投稿者「日本共産党江東区議団」のアーカイブ
重松佳幸区議の公選法違反に伴う議員辞職について
2023年12月10日執行の江東区長選挙において、江東区議会の自民・参政・無所属クラブ所属の重松佳幸議員が有権者の自宅を訪問して大久保朋果区長への投票を依頼したとして、公職選挙法違反(戸別訪問)の罪で略式起訴され、東京簡易裁判所から7月23日付で罰金10万円の略式命令が出された。
今回の重松佳幸議員の行為は、公平・公正な選挙を汚し、区民の区政への不信を増大させ、区議会の品位と名誉を著しく傷つけるものである。
自民党の重松佳幸氏は、「処分決定を前に責任を果たす」として7月16日付で突然議員を辞職したが、本人自ら真相を明らかにせず、区民並びに議会に対して説明責任を果たさずに職を辞したことは誠に遺憾である。
同時に、この3年間に自民党所属の5名の現職区議会議員が、あっせん収賄や公職選挙法違反容疑により相次いで逮捕・起訴されるという異常な事態は前代未聞であり、区議会自民党の政治的、道義的責任は極めて重いものがあると言わざるを得ない。同党の再発防止に向けた具体的な取り組みについて、区民と区議会にすみやかに明示すべきである。
日本共産党江東区議団は、汚職や不正を許さず公正・公平でクリーンな江東区政の実現に向けて引き続き全力を尽くすものである。
2024年7月24日
日本共産党江東区議団
幹事長 赤羽目たみお
2019年第2回定例会―正保みきお
- 国民健康保険制度について
- 子育て支援について
- 高齢者・障害者支援について
- 消費税増税問題について
◆(正保幹雄議員の質問)
日本共産党江東区議団を代表して、大綱4点について質問します。
第一は、国民健康保険制度についてです。
今年度の国保料は、一人当たり12万5174円と3186円の値上げとなりました。毎年値上げが繰り返され、「なんでまた値上げなのか」「もう払えない」など、高すぎる保険料に住民から悲鳴があがっています。
国保は、加入者の8割近くが無職や非正規など低所得世帯でありながら、平均保険料は4人世帯の場合で、同じ年収のサラリーマンの健康保険料の2倍にもなります。これ以上の保険料の値上げはやめ、引き下げるべきと思いますが、伺います。
全国知事会は、公費一兆円を投入して協会けんぽ並みに国保料を引き下げることを国に要望し続けています。公費一兆円投入すれば、30歳代の夫婦、子ども2人の4人家族の場合、現在年間42万6千円の保険料が22万2千円になり、約20万円の値下げとなります。年金収入280万円の高齢者夫婦の場合、現在15万5千円の保険料が約8万円の値下げになります。山﨑区長が、会長に就任された23区の区長会としても、公費投入のさらなる増額を国や都に強く求め、保険料を抜本的に引き下げるべきです。伺います。
国保には、「均等割」という他の医療保険にはない「人頭税」があり、国保料を低所得者や家族が多い世帯に重い負担にしている最大の要因となっています。
「均等割」は、一人5万2200円で、所得のない子どもにも一人増えれば5万2200円ずつ加算され、多子世帯ほど負担が重くなり、子育て支援にも逆行しています。
「均等割」を廃止し、所得に応じた保険料にすべきです。「均等割」の廃止を国に求めるべきです。
現在、清瀬市など都内では4つの自治体が、子どもの「均等割」保険料の減免を行っています。区独自に子どもの均等割保険料の軽減に踏み切るべきです。合わせて伺います。
国は、区市町村が、負担軽減のため独自に行ってきた一般会計から国保会計への繰り入れをやめさせ、都道府県が示す「標準保険料」に合わせ、国保料をさらに引き上げるよう迫っています。
区は、今後5年かけて、繰り入れをやめる考えを示していますが、繰り入れをやめた場合、年収400万円の4人家族で、年6万5千円の値上げとなり、国保料は49万円を超えます。これでは暮らしが立ちゆかなくなります。
一般会計からの繰入れを継続し、保険料軽減を引き続き行っていくべきです。伺います。
国保料滞納者に対する預貯金等の差押えは、この3年間だけでも900件を超え、違法な差押えが行われています。生活が苦しくて国保料を滞納した人が、銀行に振り込まれた給与や年金の全額を差押えられ、さらなる窮地に追い込まれています。
本人10万円、家族1人につき4万5千円は、最低限の生活を維持する金額として差し押さえてはならないことになっています。中には、預金残高861円を差押えるなど、差押えありきの強権的な取り立てはやめるべきです。また、差押えを相談に来させるツールとするやり方は改めるべきです。
足立区では、生活困窮者に対し、生活支援策を取りながら、今後の国保の支払いを優先して対応しています。滋賀県野洲市では、「滞納は生活状況のシグナル」ととらえ、福祉や様々な生活支援につなげています。生活支援・生活再建型の収納対策に転換すべきです。伺います。
◆(山﨑孝明区長の答弁)
正保幹雄議員のご質問にお答えします。
国民健康保険制度についてであります。まず、保険料の引き下げについてであります。
国民健康保険は高齢者や低所得者の割合が高く、こうした方々の保険料の負担割合が高いことは認識いたしております。
しかし、医療保険制度では、受益と負担の観点から、保険料をその財源としており、現状の医療費等に対応する保険料となることは避けがたいものであります。
また、公費の更なる増額を、国・都へ要望することついては、既に区長会として、定率国庫負担金の増額や低所得者層へのより一層の負担軽減のための財政支援を講じるよう、国・都に強く要望しているところであります。
次に保険料均等割額の軽減についてであります。
多子世帯等、子育て世帯の負担にかかる均等割保険料の廃止や区独自の保険料軽減措置については、国民健康保険の制度上の課題であり、国・都の責任で実施するものと認識いたしております。このため、多子世帯への支援など、子育て世帯の経済的負担を軽減するための均等割保険料の軽減措置をはじめとした制度の見直しについても、区長会から国及び都に要望しており、あらたに均等割の廃止を国に求める考え及び区単独で軽減策を実施する考えはありません。
次に、一般会計からの繰り入れについてであります。
平成30年度から都道府県が区とともに保険者となりましたが、これは都道府県が財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営等を確保することや、事務の効率化、標準化、広域化を推進することが目的であります。
保険料軽減等のための一般会計から国民健康保険会計への繰り入れ、いわゆる法定外繰り入れについては、給付等に要する費用を法定の公費負担と保険料で賄うことが原則であるため、段階的に解消する計画としております。法定外繰り入れの解消に向け、確実な保険料の収納に努めるとともに、保険料の上昇を抑制するためには、増大する医療費の削減が重要であることから、医療費の適正化事業や保健事業の充実に努めてまいります。
次に、収納対策についてであります。
差押については、被保険者全体の公平性や公費繰入の削減、完納している被保険者の納付意欲の低下を防止する観点から実施をしており、納付が無く、連絡も無い場合に、予告をしたうえで法令に即し執行しているところであり、強権的な取立てとの指摘にはあたらないものであります。また、生活再建の視点から、現在も収納窓口等において、分納相談や生活相談等を丁寧におこなっており、引き続き適正な収納事務を進めてまいります。
なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。
◆(正保幹雄議員の質問)
大綱の第2は、子育て支援についてです。
認可保育園増設と保育の質の確保について伺います。
改定子育て支援法は、消費税率10%への増税とセットで幼児教育と保育の「無償化」などを行うもので、出費がかさむ子育て世帯を直撃する消費税増税と引き換えで「無償化」というやり方自体は大問題です。また、認可外保育施設指導基準を満たさないベビーホテルやベビーシッターなども無償化の対象となったことから、「保育の質が置き去りにされ、子どもの安全が守られない」「待機児童の解消が先ではないか」の声が上がっています。
今年度、江東区では、認可保育園に4836人の申し込みがありましたが、そのうち966人が希望する認可保育園に入れませんでした。区は毎年1000人分の保育施設を整備する計画ですが、保育の無償化で保育需要がさらに高まるもとで、定員増の目標をさらに引き上げ、待機児解消を図るべきです。伺います。
区内の保育所では、保育士の低賃金や長時間労働のもとで、保育士の一斉退職や助成金の不正受給まで起きています。株式会社が運営する認可保育所では、保育士の入れ替わりが激しく、親子が楽しみにしていた夏まつりや親子クッキング、親子遠足などの行事ができなくなり、不満の声が噴出しています。
これでは、子どもの発達を保障できる質を備えた保育といえるでしょうか。伺います。
国は、経験を積んだ保育士の賃金増や、4月から月3000円相当の賃上げを行いましたが、他産業より10万円も低い保育士賃金の抜本的改善には及びません。
国に対し、保育士全体の賃金底上げと、配置基準の引き上げを強く求めるべきです。
区として、保育士への賃金助成や宿舎借上げ事業の拡充、保育の質のガイドラインを作成し、保育の質の向上を図るべきです。合わせて伺います。
安倍政権は、待機児童対策の名で、保育士の配置基準が認可施設の半分でよい企業主導型保育を導入し、本区でも同保育所が急増しています。
しかし、企業主導型保育は、各地で保育の質の低下に加え、定員割れや職員の一斉退職、助成金の不正受給などの問題が噴出しています。「企業主導型」の普及頼みは、自治体の責任を放棄し、園庭のないビルの一室など保育条件を引き下げ、保育士の資格要件の緩和をさらにすすめなど、安全・安心を求める親の願いに反するものです。
保育の公的責任を放棄する政策はやめ、公立園を中心に認可保育所の増設など、国と自治体の責任を果たすべきです。見解を伺います。
保育園等における野外活動の安全対策について伺います。
5月8日、滋賀県大津市で散歩中の保育園児と保育士に車が突っ込み、16人が死傷するなど、幼い子どもたちが巻き込まれる痛ましい交通事故が相次いでいます。園外での遊びは子どもの発達に必要な活動であり、安全確保は極めて重要です。近年設置された保育園の多くに園庭がなく、散歩の機会が増えています。
先般、区長に申入れを行ったところですが、散策ルートの危険な箇所の洗い出し、ガードレールや歩道の確保、園外活動における必要な職員増配置など、保育現場の意見を踏まえた、より抜本的な安全対策を求めます。
また、今後の保育園整備にあたっては、園庭を設置すべきです。合わせて伺います。
◆(炭谷元章こども未来部長の答弁)
次に、子育て支援についてのご質問にお答えいたします。
まず、認可保育所の増設についてであります。
平成二十九年度から実施した待機児童解消緊急対策において、長期計画に定める毎年千人規模での保育施設の整備目標を維持しつつ、公有地を活用した保育施設の整備などの取組みにより、保育定員の確保を図り、待機児童の縮減に大きな効果を示したところであります。今後の整備目標につきましては、次期長期計画を策定する中で検討してまいります。
次に保育の質の確保についてであります。
まず、本区では区内全保育所に対して指導等検査を行っており、適切な人員配置のほか、運営内容などを確認しております。改善が必要な園に対しては直ちに指導を行い、保育の質を確保しております。
また、保育士の賃金及び配置基準の引上げは、毎年、特別区長会を通じて、保育士の安定確保を国に要望しており、改めて要望する考えはございません。また、賃金改善や宿舎借り上げ事業については現行制度により継続してまいります。
さらに、「保育の質のガイドライン」については、現在、施設検査の実施や発達支援ゼミ等の様々な研修のほか、区立保育園での保育研究指定園制度など、様々な側面で保育の質の向上を図っていることから、策定は予定しておりません。
次に保育の公的責任についてですが、待機児童の解消にはスピード感をもって対応することが肝要であることから、これからも民間活力を最大限活用し、民設民営による認可保育所整備を進めてまいります。これにより、引き続き待機児童の解消とともに、入所児童が安全・快適に過ごすことができる施設環境を確保し、行政としての責任を果たしてまいります。
次に、保育園等における野外活動の安全対策についてであります。
本区では大津市の大変痛ましい事故を受け、直ちに引率ルートの確認や、緊急連絡体制の再確認、適正な引率保育士数の配置の徹底といった、散歩及び園外活動における安全確保についての注意喚起、ならびに安全点検を実施しております。園外活動における安全対策については、引き続き、関係機関と連携して取り組んでまいります。
