カテゴリー: 区議会定例会 タグ: , , , パーマリンク

2018年第3回定例会―すがや俊一

 日本共産党を代表し、大綱3点について質問いたします。

  1. 児童虐待問題について
  2. 受動喫煙防止対策について
  3. 障害者支援について

 質問の1点目は、児童虐待問題についてです。
 5歳の女の子が食事を与えられないなどの虐待で亡くなる痛ましい事件が目黒区で起こるなど、全国の児童虐待件数は、昨年度13万3,778件で過去最多です。こうした事態を受けて政府は、児童相談所の体制強化を打ち出し、また東京都も全庁的なプロジェクトチームを立ち上げ、児童福祉司や児童心理司の増員など、総合的な対策を進めるとしています。
 本区においても、虐待相談件数が6年前の2倍以上、1,037件に達するなど、増加の一途であり、児童虐待対策の強化が必要です。
 児童虐待相談の本区での対応は、現在、庁内の子育て支援課と南砂子ども家庭支援センターの2カ所で行っています。そのうち、南砂子ども家庭支援センターでの相談件数は、昨年度で573件、現在6人の職員で対応中ですが、職員1人当たり95件にもなります。また、虐待の受理件数でも、1人平均65件抱えています。国は、1人当たり20から30件が妥当としており、専門職員を増員するべきです。伺います。
 さらに、きめ細やかで迅速な対応を図るためにも、他の4カ所の子ども家庭支援センターに児童虐待相談窓口を設置するべきです。中でも、児童の増加が著しい豊洲子ども家庭支援センターに早期設置を求めます。また、亀戸地域や有明地域に子ども家庭支援センターの早期増設を求めます。伺います。
 虐待防止対策について伺います。
 一昨年度、全国の虐待死77件のうち、ゼロ歳児が32人で一番多く、3歳未満で全体の8割を占めています。本区の虐待相談では、乳幼児が4割、小中学生が5割、両者で全体の9割を占めています。また、虐待者では実母が大多数で、精神疾患も少なくありません。
 医療機関との連携強化とともに、妊婦健診や妊婦訪問指導、新生児・産婦訪問指導、乳幼児健診時でのチェックや啓発強化、保健師等の訪問支援、保育所の子育て相談の拡充など、産後鬱、心のケアへの支援強化を図ることを求めます。また、学校での対応強化に向け、全ての小中学校にソーシャルワーカーの配置を求めます。伺います。
 本区の児童虐待の家庭環境では、ひとり親家庭が多数です。国の調査でも、ひとり親家庭の6割は生活が苦しく、生活苦や貧困は児童虐待を起こす大きな要因です。ひとり親家庭など生活が苦しい家庭に対し、家賃助成や保育料軽減、学校給食費の無料化、就学援助の拡充など、経済的支援の強化が必要と考えますが、区の見解を伺います。
 区は、児童虐待対策の中心機関となる児童相談所と一時保護所を平成37年4月に開設する計画です。区は、枝川にある東京都の児童相談所と一時保護所の移譲、譲渡を要請していますが、都は応じる姿勢がないと伺っています。また、児童福祉司などの専門職員の確保、育成でも、都の児童相談所への研修受け入れ数が23区の希望数の半数以下であり、このままでは区の計画がおくれかねません。都が施設の譲渡にあくまで応じないのであれば、区の独自整備に向けた検討を行うべきです。また、都に対し、職員育成受け入れ数の拡大を求めるなど、緊密な連携強化を構築するべきです。さらに、他の自治体に対しても、職員育成の受け入れ拡大を図るべきです。あわせて伺います。
 大綱2点目は、受動喫煙防止対策についてです。
 東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、都は、ことし6月に受動喫煙防止条例を制定しました。また、国においても、健康増進法が7月に改正され、いずれも来年9月から施行されます。これにより、行政機関や医療機関、学校等を初め、事務所、飲食店などでの受動喫煙防止対策が講じられることになります。
 初めに、たばこの健康被害についてですが、たばこは単なる嗜好品ではありません。ニコチンによる麻薬性中毒の依存症と多大な健康被害を起こす有害なものです。がんや心疾患、肺炎、脳血管疾患など、我が国の4大死因全てをふやし、毎年13万人が喫煙で死亡しています。
 また、受動喫煙の被害は、喫煙に伴う副流煙の有害性が極めて高く、肺がん、虚血性心疾患、呼吸器疾患など、多くの致死的な疾患を引き起こすことが世界保健機関(WHO)で結論づけられ、日本でも、国立がんセンターの調査によると、年間1万5,000人が受動喫煙で死亡しています。
 たばこによる健康被害について区の見解を伺うとともに、禁煙に向けた区民への啓発活動の強化が必要と考えますが、見解を伺います。
 都条例及び改正健康増進法のもとで区は、受動喫煙防止に向け、区役所の屋内喫煙所を廃止し、庁舎敷地内に屋外喫煙所の設置を検討しているとの報道があります。
 国際オリンピック委員会(IOC)とWHOは、2010年にたばこのない五輪推進で合意し、開催国で実施されています。東京五輪開催で本区は、世界各国の人々から注目されます。屋外喫煙所設置では、出入り口でのたばこ粒子の拡散、喫煙者の衣服付着による被害など、受動喫煙は防げないと考えます。
 大田区や江戸川区では、敷地内全面禁煙を検討しています。本区も、たばこのない五輪推進の立場に立ち、庁舎敷地内も全面禁煙にするべきです。同時に、区民センターや文化センターなども敷地内禁煙とすることを求めます。伺います。
