2016年第3回定例会―きくち幸江議員

 日本共産党江東区議団を代表して質問します。

  1. 築地市場の豊洲への移転問題について
  2. 子育て支援について
  3. 教育問題について

 まず、築地市場の豊洲への移転問題について伺います。
 土壌汚染対策で「あるはずの盛り土がなく空洞だった」、「主要建物の地下には大量の水がたまり、ヒ素や六価クロム、シアン化合物まで検出されている」、「いつ、誰が工法の変更を決めたのかわからない」等々、連日報道される大変な事態であり、東京都が主張してきた「土壌汚染対策をしたから安全」という大前提が根底から崩れています。
 現地を視察した専門家会議の座長は、「地下のたまり水は地下水」との見解を示しており、再汚染の危険性が危惧されていた地下水の管理もできていないことが明らかになりました。こうした事実を隠したまま市場移転を行おうとした東京都のやり方は、都民を幾重にも欺くもので、到底許せるものではありません。区は今回の事態をどう受けとめていますか、まず伺います。
 東京都において全面的な調査と点検を行うことが求められるのは当然ですが、受け入れを了承し、東京都と一体で事業を進めてきた区の責任も問われます。
 豊洲市場予定地は「市場には向かない」と、持ち主の東京ガス株式会社が売却を拒むほど汚染されていることが明らかであったのに、石原元都知事が、それまでの築地再整備をほごにして強引に移転を決めました。
 東京ガス株式会社の土壌汚染対策工事後も、ベンゼンが環境基準の4万3,000倍、猛毒のシアン化合物は860倍、そのほかにもヒ素や鉛など極めて高濃度の汚染があることは明らかで、我が党として「食を扱うにふさわしくない危険な土地」、「区として受け入れをやめ、東京都に中止を求めるべき」と、繰り返し区に対応を求めましたが、区は「人体に影響を及ぼすほど危険な土地とは認識していない」、「東京都と連携して進めていく」と、推進の立場をとりました。
 専門家会議の提言による盛り土を柱とした東京都の対策についても、必要な調査が300カ所以上で行われていない、不透水層以下の地下水の影響が考慮されていないなど、対策としては全く不十分であり、東京都にただすべきだと求めても、「専門家会議の提言に基づいて行われており安全」だと東京都の説明をうのみにし、対策の検証を怠ってきたではありませんか。東京都に事実の徹底解明を求めるとともに、虚偽の説明を続けて信頼を裏切ってきたことに抗議すべきです。
 同時に、区として、工事内容の詳細を把握できる立場にありながら、なぜ把握ができなかったのか。食の安全という命にかかわる問題について、にぎわい施設の誘致や地下鉄8号線の延伸を条件づけることで、土壌汚染に向き合う姿勢が後回しになっていなかったかなどを検証し、責任を明らかにすべきと思いますが、見解を伺います。
 豊洲市場では、土壌汚染のほかにも交通アクセスの不安や、売り場棟が分割・重層化されていることによる物流の阻害、床の耐荷重の不足、狭過ぎてマグロ包丁が使えない、床に海水を流せないなどの構造上の問題、設計図面と構造計算書が異なり耐震性に疑義があるなど、多くの明らかにすべき問題点、課題が指摘されています。また、建設費用も異常に高騰しており、談合の疑惑も出されています。
 移転ありきではなく、改めて関係者の声に耳を傾け、移転中止も含めて計画を抜本的に見直すことを東京都に求めるべきです。見解を伺います。
 次に、子育て支援について伺います。
 第1は、保育待機児童問題への対応です。
 入園申し込み時期を控え、働くことができるかどうかという、父母の皆さんの思いは切実です。江東区が目指してきた1,000人の定員増を来年度は達成する見通しとのことですが、マンション建設の勢いは衰えることなく、また、認可保育所の入園待機児童数が1,000人を超えている状況からも、思い切った手だてが必要です。
 土地の確保では、国、東京都ともに公有地の活用について積極的に応じるとしています。前回区議会定例会で我が党議員が提案をした東陽一丁目の都有地の活用については、「都市公園の網がかかり制約がある」とのことですが、3階までは建設できます。強く利用を求めるべきではありませんか。
 また、世田谷区では、保育課に不動産の専門家を任用して、民間の土地所有者にも働きかけ、賃貸料を補助するなどの対策を行い、30園以上の開設を見込んでいるということです。民間任せにせず、行政として保育所用地確保のための対策を強化すべきです、伺います。
 保育士確保のための対策も必要です。新聞報道では、保育士確保のために必要な事業者の負担は大変なもので、1人当たり10万円の支度金の支給や60万円の派遣紹介料を支払っているということがあり、結局、その後の人件費や保育料にしわ寄せがいくことになります。政府も給与の底上げを図るとしていますが、他の産業に比べ10万円も低い現状の改善にはほど遠いものです。政府に対し、抜本的な保育予算の増額を求めるとともに、現在行っている保育士等キャリアアップ補助金、家賃助成について、対象の拡大と補助額の引き上げを求めます。また、公表されている財務諸表に基づいて人件費比率を調査し、問題があるときは改善を図るべきです。あわせて見解を伺います。
 保育の質の確保も問われています。乳児の死亡事故が増加している要因として、規制緩和による配置される保育士の不足、定員増での詰め込み保育が指摘されています。国や東京都が待機児童解消のためと、さらなる規制緩和を進めようとしていることは許されません。父母が安心して預けられ、こどもたちの安全と成長が保障される保育所が必要です。国と東京都に対し、規制緩和ではなく、むしろ保育士の配置基準を引き上げて、こどもの安全を守り、保育士の負担を軽くするよう求め、また、区としても、園庭がないなどの保育環境を把握し、公園や学校などの公共施設を利用できる支援体制をとるべきと考えますが、伺います。
 次に、児童虐待への対応について伺います。
 聞くにたえないひどい虐待により、こどもが命を落とす痛ましい事件が相次いでいます。昨年度、虐待による死亡事例は全国で50件を超え、実に、週に1人は命を失っています。本区においても、相談・通報件数は5年前の2倍以上にふえ、直ちに手を差し伸べるために区の支援強化が求められています。
 まず、相談と個別ケースへの対応です。
 虐待が疑われる家庭への対応はその状況によって異なり、拒否されることを覚悟の上での訪問活動や、関係部署との連絡においても児童相談所、保護課、保健所、保育所、学校など、ケースにより多様です。また、虐待に至る前の予防活動も重要で、子育てを支援する地域力の育成や、地域で取り組まれている学習支援、子育てサークルなども、ネットワークに組み込めれば大きな力を発揮すると考えます。そのための虐待対応のためのケースワーカーの増員、不足している亀戸・有明地域への子ども家庭支援センターの設置、虐待対応の体制を持った子ども家庭支援センターをふやすなど検討すべきです、伺います。
 次に、児童相談所の設置についてです。
 法改正で、特別区に児童相談所を置くことができるようになり、23区でも準備が進んでいると聞いています。児童虐待発生時の迅速、的確な対応に効果的な策として挙げられてのことであり、一刻も早く設置すべきです。広域的な対応が必要な一時保護所や児童養護施設などのあり方、児童福祉司や弁護士など専門職の配置、実践的なノウハウの取得、財政問題など、課題はたくさんありますが、23区が協調して東京都との役割分担を話し合いで詰め、設置準備を進めるべきと思いますが、伺います。
 次に、教育問題について伺います。
 第1は、(仮称)第二有明小・中学校についてです。
 現在建築中の(仮称)第二有明小・中学校を、施設一体型の小中一貫教育を行う学校にするという方針が示されました。小学校と中学校という区切りをなくし、9年間を通じた教育課程を編成するということです。
 区の素案では、(仮称)第二有明小・中学校を先行実施校とし、その成果を見て全区展開に向けた検討を行うとしています。しかし、この提案はいかにも唐突で、これまで築き上げられてきた学校教育の到達を継承し発展させるものとは、とても考えられません。
 導入の必要性について、「有明小・中学校の連携教育の成果を確実なものとする」、「中学校進学時の不登校がない」などが挙げられていますが、有明小・中学校には開設からわずか5年間の経験しかなく、しかも、有明小学校から有明中学校に進学する生徒の割合は50%台ととても低く、成果があったと検証できるものではありません。
 法改正をめぐる国会の議論では、小学校高学年で培われるリーダーシップや自主性の育成が損なわれる、新たな教育課程の編成や全校での行事実施、学校全体の状況把握などで、ただでさえ多忙な教員の負担がふえることなどが問題点として議論され、その解決策も示されていません。
 既に実施している品川区でも、こうした問題はいまだに課題とされ、さらに施設分離型では、出張授業や合同会議の負担、指導の連続性が失われるなどの調査結果が出ています。
 これら一貫教育において問題とされている事項について、区教育委員会としてどのように検討されたのでしょうか。こどもたちの成長にかかわる問題であり、課題解決の見通しもないまま導入すべきではないと考えます。見解を伺います。
 さらに、(仮称)第二有明小・中学校は、英語教育の強化、区独自の講師派遣、学校ICTの推進などを特色とし、建設費も他校の2倍以上をつぎ込む特別な学校として予定されています。公立の義務教育を行う学校で、予算投入も学習内容も特別な学校をつくることは、行政の公平性の観点から問題であり、教育に差別を持ち込むものではありませんか、見直しを求めます。見解を伺います。
 特色ある学校づくりは、これまでも既存各校で学校選択制とあわせて進められてきました。しかし、義務教育は、こどもたちが自立するための基礎的な学力、市民道徳、体力を身につけることが目的であり、どの学校においても、全てのこどもたち一人一人の成長を促す教育活動を基本に据えるべきです。学校選択のための特色づくりを押しつけるべきではありません。
 また、学校選択制では、依然として風評による小規模校の出現や、一方で大規模校の抽せんによる問題などが起こり、地域との関係も壊されています。学校間で競争させ選択させる制度は、中止を検討すべきと思いますが、見解を伺います。
 次に、少人数学級編制についてです。
 学級の人数を少なくすることで、一人一人に目が届き、いじめ、不登校をなくすことができ、学力の向上を図る上で効果があると検証され、推進されてきました。現在、35人以下学級は、小学校1・2年生、中学校1年生に限られているため、今年度、江東区の小学校7校、中学校6校では、学年が上がる時点で学級数が減り、クラスの人数がふえてしまいました。全学年での実施を求める声に対し、安倍首相も「鋭意進めていく」と発言したものの、そのための法改正も予算措置も行われていません。政府に対し、全学年での少人数学級の実施を直ちに行うよう強く求めるべきと思いますが、見解を伺います。
 次に、義務教育における保護者負担の軽減について伺います。
 就学援助の制度改善について、これまでも求めてきました。中学校入学時の費用が平均10万円を超えるのに対し、2万7,000円弱という入学準備費の支給額では、余りにも保護者負担が大きいため、引き上げるべきです。
 また、支給時期について、文部科学省からは、必要な時期に支給できるように配慮を求める通達が出ており、小学校6年生の3月に支給する自治体がふえています。区としても、中学校については直ちに改善できるのではありませんか。また、修学旅行費も事前に支給できるように改善すべきです、伺います。
 学校給食費の負担について、学校給食法では保護者が負担するものと区分していますが、公的補助を否定するものではなく、全額無料にする自治体もふえています。米や牛乳など品目を決めて現物支給する方法もあり、負担軽減を検討すべきです、伺います。
 学校で使用する教材費は、授業や学習課程の中で必要となっているものであり、公費負担を基本にすべきです。個人負担をふやさないように教員に協力を求めるとともに、公費購入ができるよう、教材に使える学校配分予算をふやすべきです。
 見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   (山崎孝明区長登壇)