また、保育所の整備にあたっては、保育待機児童が発生している現時点では、園庭が確保できない場合は、代替遊戯場等を設定することで認可基準を満たすことから、保育施設の確保を優先し整備を進めてまいります。
◆(正保幹雄議員の質問)
大綱の第3は、高齢者・障害者支援についてです。
聞こえのバリアフリーについて伺います。
人は誰でも加齢とともに高い音から徐々に聞こえにくくなり、70歳以上の半数に難聴があるとされています。言葉が聞こえにくくなると認知機能が低下し、コミュニケーションにも支障が出て、社会的に孤立することで認知症のリスクが高まります。
本区では、難聴の高齢者に補聴器の支給と調整を先進的に行っていますが、そのことを知らない人や、支給された補聴器が合わないという方が少なくありません。補聴器支給事業の周知とともに、本庁舎まで行かなくても、各出張所や長寿サポートセンターなど、身近な場所でも補聴器の調整を含め、相談体制の拡充や医療としての支援を行うべきと思いますが、伺います。
また、周りの音に邪魔されずに目的の音声を補聴器に送信し、難聴者や聴覚障害者の補聴器を補助するヒアリングループを公共施設等に設置、貸出すなど、「聞こえのバリアフリー」の充実を図るべきです。
また、補聴器の購入費は、医療費控除の対象となっていますが、健康保険適用の対象となるよう国に求めるべきです。合わせて伺います。
次に、障害のある青年・成人の夕方や休日の居場所、余暇活動について伺います。
本区では、余暇活動支援として、「エンジョイクラブ」を実施していますが、対象が軽度の知的障害に限られているなど不十分です。
区内の事業所では、重度の障害者でも、気心知れた仲間とリラックスして余暇を楽しめるようにと、卒業生を対象にした集団活動を25年前から行っています。
しかし、公的補助がないため、100名の会員を抱え、本人の会費とボランティアに頼らざるを得ない状況です。
区は、障害者、保護者、困難な中で夕方や休日の活動支援に取り組む事業者の実態調査とニーズ調査を行い、障害者権利条約等、法の趣旨を踏まえ、余暇活動を障害者福祉計画に明確に位置づけ、障害の軽重にかかわらず必要な支援を行うべきです。
また、国や都に対し、青年・成人の障害者が日中活動や就労後の時間に行う事業に対する十分な予算措置を講ずるよう求めるべきです。合わせて伺います。
福祉施設の整備についてです。
特養ホームの入所を待っている高齢者が、1300人に上っています。また、先延ばしとなっている障害者多機能型入所施設の整備も待ったなしです。さらに、南部地域の放課後等デイサービスは、場所も事業者も決まっていたにもかかわらず、児童発達支援管理責任者が確保できず、断念せざるを得ませんでした。
区は、これらの福祉施設整備を長期計画の重点プロジェクトに位置づけながら、すべて民間に丸投げしていることは問題です。人材の確保を含め、区の責任で本腰を入れて取り組むべきです。整備用地の確保については、適当な公有地がなければ、民有地を購入してでも確保を図るべきです。あわせて伺います。
◆(堀田誠福祉部長の答弁)
高齢者・障害者支援についてのうち、聞こえのバリアフリーについてでありますが、補聴器支給事業につきましては、事業に関連する時期に区報等による周知を図ってまいります。また、本庁舎以外における調整や相談体制等の充実につきましては、現行の区役所で行っている事業実績等を踏まえて、今後検討してまいります。
公共施設におけるヒアリングループの設置や貸出しにつきましては、現在、豊洲文化センターのホールに設置しているヒアリングループの利用状況等を踏まえて、今後検討してまいります。
また、補聴器の購入費を健康保険適用の対象となるよう国に求めるべきとのご提案ですが、医療保険の対象となるものは、治療上必要なものとされており、補聴器は、その対象となっておりません。また、聴力の低下が進行した場合には、障害者総合支援法による支援がありますので、補聴器の購入費を健康保険適用の対象となるよう国に求める考えはありません。
次に、障害のある青年・成人の夕方や休日の居場所、余暇活動についてであります。障害者の余暇活動は、障害の軽重に関わらず、事業所における集団活動だけでなく、映画・音楽鑑賞やスポーツ活動、イベントなどの社会参加など、個人の意思や状況に応じて、近年、非常に多様化しております。
様々な余暇活動がある中で、余暇活動支援につきましては、事業の有効性、財政負担、他の自治体の実施状況等を検証する必要があると考えており、このため、区としてすぐに実態調査や支援等を実施する考えはなく、国や都に対しても、予算措置を求める考えはありません。
次に、福祉施設の整備についてであります。特別養護老人ホームの整備につきましては、あそか園およびむつみ園の移転改築により定員の増加を図ったところであります。また、障害者多機能型入所施設の整備につきましても、障害者の生活を一体的に支援する施設として、今年度設計着手に向け、全庁を挙げて検討するなど、区として積極的に取り組んでいるところであります。
福祉施設の整備用地の確保につきましては、これまでもご答弁申し上げているとおり、区有地・都有地・国有地などの公有地はもちろんのこと、民有地の活用なども含め、様々な観点から検討を進めており、今後も、長期計画に基づき、着実に整備を進めてまいります。
◆(正保幹雄議員の質問)
大綱の第4は、消費税増税問題についてです。
いま、10月からの消費税増税に対して、生活と商売への不安が日々高まっています。 元気な商店街として有名な砂町銀座商店街では、90年以上続いた酒屋さんが消費不況で店を閉めるなど、老舗が相次いで廃業せざるを得ない状況となっています。
政府は、景気「悪化」を認めた3月の景気動向指数や、内需や輸出入の不振を示した1~3月期GDPに続き、5月の月例経済報告でも景気の現状判断を、「緩やかに回復している」との見方から、「弱さが続いている」と下方修正しました。
山﨑区長は、これまで「景気の回復基調が続いている」「着実に景気回復の影響は及んできている」との認識を示してきましたが、景気が悪化していることは明らかです。経済情勢と区民の暮しの実態について、認識を伺います。
景気悪化が鮮明になる中での、消費税増税はあまりにも無謀です。もともと消費税は、低所得者ほど負担が重い逆進的な悪税です。政府自身が、景気「拡大」「回復」と判断してきた中での過去の消費税増税でも、深刻な消費不況を起こし、経済を落ち込ませました。今回は景気後退の局面で、消費税率を10%に引き上げ、5兆円もの負担を押しつけるものです。国民の暮らしと日本経済を破綻させることは明らかです。「こんな経済情勢で消費税10%増税してもいいのか」、これが、まちの声です。最近の世論調査でも国民の多数は増税に反対です。民意に逆らう増税は絶対に許されません。区民の暮らしと地域経済に大打撃となる10月からの消費税増税の中止を政府に求めるべきです。見解を伺います。
日本共産党は、消費税増税の中止と合わせ、①最低賃金の引上げと長時間労働の是正など8時間働けばふつうに暮らせる社会を、②低い年金の底上げや国保料の引き下げなど、暮らしを支える社会保障を③大学・専門学校の授業料を半分に減らすことや給付奨学金の支給など、お金の心配なく学び、子育てができる社会をーの3つの政策を提案しています。
その財源は、消費税に頼らなくても、大企業や富裕層の優遇税制の是正など、大企業と富裕層に応分の負担を求めることや、兵器の〝爆買い〟や米軍への「思いやり」予算を削減することで、確保できます。
今求められているのは、家計の負担と不安を軽減する家計応援と、格差と貧困を是正する政策ではないでしょうか。見解を求め、質問を終わります。
◆(大塚善彦政策経営部長の答弁)
消費税増税についてのうち、今日の経済情勢と区民の暮らしの実態についてであります。
直近の月例経済報告によると、現在の経済状況について、景気は、輸出や生産の弱さが続いているものの、緩やかに回復しているとしており、先行きについても、雇用・所得環境の改善が続くなかで、国の各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復が期待されるとしております。
しかしながら、米中の貿易摩擦から生じる中国経済の減速による影響が日本企業にも影を落としはじめているものと認識しております。
また、本区においては一部個人消費や、中小企業の人材確保などに厳しい側面があるものの、納税義務者の所得は改善傾向にあり、生活保護受給者数は横ばいの状況であることから、区民生活は総じて、安定した状態が継続されているものと認識いたしております。
次に、消費税増税の中止についてです。今般の増税は増収分を幼児教育・保育の無償化や保育士及び介護人材、障害福祉人材の処遇改善に活用するほか、年金生活者支援給付金の支給を行うなど、将来を見据えた全世代型の社会保障制度への転換と、財政健全化を確実に進めることを目的としております。
また、増税前の駆け込み需要による反動減に配慮するために、軽減税率の導入や、子育て世帯や住民税非課税者へプレミアム付き商品券の販売を実施するなど、各種対策も行っていることから、増税の中止を国に求める考えはありません。
次に、家計応援と格差と貧困を是正する施策についてです。
本区はこれまでも、「就職サポート事業」や、「自立相談支援事業」、「まなびサポート事業」など、区民の暮らしを支える施策を、適宜実施しており、経済的な負担軽減策に取り組んでいるものと認識いたしております。
今後も、区民生活を支えるために、多方面に渡った施策を展開してまいります。
2019年第1回定例会―きくち幸江議員
日本共産党江東区議団を代表して質問します。
- 来年度の予算編成について
- 子育て支援について
- 防災対策について
- 高齢者の生活支援について
第1は、来年度の予算編成についてです。
アベノミクスでもうかったのは一握りの富裕層と大企業だけ、国民には景気回復の実感はありません。勤労統計の偽装見直しにより、「賃金は上昇している」との政府の認識が虚構であったことが明らかになりました。
2014年の消費税8%への増税後、平均実質賃金は年10万円以上落ち込み、家計消費は1世帯当たり25万円も減ったままです。雇用がふえたと言っても、そのほとんどは年金が少ない高齢者と勤労学生のアルバイトで、「所得環境が着実に改善」などとはほど遠い状況です。
江東区においても、私たち共産党区議団が行ったアンケート調査では、回答をいただいた6割の方が「生活が苦しくなった」と答え、商店街でも老舗店舗が次々店を畳んでいます。
区長はこれまで「景気は緩やかに回復」との政府見解をうのみにし、区民生活でも「着実に景気回復の影響は及んでいる」との見解を繰り返してきましたが、認識を改めるべきと考えます。まず、見解を伺います。
次に、政府予算です。
国民生活の困窮をよそに、自民・公明政権は10月の消費税増税にしがみつき、全世代型社会保障への転換だとして年金支給額の削減、後期高齢者医療保険料の引き上げ、要介護1・2の介護保険外しなど、高齢者福祉を軒並み切り崩し、生活保護の一層の切り下げ、幼児教育の無償化では給食費が外されるなど、全世代の暮らしを切り捨てようとしています。
消費税の増税では、統計偽装による景気判断の根拠が崩れました。「デフレから脱却できていないのに、さらなる増税は日本経済を破壊する」、「今増税すれば、貧困と格差が拡大し、国の財政も悪化して社会保障の財源確保も不可能になる」など、多くの経済専門家が警鐘を鳴らしています。
日本共産党は、財源確保策として、史上最高の利益を上げ、巨額の内部留保をため込んでいる大企業と、アベノミクスで莫大な資産が転がり込んだ富裕層に応分の負担を求め、アメリカの兵器を爆買いする大軍拡計画や大型開発を中止すれば、消費税を増税しなくても暮らしの財源を確保できると提案しています。
区長は、区民生活を守る立場で、社会保障削減と消費税増税の中止を求めるべきです。伺います。
次に、本区の予算案について伺います。
来年度予算案では、我が党が求めてきた認可保育園の増設や学校体育館の空調設備設置、胃がん検診に胃カメラの導入、お部屋探しサポート事業の改善など、一定の前進がありますが、塩浜福祉園、保育園、学校職員の民間委託を進めて不安定雇用をふやし、オリンピックの機運醸成を言いながら、区民や障害者自身がスポーツに親しむ環境の整備はありません。
防災対策でも、防災基金を20億円も積み立てる一方、せっかくつくるハザードマップはわずか5万部、全戸への配布も拒み、暮らしが大変になっている高齢者への経済的支援は皆無です。
本区の昨年決算時の基金総額は1,231億円と過去最高です。最近4年間で344億円もふやし、本年度最終補正で新たに127億円もの積み増しは、異常な予算の残し方ではありませんか。区民の税金は区民の暮らしと営業を豊かにするために使うべきです。
