的確な支援ができます。見守り活動への名簿の提供について、見解を伺います。
次に、都のシルバー交番設置事業の活用についてです。
隣の墨田区では、この制度を使った高齢者みまもり相談室を、地域包括支援センターと一体となった区域分けで設置し、専門の相談員が個別訪問や電話相談を行い、緊急通報システムの普及や介護サービスにつなげ、ひきこもりや孤立化の解消に大きな力を発揮していると評価されています。
港区でも同様に、地域包括支援センターと一体の活動で、ごみ屋敷状態であった高齢者の信頼を得て、定期的な清掃ができるようになったと報告されています。本区も制度を活用し、地域住民との協力体制の強化を図るべきです。伺います。
次に、高齢者世帯への経済的支援についてです。
高齢者の孤立化が進む要因にはさまざまな指摘がありますが、その一つが経済的な不安です。お金が心配で、親戚や友達、近所とのつき合いにも消極的になり、ひきこもり状態を加速させるというものです。
近年の年金引き下げや保険料などの負担増、医療や介護費用の増大が、こうした傾向を加速させていることは間違いありません。我が党として、これまで入院見舞金や重度介護手当の支給、紙おむつ購入の助成額の増額など、区として行うことを提案してきました。
また、家賃負担が重くのしかかっている高齢者には、家賃助成で居住の安定を図るべきと求めてきましたが、本区は全く後ろ向きです。高齢者への経済的支援を行い、生活の安定を図ることは、社会的孤立を防ぐためにも必要な施策と考えますが、伺います。
第3に、本区の水辺と緑の公園整備について伺います。
我が党が行った区民アンケートの自由記述欄では、本区の公園に関し、植木や遊具、ベンチの配置や清掃などについて、多くの要望が寄せられました。公園は区民の憩いの場として、こどもたちの遊び場として、高齢者の体操や交流の場として、災害時は避難場所として、区民生活に密着した重要な公共施設です。
しかし、本区の現状は、1人当たりの公園面積の目標を10平米と掲げているものの、城東地域では3平米に満たない地域も多く、人口がふえているにもかかわらず、既成市街地での新たな公園整備は見当たりません。空き地情報の取得に努め、民有地の購入も含め、公園整備を進めるべきではありませんか。
また、有明など、新たにつくられた町でも、「遊具のある児童遊園がない」との声が上がっています。開発計画の中に児童遊園、防災拠点、区民の憩いの施設としての公園整備を位置づけ、整備する必要があると思いますが、伺います。
次に、親水公園の整備についてです。
小名木川遊歩道の整備が間もなく終わりますが、高齢者からは、「適所にトイレが欲しい」という声があります。また、「進開橋から大島橋まで大島側には出入り口がなく、何かあっても出られず不安」とのことです。改めて住民の意見を聞き、大島一丁目側に出入り口をつくるか、北砂側に渡る歩道橋設置をするなど改善を図るべきと思いますが、いかがでしょうか。
また、工事が始まっている横十間川では、進捗状況に合わせて工事に間に合うように、近隣住民の要望をよく聞き、よりよいものとすることを求めます。あわせて伺います。
次に、竪川河川敷公園の改善についてです。
昨年度整備が終わりましたが、「お金のかけ過ぎではないか」という指摘が目立っています。朝6時の開園時間をもっと早くすることや、フットサルコートは区民開放するか、利用料金を下げるなど、工夫して利用しやすくするべきです。池のコイが浮いていたり、水面の藻の繁殖が目立っていることなども批判されています。清掃回数をふやすなど、維持管理にもっと予算をつけるべきと考えます。あわせて伺います。
次に、仙台堀川公園の改修についてです。
今年度、改修業者をプロポーザル形式で募集しました。基本構想はできているものの、竪川河川敷公園の整備に対する意見を見ても、区民はなれ親しんだ樹木や植え込みなどががらりと変わることを望んではいないと思います。改修に当たっては、手を入れなければならない老朽施設と側道の無電柱化などの必要工事のほかは、区民の意見を広く求め、ともにつくり上げる立場で、区が責任を持って整備に当たるべきと考えますが、見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
2014年第2回定例会―すがや俊一議員
日本共産党江東区議団を代表し、大綱4点について質問いたします。
- 安倍首相の解釈改憲による集団的自衛権行使容認問題について
- 医療・介護総合法案について
- 地域経済活性化・中小業者支援について