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2016年第3回定例会―正保みきお議員

 日本共産党江東区議団を代表して、大綱4点について質問します。

  1. 憲法と平和の問題について
  2. 介護保険について
  3. 障害者支援について
  4. 環境とまちづくりについて

 大綱の第1は、憲法と平和の問題についてです。
 安倍政権は、憲法違反の安全保障法制、戦争法に基づき、南スーダンへPKO派遣している自衛隊に、駆けつけ警護などの新たな任務を付与し、武器使用を拡大しようとしています。これは、憲法が禁止している武力行使となり、「殺し殺される」最初のケースになりかねません。
 11月から南スーダンへPKO派遣される青森県の自衛隊員の家族は、「息子が心配だ。入隊したのは戦争に行くためじゃない」など、悲痛な声を寄せています。国民を守るという志を持って入隊し、災害救助に取り組んでいる自衛隊員を、海外の戦場に送り込んでいいのでしょうか。伺います。
 南スーダンでは、ことし7月に自衛隊が駐留する首都ジュバにおいて、政府軍と反政府軍の戦闘が激化し、多数の死傷者が出るなどしています。自衛隊派遣の前提となる停戦合意など、PKO参加5原則が崩壊しています。政府に対して、安全保障法制、戦争法の発動をやめ、自衛隊を南スーダンから撤退させるとともに、憲法第9条に基づいた非軍事の人道支援、民生支援を抜本的に強化する方向に転換することを強く求めるべきです。伺います。
 安倍政権は、参議院議員選挙期間中は改憲について口を閉ざし、選挙が終わったら改憲にまっしぐらに進んでいます。だまし討ちは断じて許しません。安倍首相は「自由民主党案をベースにして」と明言していますが、自由民主党改正草案は、現行憲法の恒久平和主義、国民主権主義、基本的人権の尊重を根底から覆し、立憲主義を破壊するものです。
 中でも、憲法第9条第2項を削除して国防軍の創設を明記し、海外での武力行使を無条件、無制限に可能にするものとなっています。区長は憲法改正について、「何を守り、何を変えていくのか日本が今後どうあるべきか議論していくことが重要」、「自由民主党の憲法改正草案は一つのたたき台」との考えを示しています。区長自身、憲法第9条についてどのように考えているのか、変えてはならない条項だと思いますが、伺います。
 憲法第9条は、当時の幣原首相がマッカーサーに提案したことを裏づける新たな書簡が発見されるなど、憲法の制定過程においても、占領軍からの押しつけではなく、日本側の提案をGHQが受けたものであることが明確となっています。区長の認識を伺います。
 また、70年も憲法を変えなかったのは異常との議論もあります。しかし、変える必要がないほど立派な憲法だったという証明ではないでしょうか。現行憲法は、第9条という恒久平和主義の条項を持ち、30条にわたる豊かな人権規定が盛り込まれているなど、世界で最も先駆的な内容となっています。区長の認識を伺います。
 そして、我が党は、綱領で明記しているように、現行憲法の前文を含む全条項を守り、特に平和的民主的諸条項の完全実施を目指すものです。
 去る9月9日、北朝鮮は5回目となる核実験を強行しました。世界の平和と安定にとって重大な脅威であり、我が党はこの無法な暴挙を厳しく糾弾するものです。しかし、軍事対軍事ではなく、国際社会が一致結束して、政治的、外交的努力を抜本的に強めることが重要です。より根本的に重要なことは、国際社会が本気になって、核兵器のない世界への具体的な行動に取り組むことです。
 この秋の国連総会では、核兵器禁止条約の交渉開始についての議論が始まります。日本は唯一の被爆国でありながら、核兵器による抑止力に依存し、核保有国とともに核兵器禁止条約の交渉開始に背を向けています。政府に対し、核兵器禁止条約締結に向け、被爆国にふさわしい役割を果たすよう求めるべきです。伺います。
 本区は、戦争も核兵器もない平和な世界を目指す平和首長会議の加盟都市です。江東区は非核平和都市宣言を行い、核兵器禁止条約の速やかな交渉開始など、核兵器廃絶を世界に発信すべきです。伺います。
 大綱の第2は、介護保険についてです。
 社会保障をめぐって、75歳以上の医療費の窓口負担を2割へ引き上げ、国民健康保険の広域化による保険料の値上げ、入院患者の追い出し促進など、医療、介護、生活保護などにおける大改悪案が国の審議会で出され、来年の通常国会に法案、予算案を提出する動きがあります。とりわけ介護分野については深刻です。
 区内の介護現場では、要支援者がこれまで受けていたデイサービスが受けられない事態が起こっています。それは区の総合事業における事業費単価が低いため、介護事業所が要支援者の利用を断らざるを得ないためです。新たな介護難民をつくってはなりません。総合事業における区の事業費単価を引き上げるべきです。伺います。
 このような中、厚生労働省は、要支援に続き要介護1・2も介護保険給付から外し、総合事業へ移行させようとしています。
 江東区で、要支援1・2の方と要介護1・2の方を合わせると、要介護認定者の実に64%に上ります。高い保険料を徴収しながら64%の人から介護保険給付を取り上げてもいいのでしょうか、区の見解を伺います。
 介護保険の大改悪に対し、ヘルパー、ケアマネジャーの全国組織や福祉用具業界がこぞって反対を表明しています。国の審議会でも、軽度者の切り捨ては重症化を招くなど、日本医師会や介護事業者団体、自治体関係者などから厳しい批判の声が相次いでいます。
 福祉用具貸与の継続を求める意見書は、本区議会を初め、全国の地方議会に広がっています。区は国の検討状況を注視している場合ではありません。国に対し、要介護1・2の介護保険外しなど、介護保険のさらなる改悪を行わないよう、強く求めるべきです。伺います。
 昨年8月から一定所得以上の方の2割負担だけでなく、特別養護老人ホーム等の入所者の食費、居住費の補助対象者を減らしたため、「月5万円もはね上がった、生活が成り立たない」など、家族の悲鳴が上がっています。そのさなかに、ことし8月から非課税年金の障害年金や遺族年金の受給者へも、食費、居住費の軽減補助を減らし負担を増大させるのは、余りにも冷酷です。江東区では約700人が影響を受け、特別養護老人ホーム利用者は月1万9,800円、介護老人保健施設では3万2,400円もの負担増となっています。長年入所を待ち続け、せっかく入れた特別養護老人ホームを、その費用が重荷となって退所するようなことがあってはなりません。支援の方向も含め、負担増の実態について調査すべきです。
 また、食費、居住費の負担増を中止し、もとに戻すよう国に求めるべきです。あわせて伺います。
 一方で、特別養護老人ホームの入所申込者は1,500人を超え、施設整備は待ったなしです。ところが、来年度以降の整備計画は1つもありません。特別養護老人ホームの整備は江東区の重点プロジェクトです。長期計画と年次計画に新たな整備目標を盛り込むべきです。伺います。
 土地がないわけではありません。豊洲四丁目団地や辰巳団地の建てかえで創出される都有地の活用や、旧昭和大学附属豊洲病院跡地など、本気で用地確保に当たるべきです。伺います。
 また、民有地の活用には、固定資産税への支援など検討すべきと思いますが、あわせて伺います。
 そして、介護人材不足は深刻です。介護職員への家賃補助制度や介護報酬とは別枠の賃金引き上げなど、処遇改善策を国に求めるとともに、かつて区独自に実施した介護職員への家賃助成を復活させ、さらに拡充すべきと思いますが、伺います。
 大綱の第3は、障害者支援についてです。
 7月26日に発生した神奈川県相模原市の障害者施設における殺傷事件で亡くなられた方々の御冥福と負傷された方々の早期の御回復をお祈り申し上げます。
 多くの命を奪った戦後最悪の殺人事件そのものの残忍性に加え、大きな衝撃を与えているのは、容疑者の元職員が事件前から、「障害者なんていなくなればいい」という趣旨の言動を重ねていたことです。障害者の命、尊厳、存在を否定する考えを絶対に許すことはできません。区の認識を伺います。
 この事件をきっかけに、多くの障害者とその家族、福祉関係者が心を痛め、不安と危惧を募らせています。つまり、障害者を初め、社会的弱者などに対する偏見、差別、排除の風潮が強まる傾向の中で起きたのではないかということです。区として、「全ての人の命と人権は平等で大切にされなければならない」ことを表明し、発信すべきです。伺います。
 塩浜福祉園の指定管理者制度の導入を含めた施設のあり方が検討されています。区は、「直営であれ指定管理者制度であれ、どのような運営形態がいいのか、利用者との信頼関係を基本に利用者の視点に立って検討する」と表明しました。しかし、その一方で、来年度には指定管理者を選定し、翌年から指定管理者による運営を開始する計画です。どのような運営形態がいいのか検討すると言いながら、初めから出口を決めている、まさに指定管理者制度ありきであり、利用者との信頼関係を損なうやり方です。この年次計画は撤回すべきです。利用者家族の合意なしに強引に進めるべきではありません。あわせて伺います。
 指定管理者制度は、これまで区が行財政改革として経費削減のために導入してきた制度であり、低賃金や過密労働など、労働条件を低下させてきました。塩浜福祉園のように、サービスの担い手の質が特に重視され、安定的、継続的な運営が必要な重症心身障害者の施設については、指定管理者制度を導入すべきでありません。直営を堅持し、施設利用者の重症化などに対応する専門職の配置や、緊急一時保護など、必要な機能を持たせていく方向で検討すべきです。伺います。
 発達のおくれや障害のある児童に対する放課後や長期休業中の居場所づくりが、保護者や関係者の切実な願いとなっています。しかし、医療的ケアが必要な児童を含め、重症心身障害児の放課後等デイサービスを行う事業所が区内全域で不足し、特に南部地域での早期整備が待たれています。
 NPOや社会福祉法人が放課後等デイサービスの事業所を開設するに当たっては、既設事業所に行っている家賃補助を新規開設した事業所にも拡充するなど、区が支援すべきです。伺います。
 駅ホームでの視覚障害者の転落事故は、国土交通省の調べによると、2009年の38件から2014年には80件と倍増しています。
 社会福祉法人日本盲人会連合が実施したアンケートでは、約4割の視覚障害者が駅ホームから転落した経験があり、約6割が転落しそうになったと回答しています。視覚障害者にとって駅ホームは欄干のない橋と言われるほど危険な場所です。しかし、ホームドアや可動式ホーム柵の設置は、地下鉄駅で約58%、JRと私鉄は約20%であり、都内各駅での設置率は32%にとどまっています。区は、国や都、鉄道事業者に対し、区内各駅のホームドアや可動式ホーム柵の設置促進、駅員の適切な配置を優先的に行うよう求めるべきです。伺います。
 また、都営地下鉄新宿線東大島駅では、ホームの点字ブロックの一部が柱で塞がれています。都に改善を求めるべきです。
 さらに、東京メトロ東西線南砂町駅東口を利用する視覚障害者から、区立公園内通路の点字ブロック増設の要望が寄せられています。増設を求めます。あわせて伺います。
 大綱の第4は、環境とまちづくりについてです。
 羽田空港発着の国際便増発による騒音や事故の危険性の影響は甚大です。本区の上空を低空から上昇していく新ルート案について、関係自治体が了承との新聞報道がありますが、区は了承したのですか。了承していないのであれば、新聞報道の誤りをきちんと正すべきです。伺います。
 新飛行ルートは、本区の上空で高度900メートルから1,200メートルを二、三分に1機、1日187機が飛行する計画です。騒音による健康被害やこどもの学習の障害、落下物の危険など、住民の不安が広がっています。これまで騒音被害や安全に配慮して、「離着陸時にはできるだけ海上を飛行する」、「高度1,800メートル以下では陸上を経路としない」との原則が確立されてきました。今回の羽田空港の機能強化策は、長年の原則を一方的に覆すもので認めるわけにはいきません。
 区議会には、新ルート案に反対し、住宅が密集する都心を避け、現在の海上ルートでの飛行を求める陳情が提出されています。区長は特別区長会でどのような発言をされたのか、住民の理解が得られたと考えているのか、あわせて伺います。
 国の住民への説明は不十分です。環境に配慮した方策を含め、丁寧に説明すべきです。これまで再三にわたり、責任者が応答する教室型説明会を求めてきました。しかし、いまだに開催されないのは極めて不誠実です。江戸川区で開催できて、なぜ江東区で開催できないのか、区の姿勢も問われています。国に対し、教室型説明会を早急に開催するよう強く求めるべきです。伺います。
 区はこれまで、騒音、大気汚染、落下物対策などについて、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会を通じ、国に申し入れていくとしてきました。しかし、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会は設置以来2年間、一度も開催されていません。住民の意見、要望をどこでどのように反映させてきたのですか。住民合意のない計画の撤回を求めるべきです。あわせて伺います。
 地上50階、高さ185メートルの超高層ビルが建設される西大島駅前の再開発事業計画について、「これほど高い建物が本当に必要なのか」など、周辺住民から疑問の声が寄せられています。都有地が敷地の3分の1を占め、総事業費400億円のうち100億円の税金投入が見込まれています。城東保健相談所、保育所、防災倉庫などの公共公益施設は、ビル床面積全体の3%しかありません。誰のための再開発事業かが問われています。計画を変更し、建物の高さを下げ、公共公益施設の必要性を見きわめ、総事業費を圧縮すべきです。また、高齢者住宅や特別養護老人ホームなど、地域のまちづくりに貢献する公共性の高い事業とすべきです。あわせて伺います。
 亀戸六丁目のサンストリート亀戸跡地には、60階建てファミリーマンション2棟、2,000戸が計画されています。計画どおりに進むと、800人を超える児童の出現が予測され、隣接する小学校では受け入れが困難となります。最近では、児童増加による校舎の増設が、亀戸地域と南部地域を中心に小学校7校で行われます。
 昨年開校したばかりの豊洲西小学校も、隣接地の1,200戸のマンション建設に伴う児童急増で増設が必要となっています。今後の区内のマンション新築による児童の増加予測を含め、学校など公共施設への受け入れについて、区の認識を伺います。
 高層マンション建設に伴う人口の激増により、バランスのよい市街地形成が阻害されています。特に小学校、保育所など、公共施設の不足は深刻です。本区では以前、受け入れ困難地区の指定、マンション建設計画の延期、または中止を求める一方で、公共施設整備協力金を復活させ、小学校や保育所など、公共施設を整備してきました。現在の40%を超える児童出現率を抑制し、秩序あるまちづくりを行う必要があります。
 以前実施していたマンション建設計画の調整に関する条例の内容を今日的に検証し、公共施設への受け入れ等に合わせた建設計画になるよう調整するための条例制定を検討すべきです。
 答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   (山崎孝明区長登壇)
◇  ◇  ◇
 再質問いたします。
 答弁が明確ではない幾つかの点について伺います。
 憲法第9条についてです。区長自身、憲法第9条については、変えてはならない条項だと思うが、どのように考えているのかという質問をしました。明確な答弁をお願いします。
 また、羽田空港発国際便の増発問題で、江東区は新ルート案に了承したのかどうか、新聞報道がどうであれ、江東区は了承したのかどうか、明確な答弁をお願いします。
 そして、国による丁寧な説明会が実施されたと考えているのか、その点についても明確な答弁をお願いします。
   (井出今朝信総務部長登壇)