構成比0.9%と落ち込んでいる産業経済費は増額をし、商店街活性化、再生のためのコーディネーターの派遣、生鮮三品小売店支援事業の支援対象を全店舗に拡大、地域経済活性化協議会の部会設置と技術、営業、ITなどの専門アドバイザー配置など、本腰を入れた地域経済への支援を求めます。
また、学校のトイレの洋式化は完了期限を決めて迅速化を図り、教育環境を守る学校施設整備費をふやすこと、高過ぎる国保料はこどもの均等割を無料とするなど、山積する区民要求に直ちに取り組むことを求めます。伺います。
次に、民間委託についてです。
区は、保護者の強い不安と反対の声を押し切って、塩浜福祉園の来年度からの民間委託を強行しました。保護者からは、職員体制や施設の問題など、多岐にわたる要望や提案が出されていましたが、これらにまともに応えることのない見切り発車で、保護者からは「私たちの声を聞いてくれない」と怒りの声が上がっています。
また、新たに開始する図書館の委託では、文京区で7年間に219人の離職者を出すなど、劣悪な労働環境が問題となりました。地域の貴重な歴史的文書が廃棄されたところもあります。私たちが視察した福岡県小郡市では、「直営でこそ図書館の役割が果たせる」と、民間に委託した図書館を直営に戻しています。
民間運営が主流となってきた保育園では、依然として深刻な保育士不足で、低賃金、過重労働のもと、定数偽装も起こり、こどもたちの安全も危うい事態です。
結局のところ、民間委託は、住民福祉を犠牲にして、劣悪な労働条件で働く官製ワーキングプアを生み出すものではありませんか。民間委託の中止を求めます。伺います。
次に、自治体の役割について伺います。
政府は、昨年、自治体戦略2040構想を発表しました。「自治体の職員は今の半分でよい」として、住民との矛盾が激化している行革路線をさらに推し進め、水道事業など、もうけが見込める仕事は民間に、福祉事業などは住民のボランティア組織に委ね、自治体はその調整役とするなど、自治体の役割を変え、地域や築き上げられたコミュニティ活動を壊すとんでもない方向づけです。区として、この政府方針をどう受けとめていますか。
区はこれまで、国の言いなりに行革を進め、景気判断や社会保障削減、憲法違反の安保法制まで「国や都の動向を見て」と追随してきましたが、国の言いなりでは、住民の暮らしと安全を守る自治体の役割は果たせません。国に対し、行革路線の押しつけをやめて、憲法25条に基づく社会保障への責任を果たすことを求めるべきです。伺います。
次に、子育て支援について伺います。
その第1は、児童虐待からこどもを守る対策の強化です。
千葉県野田市で10歳の女の子が父親の虐待により命をなくしました。虐待がわかっていながらなぜ命を救うことができなかったのか。児童相談所の職員の不足や教育委員会、学校の対応など、関係者の検証が行われているところですが、虐待相談、受け付け件数ともに急増している本区においても、改めてその取り組みのいかん、体制のいかんが問われます。
来年度、虐待対応の職員をふやすことは評価しますが、野田市の例からも、学校、保育園、家庭などを含め、こどもの生活全体を見守る支援体制の強化と専門性の向上が必要です。
私たち会派としてこれまで、増加する虐待件数に見合った専門職員の増員とあわせて、豊洲子ども家庭支援センターなどに相談窓口を拡大すること、産後鬱、心のケアへの支援強化、スクールソーシャルワーカーの全校配置、児童相談所設置に向けた職員研修の推進なども求めてきました。こどもを見守る各部署の体制、ネットワークなど、区の支援策を見直しその拡充を求めます。伺います。
次に、保育問題についてです。
認可保育園の不足は依然として深刻です。今年度も3,603人の募集枠に対し、5,000人を超える申し込みがあり、1,500人程度の待機児が見込まれます。区の保育園整備目標は、隠れ待機児の入園も見込んで2,000人に引き上げることを求めます。
北区では、緊急対策として区立園を4園開設したところ、保育士500人の応募があり、80人を採用して、区立園の設立は待機児解消の決定打となっています。本区でも、区立園の開設、民有地の買い上げも行って土地を確保し、本気で待機児をなくす取り組みとすることを求めます。伺います。
保育の質の確保も問題です。
保育に対する公的責任を後退させ、規制緩和で安上がり保育を進めてきたことにより、園庭のない私立保育園が半数を超えました。2階、3階建ての小規模園もふえ、保育環境の悪化は保育士の負担をふやし、重い責任と低賃金が保育士不足の要因となっています。諸外国に比べて著しく低い保育士の配置基準を引き上げるよう、国に求めること。当面、区の保育士配置の加算を公立園並みに引き上げ、株式会社の不当な利益に歯どめをかける保育人件費比率を補助金支給の要件とするなど、保育士配置と処遇改善の強化を求めます。伺います。
次に、子育てにかかわる経済的支援についてです。
「貧困と格差の拡大」政治のもとで、日本のこどもの貧困率は13.9%、約7人に1人が依然として貧困状態にあります。家庭環境のいかんにかかわらず、健康で健やかな成長を遂げるための支援は行政の責任です。
就学援助では、入学準備費の支給額と支給時期が改善されましたが、義務教育の無償に照らしてさらなる拡充が必要です。
世田谷区は来年度、就学援助の対象となる所得基準を、現行の1.24倍から1.4倍に引き上げ、給食費補助に限って申請率70%を目指すとのことです。本区も、現行の生活保護基準1.18倍を引き上げて支給対象を広げ、眼鏡、体育実技用品費など、支給対象項目の拡大を求めます。
学校給食費は、全国82自治体で無償化を実施、424自治体が一部無償化か、または補助金の支給で保護者負担の軽減に踏み出しています。本区も無償化を進めるべきです。
こどもの医療費助成では、本区は先駆的に中学校3年生までを対象として、子育て世帯に歓迎されてきました。さらに教育費負担の大きい18歳まで対象を広げ、病気やけがでもお金の心配なく医療を受けられる環境整備をすることを求めます。
以上、経済的支援について見解を伺います。
次に、防災対策について伺います。
近年、全国各地で大きな地震や水害が次々と起こり、区民の不安が高まっています。区内のほとんどが軟弱地盤で、海水面より低い江東区において、行政の責任は重大です。
まず、地震対策です。
江東区は、阪神大震災で最初に命を失った方の9割近くが、建築物や家具の転倒による圧死であったとの教訓から、住宅の耐震化を進めてきましたが、計画開始から12年、耐震化を予定した2万1,000戸に対し、木造住宅33戸、マンション23件(1,610戸)と進んでいません。建物が無事であれば住民の命が助かり、避難所の負担も軽減し、減災の効果ははかり知れません。マンションでは、一昨年の補助金引き上げで改修に踏み切ったところもあり、補助金の増額は決定的です。面積や住宅戸数に応じて、1戸当たり150万円の木造住宅補助に見合った引き上げを求めます。
また、木造住宅では構造上、耐震化が困難な住宅も多いとのことです。崩れない1部屋で命を守るための簡易耐震への補助制度の創設、高齢者、障害者を対象とした家具転倒防止器具設置の数の制限をなくすこと、火災発生を防ぐ感震ブレーカーの設置補助など、区民の命を守る取り組みを直ちに行うことを求めます。伺います。
次に、水害対策です。
昨年、江東5区が、荒川と江戸川の決壊を想定してつくった大規模水害ハザードマップは、区民にも大きな衝撃となり、いざというときどう行動するか、関心が高まっています。
区が来年度つくる洪水・高潮ハザードマップは、住民が自分の居住する地域の危険度を知ることで適切な避難行動につながります。区民の手元に届け、町会・自治会などで説明会も行い、どこに逃げるか、災害弱者の支援はどうするかなど、その地域に合った避難の仕方を住民とともに考え、訓練ができるところまで支援すべきです。
江東5区のうち、ハザードマップを全戸に配布しないのは江東区だけです。ハザードマップの全戸への配布とあわせて、各地域の海抜、浸水履歴など、危険度を知らせるための表示板を電柱や道路柱、公共施設など、目につくように表示し、住民と来訪者にもわかるようにすべきです。見解を伺います。
ハード面の整備も重要です。
東京都は、東日本大震災後、防潮堤、内部河川、水門・排水機場の耐震化を平成33年までに終了する計画を立てましたが、内部河川の護岸耐震化の進捗状況は、29年度着工を含め53%と聞いています。東京都に早期完了を求めること、また、耐震化率28%の区道橋の耐震化促進を求めます。伺います。
次に、高齢者の生活支援について伺います。
その第1は、高齢者の生活を支える経済的支援です。
共産党区議団が昨年行った区民アンケートでは、「年金が減らされ、保険料の天引きでこれ以上切り詰められない」、「介護保険料が高過ぎる。使わなかったら返してほしい」など、医療、介護の負担の重さを訴える回答が一番多くありました。
負担がふえている大もとは政府の悪政にありますが、江東区も、介護保険導入を機に、福祉手当の支給や障害者福祉手当の65歳以上新規受け付けをやめてしまいました。「現物給付をするから現金給付はしない」ということですが、介護保険の利用にはお金がかかり、利用しなくても保険料を払い、かえって生活は大変になっています。保険料の負担軽減と各手当支給の復活をすべきと考えますが、伺います。
また、災害級の暑さが長く続いた昨年の夏、救急搬送された半数近くが高齢者。熱中症の4割は住宅内で発生し、その7割が高齢者とのことです。命にかかわる問題であり、クーラーのない高齢者世帯への設置補助を求めます。
また、高齢者は節電、節約の意識が高く、クーラーがあっても使わないで熱中症になることも少なくないそうです。電気代補助制度をつくり、経済的支援でクーラー使用を呼びかけることも効果的と考えます。あわせて伺います。
次に、住宅問題です。
高齢であることを理由に賃貸住宅への入居を拒まれる。年金生活で収入が減り、住んでいた住宅に住み続けられない状況が深刻です。
区が住宅探しを手伝うお部屋探しサポート事業で、来年度から大家さんの不安をなくすための死亡時補償などへの支援を行うことは前進ですが、対象が同事業の契約成立者だけでは全く不十分です。中野区のように、支援対象を賃貸住宅に居住する単身高齢者に広げ、不動産窓口での申し込みをできるようにするなど、手続や周知方法も工夫して利用しやすくすることを求めます。伺います。
次に、家賃助成です。
「少ない年金に対して家賃が高過ぎる」、転居したくても「払える家賃で入居できる部屋がない」と切実です。公営住宅の抽せん倍率は毎回数十倍で、何年申し込んでも入れないという声が渦巻いています。不足する公営住宅並みに所得に応じた家賃で入居できるように、家賃助成や公共住宅の借り上げをすべきです。見解を伺います。
次に、自立しての生活ができなくなったときの住まいの支援です。
特別養護老人ホームの待機者は1,300人、グループホームも不足し、入居費用の負担も大変です。施設の増設と支払い可能な負担で入居できるように、費用負担への支援を求め、見解を伺います。
最後に、この場をおかりして一言申し上げます。
私とそえや良夫議員は、今期をもって議会を引退することといたしました。今後は、一区民として、また共産党員として、よりよい社会の発展を目指して活動を続けてまいります。御指導いただきました同僚議員の皆様、区長を初め理事者の皆様に心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
2018年第4回定例会―山本真
日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点質問いたします。
- 防災対策について
- こどもの放課後保障について
- 教育問題について
大綱1点目は、防災対策についてです。
この夏、地震、豪雨、台風など、大災害が相次いで発生しました。災害の危険から住民の命を守るためにも抜本的な対策が求められます。
まず、水害対策についてです。
私たちは、海抜表示の設置や洪水ハザードマップの全戸配布を繰り返し求めてきましたが、区は「不安をあおる」など、後ろ向きの答弁を繰り返してきました。しかし、自分たちの住む地域の理解は、いざというときの避難行動を促し、命を守ることにつながるものです。
葛飾では、まず現状を知ってもらおうと、10年前から町中に海抜表示を集中的に設置。その後も住民の要望でふやし、現在は450カ所設置しています。東日本大震災以後には、墨田区で125カ所、品川で639カ所の海抜表示を設置しています。江東区の対応は遅過ぎです。直ちに実施を求めます。伺います。