- カジノ問題について
初めに、安倍首相の解釈改憲による集団的自衛権行使容認問題について伺います。
安倍首相は、首相の私的諮問機関である安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会、いわゆる安保法制懇から、海外での武力行使を全面的に認める報告書の提出を受け、集団的自衛権行使を認める憲法解釈の変更に向けて検討していくことを表明し、今国会中での閣議決定を目指すなど、重大局面を迎えています。
集団的自衛権の行使とは、日本に対する武力攻撃がなくても、他国のために武力を行使することです。
安倍首相は記者会見で、「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは、憲法上許される」と述べ、邦人救出など、非現実的な事例を挙げて、海外での武力行使を合理化するなど、許されるものではありません。
また、安倍首相が示す「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき」との基準は、極めてあいまいで、内閣の判断でいくらでも広げられます。しかも、武力行使の発動は、報告書では政府が判断するとし、その判断基準は、日米同盟の信頼が著しく傷つくなどと判断すれば、武力行使ができるとしているのです。一内閣の勝手な判断で海外での武力行使が認められてよいのか、区長の見解を伺います。
アメリカが開始したアフガニスタン・イラク戦争に日本は自衛隊を派兵しましたが、戦闘地域に行ってはならない、武力行使をしてはならないという憲法上の歯どめがありました。しかし、たとえ限定的であれ、内閣の判断で集団的自衛権行使が容認されれば、憲法の歯どめが外され、米軍とともに戦闘行動に参加できない理由がなくなります。
石破自民党幹事長は、「自衛隊が他国民のために血を流すことになる」と述べ、多国籍軍参加による武力行使についても、「否定するものではない」と明言しています。安倍首相の「他国での戦闘に参加することはない」との発言はごまかしであり、国会答弁では戦地への派兵を否定していません。アメリカの戦争につき従い、自衛隊が世界中どこへでも参戦することになると考えますが、見解を伺います。
戦後、歴代政権は、国の交戦権は認めないとする憲法第9条によって、集団的自衛権の行使を禁止してきました。安倍首相の判断でこの憲法解釈を変えてしまうことは、憲法を最高法規とする立憲主義の否定であって、憲法学者や日本弁護士連合会を初め、歴代の自民党幹事長、元内閣法制局長官も、解釈改憲に強く反対しています。解釈改憲は、憲法遵守の義務を負う首相として許されない行為と考えますが、区長の見解を伺います。
安倍政権による軍事的対応一辺倒では、周辺国や世界との緊張を高め、軍事的悪循環を招くだけです。集団的自衛権行使容認に対する世論調査は、反対が50%を超え、賛成はわずか20%から30%台です。アメリカを初め世界のマスメディアからも、日本の軍国主義化に批判が強まっています。
戦争放棄を定めた憲法第9条は、日本の侵略戦争でアジアの人々2,000万人の命を奪い、日本国民も310万人の命を失った痛恨の反省から生まれたものであり、世界の宝です。日本政府に今必要なのは、憲法第9条を掲げ、東アジア地域における平和の枠組みをつくる外交戦略とその実践だと考えますが、見解を伺います。
平和都市宣言を掲げる本区の区長として、安倍首相に対し、集団的自衛権行使容認の撤回を強く求めるべきです。伺います。
質問の2点目は、医療・介護総合法案について伺います。
安倍政権が今国会に提出した医療・介護総合法案は、国民を医療や介護から追い出すものであり、国の社会保障増進義務を定めた憲法第25条を否定するものです。
法案の医療分野では、ことし4月からの診療報酬改定による入院患者の病院追い出しに加え、病院のベッド数をさらに大幅削減するもので、高齢化がピークとなる2025年までに43万床減らすとしています。都道府県に病床再編計画をつくらせ、知事には病床削減を勧告する権限を与え、従わない病院にはペナルティーを科すというもので、患者を在宅に押し戻し、行き場のない医療難民を大量に生み出しかねません。多数の区民が利用している都立墨東病院を初め、区内の病院のベッド数にも影響を及ぼしかねず、区民の医療を奪い取るものと考えますが、見解を伺います。