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区議団ニュース2016年11月号

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2016年第2回定例会―赤羽目たみお議員

 日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。

  1. こどもの貧困対策について
  2. 介護保険制度について
  3. 高齢者の住まいの確保と見守り支援について

 まず、大綱の1点目、こどもの貧困対策について伺います。
 こどもの貧困が大きな社会問題になる中で、江東区内でも経済的な理由で林間学校に行けない子や、給食のない夏休みに痩せてくる子がいると、学校現場から心配の声が寄せられています。また、親の離婚歴や虐待も貧困に大きく影響していることが国の調査で明らかになっており、区の新規虐待相談受理件数は、2012年度の223件から2014年度には385件と増加し、親から暴力を受ける子や何日も入浴させてもらえない子など、放置できない状況があります。
 私たち区議団は、これまで足立区や荒川区など先進自治体の例を示し、こどもの貧困について実態調査を行うよう求めてきました。しかし、区は、「都や国の調査を研究していく」と述べるにとどまり、区内の貧困の実態に向き合う姿勢が見られません。実態調査を行った足立区では、こどもの置かれているさまざまな生活環境を把握し、居場所づくりや学習支援など、貧困克服に向け事業を展開しています。
 先般、国は、こどもの貧困解消に向けて、自治体が地域の実態をつかんで必要な支援計画をつくり、地域と一緒にこどもたちを支援につなげる自治体向けの新たな交付金制度を創設しました。区はこの間、こどもの貧困は経済的な理由だけで起きている問題ではないとの認識を示しています。だからこそ、この制度を活用するなどして、区内のこどもが置かれている実態を調査し、それをもとに貧困対策を進めるべきと思いますが、区長の見解を伺います。
 次に、子ども家庭支援センターの拡充について伺います。
 こどもの貧困を解決するため、子育て世帯への相談体制の拡充も必要と専門家も指摘しています。現在、区は、区内5カ所の子ども家庭支援センターで、子育てに関するさまざまな相談を受け、一時預かりなどを実施して子育て世帯への支援を行っていますが、亀戸地域には設置されていません。今後、大幅な人口の増加が見込まれる亀戸地域、有明地域に整備するとともに、子育て世帯の抱える問題が複雑化する中で、よりきめ細やかな相談対応や子育て支援を行うため、基幹型の子ども家庭支援センターを整備すべきです。伺います。
 次に、現行の子育て支援策の拡充について伺います。
 まず、認可外保育施設における保育料の保護者負担の軽減についてです。
 先日、区内の認証保育所にお子さんを預けている保護者から、「区からの補助金が支給されるまで、月7万円の保育料の負担が重く家計を圧迫しているので、もっと早く補助金を支給してほしい」という声が寄せられました。
 現在、区は、認可外保育施設を利用する家庭の保育料負担を軽減するため、補助金を世帯の所得に応じて年3回、9月、1月、5月に支給しています。子育て世帯の負担を軽減するため、源泉徴収票で前年度所得を把握し補助額を決定する方式を導入するなどして、支給時期を早めるとともに、年度内の支給回数をふやすなど改善すべきです。伺います。
 次に、就学援助の拡充についてのうち、中学生の入学準備費について伺います。
 区は現在、就学援助の入学準備費を中学1年生の8月末に、準要保護世帯に2万6,860円を支給しています。しかし、制服や体操服、靴やかばんなどに5万円から8万円もかかり、支給額では十分に補えません。さらに、保護者は、3月には高額な費用を全額用意しなければならず、制服や学用品をそろえるために借金をした家庭もあると聞いています。
 板橋区や世田谷区では、就学援助を実情に合わせて小学6年生の3月時点で支給しています。区としても、就学援助の支給額を実情に見合うよう引き上げるとともに、支給時期を早めるなど改善すべきです。伺います。
 次に、学校給食費の負担軽減について伺います。
 学校給食費は、小学校で平均5万円、中学校では約6万円が保護者負担となっており、区民から「少しでも負担を軽くしてほしい」という声が上がっています。品川区、葛飾区では、多子世帯に給食費の補助を行い、文京区ではひとり親家庭を実質無料にしています。江東区も給食費負担の軽減を図るべきです。伺います。
 次に、大綱の2点目、介護保険制度について伺います。
 「介護の社会化」をうたって発足した介護保険制度は、この間のたび重なる制度改悪や介護報酬の引き下げで、深刻な事態が広がっています。これまで国の責任で行ってきた要支援者の訪問介護と通所介護を区市町村任せにする総合事業が、江東区でもことし4月から始まりました。区内のケアマネジャーからは、「要支援者を受け入れてくれる事業所が見つからない」、区内の介護事業所からは、「区の総合事業は赤字になるので、実施をためらっている」との声が寄せられています。
 我が党は、報酬単価が低い総合事業では、介護事業所の経営をさらに困難にし、要支援者の利用を断らざるを得ない事態が起きると指摘してきました。区長はこの現状をどう受けとめますか、見解を伺います。
 介護事業所がこれまでどおりのサービス提供ができるよう、区の事業費単価を引き上げるべきです。伺います。
 さらに、利用料2割負担の導入や、介護施設に入居する低所得者への補足給付の縮減で、「生活が厳しくなり、介護サービスの利用を控えている」という声も寄せられています。これまでにも増して、必要なサービスを受けられない状態は深刻化し、高齢者の暮らしを圧迫しています。区長は制度改定による区内高齢者への影響を直ちに調査し、必要な介護が受けられるよう対策を行うべきです。伺います。
 今こそ、介護保険制度の充実が求められています。ところが政府は、要介護1・2の生活援助サービスを保険給付の対象から外すことや、生活援助サービスや住宅改修、車椅子など福祉用具レンタルの利用料を原則自己負担にすることなど、軽度の利用者に対するサービス削減を狙っています。
 制度改悪について、日本医師会は、「要介護1・2の人を切り捨てることはできない。家族介護が必要となり、介護離職ゼロも達成できなくなる」と指摘しています。また、全国市長会は、「重度化を防いでいる軽度者への支援をやめるのは本末転倒」と厳しく批判しています。軽度の利用者に対するサービスの削減が、区民の暮らしを破壊し、要介護度の重度化を招くことは明らかだと思いますが、区長の見解を伺います。
 さらに政府は、要介護1・2の通所介護も保険給付の対象から外して自治体の事業に移行することや、利用料の負担上限額の引き上げ、65歳から74歳の利用料を原則2割負担にすることなどについても検討し、来年の通常国会に法案を提出するとしています。社会保障費の大幅削減のために、次から次へと介護保険制度の改悪を進め、高齢者と家族に苦難と犠牲を強いることは許されません。区長は政府に対し、介護保険制度改悪の検討中止を求めるとともに、国庫負担割合を引き上げて、誰もが安心できる介護保険制度に改善するよう、区として国に求めるべきです。あわせて、区長の見解を伺います。
 介護を支える介護職員の不足は深刻です。我が党区議団が事業所を対象に行った調査でも、「新しい職員が入職してきてもすぐにやめてしまって定着しない」、「待遇をよくしたいがお金がない」といった声が多数寄せられました。人材確保が難しい原因の根底には、全産業と比較して10万円も低い賃金や長時間労働の蔓延など、処遇の悪化があります。区長は政府に対し、さらなる介護職員の賃金引き上げなど、処遇改善を行うよう求めるとともに、区としても、人材確保のために介護職員への家賃補助を復活させるなど、介護職員確保に力を尽くすべきです。あわせて伺います。
 次に、大綱の3点目、高齢者の住まいの確保と見守り支援について伺います。
 貧困と格差が広がる中で、高齢者から生活支援の拡充が強く求められています。先日、区内の80歳代の男性から、「建てかえを理由に家主から月内の引っ越しを求められたが、不動産屋を何軒回っても希望に合う物件が見つからない、どこか住めるところはないか」と相談が寄せられました。
 現在、区は、こうした高齢者に対し、高齢者世帯民間賃貸住宅あっせん事業を行っていますが、昨年度は122件の相談件数に対して、成約件数はわずか7件にとどまっています。その大きな理由は、高齢者の緊急時の対応など、貸主さん側の不安が大きいことがあり、高齢者のわがままで成約に至らないのではありません。見守り事業などと連携の強化を図りながら、区が直接貸主さんに高齢者世帯民間賃貸住宅あっせん事業への理解を求め、高齢者の受け入れが可能な物件をふやしていくなど、積極的な取り組みを行うべきです。伺います。
 また、家賃や契約金、転宅費用など、経済的負担が重いことも成約が進まない原因となっています。低所得の高齢者に転居時の費用補助や住宅家賃に助成金を出し、入居を支援すべきです。伺います。
 現在、相談窓口では、週に1回、3件しか相談を受けないことから、1カ月以上先まで予約が埋まっており、緊急な相談に対応することはできません。高齢者の切実な住まいの要望に応えるために、相談窓口の受け入れ体制を強化すべきです。伺います。
 住宅確保が困難な高齢者を支援するためにも、区として住宅を整備することは重要です。区はこれまで、高齢者住宅の建設を拒み続けていますが、空き家住宅1戸に対して、応募倍率が100倍を超える高齢者住宅もあり、住宅の不足は深刻です。
 江戸川区では、住宅整備や家賃補助を行う際に国が補助金を出す地域優良賃貸住宅制度を活用して、高齢者住宅を建設しています。江東区としても、この制度を活用するなどして高齢者住宅を建設するとともに、UR賃貸住宅など公的住宅を借り上げ、住宅を確保すべきです。伺います。
 次に、高齢者が安心して暮らし続けるため、さらなる施策の拡充が必要です。昨年、区内の大規模な集合住宅で、高齢の兄妹が死後数カ月たってから発見されるという痛ましい事故が起きてしまいました。このような事故を防ぐためにも、江東区の見守り事業の拡充を急ぐべきです。
 区は、平成23年度から社会福祉協議会に委託し、地域団体が主体となって区内の高齢者を見守る高齢者地域見守り支援事業を行い、事業開始からこれまで50地域を支援してきたとしています。しかし、地域の高齢化や財政支援が乏しいことから体制確保が困難になり、見守りを休止してしまう地域があります。さらに、今年度、区は新たに8地域を支援するとしていますが、募集に対し5地域からしか応募がなく、見守り支援が広がっているとは言えません。高齢者地域見守り支援事業を充実させるためには、財政支援の拡充を図るなど区の直接支援を強め、地域住民の協力のもとに、区が中心となって見守り支援を地域に広げていくべきと考えますが、区長の見解を伺います。
 区が主体となって行う見守り事業も急ぎ拡充を図るべきです。高齢者の異変に早期に気づき、暮らしを支える高齢者緊急通報システムは、慢性疾患があるなど、日常生活を営む上で常時注意が必要な高齢者という厳しい身体要件があるため、設置件数が年々減少傾向にあることは極めて問題です。区はこの間、「総合的な観点からシステムの活用を検討する」と答弁してきましたが、区長は検討段階にとどめず、急ぎ要件を緩和するとともに、費用負担を軽減し設置を促進すべきです。伺います。
 さらに、見守り事業として区が行っている食事サービス、声かけ訪問、電話訪問などは、本人の希望があれば複数の事業が同時に受けられるようにすべきです。また、訪問回数もふやすなど、見守り事業の改善を図るよう求めます。
 以上、区長の見解を伺い、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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2016年第2回定例会―山本真議員