洪水ハザードマップの全戸配布は、全ての区民に必要な情報を届ける対策です。区はアプリで対応すると言いますが、アプリはスマートフォンがなければ利用できず、高齢の方からは「私には使うことはできないし、役所にとりに行くのも大変」との声が寄せられています。洪水ハザードマップの全戸配布を求めます。見解を伺います。
次は、地震対策について伺います。
現在、区内には4万4,000戸、旧耐震の建物が残されています。戸建ての住宅の耐震改修には数百万円かかり、特に高齢者のみの世帯では、改修にちゅうちょし、進みません。我が会派は、「避難路を確保するための簡易耐震改修などにも補助を」と繰り返し求めてきました。しかし、区は、一部だけでは安全性は確保できないことを理由に実施しようとしていません。放置したままのほうが危険であり、命を守る耐震改修が求められます。
墨田区は、2006年度から簡易耐震改修制度を実施しており、改修のほとんどが簡易耐震改修です。現在までに400件の実績があります。担当の方は、「耐震改修のメニューが多めにあって初めて考えてもらえる。そこから本格的な耐震につながっている」と話します。簡易耐震改修の実施を求めます。伺います。
マンションの耐震については、この間、1棟当たりの補助ではなく、戸数に応じた補助を求めてきましたが、区は「お金の問題のみではない」と後ろ向きでした。
2015年に区が行ったマンション実態調査では、マンションの耐震化における問題点は、「費用の不足」が54.5%と突出しています。費用が大きな問題です。1棟当たりの補助では、大規模マンションほど助成率は低くなります。耐震補助の基準を1棟当たりではなく、住宅戸数1戸当たりの補助に見直すべきです。伺います。
地震時に家具転倒による負傷などを避けるため、家具固定は極めて重要な対策です。現在、区では、高齢者や障害者の世帯に対する家具転倒防止の設置補助を行っていますが、設置箇所数は3カ所と少なく、テレビなどは対象からも外されています。設置箇所数の制限なく対応できるようにすべきです。伺います。
感震ブレーカーについて伺います。
阪神大震災、東日本大震災での火災の原因の過半数が通電火災によるものです。地震のときに自動で電気が遮断される感震ブレーカーの効果は明らかです。現在14区で助成制度があり、荒川では高齢者、障害者への無料配布が行われています。あっせんにとどまらず、設置助成をすべきです。伺います。
ブロック塀対策についてです。
東京都は、地震発生時のブロック塀倒壊被害を防ぐため、独自に補助制度の補正予算が計画されています。この補助制度を活用し、本区のブロック塀対策を早急に実施すべきです。伺います。
防災に関する実態調査について伺います。
区内の家具転倒など防災実施状況の把握は、世論調査では質問が不十分で実態はわかりません。
静岡県では4年に1度、南海トラフ地震についての県民意識調査を行っており、家具固定を実施していない理由を詳細に聞き、対策につながる調査も行っています。防災に関する調査を実施し、防災意識の普及啓発、そして施策に反映できる調査を行う必要があると考えますが、見解を伺います。
大綱2点目は、こどもの放課後保障についてです。
こどもの豊かな成長にとって遊びは欠かせません。遊びを保障する放課後事業について伺います。
初めに、江東きっずクラブA登録について伺います。
きっずAは、学校内でこどもたちに遊びと学びの場を提供するところです。この間、視察をさせていただきましたが、こどもたちの楽しく遊ぶ姿と同時に課題も感じています。それは場所と指導員体制の課題です。
きっずAは1クラブ当たりの平均利用人数、1日約60人で、1部屋ではおさまらず、複数の少人数学習室、図書室など、教室をタイムシェアで使っています。
しかし、あるきっずAでは、図書室で過ごしていたところに授業で図書室を使うことがわかり、移動せざるを得なくなりました。学校行事などで体育館、校庭が使えなくなり、きっずAの行事を急遽キャンセルするなども起こっていますが、きっずAの職員は間借りしている立場で裁量がありません。
また、職員は、次々と帰ってくるこどもの受け入れや、来る予定のこどもが来ないことの確認、そして30分ごとの帰宅の対応に追われ、こどもたちに遊びを通してかかわるなど、踏み込んだ支援ができない状況です。
きっずAのこどもたちの急な予定変更や居場所がなくなる現状を、区はどのように考えていますか、見解を伺います。
全てのきっずAに専用室の確保と人員の増配置をできるよう見直すべきです。伺います。
学童クラブ、江東きっずクラブB登録について伺います。
学童、きっずBは、保護者が就労しているこどもたちに、家庭のかわりという生活の場を提供する大切な役割を果たしています。こどもが相互に関係性を構築したり、まとまって行動するには、適切な規模が必要で、おおむね40人以下とされています。大規模になるほど騒々しくなり、落ち着かず、ささいなことでけんかが起こりやすくなります。
区は部屋当たりの面積基準で定員を出していますが、大規模化に対しては考慮されていません。そのため、現在1クラスの規模が40人を超える学童、きっずBは27クラブあり、1部屋で80人のこどもが過ごすクラブもあります。適正な規模で施設整備を行うべきです。
また、施設整備が進まない当面の対策として、大規模による加算で職員配置を行うべきです。見解を伺います。
きっずBに希望しても入れない保留児童が9カ所で発生しています。10名以上の保留児がいるクラブは、四砂小、東陽小、北砂小、明治小と4カ所あります。保育園卒園者の多くは学童を必要としています。保育園の需要増を考えると、今後の学童の需要も増加傾向が考えられます。
学童やきっずBに入れないこどもの受け皿をきっずAとする対応ではなく、学童、きっずBにも入れるよう整備を求めます。伺います。
私立学童クラブについて伺います。
私立学童は父母が運営する学童で、6年生までの受け入れや、午後7時を超える延長保育、さらには区立学童に入れないこどもを受け入れるなど、区立学童を補完する大事な役割を果たしてきました。しかし、私立学童に対する助成は少なく、指導員の賃金は低く、保護者の負担は月額1万5,000円近くで、区立学童の3倍です。
私立学童に対して国の放課後児童支援員等処遇改善等事業を活用し、指導員の給与を増額できるようにと、区民の方からも陳情とともに4,000を超える署名が出され、私たちも繰り返し求めてきました。しかし、区の答弁は、2016年の10月から3年間にわたりずっと「検討中」です。指導員の処遇改善、保護者の負担軽減のためになぜやらないのでしょうか。伺います。直ちに事業を活用して実施をすべきです。伺います。
放課後児童健全育成事業に関する基準について伺います。
厚労省は、待機児が発生しているなどの理由から、放課後事業の職員配置数や資格などを定めた国基準を事実上廃止する方針を打ち出しました。これでは、資格のない大人がたった1人で多くのこどもたちの保育に当たることも起こり得ます。保育の質の確保は、こどもの命と安全を守ることそのものです。待機児がいるから基準を切り下げて解決を図るというのは大きな間違いです。
放課後事業は単に場所があればいい、人がいればいいというものではありません。一人一人のこどもを理解し、専門性を持った指導員の複数配置が不可欠です。国に対し、基準の見直しは撤回するよう求めるべきです。また、区として配置基準等は最低でも現行基準を守るべきです。伺います。
江東区版・放課後子どもプランの改定について伺います。
きっずクラブが全校展開されましたが、それが全てのこどもたちを支える受け皿にはなり得ません。江東区公共施設等総合管理計画では、幼児、児童に対する子育て支援施設について統廃合が検討され、今定例会では、住吉児童会館を廃止する条例案が出されています。それぞれの施設には独自の役割があり、安易な統廃合を行うべきではありません。こどもたちを取り巻く環境は困難を増しており、こどもたちに多様な選択肢が残されるべきです。
放課後子どもプランに児童館、学童、きっずクラブなど、それぞれ位置づけ、発展させるべきです。私立学童についてもきちんと位置づけるべきです。区の見解を伺います。
また、住吉児童会館は区内唯一の施設であり、児童館の基幹的な役割を果たしてきた場所です。存続させていくべきだと考えますが、見解を伺います。
大綱3点目は、教育問題について質問します。
まず、就学援助の拡充について伺います。
前定例会で、我が会派の質問に対し区は「入学準備費の支給時期を改善したことに続き、来年度から支給金額を引き上げる」と答弁しました。これまで私たちも繰り返し求めてきたもので評価します。
就学援助制度は、経済的理由で就学が困難な生徒の保護者に対し、経済的支援をする制度であり、貧困と格差が拡大する中で、さらに認定基準の引き上げや修学旅行費など費用の増額、対象項目の拡大が必要です。既に23区中15区で柔道着などの体育実技用品を、墨田区では眼鏡の購入費を対象に加えています。本区でも、就学援助制度のさらなる拡充を図るべきです。伺います。
次に、奨学資金貸付制度について伺います。
高校を中途退学した方から、「再入学する上で費用に困っている」と相談がありました。現在、区の奨学金は中学3年生が対象になっているので、中途退学した方は利用できません。高校中退者は、さまざまな支援策の外に置かれてしまい、負の悪循環が生まれます。高校中途退学者も対象に含めるなど、奨学資金貸付制度を改善すべきです。伺います。
区の教育委員会は、奨学資金が返せない滞納世帯の生活実態や返済能力を無視して、2015年度から回収業務を弁護士に委託し、返還を求める訴訟を起こしています。奨学金の返済をめぐって少なくない学生が自己破産をするなど、社会問題になっているときに、応援すべき区民に対し訴訟を起こしてまで取り立てを行うことは、余りにもひど過ぎます。区の教育委員会は直ちに回収業務の委託を中止するべきです。あわせて、返済不要の給付型奨学金の創設こそ図るべきです。伺います。
次に、学校給食費の無償化について伺います。
先日、文部科学省が発表した学校給食費の無償化等の実施状況によると、全国82自治体に学校給食の無償化が広がっています。さらに、多子世帯の無償化は104自治体で実施されています。前回定例会で我が会派の質問に区は、「他自治体の動向を注視する」と答弁しました。給食費無償化の流れは大きく広がっています。区としても学校給食費の無償化に踏み出すべきです。伺います。
次に、学校トイレの洋式化について伺います。
一般家庭での洋式率は90%を超えているのに対し、区内の小中学校では69%と低く、50%以下の学校も残されています。
区は、設置率が低い学校から順次洋式化を進めていくとしていますが、いつまでに全てを完了するのか明らかにしていません。学校のトイレの洋式化は、こどもの学びにも健康にもかかわる大事な問題です。
葛飾では3年間で全てのトイレを洋式化し、足立も年次計画を立て、期限を決めて洋式化を進めています。江東区としても、期限を決めて速やかに洋式化すべきです。伺います。
災害時には避難所になる学校体育館のトイレを、一刻も早く洋式化すべきです。さらに、車椅子の方など、障害者が安心して利用できる多機能型トイレを設置するよう求めます。
見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
(再) 私立学童について伺います。
国の処遇改善事業を活用してなぜやらないのかの問いに対して、放課後事業のあり方で検討しているとの答弁でしたが、なぜやらないのかの理由になっていません。改めて答弁を求めます。
2018年第4回定例会―正保みきお
日本共産党を代表し、大綱3点について質問します。
- 区民の暮らしと来年度予算編成について
- 障害者支援について
- 憲法と平和について
第1は、区民の暮らしと来年度予算編成についてです。
安倍政権は、国民多数の声に背を向け、暮らしと景気を壊す消費税増税や憲法違反の安保法制、医療・介護などの社会保障の削減、さらに原発再稼働や労働法制の改悪など、悪政を強行してきました。
こうしたもとで、多くの区民が「暮らしは苦しくなっている」、「景気回復の実感はない」と訴えています。
しかし、区長は「社会保障は充実している」、「景気は回復基調だ」、「区民生活が悪化しているとの認識はない」と言い切り、国の悪政に追随し、区民の暮らしの実態に向き合おうとしません。
地方自治体の最も重要な仕事は、住民福祉の向上です。区民福祉を向上させ暮らしを守るためには、区民の立場で国の悪政に物を言うべきではありませんか。まず、伺います。
政府の来年度予算の概算要求でも、軍事費が過去最高の5兆5,000億円を超える一方で、社会保障予算は、75歳以上の医療費窓口負担を2倍に、要介護1・2の生活支援は保険給付を外し、保育所、幼稚園などの給食費は無償化の対象外にするなど、全世代に痛みを押しつけるものです。