介護では、要支援者の訪問介護、通所介護を介護保険から除外し、自治体の地域支援事業に回すことや、要介護2以下の特別養護老人ホーム入所締め出しと、介護施設の入所費用を軽減する補足給付の縮小、一定所得者の介護利用料2割負担化など、介護保険制度の大改悪です。
既に厚生労働省は、介護予防モデル事業で、要支援者の介護保険追い出しを自治体に行わせています。モデル事業に参加した荒川区では、腰痛で掃除などが困難な要支援1の80歳の区民に対し、介護保険で10年以上受けていた生活援助を、ボランティアによる家事支援に変更するよう、地域包括支援センター職員を通じて何度も迫り、半ば強制的に介護保険から締め出しています。しかも、利用料負担は、介護保険より3倍近くも支払うというのです。法案が成立すれば、こうした事態が大多数の要支援者で起こるのではありませんか。見解を伺います。
国会審議で田村厚生労働大臣は、認知症の要支援者の地域支援事業移行について、専門的サービスが受けられるのは、要支援者の7から8%だと答弁しました。これでは9割以上の認知症要支援者が専門的介護から除外されてしまうのではありませんか。伺います。
また、ボランティアなどでは、認知症への対応はできず、重度化は必至と考えますが、あわせて伺います。
今、210の地方議会から、事業所や市町村に大きな混乱が生ずる、介護の社会化に逆行するとして、抗議や反対の意見書が上がっています。都内でも、多数の区市町村から、見通しが立たない、介護保険の根幹にかかわるとして、強い反発が起こっています。区は動向を注視するとの姿勢を改め、政府に制度改悪の中止を求めるべきです。伺います。
同時に、国に対し、特別養護老人ホーム整備に向けた国庫補助の復活、低所得者への介護利用料無料化、保険料減免制度の創設を求めるべきです。
また、医療においても、患者の窓口負担軽減、国民健康保険の都道府県化中止と国庫負担引き上げを求め、区民の国民健康保険料軽減を図るべきです。伺います。
私ども区議団がことし4月に行った区民アンケートでは、「消費税増税などで生活が苦しくなった」が大半を占め、「消費税が増税されたのに、年金は下がり、医療・介護の負担がふえるのは納得できない」との声が上がっています。
区長の「社会保障のために消費税増税は必要」との議論は、医療・介護総合法案のもとで成り立ちません。政府は、消費税増収分の全部を社会保障に充当したと宣伝していますが、ごまかしです。増収分5兆円のうち、4.5兆円をそれまでの一般財源と入れかえただけのことであって、社会保障への上乗せ分はわずか5,000億円、増収分の1割にすぎません。消費税増税の目的は、大企業減税と巨大開発、軍拡予算の財源確保です。
区長は、区民生活擁護の立場に立ち、医療・介護総合法案の廃案と来年10月からの消費税10%の中止を政府に求めるべきです。伺います。
質問の3点目は、地域経済活性化・中小業者支援についてです。
4月からの消費税8%で、中小業者の営業が一段と厳しくなってきています。日本商工会議所や全国中小業者団体による4月の景気動向調査などでは、「売り上げが減少」、「今後の景況は大幅に悪化する」とし、その理由として、消費税分を価格に転嫁できないことや、燃料費や資材価格高騰、買い控えなどを指摘しています。
また、政府の中小企業白書では、2013年の廃業件数が2万9,000件で、増加傾向だとしています。消費税増税後の区内中小業者の現状と今後の見通しについて、区長の認識を伺います。
地域経済活性化に向け、新たな緊急支援策が強く求められています。これまで繰り返し求めてきた住宅や店舗に対するリフォーム等の助成実施に、今こそ踏み出すときです。
住宅リフォーム助成制度は、10年前、全国で87の自治体が実施、現在では628の自治体に広がっています。都内でも、消費税増税を受け、豊島区が修築資金とリフォーム助成を統合して実施。大田区、目黒区は、予算や補助率を増額、拡充するなど、15の区市町で実施しています。また、店舗等のリニューアル助成制度では、小平市と荒川区がことしから実施します。区は、これら助成制度実施の広がりをどう受けとめるのか、見解を伺います。
私ども区議団が視察した新潟県長岡市では、平成23年度から地域経済活性化等を目的に、1件の補助限度額10万円で住宅リフォーム助成を開始しました。受付会場では、申請する市民が申請日前日の朝から並ぶなど、3年間で2,795件、補助総額2億6,000万円に対し、工事総額が37億5,000万円余。経済効果は14倍以上に達していると、市の理事者が述べています。