 日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点伺います。

  1. 保育施策について
  2. 障害者支援について
  3. 青年支援について

 大綱の1点目は、保育施策についてです。
 初めに、国の待機児童対策について伺います。
 江東区で認可保育所に入れなかった人は1,717人、認証保育所等にも入れず、行き場のない人が277人と、去年より110人ふえています。1歳半のお子さんがいる方から、「認可のほかに認証20園にも申し込んだが、全て落ちた。2人で働かないと生活ができないので、今は貯金を切り崩している」との話を伺いました。待機児童対策は待ったなしです。
 この間、国の打ち出した緊急対策では、一層の規制緩和で、国の基準に合わせ、面積基準や人員基準の引き下げが打ち出されています。認可保育所の国基準では、1歳児6人に対し保育士1人ですが、区の基準では、1歳児5人に対し保育士1人と、国基準よりも上乗せしてきました。
 1歳児の食事では、誤嚥や窒息を起こすリスクもあり、待機児童対策だとしても引き下げは危険です。現在の区基準を引き下げ、保育の質を落としてこどもを詰め込む対応はすべきではありません。区の見解を伺います。
 区は、家庭的保育事業の小規模保育で、保育士配置基準の見直しや、保育士の資格がない人を保育士とみなすやり方を導入しようとしています。ことしの3月に都内で起きた死亡事故では、保育士の資格がない非常勤職員が異変に気づかなかったとされています。保育の専門性を確保することは、こどもの命を守ることにもつながります。保育士配置基準の見直しは改めるべきです。区の見解を伺います。
 続いて、保育士の処遇改善について伺います。
 保育士の確保が進まない背景には、保育士の労働環境の劣悪さがあります。保育士は全産業の賃金の平均と比較しても、月額10万円ほど低い状況です。保育士の低賃金は、国の基準が低過ぎることによってもたらされています。国でも処遇改善を進めていますが、10万円の差を埋めるにはほど遠い金額です。保育士の配置基準も実態に合わず、足りない状況です。保育士の抜本的な賃上げ、実態に合った人員配置基準を国に求めるべきです。伺います。
 区でも、保育士確保のため家賃補助を開始したことは、緊急対策としては評価できます。しかし、採用後5年目までの職員に対してと限定的であり、期限つきでは安定的な運営にはつながりません。対象を6年目以上の職員にも広げ、期間も延ばし、安心して働き続けられるよう、区としての支援の強化を求めます。伺います。
 次に、土地の確保について伺います。
 昨年の保育所増設は、定員1,000人増という目標に対して定員680人増にとどまりました。区は保育所の土地の確保が困難だと言います。しかし、現在、東陽一丁目には保育所を建てるのに十分な面積の未利用地が多数あります。また、今後、都営豊洲四丁目団地建てかえに伴い空地ができるなど、区内には多くの公有地ができます。区内の公有地を積極的に取得し、民間貸与することも含めて活用するべきです。そして、国や東京都に対して、国有地、都有地の無償貸与など、土地を確保しやすい制度を求めていくべきです。伺います。
 今後もファミリータイプマンションの建設が次々と計画されています。そのような地域においては、必要な土地は民有地を買ってでも確保すべきです。あわせて伺います。
 保育施策の最後は、公立保育園の民営化について伺います。
 今後も新たな公立保育園の民営化計画が進められようとしています。保育所の新たな民営化計画は、国や自治体の保育に対する責任を投げ捨て、安上がりの保育を進めるものです。こうした民間任せの保育政策が、保育士の劣悪な労働環境を生み出し、今日の保育士不足や待機児童を増加させる原因となっています。保育士が足りないと言われているときに、保育士が確保されている公立保育園を民営化する必要はありません。公立保育園の民間委託は中止すべきです。伺います。
 大綱の第2点目は、障害者支援についてです。
 障害者総合支援法の見直しについて伺います。
 さきの国会で、障害者総合支援法の見直しが行われました。今回の見直しでは、今まで障害者と国との間で約束されていた基本合意や骨格提言の焦点である応益負担や介護保険優先原則の見直しは全くなく、障害者たちの願いを踏みにじるものです。障害者団体からも、今後の障害者施策に大きな後退をもたらすものだと、抗議声明が出されています。区として、今回の障害者総合支援法の見直しをどのように評価していますか。
 区としても、障害者の声に応え、国に対し、応益負担の見直しや介護保険優先原則の見直しなど、基本合意や骨格提言に基づいた立場で求めるべきです。区の見解を伺います。
 次に、障害者施設で働く職員の確保について伺います。
 区内の障害者施設の多くは、保護者や住民がつくり、障害者福祉を進めてきました。しかし、これらの職場で働く方の待遇は決してよくはありません。現場からは、「グループホームでは、実態に合わせて夜間3人の職員を配置している。しかし、人員配置分の1人分しか報酬が出ない」、また、「車椅子を利用する障害者8人の方に対して、配置基準は職員4人。トイレ介助で職員2人が行くということもあり、2人で7人の人を見ている」などの声があります。実態に合わない配置基準で運営が行われているため、過重労働、低賃金で離職する方も多く、毎年1割近くの方がやめていく職場があります。
 国は福祉・介護職員に処遇改善加算も行っていますが、障害者に直接かかわる支援員だけで事務職などにはついていません。ある事業所では、支援員と事務職員とで給与の差がつけられないと、処遇改善加算をもらえないところがあります。国に対し、処遇改善加算の対象を事務職員などへも拡大することを求めるべきです。そして、運営の実態に即して、運営費や補助金の抜本的な引き上げをすることを区として求めるべきです。伺います。
 また、ことしから始まった保育士に対する家賃補助と同様の制度を障害者施設職員にも求めます。区の見解をあわせて伺います。
 次に、塩浜福祉園について伺います。
 塩浜福祉園は今まで、重度の障害で、ほかの施設に断られた方たちの最後の受け皿にもなってきた施設です。区立施設として安定的な運営がされ、障害者や家族の方からも喜ばれています。しかし、昨年、民間委託をする計画が突然保護者に伝えられたため、不安が広がっています。保護者の中には、民間委託ありきの進め方に不信感を持つ方もいます。
 今、塩浜福祉園に対して、保護者から「時間を延長してほしい」、「介護職員を配置してほしい」、「泊まりなど外出時の保護者の付き添いをなくしてほしい」など、さまざまな要求が出されています。今、区がやるべきことは民間委託ではなく、まず現在の状況でこれらの利用者の要望に応えることです。区の見解を伺います。
 今、民間施設では職員の確保が困難で、募集をしても応募がなく、常に欠員を抱えている状態です。塩浜福祉園は最後の受け皿となってきた施設だからこそ、身分がきちんと保障されている公立での運営が必要です。
 また、民間で働く職員からも、「今まで区立で先駆的にやってきたことで水準も引き上がっている。今後も区立で運営してほしい」との声があります。塩浜福祉園は、今後も自治体の責任で運営を行うべきであり、民間委託は中止すべきです。伺います。
 次に、障害者多機能型入所施設について伺います。
 ある障害者の保護者の方から伺い、ショックだった言葉があります。「この子たちよりも長生きしたい」という言葉でした。自分の後に誰が我が子を見てくれるのか、せめて自分がみとってからにしたいという、とても切ない言葉です。
 保護者の方が安心して任せられる施設が必要です。そのような願いから、障害者多機能型入所施設の計画が出されました。しかし、長期計画の前期終了年の平成26年に建てることが計画されながら実施されず、後期計画の平成31年に設計着手となっています。障害者や家族の方の声に応えて、障害者多機能型入所施設の計画を前倒しして建設をしていくよう求めます。
 大綱の3点目は、青年支援について伺います。
 まずは、青年支援の必要性について伺います。
 今、青年はさまざまな困難な状況に置かれています。幾つか実態を紹介します。
 高校を卒業後に上京し、居酒屋に勤めた男性は、昼の12時から朝の4時まで仕事で、1週間休みなしのときもあり、働き続け、鬱病になり退社をしました。また、生活保護を受給している30歳代の女性は、10歳代から親子関係が悪く、中学校でいじめを受け、不安障害を発症し、仕事をしたくてもできずにいます。また、別の20歳代の男性は、大学の学費が高く、卒業してから奨学金の返済に追われていますが、仕事も非正規雇用しかなく、実家も出られない状況です。
 このような実態は決して特殊なものではありません。困難の背景には、高い学費、雇用や労働環境の悪化、支える家族機能の縮小や住宅政策の不備などがあり、個人の責任だけではありません。また、個人や家族だけでの解決は困難であり、社会的な支援が求められます。
 区として、このような青年の実態をどのように考えていますか。区として、青年たちの実態把握や青年たちへのサポートをより強くする必要があります。区の見解を伺います。
 次に、支援のネットワークづくりと総合窓口の設置について伺います。
 現在、区の青少年施策として青少年センター、こうとう若者・女性しごとセンター、こうとうゆーすてっぷなどがあります。しかし、困難を抱えた利用者が適切な支援にたどり着けるとは限りません。現に、就労支援を中心に行うこうとう若者・女性しごとセンターにひきこもり支援が必要な方が来ることがあるそうです。これは足を捻挫した人が歯医者に来ているようなもので、そこでは十分な支援はできません。また、せっかく来た人に適切な支援が行えず、支援が中断してしまいます。
 複雑な問題を抱える青年に支援をする際、まず利用者に関する情報収集、分析、何が課題なのかを把握するアセスメントが重要になります。そして、適切な支援の場へつなぐ必要があります。そこで、専門職員を配置してアセスメントを行える総合相談窓口が必要です。
 例えば、青少年センターに青年に対する総合窓口を設け、適切な支援につなげられるようにするなど、個々に行われている支援を連携させることで、より効果的な支援が行えます。支援ネットワークの形成と総合支援窓口の設置を求めます。
 あわせて、違法な働かせ方から青年を守ることも視野に入れ、例えば東京都労働相談情報センター亀戸事務所などもネットワークに入れることを求めます。伺います。
 次に、青少年センターについて伺います。
 青少年センターを利用していた高校生からも話を伺いました。「学校の部活動で何もしてこなかった。でもある日、友達にライブに誘われて、それをきっかけに青少年センターに通うようになった。みんなで話し合って一からライブをつくり上げていくことが楽しかった。今まで自分がやりたいことも自分の長所もわからなかったけれども、いろいろな人とかかわる中で、将来の夢を見つけることができた」と話をしていました。
 青年の時期は将来を模索する大切な時期です。このような時期に同世代と共通のテーマでぶつかり合いながら、自分を見つめ、将来を見定めていく、このような場所はとても重要です。
 青少年センターの利用者は、近隣の亀戸や大島などが中心ですが、身近なところにこのような青年を支援する施設が必要です。そこで、亀戸だけでなく、南部にも青少年センターが求められます。
 そして、今後もこのような居場所や連携の中心的な役割を果たす青少年センターは、区が責任を持って運営を行うべきで、民間委託はやめるべきです。区の見解を伺います。
 最後に、青少年団体の施設利用について伺います。
 経済力の低い高校生たちにとって、施設の使用料が無料であるということが文化活動につながり、「この青少年センターがあったからこそバンドの活動ができた」と、大変喜ばれています。このような機会を全区的に保障するためにも、江東区文化センターや豊洲シビックセンターなどにある音楽スタジオなどで、青少年団体の利用は無料にするという対応が必要ではないでしょうか。青少年団体の登録をどこの施設でも行えるようにし、公共施設の無料化をするよう求めます。区の見解を伺います。
 以上で質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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2016年第2回定例会―すがや俊一議員