国に対し、軍事費の増大をやめ、区民の暮らしを脅かす社会保障の削減路線から充実へと転換を求めるべきです。伺います。
直近の世論調査では、国民の8割以上が「アベノミクスで景気回復の実感はない」と答えています。区民からは「年金も減らされ、これ以上どこを削ればいいのか」、「売り上げが減って商売が続けられない」など、悲痛な声が寄せられています。
安倍政権のもとで、日本経済の6割を占める家計消費は、2人以上世帯の実質消費支出で21万円減少するなど、景気が落ち込む悪循環に陥っています。
アベノミクスは円高や株高で企業や資産家のもうけをふやしましたが、そのほとんどが株主配当や大企業の内部留保となり、労働者の所得にも回っていません。
日本共産党は、暮らし第一で経済を立て直す改革を提案しています。その中心は、賃上げと労働時間の短縮、子育てと教育の重い負担の軽減、社会保障の削減をやめ充実への転換、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革です。大企業が利益を上げれば景気がよくなるという安倍政権の経済政策は、大もとから見直すことが必要ではありませんか。見解を伺います。
消費税増税について伺います。
安倍総理は、来年10月から消費税率を10%に引き上げると表明しました。4年半前に消費税を5%から8%に増税したことによって、家計消費がいまだに落ち込んだままです。増税を強行すれば消費が一層冷え込み、景気がますます悪くなることは明らかではありませんか。伺います。
区長は、消費税は社会保障のためと言います。しかし、消費税導入から30年間の消費税収は372兆円に上りますが、同じ時期、法人税収は291兆円も減っています。そのため、社会保障は改悪の一途です。消費税収は社会保障のためではなく、大企業の減税の穴埋めに回されたことは明らかです。これでは社会保障はよくならないと思いますが、伺います。
政府が言う軽減税率は、一部の食料品を8%に据え置くだけで、税負担が軽減されるわけではありません。また、ポイント還元は中小商店に多大な負担と混乱をもたらし、カードを持たない人には何の恩恵もありません。
今後導入が予定されているインボイス制度は、500万とも言われる免税事業者が取引から排除され、雇用契約がない請負労働者や建設職人などにも深刻な影響が生じるため、日本商工会議所や中小企業団体がこぞって反対しています。暮らしと経済に混乱と打撃をもたらす消費税10%増税中止を政府に求めるべきです。伺います。
本区の行財政改革と民間委託問題について伺います。
山崎区長は、この間、行財政改革と称して、敬老祝金の削減や高齢者の配食サービス補助金の削減、交通事故相談窓口の廃止、奨学資金や生活福祉資金など、生活困窮者への貸付金を裁判にまでかけて回収してきました。また、毎年の国保料値上げや、住民税や国保料の滞納者に対する強権的な差し押さえを行ってきました。
さらに、毎年人口が増加し、業務量増大にもかかわらず、区の職員を削減し、学校や保育園の給食調理や用務業務、保育園や福祉会館などの民間委託を行い、区みずからが不安定、低賃金の労働者を増大させてきました。
その一方で、この5年間だけでも基金を344億円も積み増しし、基金総額は過去最高の1,231億円に膨らんでいます。区民への負担増や施策の切り捨て、不安定雇用を拡大しながら莫大な基金をため込む行財政改革は見直すべきです。伺います。
財政効率優先の民間委託は、働く貧困層を区みずから増大させるもので、区民福祉の向上に逆行し、自治体の役割をも投げ捨てるものです。
保育現場では、低賃金と長時間過重労働のもとで保育士不足が深刻化し、保育の質の低下を招いています。待機児童の増加、保育園、保育士不足のさなかに、保育士の身分が保障され、ベテランの保育士と若い保育士がバランスよく配置され、園庭もあり、伸び伸びと活動できる公立保育園の民営化はやめるべきです。伺います。
重度障害者が通う塩浜福祉園の民間委託に対し、父母会のアンケートでは、民間委託に賛成した人は1人もいません。委託ありきの強引なやり方は、私たちのことは私たち抜きで決めないでという障害者権利条約にも反するものです。塩浜福祉園の民間委託はやめ、直営を堅持すべきです。伺います。
区は、江東・深川両図書館以外の8館の民間委託を進めています。図書館の民間企業への委託は利益最優先となり、図書館本来の目的と役割が果たせません。全館直営で行うべきです。伺います。
本区の来年度予算編成について伺います。
安倍政権のもとで格差が拡大し、生活保護世帯は7,800世帯、9,800人を超えています。国保料滞納世帯は2万3,000世帯、国保加入者の4割近くに上ります。就学援助を受けるこどもは、小学生で約2割、中学生では3割を超えます。住民税非課税者は、この6年間で2万3,000人増加し、12万人に達しています。
日本共産党江東区議団の区民アンケートでは、「暮らしが苦しくなった」と答えた人が6割を超えています。区民の暮らしの実態について、認識を伺います。
安倍政権による悪政が進められているときだからこそ、区政が区民の暮らしを守る防波堤の役割を果たすべきです。
日本共産党区議団は、この間、区民アンケートの実施、医療・介護、中小業者、障害者など、区内諸団体と懇談し、要望を伺ってきました。区長に14項目の重点要望や、438項目に上る予算要望書を提出していますが、来年度予算編成に当たり、次の施策を盛り込むことを求め、見解を伺います。
第1は、経済的支援の拡充です。
暮らしが厳しくなる中、介護保険料の引き下げ、高齢者入院見舞金や重度介護手当の創設を求めます。子育て世代には、保育料の引き下げ、就学援助拡充や給食費を初め学校教育にかかる費用負担の軽減、18歳までの医療費の無料化を求めます。高過ぎる国保料の引き下げは急務です。とりわけ保険料負担が非常に重い多子世帯の均等割を軽減すべきです。
第2は、福祉施設の整備促進です。
不足する公立保育所や特養ホームの増設、障害者多機能型入所施設は待ったなしです。民間任せでなく、区の責任で整備すべきです。
第3は、地域経済の主役である中小企業支援の拡充です。
産業実態調査の実施、店舗改修費助成の拡充や住宅リフォーム助成の創設など、ニーズに即した支援を拡充し、中小企業予算を抜本的に増額すべきです。
第4は、これ以上の民間委託を行わず、暮らしや福祉を支え、災害時でも重要な役割を果たす正規職員の増員を図るとともに、職員削減のための定員適正化計画の抜本的見直しを求めます。
これらの施策は、財政運営のかじを、基金ため込み型から区民の暮らし応援に切りかえ、1,200億円を超える基金の一部を活用すれば十分可能です。伺います。
第2は、障害者支援について伺います。
まず、障害者雇用の問題です。
障害者雇用促進法に基づく制度で、国の多くの中央省庁と地方自治体が、障害者法定雇用率を水増し偽装していたことがわかりました。これは、障害者雇用で率先垂範すべき国や地方自治体が、法律で義務づけられた雇用率をごまかして、憲法で保障された障害者の働く権利を侵害した重大問題です。区の認識を伺います。
本区においても、再調査の結果、障害者雇用数が22人不足し、達成されたとしていた法定雇用率は未達成となりました。区は、これまでずっと障害者雇用率を算定する際の障害者の確認を、本人の同意をとらずに、年末調整の障害者控除の申請の際の障害者手帳の写しで行っていました。これは、障害者雇用状況の報告のために用いるという利用目的を明示した上で、本人の同意を得なければならないとする国のガイドラインに反するものであり、勝手に流用することはプライバシーの侵害です。区の障害者雇用に対する意識の低さ、人権意識が欠如していたのではありませんか。伺います。
障害者雇用率をふやすだけでなく、障害のある人が生き生き働き続けられる職場をつくり、定着させていくことも重要です。障害者雇用促進法は、障害者差別の禁止と合理的配慮の提供を義務づけています。
兵庫県明石市では、障害者としての経験を生かして働いてもらおうと、障害のある専門官を採用し、障害者福祉計画やコミュニケーションのための条例立案にも当事者として意見を述べ、手腕を振るっています。
本区では、採用した障害者の方が短期間で退職したという話も聞いていますが、法の趣旨を踏まえ、一人一人の特性に応じた配置と配慮、働き続けられる環境づくりに向け、全庁を挙げて取り組んでいくべきです。伺います。
次に、障害者福祉サービス等の報酬改定について伺います。
就労継続支援B型事業所では、新たな報酬改定によって、工賃を稼げることが高い評価の対象となり、障害の重い人や安定して働くことが困難な人が、福祉的就労からも選別、排除されかねない事態となっています。現場から「工賃を稼ぐために、働ける人を受け入れ、働けない人を排除することになるのではないか」と危惧する声が上がっています。障害の重い方は「私がいるから報酬を下げているのでは」と肩身の狭さを感じています。
区は「めり張りをつけた報酬改定だ」と言いますが、障害者の実態と合わない基本報酬の設定は改めるよう、国に求めるとともに、区として実態を調査、把握して事業継続を支援すべきです。伺います。
放課後等デイサービス事業所では、報酬改定によって、障害が重い子が半数以上いるか、半数未満かで事業所の報酬に大きな差が生じ、区内の多くの事業所で大幅な減収となっています。
現場から「収入が下がるとスタッフが減って人手不足になる」、「支援を頑張って行っても、できる子がふえると軽くなったとみなされ収入が減る。質の高い支援と矛盾し、はしごを外された感じ」との声が上がっています。
障害のあるこどもたちの学童として重要な役割を担っている放課後等デイサービスが、安定的に事業継続ができるよう、報酬改定による影響を把握し、財政を含め支援すべきです。伺います。
次に、障害者スポーツの普及振興について伺います。
区は、オリンピック・パラリンピック基金を活用して、障害者スポーツ参加のきっかけづくりを支援するため、初級障がい者スポーツ指導員の養成事業を行っています。
前回の定例会で我が党の菅谷議員が、障がい者スポーツ指導員資格の取得について、一般公募区民にもスポーツ公社職員やスポーツ推進委員と同様の費用補助、中級指導員の養成支援、そして指導員の活躍の場を広げるなど、事業の拡充を求めたのに対し、区は「一般区民は個人的なスキルアップが目的」、「スポーツイベントへの派遣協力依頼がふえる」などと、心ない答弁があったことは非常に残念です。東京2020大会を契機に、多くの障害者にスポーツは楽しいと感じてもらうことが一番のレガシーではないでしょうか。そのきっかけづくりとして、公募区民を含め、指導員の養成と活動の場を広げること、区民ボランティアをふやし区民協働を広げる取り組みなど、障害者スポーツ事業のさらなる充実を図るべきと思いますが、伺います。
第3は、憲法と平和について伺います。
安倍首相は、今国会に自民党としての憲法9条改定案を提出すると表明しました。憲法改定の議論をめぐって、前区議会本会議で自民党議員から「共産党は、自衛隊は憲法違反であるが自衛隊の活動は認めるとの立場は、いいかげんな御都合主義」との発言がありましたが、とんでもありません。憲法9条に照らせば、自衛隊が憲法違反であることは明瞭です。
日本共産党は、世界やアジアの全ての国々と平和・友好関係を築き、日本を取り巻く平和的環境が成熟し、もう自衛隊がなくても安心だと圧倒的多数の国民の合意が成熟して初めて、憲法9条の完全実施に踏み出すことができると考えています。
その間に、急迫不正の主権侵害や大規模災害など、必要に迫られた場合には、自衛隊の活用も含め、あらゆる手段を使って国民の命を守るのは当然です。今問われているのは、今問われているのは、自衛隊や安保条約の是非ではありません。憲法9条を変えて、海外で戦争できる国にさせていいのかということです。区の認識を伺います。
安倍首相は、自衛隊を書き込むだけだと言いますが、一たび憲法に自衛隊を明記すれば、戦力保持を禁止した9条2項が空文化し、海外での武力行使が無制限となります。
戦後70年間、日本が平和であったのは、自衛隊や安保条約、ましてや自由民主党の政策の結果ではありません。憲法9条があったからこそ、海外派兵でも武力行使までは踏み込めず、戦後1人の外国人も殺さず、1人の戦死者も出さなかったのです。区長の憲法9条についての認識と、憲法9条に自衛隊を明記することについての見解を伺います。
自民党の改憲案を臨時国会に提出することに対し、どの世論調査でも例外なく反対が多数です。国民が望んでもいないのに改憲論議を政権、与党が強引に推し進めること自体が、立憲主義の否定であり、憲法の私物化です。区長は憲法を尊重、擁護する立場から、安倍政権による9条改憲に反対すべきです。伺います。