 また、行政機関外の議会棟の屋内喫煙所も廃止するべきものと考えます。
 次に、区内飲食店への対応について伺います。
 国の基準より規制を強化した都条例では、従業員を雇用している飲食店について、客室面積にかかわらず屋内禁煙とし、これにより都内飲食店の8割以上が義務化されます。一方、個人や家族経営店は経営者の判断になっています。
 近年の五輪開催都市では、飲食店は全て屋内禁煙です。禁煙にしたらお客が減るのではなどの不安の声がありますが、各国の調査でも、全面禁煙によって飲食店やバーなどでの来客数がふえ、増収となっています。また、国内のレストラン調査でも、来客も売り上げも増加しています。業者の不安払拭と飲食店禁煙を広げるために、区の啓発活動の強化を求めます。伺います。
 同時に、店内禁煙が義務となる従業員がいる店舗の調査、点検、現場からの告発などによる指導等の対応に向け、保健所体制の拡充が必要と考えますが、区の見解を伺います。
 受動喫煙防止に向けた都条例や改正健康増進法は、WHOや五輪開催国の水準に比べて規制が緩くなっています。ニコチンなどの有害物質を出している加熱式たばこの規制強化を初め、飲食店の室内全面禁煙、行政機関等の屋外喫煙施設容認の見直しなど、速やかな改善を都や国に求めるべきです。伺います。
 大綱3点目は、障害者支援についてです。
 初めに、障害者の多機能型施設整備などについて伺います。
 区は、多機能型施設整備に向け、来年度での設計着手を目指していますが、まだ設置場所が未定と伺っています。
 私たち区議団のアンケートには、医療的ケアが必要な重度の身体障害者を在宅で7年間介護している母親から、「レスパイトを含むショートステイなど、安心して預けられる施設を一日も早く整備してほしい」との切実な声が寄せられています。
 当初の計画では、平成27年度開設であり、これ以上の先延ばしはあってはなりません。土地購入を含め、区みずから施設整備するなど、区の責任で早期に整備することを求めます。伺います。
 また、亀戸、東砂の福祉園についても、東京都の補助制度を活用して看護師等を配置し、医療的ケアが必要な重度障害者の支援につなげるべきです。伺います。
 次に、障害児の放課後等デイサービス施設の増設について伺います。
 区は、臨海部地域で不足している放課後等デイサービスの整備を求める区民の議会陳情を受け、今年度、開設前の補助として予算を計上しましたが、まだ具体化されていません。臨海部地域は家賃が高く、物件確保が困難と伺っています。開設後の家賃補助の実施など、支援拡充が必要です。また、中学生以上の放課後デイ不足が深刻との陳情者の要望を受けとめ、早期整備を求めます。あわせて伺います。
 障害福祉サービス等の報酬改定について伺います。
 国はことし4月に、障害者通所施設などに支払う基本報酬を改定しました。これにより、一般就労が困難で工賃が低い障害者が働く就労継続支援B型事業所では、基本報酬が、障害者に支払う工賃の金額に応じて7段階に区分されたために、平均工賃が低い事業所ほど報酬が下がり、減収になります。
 本区では、B型事業所が31カ所あり、「減収になれば職員を減らさざるを得ない」との声が上がっています。
 また、放課後等デイサービス事業所についても、重い障害児を多く持つ事業所に報酬を厚く、そうではない事業所への報酬を下げたことで、区内36カ所の事業所への影響が懸念されます。区として各事業所の実情を把握し、必要な支援を行うことを求めます。また、国に対し、基本報酬の改善を求めるべきです。伺います。
 次に、障害者スポーツの普及・振興について伺います。
 私ども区議団が求めてきた初級障がい者スポーツ指導員の養成講習会が平成28年度から始まり、3年間で82人が受講しました。この講習会には、講習費と登録料で1万2,800円が必要です。健康スポーツ公社の職員やスポーツ推進委員は区の補助等で無料ですが、受講者の半数を占める一般公募区民は全額自己負担です。
 区内障害者スポーツの普及振興に携わる公募区民への講習料等の補助とともに、毎年3,800円かかる登録更新料も補助することを求めます。中級資格取得の講習会実施や資格を取得した指導員の活躍の場を広げるなど、指導員養成事業を拡充することを求めます。伺います。
 また、自閉症の子を持つ区民からは、区のプールに介助員を配置してほしいとの声が上がっています。介助員配置に向けた区の支援とともに、月1回のスポーツ会館での障害者水泳教室をふやすなど、障害者スポーツ事業の拡充を求めます。伺います。
 次に、塩浜福祉園の指定管理について伺います。
 区は、塩浜福祉園の管理運営を民間事業者に委託する議案を今議会に提出しました。これまで区は、「父母の会の理解を得る」、「丁寧な説明をしていく」と繰り返し述べてきました。しかし、父母の会は、「ことし3月と4月の園との定例会でも、指定管理者の事前説明は一切ありませんでした」と言っています。父母の会からは、「私たちの合意なしで決められることに不信感でいっぱい」との声が上がっています。
 国連の障害者権利条約は、私たちのことを抜きにして私たちのことを決めないでと定めています。父母の会の理解も合意もない民間委託は中止するべきです。同時に、父母の会の切実な願いを受け入れ、トイレに車椅子が入れるようにするなど、塩浜福祉園の大規模改修を最優先することを強く求め、質問を終わります。(拍手)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です