 日本共産党江東区議団を代表して、大綱4点について伺います。

  1. 平和と憲法問題について
  2. 暮らしと経済について
  3. 防災対策について
  4. 羽田空港国際便増発に伴う飛行経路変更計画について

 質問の前に、このたび発生しました熊本地震で亡くなられ、また被災された方々に心からの御冥福とお見舞いを申し上げます。また、一日も早い復興を願うものであります。
 それでは、質問に入ります。
 大綱の1点目は、平和と憲法問題について伺います。
 安全保障法制、いわゆる戦争法が3月29日に施行されました。戦争法をこのまま放置すれば、極めて重大な問題が起こると考えます。これまで区長は、戦争法である安全保障法制について、「国民の命と平和を守るため」、「本区の平和都市宣言の趣旨と同じ」、「憲法第9条のもとで許される国際貢献活動」などと答弁してきました。
 しかし、戦争法は、戦闘地域における米軍等への兵たん活動での武器使用、戦乱地域での治安活動による武器使用、地球的規模での米軍護衛のための武器使用、そして集団的自衛権発動による他国への武力行使などを可能とさせ、これら全ては戦後初めて自衛隊が外国人を殺傷し、みずからも戦死者を出すことにつながるのです。
 圧倒的多数の憲法学者や日本弁護士連合会などから、「安全保障法制は憲法違反」との声が上がり、マスコミの世論調査でも、「安全保障法制に反対」が過半数を超えています。戦争法の廃止を求める2,000万人統一署名も1,200万筆に達しています。区長はこれらの世論を受けとめ、政府に対し、戦争法である安全保障法制の廃止を求めるべきです。伺います。
 同時に、安倍内閣が憲法第9条の解釈変更により、強行して戦争法を成立させたことは、立憲主義の破壊です。立憲主義とは、憲法で政権を縛ることです。どんな政権であっても憲法の枠組みの中で政治を行うべきであり、一内閣により憲法第9条の解釈を変更することは許されないのです。立憲主義に基づく政治への回復が今必要と考えますが、区長の見解を伺います。
 さらに重大な問題は、安倍首相が「憲法を改正していく、自民党は憲法改正草案を決めている、参議院議員選挙でこの草案を示していく」と述べ、自民党改憲案による憲法改憲を明言していることです。
 自民党改憲案は、憲法第9条第2項を削除して国防軍の創設を明記し、海外での武力行使を何の制約もなしに行えるようにしています。
 また、緊急事態条項を創設することで、首相が緊急事態を宣言すれば、内閣の命令で国民の基本的人権を制約できるなど、専制政治が可能になります。さらには、基本的人権は永久の権利とした憲法第97条を削除し、公益及び公の秩序の名のもとで基本的人権を制約する仕組みとするなど、憲法によって権力を縛るという立憲主義が全面的に否定され、逆に憲法で国民を縛りつけるものになっているのです。
 自民党改憲案は、人類普遍の原理とされている基本的人権を否定し、恒久平和主義を投げ捨てる戦争国家の再来とするものであり、戦前の社会に逆戻りさせるものと考えますが、区長の見解を伺います。
 改憲派は、「占領国から押しつけられた憲法」、「北朝鮮や中国との関係からも改憲が必要」と主張しています。しかし、現行憲法は、日本の国会がみずから制定したものです。また、軍事対軍事の対応では軍事的緊張を高めるだけであり、憲法第9条を生かした平和外交こそ、アジアと世界から信頼される道です。国民主権と基本的人権の尊重、恒久平和主義を掲げる現行憲法は、世界に誇れる先進的なものです。
 ことし4月の世論調査では、「改憲不要」が昨年より7ポイントふえて55%に、逆に「改憲が必要」は6ポイント減り37%です。特に憲法第9条は「変えないほうがよい」が68%に達しています。
 憲法第99条は区長に憲法尊重擁護義務を課しています。憲法を守る立場に立つべきと考えますが、区長の答弁を求めます。
 次に、大綱の2点目は、暮らしと経済について伺います。
 まず、安倍政権の経済政策、アベノミクスについてです。
 この間、区長は、「企業業績も雇用環境も改善した」、「景気も緩やかな回復基調」との見解を繰り返し述べ、アベノミクスに賛成してきました。しかし、区内業者や区民からは、「仕事が減り続けている」、「何一つよくなっていない」との声が上がり、マスコミのどの世論調査でも、「景気がよくなったとは思わない」という回答が8割以上です。
 直近の区内の中小企業景況調査でも、景況感が悪化しています。区長はこうした状況をどう受けとめるのか、大企業がもうかれば、やがて家計に回るというアベノミクスの破綻は明らかだと考えますが、区長の見解を伺います。
 アベノミクスの3年間で大企業の内部留保が300兆円以上にふえ、富裕層の資産も7.2兆円から15.4兆円となり、実に2倍以上にふえました。一方で国民は、貯蓄ゼロ世帯が470万世帯もふえて1,890万世帯で、全世帯の3分の1以上になるなど、アベノミクスがもたらしたものは格差と貧困の拡大です。区長の見解を伺うとともに、アベノミクスの中止を求めるべきです。
 格差と貧困をなくすために、税金の集め方や使い方を変えることが、今、切実に求められています。安倍政権は庶民に消費税8%への増税を押しつけ、大企業には4兆円の減税を実施します。さらには、パナマ文書により、大企業や資産家の税金逃れが日本でも400件に上ることなどがわかり、税金の不公平が大問題になっています。
 商店街からは、「消費税10%では商売が続けられない」との悲鳴が上がるなど、消費税は区民の暮らしと地域経済を壊す最悪の税金です。アベノミクスと消費税増税路線の破綻が明らかになる中、安倍首相は消費税10%への増税先送りを表明しました。区長は政府に対し、先送りではなく消費税10%への増税の断念、中止を求めるべきです。伺います。
 大企業への4兆円減税の中止、研究開発減税などの大企業優遇税制の見直し、高額な株取引や配当への適正課税、タックスヘイブンへの課税など、税金の集め方を変えれば、消費税に頼らなくても社会保障の拡充など、暮らしを支えるための財源は十分確保できます。区長の見解を伺います。
 税金の使い方としては、社会保障を拡充して暮らしを安定させることが重要です。安倍政権は毎年5,000億円の社会保障費の自然増分を削減し、格差と貧困の拡大に追い打ちをかけています。社会保障費の削減をやめ、年金減額の中止、医療費の窓口負担や国民健康保険料の負担軽減、介護保険料・利用料の負担軽減など、国の責任で実施するよう区長は求めるべきです。伺います。
 格差と貧困の解消には、安心して働ける労働のルール確立も必要です。2つのアルバイトをかけ持ちしても月に15万円前後の収入であるため、家賃を払うと生活困難になるなど、今、青年などを使い捨てにするブラックな労働環境が社会問題になっています。残業時間規制の法制化やサービス残業の根絶、正社員雇用の促進に向けた労働者派遣法の抜本改正など、区長として政府に求めるべきです。伺います。
 区政においても、格差と貧困の解消に向け、区民生活や中小業者への支援が急務です。区長は、敬老祝金の縮小など福祉削減の行革を推進する一方で、基金をふやし続け、900億円以上に達しています。
 我が党は、区民の暮らしを支えるために、毎年、当初予算の修正案を提出してきました。本年の修正額は、予算総額の約0.4%、7億8,000万円余で、財政運営上、また、将来的にも全く問題のない規模です。税金の使い方を改め、高齢者入院見舞金制度の創設や子ども医療費無料化の対象を18歳まで拡大するなど、医療や介護における負担を軽減するべきです。伺います。
 また、区内中小業者への支援強化として、地域経済の活性化に大きな効果がある住宅リフォーム助成制度を実施し、労働者の処遇改善を促進する公契約条例を制定するべきです。伺います。
 大綱の3点目は、防災対策についてです。
 4月14日と16日に発生した九州熊本地方を中心とする連続した震度7の大地震などで、地震関連死を含む死者が69人、住宅被害は12万8,000棟以上に及び、今なお7,000人以上の避難生活者がいるなど甚大な被害となっています。
 気象庁が「今までに経験したことのない想定外の地震」との見解を示す中、住宅を初め、役場や病院、避難所となる学校も使用不能になるなど、建物への被害は特に甚大で、国の復興支援策の拡充が急務です。
 被災地でのアンケート調査では、7割の方が住宅支援の拡充を求めています。被災者生活再建支援法における住宅再建の支援金の上限額は300万円ですが、500万円に引き上げを求める声が上がっています。区は政府に対し、支援金の引き上げと半壊世帯への支援金上限額も500万円にするよう求めるべきです。
 また、激甚災害に指定された場合における復旧費用の自治体負担分を見直し、全額を国庫負担とするよう求めるべきです。あわせて伺います。
 熊本地震を踏まえ、今後発生が予想されている首都直下地震に備えるために、本区の防災対策の拡充、再検討が必要と考えます。特に民間住宅の耐震化を促進させることが極めて重要です。
 本区では4万4,000戸の未耐震住宅があり、そのうち8,800戸が木造住宅です。本区は、民間建築物耐震促進事業を10年前から開始しましたが、木造住宅では32件、マンションでは16件の利用にとどまっています。
 北砂地域の不燃化特区事業での1,000戸の戸別訪問調査では、耐震化しない理由として「費用の調達が困難」が一番多く占めています。木造住宅の耐震改修工事における150万円の助成限度額を見直し、引き上げるべきです。また、マンションについても、耐震改修工事における1棟当たり2,000万円の助成限度額を見直し、1戸当たりの助成限度額を100万円にすることを求めます。
 また、経済的理由や既存不適格建築物などで助成要件を満たさない場合でも、命を守ることを最優先にして、部分耐震改修にも助成するべきです。あわせて伺います。
 地震による火災の予防に効果を発揮する感震ブレーカーの設置については、足立区や品川区など6区で助成が始まっています。本区でも直ちに助成することを求めます。伺います。
 熊本地震では、住宅被害に伴う仮設住宅の確保が問題になっています。本区の計画では、首都直下地震での全壊家屋が8,010戸との想定に対し、仮設住宅は区内の公園18カ所で2,000戸としています。そのほかは民間借上住宅と公営住宅等で対応するとしていますが、全壊家屋数に対して不十分と考えます。
 熊本地震を踏まえ、被害想定と仮設住宅の確保について再検討するべきと考えますが、見解を伺います。
 災害時における要支援者対策についても、再検討が必要と考えます。現行では、小中学校など、拠点避難所に避難した後で、指定された特別養護老人ホーム等19カ所の福祉避難所に移るとしています。しかし、熊本地震では、障害者等が避難した拠点避難所において、「誰も面倒を見てくれない」、「避難所で嫌がられ、行くところがない」など、生活に困難を来した事例が少なくありません。そこで、要支援者の避難については、福祉避難所を一次避難所に指定し、直接避難できるように見直すべきです。
 既に荒川区では、福祉施設など28カ所を一次避難所に指定し、発災時の開設訓練を行っています。直接避難に向けた福祉避難所の職員体制の強化を初め、民間の福祉作業所も一次避難所にするよう検討するべきです。
 同時に、発災時での職員体制の支援とともに、災害備蓄物資の支援などを行うことを求めます。伺います。
 大綱の4点目は、羽田空港国際便増発に伴う飛行経路変更計画についてです。
 国土交通省は、羽田空港発着の国際便増発計画に伴い、これまでの海上を中心とする飛行経路から都心上空を飛行する計画を進め、ことし8月にも決定する予定です。この計画が決定されれば、離陸機は本区上空で高度900から1,200メートルの低空飛行となるほか、新宿区から品川区などの都心部も、着陸機による高度900から300メートルの低空飛行にさらされます。
 こうした事態に対し、本区や江戸川区、品川区など、関係区の住民から計画の撤回を求める声が強まり、羽田増便による都心低空飛行計画に反対する東京連絡会が結成され、NHKなどのマスコミが取り上げるなど、反対運動が広がってきています。
 この間、我が党は、離陸機による江東区上空の低空飛行計画について、騒音や健康被害、安全性の問題を指摘し、国に計画の撤回を求めることを要求してきましたが、区は「騒音は単発で低レベル、問題はない」、「騒音による健康被害は起こらない」などと述べ、容認する姿勢です。
 環境は区民の共有財産、環境保全は権利であり責務だとして、行政と議会、区民が一体となって航空機騒音の発生に抗議した江戸川区と比べ、本区の姿勢は区民の環境を軽視するものと言わざるを得ません。騒音問題について、改めて伺います。
 現在、江戸川区の葛西、清新町では、68から74デシベルの騒音を発する着陸機が頻繁に通過し、地元住民からは「うるさくて仕事にならない」など、多数の苦情が寄せられています。清新町の騒音レベルは、離陸機の飛行経路となっている本区では大島・亀戸地域に該当します。高度がより低い東砂地域はもとより、広範囲で騒音被害が発生することは必至と考えますが、区の見解を伺います。
 航空機による大気汚染も問題です。環境省が行った国内空港での調査では、航空機の排出ガスの特殊性として、PM2.5(2,500ナノメートル)より微小の20ナノメートル以下のナノ粒子を大量に発生させます。これを吸い込むと肺胞に沈着し、血管やリンパ節に入り込み、炎症や血栓を発生させ、心臓、肝臓、脳などに障害を起こします。特に高齢者やこども、アレルギー体質の方や病気を患っている方に影響をもたらすことが、米国などによる国際的な疫学調査で示されています。健康被害を避けるためにも、住宅地域が広がる本区での低空飛行はやめるべきです。区の見解を伺います。
 区は都の連絡会を通して、「教室型説明会の実施を国に求める」と答弁してきましたが、いまだに国土交通省は実施していません。実際の飛行経路は3キロメートル余りの幅があり、区内の広範な地域で環境被害が発生することが想定されます。区民からも教室型説明会の実施を求める声が強まっています。区内全域での早期実施に向け、区として直接国に強く要請するべきです。伺います。
 これまで区は、万全な安全対策を国に要請するとしていましたが、成田空港周辺では、昨年度だけでも部品等の落下物事故が5件も発生しています。国際便増発を理由に、住民を落下物等の事故の危険にさらすことは許されません。区の見解を伺います。
 この間、国土交通省は、江戸川区による飛行中止を求めた訴訟や大田区などからの要請を受け、騒音の軽減や安全性を考慮するとして、都心上空の飛行を避け、東京湾上空を飛行することを40年間にわたるルールとしてきました。羽田空港発着国際便の増発を理由に、このルールを破って、江東区上空や都心部を低空飛行することは、余りにも無謀であり、住民の理解を得ることはできません。区の見解を伺うとともに、区長は飛行計画の撤回を求めるべきです。東京湾上空の現行ルートにすることを強く求め、質問を終わります。(拍手)