韓国の文在寅大統領は、朝鮮半島で絶対に二度と戦争を起こしてはならない、対話しか解決の道はないとの信念で、南北・米朝首脳会談を実現をし、画期的な外交イニシアチブを発揮しました。
今日本に求められているのは、大きく進んでいる平和の流れをさらに前進させるために、憲法9条を生かし、北東アジアに生きる国として、この地域に平和体制を構築するための外交的イニシアチブを発揮することではないでしょうか。
見解を求め、以上質問といたします。(拍手)
(再) 再質問をさせていただきます。
障害者福祉サービスの報酬改定によって、福祉的就労の現場から、また放課後等デイサービスの事業所から、この報酬改定による影響、負の影響が出ている状況にあり、私はその声を率直に区長に届けました。しかし、国の動向を注視をする、こういう答弁です。現場の声をなぜ聞かないのか。現場の声を聞き、実態を把握すべきではありませんか。伺います。
2018年第3回定例会―すがや俊一
日本共産党を代表し、大綱3点について質問いたします。
- 児童虐待問題について
- 受動喫煙防止対策について
- 障害者支援について
質問の1点目は、児童虐待問題についてです。
5歳の女の子が食事を与えられないなどの虐待で亡くなる痛ましい事件が目黒区で起こるなど、全国の児童虐待件数は、昨年度13万3,778件で過去最多です。こうした事態を受けて政府は、児童相談所の体制強化を打ち出し、また東京都も全庁的なプロジェクトチームを立ち上げ、児童福祉司や児童心理司の増員など、総合的な対策を進めるとしています。
本区においても、虐待相談件数が6年前の2倍以上、1,037件に達するなど、増加の一途であり、児童虐待対策の強化が必要です。
児童虐待相談の本区での対応は、現在、庁内の子育て支援課と南砂子ども家庭支援センターの2カ所で行っています。そのうち、南砂子ども家庭支援センターでの相談件数は、昨年度で573件、現在6人の職員で対応中ですが、職員1人当たり95件にもなります。また、虐待の受理件数でも、1人平均65件抱えています。国は、1人当たり20から30件が妥当としており、専門職員を増員するべきです。伺います。
さらに、きめ細やかで迅速な対応を図るためにも、他の4カ所の子ども家庭支援センターに児童虐待相談窓口を設置するべきです。中でも、児童の増加が著しい豊洲子ども家庭支援センターに早期設置を求めます。また、亀戸地域や有明地域に子ども家庭支援センターの早期増設を求めます。伺います。
虐待防止対策について伺います。
一昨年度、全国の虐待死77件のうち、ゼロ歳児が32人で一番多く、3歳未満で全体の8割を占めています。本区の虐待相談では、乳幼児が4割、小中学生が5割、両者で全体の9割を占めています。また、虐待者では実母が大多数で、精神疾患も少なくありません。
医療機関との連携強化とともに、妊婦健診や妊婦訪問指導、新生児・産婦訪問指導、乳幼児健診時でのチェックや啓発強化、保健師等の訪問支援、保育所の子育て相談の拡充など、産後鬱、心のケアへの支援強化を図ることを求めます。また、学校での対応強化に向け、全ての小中学校にソーシャルワーカーの配置を求めます。伺います。
本区の児童虐待の家庭環境では、ひとり親家庭が多数です。国の調査でも、ひとり親家庭の6割は生活が苦しく、生活苦や貧困は児童虐待を起こす大きな要因です。ひとり親家庭など生活が苦しい家庭に対し、家賃助成や保育料軽減、学校給食費の無料化、就学援助の拡充など、経済的支援の強化が必要と考えますが、区の見解を伺います。
区は、児童虐待対策の中心機関となる児童相談所と一時保護所を平成37年4月に開設する計画です。区は、枝川にある東京都の児童相談所と一時保護所の移譲、譲渡を要請していますが、都は応じる姿勢がないと伺っています。また、児童福祉司などの専門職員の確保、育成でも、都の児童相談所への研修受け入れ数が23区の希望数の半数以下であり、このままでは区の計画がおくれかねません。都が施設の譲渡にあくまで応じないのであれば、区の独自整備に向けた検討を行うべきです。また、都に対し、職員育成受け入れ数の拡大を求めるなど、緊密な連携強化を構築するべきです。さらに、他の自治体に対しても、職員育成の受け入れ拡大を図るべきです。あわせて伺います。
大綱2点目は、受動喫煙防止対策についてです。
東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、都は、ことし6月に受動喫煙防止条例を制定しました。また、国においても、健康増進法が7月に改正され、いずれも来年9月から施行されます。これにより、行政機関や医療機関、学校等を初め、事務所、飲食店などでの受動喫煙防止対策が講じられることになります。
初めに、たばこの健康被害についてですが、たばこは単なる嗜好品ではありません。ニコチンによる麻薬性中毒の依存症と多大な健康被害を起こす有害なものです。がんや心疾患、肺炎、脳血管疾患など、我が国の4大死因全てをふやし、毎年13万人が喫煙で死亡しています。
また、受動喫煙の被害は、喫煙に伴う副流煙の有害性が極めて高く、肺がん、虚血性心疾患、呼吸器疾患など、多くの致死的な疾患を引き起こすことが世界保健機関(WHO)で結論づけられ、日本でも、国立がんセンターの調査によると、年間1万5,000人が受動喫煙で死亡しています。
たばこによる健康被害について区の見解を伺うとともに、禁煙に向けた区民への啓発活動の強化が必要と考えますが、見解を伺います。
都条例及び改正健康増進法のもとで区は、受動喫煙防止に向け、区役所の屋内喫煙所を廃止し、庁舎敷地内に屋外喫煙所の設置を検討しているとの報道があります。
国際オリンピック委員会(IOC)とWHOは、2010年にたばこのない五輪推進で合意し、開催国で実施されています。東京五輪開催で本区は、世界各国の人々から注目されます。屋外喫煙所設置では、出入り口でのたばこ粒子の拡散、喫煙者の衣服付着による被害など、受動喫煙は防げないと考えます。
大田区や江戸川区では、敷地内全面禁煙を検討しています。本区も、たばこのない五輪推進の立場に立ち、庁舎敷地内も全面禁煙にするべきです。同時に、区民センターや文化センターなども敷地内禁煙とすることを求めます。伺います。
また、行政機関外の議会棟の屋内喫煙所も廃止するべきものと考えます。
次に、区内飲食店への対応について伺います。
国の基準より規制を強化した都条例では、従業員を雇用している飲食店について、客室面積にかかわらず屋内禁煙とし、これにより都内飲食店の8割以上が義務化されます。一方、個人や家族経営店は経営者の判断になっています。
近年の五輪開催都市では、飲食店は全て屋内禁煙です。禁煙にしたらお客が減るのではなどの不安の声がありますが、各国の調査でも、全面禁煙によって飲食店やバーなどでの来客数がふえ、増収となっています。また、国内のレストラン調査でも、来客も売り上げも増加しています。業者の不安払拭と飲食店禁煙を広げるために、区の啓発活動の強化を求めます。伺います。
同時に、店内禁煙が義務となる従業員がいる店舗の調査、点検、現場からの告発などによる指導等の対応に向け、保健所体制の拡充が必要と考えますが、区の見解を伺います。
受動喫煙防止に向けた都条例や改正健康増進法は、WHOや五輪開催国の水準に比べて規制が緩くなっています。ニコチンなどの有害物質を出している加熱式たばこの規制強化を初め、飲食店の室内全面禁煙、行政機関等の屋外喫煙施設容認の見直しなど、速やかな改善を都や国に求めるべきです。伺います。
大綱3点目は、障害者支援についてです。
初めに、障害者の多機能型施設整備などについて伺います。
区は、多機能型施設整備に向け、来年度での設計着手を目指していますが、まだ設置場所が未定と伺っています。
私たち区議団のアンケートには、医療的ケアが必要な重度の身体障害者を在宅で7年間介護している母親から、「レスパイトを含むショートステイなど、安心して預けられる施設を一日も早く整備してほしい」との切実な声が寄せられています。
当初の計画では、平成27年度開設であり、これ以上の先延ばしはあってはなりません。土地購入を含め、区みずから施設整備するなど、区の責任で早期に整備することを求めます。伺います。
また、亀戸、東砂の福祉園についても、東京都の補助制度を活用して看護師等を配置し、医療的ケアが必要な重度障害者の支援につなげるべきです。伺います。
次に、障害児の放課後等デイサービス施設の増設について伺います。
区は、臨海部地域で不足している放課後等デイサービスの整備を求める区民の議会陳情を受け、今年度、開設前の補助として予算を計上しましたが、まだ具体化されていません。臨海部地域は家賃が高く、物件確保が困難と伺っています。開設後の家賃補助の実施など、支援拡充が必要です。また、中学生以上の放課後デイ不足が深刻との陳情者の要望を受けとめ、早期整備を求めます。あわせて伺います。
障害福祉サービス等の報酬改定について伺います。
国はことし4月に、障害者通所施設などに支払う基本報酬を改定しました。これにより、一般就労が困難で工賃が低い障害者が働く就労継続支援B型事業所では、基本報酬が、障害者に支払う工賃の金額に応じて7段階に区分されたために、平均工賃が低い事業所ほど報酬が下がり、減収になります。
本区では、B型事業所が31カ所あり、「減収になれば職員を減らさざるを得ない」との声が上がっています。
また、放課後等デイサービス事業所についても、重い障害児を多く持つ事業所に報酬を厚く、そうではない事業所への報酬を下げたことで、区内36カ所の事業所への影響が懸念されます。区として各事業所の実情を把握し、必要な支援を行うことを求めます。また、国に対し、基本報酬の改善を求めるべきです。伺います。
次に、障害者スポーツの普及・振興について伺います。
私ども区議団が求めてきた初級障がい者スポーツ指導員の養成講習会が平成28年度から始まり、3年間で82人が受講しました。この講習会には、講習費と登録料で1万2,800円が必要です。健康スポーツ公社の職員やスポーツ推進委員は区の補助等で無料ですが、受講者の半数を占める一般公募区民は全額自己負担です。
区内障害者スポーツの普及振興に携わる公募区民への講習料等の補助とともに、毎年3,800円かかる登録更新料も補助することを求めます。中級資格取得の講習会実施や資格を取得した指導員の活躍の場を広げるなど、指導員養成事業を拡充することを求めます。伺います。
また、自閉症の子を持つ区民からは、区のプールに介助員を配置してほしいとの声が上がっています。介助員配置に向けた区の支援とともに、月1回のスポーツ会館での障害者水泳教室をふやすなど、障害者スポーツ事業の拡充を求めます。伺います。
次に、塩浜福祉園の指定管理について伺います。
区は、塩浜福祉園の管理運営を民間事業者に委託する議案を今議会に提出しました。これまで区は、「父母の会の理解を得る」、「丁寧な説明をしていく」と繰り返し述べてきました。しかし、父母の会は、「ことし3月と4月の園との定例会でも、指定管理者の事前説明は一切ありませんでした」と言っています。父母の会からは、「私たちの合意なしで決められることに不信感でいっぱい」との声が上がっています。
国連の障害者権利条約は、私たちのことを抜きにして私たちのことを決めないでと定めています。父母の会の理解も合意もない民間委託は中止するべきです。同時に、父母の会の切実な願いを受け入れ、トイレに車椅子が入れるようにするなど、塩浜福祉園の大規模改修を最優先することを強く求め、質問を終わります。(拍手)
2018年第3回定例会―赤羽目たみお
日本共産党江東区議団を代表し、大綱4点について質問します。
- 医療・介護問題について
- 災害対策について
- 教育費の負担軽減等について
- 豊洲市場について
第1は、医療・介護問題についてです。
安倍政権は、この間、年金の削減や要支援者の介護保険外し、窓口負担の引き上げなど、社会保障の大改悪と負担増を強行しました。区長は、社会保障は充実されていると述べ、国の悪政を追随、容認してきました。しかし、我が党が行った区民アンケートには、「年金収入でひとり暮らし、保険料など負担はふえるばかり」、「病院に行く回数を減らしたり節約しているが不安」などの声が多数寄せられています。区長はこうした声をどう受けとめているのか、伺います。
国は、今後さらに75歳以上の医療費の窓口負担や介護保険の利用料を、原則1割負担から2割負担に引き上げることや、要介護1・2の人を介護保険から外す方向です。一方、軍事費は過去最高の5兆5,000億円を投入するとしています。これは余りにも国民の願いに背を向けた冷たい政治と言わざるを得ません。区民の暮らしを守る立場にある区長は、国に対し、社会保障の削減路線をやめ、充実へと転換するよう求めるべきです。伺います。
