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2014年第3回定例会―赤羽目たみお議員

 私は、日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。

  1. 介護保険制度と高齢者支援について
  2. 若者の雇用と生活支援について
  3. 教育問題について

 大綱1点目、介護保険制度と高齢者支援について伺います。
 介護保険について区民から、「高い介護保険料を払っているのに必要なときに使えない」、「利用料が高いのでヘルパーさんを断った」、介護現場からも、「職員の確保が厳しい」、「ゆとりを持って介護がしたい」など、多数の声が上がっており、介護保険制度の充実、改善が強く求められています。
 しかし、安倍政権はこうした願いに背き、介護保険制度の改悪を強行。今でさえ保険あって介護なしの状況をさらに深刻化させると、批判が広がっています。
 今回の制度改悪によって、要支援者は訪問介護、通所介護から外され、区が実施する新たな総合事業に移行されます。区民から「今までと同じサービスが受けられるのか」と不安の声が寄せられています。区は、これまでボランティアやNPOなどの地域資源や既存の介護事業者を活用して、必要なサービスを提供していくと答弁してきましたが、受け皿となるボランティアがどのくらい必要かという見当もついておらず、NPOの把握も進んでいません。また、介護事業者や社会福祉協議会、シルバー人材センターも対応は困難だと言っています。区はこうした状況をどう認識し、今後対応していくのですか、伺います。
 このまま移行されれば必要なサービスの提供ができないことは明らかであり、区民生活に重大な影響を及ぼします。区長は、安心して介護が受けられるよう、介護保険制度の見直しを求めるべきです。伺います。
 次に、介護保険料について伺います。
 現在、区は、来年4月からの介護保険料の見直しを行っています。私たち区議団が行った区民アンケートに、「年金は減る一方で保険料、医療費、電気代などが値上げされ生活が苦しい」、「介護保険料の負担が非常に重い」という声が多数寄せられています。来年も年金は削減され、消費税の増税も予定されており、生活が苦しいと嘆く高齢者に今以上の負担増は耐えられません。
 区は約18億円が見込まれる介護給付費準備基金を活用することや、特別区長会を通じて要望している国庫負担の引き上げを実現させるなど、あらゆる手だてを尽くし、介護保険料の負担を軽減すべきです。伺います。
 次に、特別養護老人ホームの増設についてです。
 現在、区の特別養護老人ホームの待機者は2,000人を超える深刻な状況です。区民から、「母の介護で疲れて病気になり倒れそうです。江東区の特別養護老人ホームに申し込んでいますが入れません。歩くのが困難で認知症も進み、昼眠って夜騒ぎ、介護者は眠れなくてつらいです」と、このように施設整備のおくれが家族介護者を精神的にも肉体的にも追い詰めています。
 我が党は、この間、都有地や国有地を活用して特別養護老人ホームの増設を求めてきました。このたび東京都は、特別養護老人ホームを整備する際の都有地貸付料の一層の減額と保証金の減免等を行う、新たな支援策を打ち出しました。この支援策を活用し、区として引き続き特別養護老人ホームの増設を行うべきです。伺います。
 次に、地域包括支援センターの充実について伺います。
 地域包括支援センターは、介護、医療、福祉などが連携をとり、高齢者の生活を総合的に支える重要な拠点施設です。ところが、現場からは、「職員が定着しない」、「1人で70件のケアプランの作成に追われ、訪問活動が困難」などの声が上がっています。増加する高齢者に対し、十分な支援が行えていない状況をどう認識していますか、伺います。
 区は地域包括支援センターの機能が十分発揮できるよう一層の増員配置など、体制強化を図るべきです。そのためには、全ての在宅介護支援センターを地域包括支援センターに移行し、充実させ、きめ細かい支援を行うべきです。区は移行について、「今後、考えていきたい」と答えていますが、高齢者人口が急増する中で速やかに整備すべきです。
 さらに、高齢者の生活実態を直接把握し、区が中心になって暮らしを支えるために、区直営の基幹型地域包括支援センターを整備すべきです。あわせて伺います。
 大綱2点目、若者の雇用と生活支援について伺います。
 今、若者を使い捨てるブラック企業のような違法、無法な働かせ方が、学生やアルバイトにも広がり、ブラックバイトという新たな社会問題が起きるなど、若者の雇用と暮らしを取り巻く現状は厳しさを増しています。
 私たち区議団にも、「パートで働いているが手取りは16万円、生活するのがやっとで貯金はできない。将来のことを考えると不安でいっぱい」、「上司からのパワハラに耐え切れず退職した。再就職したいが仕事がなく、自分は必要とされていないと思う」という切実な声が多数寄せられています。区内でも深刻な若者の実態について、区長の認識を伺います。
 安心して働き、暮らしたいという若者の願いに反し、安倍政権は、違法であるサービス残業の合法化や不安定雇用を拡大させる労働者派遣法の改定など、労働法制の大改悪を推進していることは許せません。区長は我が党のこれまでの質問に対し、「国の審議の動向を見守る」などと答弁してきましたが、若者が人間らしく働き、成長できる雇用のルールに改善するよう求めることが必要です。区長は政府に対し、労働者派遣法の抜本的改正を行い、正規雇用の拡大を図ること、さらに、最低賃金を1,000円以上に引き上げることを求めるべきです。伺います。