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2016年第1回定例会―正保みきお議員

 日本共産党江東区議団が提出いたしました、平成28年度江東区一般会計予算に対する修正案について、御説明いたします。
 消費税8%への増税と物価の値上がりで消費が落ち込み、景気が冷え込んでいます。国は社会保障費を毎年5,000億円も削り、その結果、医療費や保険料などが値上げされ、介護施設の閉鎖がふえています。生活保護費や年金の削減に悲鳴が上がっています。こういうときだからこそ身近な区政が、住民の福祉と暮らしを守る防波堤としての本来の役割を果たすことが強く求められています。その立場から本修正案を提出するものです。
 修正案は、第1に、医療、介護、教育に係る負担の軽減を図ります。
 第2に、賃金の安い非正規雇用を増大させる民間委託を中止し、正規職員を配置いたします。
 第3に、不要不急の事業を削減するとともに、区政史上最高水準にある積立基金の活用を図ります。
 第4に、憲法制定70年、本区の平和事業を推進いたします。
 主な修正内容について御説明いたします。
 一般会計予算において、歳入歳出予算1,886億3,800万円の予算原案に対し、0.4%増、7億8,693万円の増額修正をいたします。
 まず、歳入についてです。
 第12款分担金及び負担金は、1億6,700万円を減額いたします。これは保育料の負担軽減を求める保護者の切実な要望に応え、暫定措置を平成28年度も継続するものです。
 第17款寄付金は、既に協議が整っている平成28年度収入見込みのマンション建設に伴う公共施設整備協力金4億5,000万円余を、当初予算に計上いたします。
 第18款繰入金は、財政調整基金から新たに3億9,700万円余を繰り入れいたします。
 次に、歳出についてです。
 第1款議会費では、議長交際費を3割削減いたします。
 第2款総務費は、全体で3億2,100万円余を削減いたします。これは、区長交際費を3割削減、副区長2人を1人に削減するものです。また、東京オリンピック・パラリンピック基金への新たな積立金3億円を皆減いたします。そして、ことしは憲法制定70年であり、二度と戦争の惨禍を繰り返さないと誓った平和都市宣言趣旨普及事業を拡充いたします。
 第3款民生費は、全体で6億6,200万円余を増額いたします。これは、こどもの貧困の実態を把握するための調査研究費を新たに計上し、子育て支援として、こどもの医療費助成の対象年齢を18歳まで拡充いたします。また、区立小名木川保育園の民間委託及び新規2園の給食調理業務の民間委託は中止いたします。高齢者支援では、敬老祝金の削減を中止します。また、高齢者の入院時負担の軽減や、要介護4及び5の方に月額1万円の重度介護手当を支給いたします。生活保護事業では、標準数に比べ不足しているケースワーカーを15名増員いたします。
 第4款衛生費は、各種がん検診を無料に戻すとともに、前立腺がん検診を拡充するなど、9,600万円余を増額いたします。
 第5款産業経済費は、小規模企業特別資金融資の利子補助率の引き上げ、生鮮三品小売店支援事業の対象を拡大するなど、商工振興費を1億800万円余増額いたします。
 第6款土木費は、全体で9,500万円余を増額いたします。これは、地下鉄8号線建設基金5億円の積み増しを中止し、音楽道路事業を取りやめる一方、マンション耐震診断、設計、改修に対する助成金の増額、新たに木造住宅の簡易耐震改修に助成するなど、震災予防対策を一層強化するものです。
 第7款教育費は、就学援助の対象者の拡大、また、小1支援員の通年配置、さらに、区立幼稚園の介助員を全学級に配置いたします。また、学校警備の新たな民間委託は中止するなど、教育費全体で1億4,600万円余を増額いたします。
 以上、提案説明といたします。