江東区として、子ども医療費無料化制度の対象年齢の拡大を初め、入院時見舞金制度や重度介護手当を創設するなど、医療、介護の負担を軽減すべきです。伺います。
次に、本区の国民健康保険料についてです。
今年度も保険料が値上げされ、この7年間だけで約3万円も負担がふえ、現在の1人平均保険料は12万円を超えています。この保険料の値上げ通知が各家庭に届くと同時に、1週間で4,000件を超えるほどの問い合わせ、抗議が殺到しました。「収入は減っているのに保険料が上がるのはおかしい」、「高過ぎて払えない」などの悲鳴が上がっており、国保料の負担軽減は緊急切実です。
しかし、東京都は、保険料負担を抑えるために実施している財政支援を、今後6年間で廃止する方針です。また、保険料負担を軽減するため、区市町村が独自に実施している一般財源の繰り入れを廃止するよう求めています。区はこれに従って、一般財源の繰り入れを今後6年で廃止する方針ですが、区が繰り入れをやめれば1人平均3万円以上もの値上げとなり、保険料を払えない人や必要な医療が受けられない人がふえてしまいます。区長は東京都に対し、財政支援の廃止計画を撤回するよう求めるべきです。区は、一般財源の繰入額をふやし、保険料値下げに踏み出すべきです。あわせて伺います。
国民健康保険料の均等割は、こどもにも一律にかかり、平成11年の2万6,000円から今年度は2倍の5万1,000円にはね上っており、多子世帯にとっては非常に重い負担となっています。
我が党区議団は、前回定例会に多子世帯の保険料負担の軽減を図る条例提案を行いました。子育て支援からも、区として多子世帯の保険料負担の軽減を実施すべきです。伺います。
保険料が毎年引き上げられる原因は、国が国庫負担割合を大幅に引き下げてきたためです。国庫負担の増額を区として国に求めるべきです。伺います。
次に、介護問題について伺います。
まず、総合事業についてです。
区が実施する総合事業について、我が党は、単価が低く事業者が集まらないことや、介護サービスの提供を縮小せざるを得ない事態になると指摘してきました。区は今年度から単価を引き上げましたが、それでも単価は低く、総合事業から撤退する事業所が相次いでいます。
区内の介護現場から、「要支援者を受け入れてくれる事業所探しが一層難しくなった」、「まだまだ単価が低く、新規に要支援と判定された方は週1回しか入浴介助を受けられない」との声が上がっています。
区は、現行相当サービスを今年度いっぱいで廃止するとしており、介護が必要と認定されながら介護を受けられない高齢者が一層増加してしまいます。区長は、事業所単価のさらなる引き上げや現行相当サービスを継続するとともに、国に対し、要支援者サービスを保険給付に戻すよう求めるべきです。伺います。
次に、介護人材確保について伺います。
区が昨年度から、区内の介護事業所に就職した方に就労準備金を支給する新たな事業を開始しましたが、実績6人と少なく、人材確保が進んでいるとは言えません。介護現場から、「人手不足で身体介助ができない」と声が上がっており、介護を支える人材を確保する施策の拡充が必要です。区長は、国に対し、介護報酬とは別枠で賃金を引き上げるよう強く求めるべきです。
また、都が実施している介護施設の職員を対象にした宿舎借り上げ支援事業は、災害時の福祉避難所に指定されていることなど、要件が厳しく、使いづらいと現場から声が上がっています。利用要件の緩和を都に求めるべきです。区としても、家賃補助を実施するなど、介護職員確保策を拡充すべきです。あわせて伺います。
大綱2点目は、災害対策について伺います。
今月6日に発生した北海道胆振東部地震や大阪府北部地震、また、西日本を中心に襲った集中豪雨や台風上陸による浸水被害など、大規模な自然災害が頻発し、甚大な被害をもたらしました。この間の自然災害で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災者皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
本年8月22日には、海抜ゼロメートル地帯が広がる江東5区での大規模水害時の被害想定や今後の課題が示されるなど、江東区としても、区民の命と暮らしを守る災害対策の拡充は待ったなしの緊急課題です。
水害時に浸水が予想される地域を事前に知ってもらうため、ハザードマップを全戸配布すべきです。さらに、区内各所に海抜を表示し、今、自分がいる場所がどのような地域なのか、区民や来訪者に現状を認識してもらうべきと考えますが、あわせて伺います。
緊急避難の場合には、公共施設や都営住宅、UR住宅などに避難することになっていますが、これらの施設には水や食料、トイレなどの備蓄はありません。浸水期間が2週間以上に及ぶとも言われており、水や食料、トイレの備蓄は必要と思いますが、見解を伺います。
西日本豪雨では、犠牲者の半分以上が要支援者であったと言われています。現在、災害時に支援を必要とする江東区民3万9,000人のうち、個別の支援計画が作成されているのは9,000人にとどまっています。地域任せにすることなく、区が作成に深くかかわり支援していくべきです。
また、要配慮者についてのタイムラインを、関係事業者や高齢者・障害者団体などと協議し作成すべきです。伺います。
集中豪雨対策として、東京都に対し、江東ポンプ所、排水機場の完成年度を早めることや、50ミリ以上の豪雨に対応できる下水道を整備するよう求めるとともに、区として、区道の透水性・保水性舗装の拡大や、公共施設の地下等へ貯水槽の設置を進めるべきです。あわせて伺います。
次に、地震対策について伺います。
大阪府北部地震では、通学途中の小学生がブロック塀に挟まれて亡くなりました。こうした事態を受けて区は、通学路等の緊急点検を実施し、その結果、64カ所で危険箇所が見つかりました。現在通学路については、迂回するなどの対応が図られていますが、安全を確保するため危険なブロック塀対策を早急に講じるべきです。
区長は、安全基準の周知や生け垣への転換などの支援を拡充することや、荒川区、江戸川区、台東区など、23区中9区で既に実施しているブロック塀の撤去、改修に、江東区としても助成すべきです。伺います。
この間の地震災害を経験して、住宅の耐震補強の必要性がさらに高まっています。しかし、区の耐震化の現状は、対象4万4,000戸に対し、木造住宅では33件、マンションでは23棟にとどまっています。区長は、木造住宅の耐震工事助成の対象要件を緩和し、部分改修にも助成することや、助成限度額を引き上げるべきです。マンションについても、現在、1棟当たり2,000万円の限度額を見直し、1戸当たり100万円に改善し、住宅の耐震化を促進すべきです。
また、発災時の通電火災を防ぐため、足立区など都内6区で行われている感震ブレーカーの設置助成を本区でも実施すべきです。あわせて伺います。
ことしの夏は、気象庁が災害と認定するほどの記録的猛暑で、熱中症による健康被害が続出し、地球温暖化のもとで、区としても今後の対策が求められています。
我が党は、本年8月7日に、熱中症から区民の命と健康を守る緊急対策の実施を区長に申し入れましたが、災害時には避難所にもなる区内小中学校の体育館にクーラーを設置するよう求めます。
また、クーラー未設置の低所得の高齢者、障害者、乳幼児がいる世帯への設置補助を行うとともに、夏季の冷房利用に伴う電気代を助成すべきです。
さらに、熱中症予防のため、暑さ指数計を小中学校、幼稚園、保育園、福祉施設等へ設置、高齢者世帯にも配布すること、防災行政無線放送等を活用し、熱中症注意報・警報の周知を図るべきです。あわせて伺います。
大綱3点目、教育費の負担軽減等について伺います。
憲法第26条には、義務教育は、これを無償とすると明記されています。しかし、実際には義務教育で無償なのは授業料と教科書等だけで、給食費や修学旅行費、ドリルなどの副教材費など、公立小学校で年間約10万円、公立中学校では約18万円もの重い保護者負担となっています。我が党が行った区民アンケートにも、教育費負担を軽くしてほしいという切実な声が多数寄せられています。義務教育段階における保護者負担を軽減する取り組みが全国で広がっています。
江東区として、修学旅行費や移動教室費、卒業アルバム代や学校で使うドリルなどの副教材は公費負担とすべきです。伺います。
次に、就学援助についてです。
この事業は、経済的な理由で就学が困難な児童・生徒の保護者に対して、経済的支援を行うものです。我が党は繰り返し、入学準備費の支給時期改善や支給額の引き上げを求めてきましたが、このたび入学前に支給時期が改善されたことは大きな前進です。さらに、都区財調で基準単価が引き上げられたことから、入学準備金の支給額を直ちに増額すべきです。
また、国は、本年10月から生活保護基準を引き下げます。区はこれに連動して、就学援助の認定基準を引き下げないようにすべきです。あわせて伺います。
次に、学校給食費の負担軽減についてです。
学校給食の普及充実と食育の推進は、学校給食法にも定められ、給食は教育の一つとして重要な役割を果たしており、本来無償にすべきものです。今、全国的に学校給食を無償にしたり一部を補助する自治体がふえています。
江東区として、給食の牛乳代を補助することや多子世帯の給食費を無償にするなど、給食費の負担軽減に踏み出すべきです。伺います。
次に、給付型奨学金制度についてです。
返済不要の給付型奨学金制度の実施を求める声に押され、ようやく国は、今年度から本格的に制度をスタートさせましたが、対象規模が小さいことや、住民税非課税世帯でかつ成績優秀者と厳しく限定するなど、余りにも貧弱で、多くの学生と保護者、国民の切実な願いに応える制度になっていません。国に対し、対象者の拡大や要件を緩和するなど、制度の改善を求めるべきです。伺います。
給付型奨学金は都内でも広がっています。文京区では、高校進学時に入学支度金として、公立で6万円、私立では10万円を支給し、足立区では、昨年度から国の教育ローンの返済補助として15万円を支給する大学等入学準備金支援助成を行い、今年度は対象の拡大を図っています。荒川区でも、条件つきで返済免除を実施しています。江東区としても、給付型奨学金制度を創設すべきです。伺います。
次に、学習支援についてです。
学習支援は、貧困の連鎖を断ち切る施策としても有効です。現在江東区は、主に生活困窮世帯等の中学生を対象に、無料の学習支援教室、まなび塾を区内2カ所で開催し、定員いっぱいになるほど多くのこどもたちが利用しています。より多くのこどもたちの学びをサポートするため、区長は、小学生も対象に加えることや開催会場をふやすなど、学習支援を拡充すべきです。伺います。
大綱4点目は、豊洲市場についてです。
小池都知事は、土壌汚染対策を提言してきた専門家会議の評価を受け、豊洲市場の安全性が確認されたとして、農林水産大臣に豊洲市場の認可申請を行いました。9月10日、国は、多くの反対の声を無視して豊洲市場に認可書を交付しましたが、日本共産党は怒りを込めて強く抗議するものです。
専門家会議は、追加対策工事の完了をもって安全を認識したとしていますが、7月30日に発表されたモニタリング調査結果でも、過去最高となる環境基準の170倍もの発がん性物質、ベンゼンが検出され、環境基準では検出されてはならない猛毒のシアンも検出されるなど、依然として高濃度の土壌汚染が残されたままです。
さらに、地下水に含まれる汚染物質の影響が地上に出ないようにするため、地下水の水位を当面海抜2メートル以下に抑えるとした目標も、追加対策工事完了後も達成されておらず、達成できる見通しも示されていません。
日本環境学会の畑明郎元会長は、「追加対策の効果には非常に疑問がある。地下空間床面にコンクリートを敷き詰めても、時間が経過すればひび割れし、目に見えないひび割れからガスが浸入する」と指摘しているなど、この安全宣言については、各界から無責任だと厳しい批判の声が上がっています。
区長は、汚染土壌の無害化が市場移転を受け入れる大前提としてきましたが、いまだに環境基準を大きく超える有害物質が検出され続けており、地下水位の管理もできていない現状で、食の安全・安心は確保できると考えているのですか、区長の答弁を求めます。
そもそも、小池都知事が安全宣言の根拠とした専門家会議は公開で行うと定められているにもかかわらず、追加対策の有効性を確認する公開の専門家会議は開かれておらず、正当な手続もとられていません。
この間、国も、科学的見地に基づき万全な対策を講じるとともに、消費者等に対して、対策の内容について十分な説明を行うよう求めており、市場業者や市民の前できちんとその根拠を説明する責任が都知事にあります。東京都に対し、専門家会議を公開で開催するとともに、市場関係者や区民、都民に説明責任を果たすよう強く求めるべきです。伺います。