同じく視察した群馬県高崎市では、平成25年度から1件で100万円を限度に、まちなか商店リニューアル助成事業を実施。730件を超す商店主が利用し、「新規のお客がふえ、売り上げが伸びた」、「商売の意欲が湧いた」など、大好評となっています。
これらの事業は、市民や商店主の需要を喚起し、地元建設業者などが仕事をこなすことで、雇用増や他産業への波及効果も大きく、地域経済活性化に大きな効果を発揮しているのです。区長の見解を伺うとともに、実施に向け、直ちに検討を始めることを求めます。伺います。
区は昨年、産業実態調査を行い、その調査結果を参考にして、商店街空き店舗への出店助成や、小規模企業特別資金等の利子補助引き上げ、江東区中小企業活性化協議会の機能強化などを実施したことは評価するものです。
消費税増税に伴い、売り上げ減少や電気代値上がりなど、商店街は一段と厳しさを増しています。緊急支援として、商店街装飾灯の電気代は全額補助するべきです。伺います。
コンビニエンスストアやチェーン店が商店街に出店した際、商店会に加入しないことがこれまで問題になっています。江東区地域経済活性化基本条例に基づき、区が関与し、本社に申し入れるなど、加入促進を図るべきです。伺います。
また、区内のある商店会の会長は、その総会の席で、「江東区の店舗売り場面積は、既に9割を大型店が占めている。規制すべきだ」と述べています。区長は、商業調整機能の復活など、大規模小売店舗立地法の見直しを政府に求めるべきです。伺います。
江東区中小企業活性化協議会について、区は、必要に応じて専門部会を設置するとしています。商店街を応援したいという産業実態調査での消費者アンケート調査の結果からも、地域の商店街ごとに、その地域の消費者を含めた商店街振興部会の設置を提案しますが、見解を伺います。
質問の4点目は、カジノ問題です。
自民党、日本維新の会、生活の党3党が、昨年12月にカジノ推進法案を国会に提出したことを受け、安倍首相などを最高顧問とする与野党7党でつくる、いわゆるカジノ議連が、今国会での成立に向け審議入りを強めようとしています。
カジノ推進派は、「カジノ開設で海外の観光客を呼び込み、地域経済を活性化させ、雇用も税収もふえる」と述べ、東京オリンピック・パラリンピックまでに1カ所から3カ所、最終的には10カ所程度を開設することをもくろんでいます。
カジノについて区は、我が党の本会議での質問に対し、地域経済活性化が期待できるとして、合法化の中止を求める考えはないと答弁していることは問題です。ギャンブルによって地域経済活性化を期待するのは、自治体の姿勢として正しくありません。住民福祉の向上と雇用拡大や中小企業支援などに力を尽くし、地域経済活性化を図ることこそ、自治体本来の姿勢ではありませんか。
そもそも賭博場であるカジノは刑法で固く禁じられています。賭博に対する最高裁判所の判決でも、勤労の美風を害し、国民経済の機能に重大な障害を与えると断罪しています。地域経済活性化を理由に、カジノ誘致を容認する姿勢は改めるべきと考えますが、見解を伺います。
また、カジノについて区は、観光資源として有力とし、臨海部への誘致に期待を表明してきました。しかし、臨海部地域はマンションや学校もあるほか、家族連れも多く訪れる地域です。カジノによって住民や青少年に悪影響を及ぼし、犯罪集団の温床にもなるなど、まちづくりの大問題です。区民アンケートでも、カジノの臨海部誘致に反対が大多数です。区長は臨海部への誘致に反対するべきです。伺います。
既に日本は世界一のギャンブル大国です。カジノの売り上げ世界一のマカオが2兆6,800億円、ラスベガスで4,600億円。日本は実質的ギャンブルであるパチンコ・パチスロだけで3兆9,000億円。競馬などを合わせれば年間5兆6,000億円を国民が賭博に費やしています。
その結果、ギャンブル依存症は、厚生労働省の調査で、世界各国の有病率が1%台に対し、日本は男子で9.6%、患者数は約560万人。世界一のギャンブル依存症大国でありながら、それへの対策は皆無というのが実態です。
ギャンブル依存症は、仕事も手につかず、返済能力を超える借金などで破産や自殺するなど、社会的損失が大きく、自己責任では済まされない重大問題です。カジノを誘致し国民をギャンブルにかき立て、ギャンブル依存症をふやすなど許されないと考えますが、区長の見解を伺います。