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2016年第1回定例会―大つきかおり議員

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点について伺います。

  1. 子育て支援について
  2. 介護保険について
  3. 国民健康保険について

 第1に、子育て支援について伺います。
 日本のこどもの相対的貧困率は16.3%、ひとり親家庭では54.6%と突出して高く、OECD加盟34カ国の中で最悪の状況です。小学生のこどもを持つ母親からは、「パートで働いても月8万円から9万円。家賃と水光熱費を払うと残るお金はほとんどない」、「暮らしていくのがやっと」と、悲痛な声が寄せられています。
 国の推計値からすると、江東区でも18歳以下のこども、約7万6,000人のうち、1万2,000人余りが貧困状況にあることになります。区として、こどもの貧困対策の抜本的な強化が求められていますが、区の来年度予算では、学習支援事業の若干の充実があるものの、従来の対策にとどまっていると言わざるを得ません。支援策の強化を直ちに行うべきです。
 我が党区議団は、これまでも経済的支援として就学援助の拡充を求めてきました。江東区の就学援助の認定基準は生活保護基準の1.18倍で、23区平均の1.2倍を下回る状況です。対象者の拡大を行うとともに、制服代など、実態に見合った金額への引き上げ、対象項目の拡大を行うべきです。伺います。
 こどもの貧困対策に力を入れてきた足立区では、来年度から100万円を上限に、半額を返済不要とする償還免除型の奨学金を創設します。江東区でも独自の給付型奨学金を創設すべきだと思いますが、見解を伺います。
 また、子ども医療費助成制度については、18歳までの全てのこどもを対象とする制度へと拡充すべきです。見解を伺います。
 国は来年度、低所得のひとり親世帯の第2子、第3子に対する児童扶養手当を増額します。しかし、ひとり親世帯の約6割はこどもが1人です。第2子分についても増額するとともに、所得制限を見直し、対象を拡大するよう国に求めるべきではないですか、伺います。
 また、この間、国は子育て世帯の生活保護費の削減を行ってきましたが、こどもの貧困対策に逆行するものであり、撤回を求めるべきです。伺います。
 我が党区議団はこの間、こどもの貧困対策の強化を図るためにも、区内の実態調査を行うよう求めてきました。しかし、区は、国が全国調査を実施するので動向を注視していくと述べ、区内の状況をみずから把握しようとする姿勢が見られません。
 昨年、全ての小学校1年生を対象に実態調査を行った足立区では、さらに来年度、ひとり親家庭の実態調査を実施します。また、北区や練馬区でも実態調査を行う予定です。
 子どもの貧困対策の推進に関する法律では、地方自治体に対し、地域の状況に応じた施策の策定と実施を求めるとともに、こどもの貧困に関する調査及び研究を行うことを求めています。国の対応を待つ姿勢を改め、こどもの貧困対策を区の重要課題と位置づけて、担当部署を設置するとともに、実態調査を行い、支援策の強化を図るべきだと思いますが、見解を伺います。
 次に、保育施策について伺います。
 まず、保育料についてです。
 区は、保育料の改定に伴う負担軽減策として今年度実施した暫定措置を、来年度は行わないとしています。今年度は約7割の世帯が保育料の軽減措置を受けています。働く人たちの実質賃金が減少しているもとで新たな負担増を行うことは、子育て支援に逆行します。引き続き負担軽減策を行うべきです。
 また、国は来年度、低所得世帯の第2子と第3子の保育料免除の拡充と対象の拡大を行います。区も来年度、第2子の保育料減免の拡充を行いますが、さらに減額率の引き上げと対象の拡大を行うべきだと思いますが、あわせて伺います。
 次に、保育施設の拡充についてです。
 昨年4月時点で認可保育所に入れなかったこどもは1,396人で、認可保育所の不足は深刻です。区は今年度、保育定員を1,000人分拡大する計画でしたが、土地や保育士の確保が困難なことから、約680人分の定員増にとどまっています。区が来年度、保育士確保策として家賃助成を実施し、低賃金の保育士への処遇改善を支援することは評価しますが、一方で、公立保育所のさらなる民間委託を実施する計画です。公立保育所の民間委託は、結果的に低賃金、不安定の保育士をふやすことにほかなりません。計画どおりに保育所を整備するためにも、公立保育所の民間委託は中止し、民間保育所だけでなく公立保育所についても増設すべきではないでしょうか、見解を伺います。
 第2に、介護保険について伺います。
 我が党区議団は、この間、4月からの介護保険制度改正の影響について、区内の訪問介護事業所や通所介護事業所などの実態調査を行いました。アンケートや聞き取りを行う中で、介護事業所の深刻な実態が浮き彫りになりました。
 介護報酬引き下げの影響については、回答を寄せたほとんどの介護事業所が「厳しい」と答え、多くの介護事業所で、職員体制の見直しや労働強化を行わざるを得ない状況になっています。
 ある介護事業所は人件費を減らすため、一般職員の残業を減らし、その分の仕事を残業代のつかない管理職がやらざるを得ない状況になっているとのことでした。「スタッフが不足する中、職員は疲弊し切っている」との声も寄せられています。介護報酬引き下げによって、区内の介護事業所にどのような影響が出ているのか、区としても実態を調査すべきです。伺います。
 区は前定例会において、介護報酬引き下げの影響について質問した我が党議員に対し、「認知症加算や中重度者ケア体制加算など新たな加算も受けることにより、経営努力に取り組んでいると考える」と答弁しています。しかし、実際には加算を受けるのは容易ではないことも明らかになりました。
 認知症加算を受けるためには、認知症介護の専門職員の配置が必要ですが、資格を取るための東京都の認知症介護実践者研修は、募集枠も少なく、受けたくても受けられない状況です。現在東京都では、東京都社会福祉協議会に委託し実施していますが、公益社団法人日本認知症グループホーム協会にも委託するなどして、研修の募集枠を大幅にふやすよう東京都に求めるべきではないですか。伺います。
 また、中重度者ケア体制加算を受けるには看護師の配置が必要ですが、人件費も高い上、サービスプランもふやさなければならず、提出書類もふえるなど事務量も増大し、とても採算が合わないとの声が寄せられています。さらに、小さな介護事業所からは、どのような加算があるのかわからないとの声も寄せられました。加算の取得状況や取得していない理由などを調査するとともに、区として丁寧な情報提供と、加算を取得するための支援を行うべきではないですか、伺います。
 介護人材を確保するための介護職員処遇改善加算については、処遇が「改善された」との回答が多数でしたが、離職抑制効果については、ほとんどの介護事業所が「効果がない」と答えています。介護事業所からは、「いつ加算が廃止されるか不安で、基本給への反映をちゅうちょせざるを得ない」、「現在の介護報酬では、生活の安定が保証される常勤職員の配置はできない」などの声が寄せられています。介護報酬自体を減らしておきながら、幾ら処遇改善加算を行っても、結局は、介護人材の確保には大きな効果がないことは明らかです。介護報酬の引き上げを行うとともに、保険料や利用料の負担増とならないよう、別枠で国庫負担をふやして抜本的な処遇改善策を行うよう、国に求めるべきではないですか、伺います。
 次に、介護予防・日常生活支援総合事業について伺います。
 来年度から実施される総合事業について、現在のところ75事業所が参入を予定しているとのことです。しかし、私たちの調査では、総合事業を「実施する」と回答している介護事業所でも、「とりあえず申し込んだが、採算を考えると実際にはできない」、「既に、要支援高齢者の新規受け入れをお断りしている」などの声が寄せられました。今でも運営が厳しい状況がある中、介護報酬の少ない要支援高齢者を実際に受け入れる介護事業所が不足することが懸念されます。このような実態を区はどのように認識していますか、伺います。
 区は、要支援高齢者へのホームヘルプサービスを、区による14時間の研修を受けた人が実施できるようにしようとしています。介護事業所からは、「14時間の研修を受けただけの人を採用するのは怖い」、「利用者の顔色を見て体調を判断したり、服薬の対応もあるので、無資格の人が現場に入るのは危険」などの声が寄せられました。介護事業所がこれまでどおりのサービスを提供できるように、介護報酬の引き上げを行うべきではないですか、伺います。
 次に、特別養護老人ホームの増設について伺います。
 江東区の特別養護老人ホームの入所待機者は、昨年11月時点で1,768人、要介護4・5の方だけでも880人で、特別養護老人ホームの増設は切実な問題です。しかし、区内では来年度、塩浜に15番目の特別養護老人ホームが整備されるのみで、それ以降の計画がありません。辰巳団地や豊洲四丁目団地など、都営住宅の建てかえにより生まれる都有地、また国有地を活用するとともに、亀戸、西大島での大規模再開発なども利用して、特別養護老人ホームの増設を行うべきです。見解を伺います。
 第3に、国民健康保険について伺います。
 国民健康保険料は毎年のように値上げされ、保険料が払えない滞納世帯は加入世帯の3割、2万5,000世帯を超える異常事態となっています。区民からは、「負担はもう限界だ」との悲鳴が上がっているにもかかわらず、区は来年度も保険料の値上げを行おうとしています。年間の均等割額を1,500円引き上げ4万6,200円にするとともに、所得割率を0.45ポイント引き上げます。その結果、1人当たりの保険料は11万1,189円となり、今年度と比べ4,644円の負担増です。これで14年連続の値上げです。
 年金の引き下げ、個人消費の落ち込みで、区内中小企業の経営状況も厳しい中、これ以上の値上げは行うべきではありません。見解を伺います。
 全国知事会は、政府が国民健康保険の都道府県化を求める過程で、国民健康保険料が高過ぎるのには、国民健康保険制度の構造的問題があるとして、抜本的な公費投入を要求しました。その結果、2018年度からをめどに3,400億円の公費を投入することになり、今年度から1,700億円の保険者支援が実施されています。来年度は支援金を活用し均等割額の減額対象の拡大を行うとのことですが、高過ぎる保険料の負担を軽減するには十分とは言えません。国に対し支援金の増額を求めるべきです。伺います。
 また、来年度も、23区が独自に保険料軽減のために行ってきた高額療養費の一部を一般財源で賄う、保険料軽減策の縮小が行われます。一般財源からの支出の縮小は中止すべきです。伺います。
 高過ぎる保険料を押しつけ、滞納世帯をふやす一方で、滞納世帯への徴収強化が行われてきました。江東区でも、わずかな預貯金や生命保険などの財産の差し押さえ件数は、5年前の6倍にも増加しています。国は、滞納世帯への徴収強化策として、都道府県調整交付金配分ガイドラインを策定し、国民健康保険事業の広域化などとあわせて、収納率の向上に資する取り組みについて、交付金を加配するとしています。
 また、東京都もこれを受け、収納率向上にかかわる取り組み成績が良好であることを、国民健康保険の調整交付金の配分基準とし、差し押さえや資格証明書の発行割合が多い自治体に、交付金を多く配分する仕組みをつくっています。十分な財政支援を行わず、高過ぎる保険料を押しつけ、納付困難な状況をつくり出しておきながら、差し押さえや医療機関への受診を困難にする資格証明書の発行数を競わせるような方針は、到底容認できません。国と東京都に方針の撤回を求めるべきです。
 また、区も、短期被保険者証や資格証明書の発行、強引な差し押さえを行わないよう求めますが、見解を伺い、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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2016年第1回定例会―そえや良夫議員