築地女将さん会が築地市場の水産仲卸業者などへ、築地市場の移転についてアンケート調査を行い、回答した9割の方が、築地で商売を続けたいと答えています。
東京都は、東卸組合が了承したことをもって移転を進めるとしていますが、築地市場で働く仲卸業者らは、同市場で営業権を持つ業者として、交渉権、発言権を行使するため、築地市場営業権組合を結成、昨日、仲卸業者ら56名は、豊洲市場への移転差しとめを求める訴訟を東京地裁に起こすなど、合意は得られていません。
さらにマグロ包丁が使えないほど狭い仲卸店舗、急斜面、急カーブがあり、長くて複雑な流通動線、大型トラック荷台の横扉があけられない構造、駐車場不足、いまだに示されない水光熱費等の費用負担の問題、また、先日新たに発覚した地盤沈下による舗装のひび割れなど、問題は山積しています。
食の安全・安心が確保されない以上、区長は東京都に対し、安全宣言の撤回を求めるとともに、市場関係者の同意も得られていない市場移転は中止するよう求めるべきです。
区長の見解を伺い、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
区議団ニュース2019年1月号
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区議団ニュース2018年11月号
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2018年第2回定例会―そえや良夫議員
日本共産党区議団を代表し、大綱3点について質問します。
- 教員の働き方改革について
- 中小企業支援について
- 羽田新飛行ルートについて
第1は、教員の働き方改革についてです。
昨年6月、東京都教育委員会が行った教員の勤務実態調査では、過労死ラインと言われる月80時間以上の時間外勤務をしている教諭の割合は、小学校で約4割、中学校で約7割に上ります。そのため、本区教職員組合のアンケートに、半数を超える教員が「日々疲れを感じる」と答えるなど、実に7割以上が過労状態であることが示されています。そういう中でも、ほぼ全ての教員がこどもと向き合える時間が欲しいと求めています。長時間過密労働の改善は、教職員の健康問題にとどまらず、こどもと向き合う時間や教育の質を確保し向上させる上からも、緊急に解決すべき待ったなしの課題です。
東京都教育委員会がことし2月発表した働き方改革推進プランは、業務の役割分担や組織運営の見直し、時間管理と意識改革が柱です。
業務見直し案には、給食の時間を学校外の人に見てもらうことや、学習評価、授業準備、学校行事の準備、運営など、幅広い分野で補助要員の導入、民間委託を検討することも盛り込まれています。しかし、教組のアンケートでは、6割以上の教員が、生活指導、学習指導などに関する業務は、現状通り教員が行うのがよいと答えています。業務の役割分担などの見直しは現場の声を尊重して進めるべきです。伺います。
次に、教員定数の見直しについてです。
学習指導要領の改訂で、標準授業時間数がふやされ、小学1年生から毎日5時間授業、4年生以上では水曜日以外は6時間授業となっています。文科省は、授業時間数と同じだけ授業準備の時間が必要としていますが、こどもたちの下校後に翌日の準備を始めれば残業になるのは当たり前です。「授業準備がせめて定時間内に終わるようにしてほしい」との声に応えて、教員をふやし、1人が受け持つ授業時間数を減らすべきです。
少人数学級は一人一人に目が届くなど、高い教育効果とともに、担任の負担を減らす効果も大きいと文科省も認めています。ところが、小学1年生に導入された後、財政上の理由で7年間もとまったままとなっています。長時間過密労働の解消、教育の質の確保と向上に向け、国に教員定数の抜本的引き上げ、35人学級の全学年での速やかな実施を求めるべきです。伺います。
また、養護教諭の全校複数配置や小規模校への理科、家庭科などの専科教員の配置を求めるべきです。あわせて伺います。
次は、過度な競争主義をもたらす、教師にもこどもにも負担となっている学力テストについてです。
全国学力テストは、こどもの学力の状況を調べる、指導の改善に役立てるなどを理由に導入されましたが、教師とこどもを自治体間競争に巻き込み、自治体による独自のテストまで行われています。しかし、テストの結果がわかるのは半年後で、指導の改善には役立たないと指摘されています。それどころか、「テストの準備や調査のために時間がとられ、授業時数が確保できない」との声も上がっています。
広島県は、業務改善の面から、県独自の学力テストを中止しました。こどもと教師に心理的にも大きな負担となっている学力テストの中止を、国と都に求めるべきです。また、本区独自のテストは中止すべきです。伺います。
次は、区独自の取り組みについてです。
国や都が示す改革方針は、具体化までに相当時間を要することが予想され、区独自にできることは直ちに始めることが必要です。
こどもたちをめぐるさまざまな問題に対応するためのスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの増配置、担当教諭の負担軽減とともに、高い教育効果も確認されている学校司書の全校配置、部活動の外部指導員の全校配置など、積極的に取り組むべきです。伺います。
大綱第2は、中小企業支援についてです。
区は、区内中小企業の景況について、製造業を除く3業種で業況の持ち直しが見られるなどの認識を示してきました。しかし、平成21年から28年の7年間、全ての業種で事業所数は減少し、全体では約1割の減、製造業では3割もの減となっています。
卸・小売業は全体では1割の減ですが、区商連加盟の商店会は、平成11年の52から40へと激減しました。商店街には住宅やコンビニ、大手スーパー系のミニスーパーが目立つなど、大変な状況になっています。区内商工業者の実態について、認識を伺います。
製造業でも卸・小売業でも、地元中小業者の減少傾向に歯どめをかけ、地域経済の活性化を図るためにも支援の強化が必要です。まず、実態調査が重要です。
今回視察した大阪八尾市では、条例に位置づけられた産業振興会議の政策提言を市の政策に取り込みながら中小企業支援を進めています。その際、何より重要なのが、商工業者の実態を正確につかみ、課題を明確にすることだと言います。そのため同市では、全業種対象に悉皆調査を行い、また、日常的に市職員が町に出て、毎年500件ぐらいの事業所を訪問しているとのことです。
本区は、平成25年に製造業と商店街について実態調査を行い、その結果は、生鮮三品商店助成事業や江東ブランド推進事業に生かされました。しかし、このときの調査対象となった製造業と商店街は区内全事業所の半分程度で、建設、運輸など9,000を超える事業所は対象外とされました。改めて全業種にわたる実態調査を行うべきです。伺います。
次に、中小企業活性化協議会についてです。
本区は、区内中小企業の活性化について、協議、調整と検討をするために、中小企業活性化協議会を設置しています。部会を設置し、専門的な検討を行うことも規定していますが、この14年間、部会が設置されたことは一度もなく、協議会本体の会議も、事務局である区からの報告と質疑、各団体からの短い報告で終わっています。
八尾市の産業振興会議が政策提言の場と位置づけられ、これまで90件以上が市の政策に生かされたことと比べ、大きな違いです。八尾市の取り組みを教訓に、本区の活性化協議会に学識経験者や公募区民を加え、部会を設置し、継続的な議論を行って政策提言もできる組織に高めるべきです。まとまった提言は、区も積極的に中小企業政策に生かす双方向の取り組みを進めるべきです。伺います。
次に、相談体制についてです。
本区の中小企業相談員は、中小企業診断士5人と商業診断士2人の計7人で、経営相談が中心です。常駐する相談員は週4日は1名のみで、体制の強化が必要です。
2,000を超える製造事業所があることも踏まえ、製造部門、技術部門の相談員を増配置し、製造業の高度化支援などを含め、産業会館に来れば全ての相談に対応できるよう、産業会館機能の強化も図るべきです。伺います。
次に、商店支援についてです。
平成27年から始まった生鮮三品商店支援事業は、この3年間で18件が利用し、「おかげで事業を継続できた」、「備品を買い入れ、売り上げがふえた」など好評です。しかし、対象となる商店はもとより100件程度です。商店街の活性化に向け、飲食店を含む全ての店に支援の対象を拡大すべきです。伺います。
空き店舗活用支援事業は、この3年間、徐々にふえて、昨年度の補助件数は11件になりました。しかし、対象が江商連加盟商店街とされているため、4分の1の商店会は対象外です。小さくなった商店会を差別し、地域再生の道を閉ざすやり方は改め、全ての商店会を対象にすべきです。伺います。
大綱第3は、羽田新飛行ルートについてです。
国は、国際競争力を高めるために羽田空港の機能強化が必要として、新たに都心上空に低空の飛行ルートを設定しようとしています。羽田空港発着便は、これまで騒音影響や落下物対策のため、高度1,800メートル以下は陸地を飛ばない、海から入り海から出るという大原則が確立されてきました。この大原則を覆す新ルートは、住民に墜落や落下物の危険、騒音など、安全面でも環境面でも新たな危険と負担をもたらすものです。
5月24日、熊本空港を離陸した日航機からのエンジン部品落下事故は、本区上空に羽田空港出発機の低空ルートを設定することの危険性を改めて浮き彫りにしました。認識を伺います。
次に、落下物対策についてです。
国は昨年、飛行機からの部品落下が相次いだことを受けて、11月、落下物総合対策推進会議を設置、ことし3月にまとめを発表しました。その柱は、航空会社による点検整備の強化と部品脱落を見つけた場合の国交省への報告義務づけ、事故に対する損害補償からなっています。
しかし、この総合対策についてのレクチャーで、「落下物をゼロにできるか」との質問に、国交省は「ゼロを目指す」と繰り返すだけで、「ゼロにする」とはついに答えませんでした。
また、羽田空港の検査体制の弱さも浮き彫りになりました。航空会社による胴体周りの点検は、検査員が1人で行う目視検査だけ、国交省の検査員はわずか9人で、1日に検査できるのは10機程度、とても十分な対策とは言えないとの指摘に、国交省からの明確な答えはありませんでした。
区は、落下物対策について、国に整備体制の強化を求めるとしてきましたが、新たな対策でも、落下物をゼロにできる保証はないと思いますが、区の見解、伺います。
次に、国の対応についてです。
国交省は、「羽田新飛行ルート設定は、地元の理解を得て進める」と国会で答えています。また、新ルート設定に関する最新の広報紙では、環境対策や安全対策などについて丁寧に説明してきたと強調しています。しかし、区内で過去4度開かれた説明会は、いずれもオープンハウス型で、国の取り組みについての情報提供が中心、住民の質問に対する適切かつ正面からの答えはありません。一方、参加者が共通の理解を得るのに有効として求めている教室型の説明会は、いまだに開かれておりません。
区も、28年11月に教室型説明会の開催を申し入れましたが、国交省はその後、2度の説明会を行いながらいまだに実施しておりません。国の対応は、区に対しても区民に対しても余りに誠意がありません。認識を伺います。
我が党が先日行ったアンケートの中間集計でも、「反対」51%、「よくわからない」23%、「計画を知らない」が16%となっています。とても区民の理解が得られたと言える状態ではありません。住民の合意がないまま新飛行ルートでの運用は行わないよう、国に求めるべきです。伺います。
区は、羽田空港の機能強化は国際競争力の強化のために必要との立場ですが、国が当面新飛行ルートで運用を目指すとしている午後3時から7時の時間帯は、アジア便と北米便が集中する時間帯です。羽田で乗り継げば、乗客はアジアと北米との移動が効率よくでき、航空会社は乗客がふえて収益性を向上させることができます。つまり、午後3時から7時までの時間帯で羽田発着便をふやしても、乗り継ぎ客がふえるだけで、日本への観光客の増加などによる経済効果はほとんど期待できません。航空会社の利益のために住民の安全を犠牲にする新飛行ルートの撤回を国に求めるべきです。
以上伺い、質問を終わります。(拍手)
(再) 航空機からの落下物対策です。
落下物が落ちれば、それだけで区民の命にかかわります。ゼロにできるというふうな確信があるのかどうか、そこのところをぜひ示していただきたいと思います。