カジノ合法化の動きに対し、全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会が設置され、日本弁護士連合会を初め、カジノ誘致の動きがある各地域で、市民による反対運動が広がっています。カジノについて、麻生太郎金融担当相は国会で、依存症や多重債務などの対策は重要で、総合的な検討が必要と答弁し、その害悪を認めています。カジノ合法化の中止に向け、政府などに要請することを区長に強く求め、私の質問を終わります。(拍手)
2014年第1回定例会―正保みきお議員(修正案)
日本共産党江東区議団が提出いたしました平成26年度江東区一般会計予算に対する修正案について、御説明いたします。
日本経済は、国内総生産の成長率の伸び幅が減少し、失速状態に陥っています。それは、異次元の金融緩和政策を初めとしたアベノミクスが、日本経済が抱える根本問題を何ら解決するものではないからです。
経済不振の最大の要因は、内需が低迷しているところにあり、大企業による雇用破壊戦略のもとで、非正規雇用が増加し、働く人の所得が減り続けていることにあります。働く人の所得をふやすことが、日本経済の好循環を取り戻す鍵です。
しかし、これと逆行する4月からの消費税増税や年金、医療など、社会保障の切り下げは、暮らしと経済に一層深刻な打撃を与えることは明らかです。
江東区政には、区民の暮らしを守る防波堤の役割が求められています。その立場から、本修正案を提案するものです。
修正案は、第1に、区民の強い要望である福祉や教育、中小企業支援の充実、災害に強いまちづくりの強化を図ること。第2は、賃金の安い非正規雇用を増大させる学校給食、用務などの民間委託を中止し、正規職員を配置すること。第3は、不要不急の事業を削減するとともに、区政史上最高水準にある積立基金の活用を積極的に図り、住民要望に応えるものです。
以下、主な修正内容について御説明いたします。
一般会計予算において、歳入歳出予算1,743億1,900万円の予算原案に対し、0.97%増、16億9,965万1,000円の増額修正を行うものです。
まず、歳入についてです。
第16款財産収入は、株式会社東京臨海ホールディングス社への出資金2億4,000万円を取りやめるものです。
第17款寄付金は、マンション建設に伴う公共施設整備協力金について、来年度収入が見込まれる額を当初予算に計上いたします。
第18款繰入金は、財政調整基金から新たに13億5,000万円余を繰り入れいたしました。
次に、歳出についてです。
第1款議会費、第2款総務費では、議長交際費と区長交際費をそれぞれ3割削減、職員を減らしながらの副区長の2名体制は許されません。副区長を1名に削減いたします。
また、公契約条例制定のための調査費を計上いたしました。
第3款民生費では、難病患者に福祉タクシー券を支給。また、要介護4及び5の方に、1人月額1万円の重度介護手当を支給。さらに、高齢者の入院に対し助成金を支給いたします。また、特別養護老人ホームの増設と認可保育所用地確保のための調査費を計上いたしました。生活保護事業では、標準数から不足しているケースワーカーを18名増員し、適正配置を行います。また、新たな保育所の給食調理業務と福祉会館の民間委託を中止し、正規職員を配置いたします。民生費全体で7億3,900万円余を増額いたします。
第4款衛生費は、各種がん検診の無料化、65歳以上のインフルエンザワクチン接種費用の全額補助の実施など、1億9,100万円余を増額いたします。
第5款産業経済費では、区民の金利負担が0.2%の景気対策資金の継続、小規模企業特別融資の金利負担の軽減、商店リニューアル助成を行うなど、産業経済費を2億9,200万円余増額いたします。
第6款土木費は、2億3,700万円余を増額いたします。地下鉄8号線建設基金への5億円の積み増しを取りやめる一方、マンション耐震診断・改修助成金の増額、木造住宅の簡易耐震改修助成の実施など、震災予防対策を一層強化するものです。
第7款教育費では、小中学校校舎の修繕費を増額、小1支援員の通年配置、スクールソーシャルワーカーの増員、区立幼稚園への支援員的介助員の配置、就学援助の所得基準の拡大を行います。また、児童館及び学童クラブと学校警備及び用務の新たな民間委託を中止します。教育費全体で2億6,700万円余を増額するものです。
以上、御理解の上、御可決くださるようお願いし、提案説明といたします。
2014年第1回定例会―赤羽目たみお議員
この際、動議を提出いたします。
ただいま一括議題となりました議案第5号から同第8号までの4件につきましては、議長を除く42名の委員をもって構成する平成26年度予算審査特別委員会を設置されまして、これに審査を付託されることを望みます。