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点について質問します。

  1. 2016年度予算編成について
  2. 平和と憲法問題について
  3. 羽田空港発国際便の増発問題について

 第1は、2016年度予算編成についてです。
 区はこの間、アベノミクスについて、政府の言い分をうのみにし、「個人消費や企業収益に改善の動き」、「景気は緩やかに回復」と言ってきました。しかし、政府の最近の調査でも、昨年12月の実質消費支出は1年前より減少、実質賃金指数も4年連続前年割れです。雇用も、安倍政権の3年間で大幅にふえたのは非正規労働者で、正規労働者は23万人も減りました。区民から聞こえてくるのは、「所得がふえないのに出費がふえる」など、暮らしへの不安の声ばかりです。大企業が巨額の利益を上げても暮らしに回らず、こどもの貧困や生活保護世帯の増加など、格差が拡大しています。アベノミクスの失敗は明らかです。見解を伺います。
 次は、消費税10%への増税についてです。
 区はこの間、消費税増税は社会保障のために必要と言ってきましたが、中小企業団体による8%への増税についての影響調査では、売り上げ1,000万円未満の中小業者の3分の2が「消費税が価格に転嫁できない」と答えるなど、暮らしと景気に深刻な打撃となりました。
 政府与党は、一部食料品などの税率8%据え置きを軽減税率だと言って、子育て世帯臨時特例給付金はことし3月で打ち切り、来年4月には消費税を10%に増税するとしています。税率を一部据え置いても、家計の負担は1人当たり2万7,000円、1世帯当たり6万2,000円も増加し、逆進性も強まります。格差と貧困が広がるもとでの消費税増税は、暮らしを痛めつけ、消費を冷え込ませ、景気をさらに悪化させます。認識を伺います。増税中止を国に求めるべきです。あわせて伺います。
 次は、社会保障予算の削減問題についてです。
 区は、社会保障制度の改革は、制度継続のために必要としてきました。しかし、安倍政権が進めてきたのは、社会保障費の自然増分さえ毎年5,000億円も削減し、受け取る年金額の引き下げや医療・介護の負担増など、暮らしを圧迫する改悪の連続でした。
 しかも、参議院議員選挙の後には、消費税増税に加えて、入院時の食事代と部屋代の負担増や70歳以上の窓口負担の引き上げ、後期高齢者医療保険料の軽減措置廃止、要介護1・2の保険外しや介護利用料の大幅値上げ、年金の支給開始年齢引き上げ、生活保護費削減など、命も暮らしも脅かす改悪計画がめじろ押しです。社会保障予算の削減中止を国に求めるべきです。伺います。
 消費税を増税しなくても、5兆円を超える軍事費削減、大企業に対する行き過ぎた減税を見直し応分の負担を求める、人間らしく働ける雇用のルールをつくって健全な経済発展の道を開くなど、政策の転換を図れば、社会保障予算を削減から充実に転換するための財源確保とともに、財政立て直しの道も開けます。新たな政策の実現に全力を尽くすべきです。
 次は、本区2016年度予算と区政運営についてです。
 区の2016年度一般会計予算は、前年度比119億円、6.7%増の1,886億円とされました。この中には、我が党が求めてきた障害者支援事業や保育士確保対策、保育所増設などが盛り込まれたものの、区民に喜ばれていた交通事故相談事業の打ち切り、敬老祝金減額も盛り込まれました。高齢化や格差の拡大、人口増などに伴うさまざまな区民要求に応えるための施策も不十分です。区民要求に積極的に応えるべきです。以下、具体的に提案します。
 国民健康保険料は、今でさえ「高過ぎて払えない」と悲鳴が上がっているのに、来年度も大幅値上げです。医者にかかるのを我慢して手おくれになるような事態をなくすためにも、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料は引き下げるべきです。
 介護保険制度は、見直しのたびに保険料の引き上げとサービスの縮小が繰り返され、何のための制度なのかとの声が広がっています。特別養護老人ホームの増設、介護保険料・利用料の負担軽減を図るとともに、重度介護手当や高齢者入院見舞金制度を創設し、負担軽減を図るべきです。伺います。
 子育て・教育では、待機児童対策は民間任せにせず、区の責任で国有地、都有地も活用した認可保育所の増設を進めるとともに、保育料負担の軽減、子ども医療費助成制度を18歳まで拡大、また、就学援助の対象拡大など、負担軽減を図るべきです。さらに、学童クラブ、江東きっずクラブの充実も図るべきです。伺います。
 消費税増税などで苦労を強いられている中小業者の支援は急務です。利用者に好評な生鮮三品小売店支援の対象拡大や、住宅リフォーム助成実施による営業支援と仕事おこし、融資の利子補助拡大、さらに下請いじめをやめさせ、労働者の処遇改善と確保、仕事の品質確保を図るためにも、公契約条例の制定を進めるべきです。伺います。
 障害者支援では、障害者多機能型入所施設の早期整備、移動支援の拡充、通所施設に対する家賃助成の継続と新規事業所への助成復活、南部地域に区の責任で通所施設の増設などを進めるべきです。伺います。
 次は、民間委託と職員確保についてです。
 区は、急激な人口増に加え、国や都の制度改定などで業務量が増加するもとでも、正規職員を減らし続け、非正規雇用と民間委託の拡大を進めてきました。その結果、正規職員の過密労働が恒常化し、夜間、早朝、休日勤務も常態化して、メンタルの病気による退職や長期病欠も依然多いままとなっています。区民サービス向上のためにも必要な人員を確保し、過重労働をなくすべきです。
 区職員労働組合から出されている人員要求は、生活支援部32名を初め、全部で173名にも上ります。しかし、来年度、人員増が図られたのは保護課の9名だけと、余りにも不十分です。
 また、技能職の退職不補充と民間委託の拡大は、区の職員が1人もいない小中学校があるなど、災害時の対応力の低下を招いています。技能継承と区民の安全を守るためにも、技能職の退職不補充は取りやめ、正規職員を採用すべきです。伺います。
 区が職員削減の一方で拡大してきた民間委託は、低賃金、不安定雇用を区みずからが拡大させるものとなってきました。区は、来年度も保育所の給食調理業務を新たに2園委託する計画です。しかし、給食調理業務の民間委託は経費削減効果がない上に、偽装請負が疑われる働かせ方です。民間委託拡大は中止し、計画的に直営に戻すべきです。伺います。
 また、来年度新たに管理運営が委託される小名木川保育園では、運営費を直営時に比べ約3,100万円、14%も削減しながら、直営時にはやろうとしなかった延長保育の実施などを事業者決定の条件にしています。まるで下請いじめです。安上がり保育の流れは保育士の処遇悪化を招き、保育士不足や保育現場の混乱を引き起こす要因となっています。区は、さらに3つの園を株式会社を含む民間事業者に委託しようとしていますが、こどもの命を預かる仕事です。正規職員を採用し、直営を維持すべきです。伺います。
 以上の施策推進に当たっての財源ですが、区は2015年度も最終補正で基金を155億円も積み立て、総額1,013億円としました。2014年度決算に比べ、70億円もの新たな積み増しです。この一部を充てるだけで、既にため込んだ分を取り崩さなくても提案した施策の実施は可能です。株式会社東京臨海ホールディングスへの2億4,000万円の出資など、無駄な支出は見直して、区民の暮らしを支える区政に切りかえるべきです。伺います。
 第2は、平和と憲法問題についてです。
 安倍政権は、昨年9月19日、国民多数の声を踏みつけて安全保障法制、すなわち戦争法を強行成立させました。しかし、その後の世論調査では、政府の説明は「不十分」が8割、戦争法成立を「評価しない」が過半数で、「評価する」を大きく上回りました。戦争法は、内容もやり方も立憲主義、民主主義を否定する憲法違反であり、このまま許しておくことは絶対にできないとして、政治的立場や世代を超えて、戦争法を廃止し、立憲主義、民主主義を取り戻せという大きな運動が広がっています。
 区長は、戦争法を、「国民の命と平和を守るため」、「専守防衛の範囲内」などとして容認してきました。しかし、安倍政権は戦争法成立後、南スーダンへPKO派遣している自衛隊に、駆けつけ警護と安全確保業務という2つの任務を追加しようとしています。
 南スーダンでは停戦合意が繰り返し破られ、今でも政府軍、反政府軍が住民を巻き込み、激しい内戦状態になっています。こうしたもとで自衛隊の派兵を続け、その任務を拡大すれば、自衛隊が武力を行使し、武装勢力と戦うことになってしまいます。これは憲法第9条が禁止した海外での武力行使そのものです。見解を伺います。
 安倍政権は4年連続で軍事費を増額し、2016年度予算では、軍事費が初めて5兆円を超えました。しかも、ステルス戦闘機やオスプレイ、新型空中給油機など、攻撃性が高いアメリカ製の高額な兵器が多数盛り込まれています。
 また、武器輸出三原則の廃止と日米一体の兵器開発、自衛隊と米軍司令部の連携強化と、そのもとでの日米共同訓練も大規模化し、回数も激増しています。戦争法強行成立とともに安倍政権が進めているのは、憲法を踏みにじり、米軍と一体となって海外で戦争をする態勢の強化ではありませんか。戦争法の廃止を求めるべきです。伺います。
 安倍首相は、違憲立法に続いて、「実力組織である自衛隊を憲法に明記する」と答弁するなど、憲法第9条第2項を初め、明文改憲について繰り返し発言し、参議院議員選挙の争点にするとも答弁しています。その狙いが、海外での武力行使の歯どめを取り払い、海外で戦争するためのものであることは明らかです。
 安倍首相は緊急事態条項の導入にも言及していますが、自民党の憲法草案では、緊急事態は大規模な自然災害などでも政府の判断で発動できるとされています。しかも、発動されれば、政府は100日間も憲法の効力を停止し、国会抜きに法律をつくり、国民に政府などへの服従を義務づけることができます。まさに独裁政治です。
 現憲法は、明治憲法が軍部の独走を許し、日本が悲惨な戦争を起こしたことに対する痛苦の教訓から、二度と戦争をしないとの思いを込め、国民主権主義、基本的人権の尊重、恒久平和主義を三大原則とし、立憲主義は人類普遍の原理だとして制定されました。憲法を守り、生かすことこそ求められているのではないですか。見解を伺います。
 北朝鮮が行った水爆実験やミサイル発射実験は、国連安全保障理事会決議を破り、地域の平和と安定を損なうものであり、許しがたい暴挙です。しかし、日本が軍備増強で対抗すれば、軍事的緊張を高めるだけです。今、世界の流れは、紛争を戦争にせず話し合いで解決する方向へ大きく前進しています。ASEAN(東南アジア諸国連合)は、昨年12月末、ASEAN共同体を発足させ、地域の平和と安定、経済的繁栄、社会的進歩に向けた共同をより強力に推進する体制をつくりました。こうした取り組みを日本など北東アジアにも広げて、憲法第9条に基づく平和外交を進めることこそ、東京大空襲で多大な犠牲を強いられ、「戦争だけは絶対だめ」という区民の願いに沿うものではないでしょうか。見解を伺います。
 第3は、羽田空港発国際便の増発問題についてです。
 国土交通省は、2020年に向け羽田空港発着国際便を増発するために、本区上空を上昇経路とする計画を検討しています。国土交通省は、本区上空の通過高度は900メートルから1,200メートルで、その際の騒音は70デシベルから77デシベルと説明しています。これは現在、本区上空を低空で飛行するヘリコプターの騒音よりはるかに大きく、航空機が近づいてから遠ざかるまでの約20秒間も会話が遮られる状態にさらされます。
 本区上空を飛行経路とするのは北風のときとの説明ですが、北風は窓をあけて過ごすことが多い春や秋にも吹いています。区は、「騒音は一瞬で、大きな影響はない」との考えを示してきましたが、窓をあけて過ごすことが多い時期に、2分から3分に1機の割合で航空機が低空を通過すれば、学校や幼稚園、保育園などの屋外での活動だけでなく、室内での授業や部活動、区民の日常生活に重大な障害を来すではありませんか。認識を伺います。
 騒音による健康被害も深刻です。航空機の騒音は、1年間の平均値で判断されています。しかし、WHOのヨーロッパ事務局は、「航空機騒音の健康被害は平均値でははかれない」、「睡眠妨害の影響には、航空機が通過する際の最大騒音の大きさが重要」で、「平均的な家屋防音量を考慮しても、60デシベルを超えると睡眠妨害が発生する」と指摘しています。また、その影響は高齢者やこどもにより強くあらわれ、不眠症や高血圧、心筋梗塞、鬱病、こどもの学習障害等、多くの疾患、問題を引き起こす可能性があると指摘しています。朝6時から本区の低空を頻繁に通過する航空機の騒音が、重大な健康被害をもたらすことは明らかです。見解を伺います。
 次は、事故などの危険性についてです。
 国土交通省は、南砂区民館での説明で、航空機は「片翼でも離陸できる」、「2つのエンジンが同時にとまっても滑空性能が高いから大丈夫」との説明を繰り返してきました。しかし、操縦も機体整備なども人の手によって行われる以上、絶対に安全ということはあり得ません。
 現に昨年2月、台湾では離陸直後の旅客機がエンジントラブルなどにより墜落して、43名もの方が亡くなりました。航空機事故の大半は離陸時に発生しています。人口が密集する本区の低空を上昇中に重大なトラブルが発生すれば、乗員乗客だけでなく、地上の住民を巻き込む大惨事になるではありませんか。認識を伺います。
 説明会のあり方も問題です。区は国土交通省に教室型の説明会の開催を求めるとしていましたが、2回目の説明会も、前回同様、立ち話のようなものでした。しかも、想定される騒音レベルとして聞かされたものは、遠く離れた場所を通過する際の音で、本区を通過する際の推計値をはるかに下回るものでした。余りにも誠意がなく、住民がさまざまな角度から検討し、問題意識を共有することもできません。
 江戸川区では、区民館など5カ所で教室型の説明会が行われ、そのことによって問題点が共通認識になったと聞きました。広い範囲が上昇経路とされる本区でも、区内各所で教室型の説明会の開催が必要です。速やかな実施を求めるべきです。伺います。
 羽田空港発着便の飛行経路は、これまで安全対策や騒音被害に最大限配慮し、できるだけ海上を活用するものとされてきました。今度の計画は、国際競争力強化のために羽田空港発着国際便の増発が必要だから都心上空を経路にする、住民や乗員乗客は安全も環境悪化も我慢しろというもので、余りにも乱暴です。撤回を求めるべきです。
 以上を伺い、質問を終わります。(拍手)

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区議団ニュース2016年8月号

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