 多くの若者が、労働基準法を初め、労働者としての権利や雇用主の責任について何も知らされず、低賃金・長時間労働を押しつけ、若者を使い潰すブラック企業やブラックバイトで働きながら泣き寝入りの状態になっています。労働法を知らないがゆえに不利益を受ける若者を減らすために、東京都が発行している冊子「ポケット労働法」を成人式の案内に同封するなど、積極的に活用すべきです。伺います。
 若者の相談に乗る窓口を設置することも重要です。就職や仕事などに関して悩みがある若者の職業的自立を支援し、雇用問題の相談と解決を図るため、窓口を直接区の事業として取り組むべきです。伺います。
 次に、ひきこもり支援について伺います。
 雇用破壊や労働条件の悪化が進み、ひきこもりや若年無業者など、人間的自立に困難を抱えている若者がふえています。15歳から34歳のひきこもり者数は、都が行った調査によると、都内で2万5,000人、江東区内でも760人以上と推計されています。
 私のところにも、「派遣社員で働いていた息子が体調を崩し、雇いどめに遭ってから2年以上、家から出ようとしない。どこに相談したらいいのかわからない」という声が寄せられています。支援策の拡充が強く求められています。区長は、きめ細かい支援を行うために実態調査を行うべきです。さらに、足立区が行っているひきこもり者への訪問相談や居場所の確保、社会体験事業などを江東区としても行うために、医療や福祉、教育など、関係機関と連携して常設の総合支援窓口を設置すべきです。伺います。
 次に、若者の住宅支援について伺います。
 居室が極端に狭く、建築基準法などに抵触している危険な脱法ハウスが社会問題になるなど、低賃金、非正規雇用の拡大に加え、社会保障の負担増や消費税増税で、若者の住まいの確保が困難な状況が続いています。こうした問題の原因は、都営住宅を全くつくらず、単身者への住宅対策が軽視され続け、民間賃貸住宅家賃の高負担を放置してきた住宅政策にあると言わざるを得ません。区長は、都営住宅の建設や低所得の若年単身者を都営住宅の入居対象に加えるよう、東京都に求めるべきです。
 また、区として、低所得の若者などを対象に家賃補助制度を創設することや、区内の空き家の実態調査を行い、シェアハウスなどに転用できる住宅は、区の責任で調整・あっせんする制度を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 大綱3点目は、教育問題について伺います。
 まず、いじめ問題についてです。
 先月、江東区いじめ防止基本方針が策定され、今後、各学校の基本方針がつくられると聞いています。いじめを防止するためには、こどもがいじめられずに安全に生きる権利を持っていることを明らかにし、それを保証することが重要だと考えますが、区教育委員会の見解を伺います。
 次に、区のいじめ防止基本方針では道徳教育の充実が示されています。市民道徳が重要なことは言うまでもありません。しかし、多くの関係者が指摘しているように、道徳教育の名で一方的に規範意識を教えるやり方は、いじめの解決をおくらせ、陰湿化させる危険があります。何よりも全てのこどもが人間として尊重されることを教える人権教育を重視すべきと思いますが、見解を伺います。
 学校の基本方針策定に当たっては、教職員が情報を共有し、学校全体で知恵と創意を結集して対処することが重要です。各学校でつくられる学校いじめ問題対策委員会は、いじめを発見したときの機敏な対応を初め、相談窓口、情報収集、いじめの対応の中心として動きやすい組織となるよう、また、いじめ防止等の創造的な教育実践を支援するような組織にすべきです。伺います。
 いじめのない学校づくりのためには、教育条件の拡充が不可欠です。今、学校現場では、教職員同士を評価し合う主幹教諭制度の導入や授業時間の増加によって、長時間・過密労働が常態化し、こどもが抱えている悩みや心の声に耳を傾ける余裕が持てないという声が上がっています。
 教職員を増員するとともに、多過ぎる報告や事務処理を教職員参加のもとで整理し、教職員一人一人がこどもたちに向き合うことができ、多様な価値観や課題、困難を抱えるこどもたちを支え、成長できるような学校づくりを進めることが必要です。そのためにも、「生徒一人一人に目が行き届くようになった」など、試され済みの少人数学級を全学年で実施するよう、国や東京都に求めること。さらに複雑化する家庭の問題などに応対するスクールソーシャルワーカーを増配置すべきです。伺います。
 いじめ問題の根本的解決を図るためには、これまでの学校と教職員に対する上からの一方的な管理統制主義、そしてこどもたちへの過度な競争、選別教育を改め、教職員や学校の創造性を励まし、全てのこどもたちが生き生きと学び、それぞれの能力を豊かに伸ばせる教育を目指す方向へ、教育のあり方を転換すべきです。伺います。
 次に、教育費負担の軽減について伺います。
 憲法第26条には、「義務教育は、これを無償とする」と明記されています。しかし、実際には制服や体操着代、給食費、修学旅行の積み立てなどは保護者負担となっており、消費税増税など経済環境が悪化するもとで、教育費負担を軽くしてほしいという声が大きく広がっています。お金の心配なく安心して勉強できる条件を保障することは、国や自治体の重大な責任です。
 区は、就学援助の認定基準を引き上げ、支援対象の拡大を図るべきです。また、負担が重い給食費について、品川区、葛飾区では多子世帯の給食費に補助を行い、文京区ではひとり親家庭を実質無料にしています。江東区も給食費負担の軽減を図るべきです。あわせて伺い、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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