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2016年第1回定例会―そえや良夫議員

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点について質問します。

  1. 2016年度予算編成について
  2. 平和と憲法問題について
  3. 羽田空港発国際便の増発問題について

 第1は、2016年度予算編成についてです。
 区はこの間、アベノミクスについて、政府の言い分をうのみにし、「個人消費や企業収益に改善の動き」、「景気は緩やかに回復」と言ってきました。しかし、政府の最近の調査でも、昨年12月の実質消費支出は1年前より減少、実質賃金指数も4年連続前年割れです。雇用も、安倍政権の3年間で大幅にふえたのは非正規労働者で、正規労働者は23万人も減りました。区民から聞こえてくるのは、「所得がふえないのに出費がふえる」など、暮らしへの不安の声ばかりです。大企業が巨額の利益を上げても暮らしに回らず、こどもの貧困や生活保護世帯の増加など、格差が拡大しています。アベノミクスの失敗は明らかです。見解を伺います。
 次は、消費税10%への増税についてです。
 区はこの間、消費税増税は社会保障のために必要と言ってきましたが、中小企業団体による8%への増税についての影響調査では、売り上げ1,000万円未満の中小業者の3分の2が「消費税が価格に転嫁できない」と答えるなど、暮らしと景気に深刻な打撃となりました。
 政府与党は、一部食料品などの税率8%据え置きを軽減税率だと言って、子育て世帯臨時特例給付金はことし3月で打ち切り、来年4月には消費税を10%に増税するとしています。税率を一部据え置いても、家計の負担は1人当たり2万7,000円、1世帯当たり6万2,000円も増加し、逆進性も強まります。格差と貧困が広がるもとでの消費税増税は、暮らしを痛めつけ、消費を冷え込ませ、景気をさらに悪化させます。認識を伺います。増税中止を国に求めるべきです。あわせて伺います。
 次は、社会保障予算の削減問題についてです。
 区は、社会保障制度の改革は、制度継続のために必要としてきました。しかし、安倍政権が進めてきたのは、社会保障費の自然増分さえ毎年5,000億円も削減し、受け取る年金額の引き下げや医療・介護の負担増など、暮らしを圧迫する改悪の連続でした。
 しかも、参議院議員選挙の後には、消費税増税に加えて、入院時の食事代と部屋代の負担増や70歳以上の窓口負担の引き上げ、後期高齢者医療保険料の軽減措置廃止、要介護1・2の保険外しや介護利用料の大幅値上げ、年金の支給開始年齢引き上げ、生活保護費削減など、命も暮らしも脅かす改悪計画がめじろ押しです。社会保障予算の削減中止を国に求めるべきです。伺います。
 消費税を増税しなくても、5兆円を超える軍事費削減、大企業に対する行き過ぎた減税を見直し応分の負担を求める、人間らしく働ける雇用のルールをつくって健全な経済発展の道を開くなど、政策の転換を図れば、社会保障予算を削減から充実に転換するための財源確保とともに、財政立て直しの道も開けます。新たな政策の実現に全力を尽くすべきです。
 次は、本区2016年度予算と区政運営についてです。
 区の2016年度一般会計予算は、前年度比119億円、6.7%増の1,886億円とされました。この中には、我が党が求めてきた障害者支援事業や保育士確保対策、保育所増設などが盛り込まれたものの、区民に喜ばれていた交通事故相談事業の打ち切り、敬老祝金減額も盛り込まれました。高齢化や格差の拡大、人口増などに伴うさまざまな区民要求に応えるための施策も不十分です。区民要求に積極的に応えるべきです。以下、具体的に提案します。
 国民健康保険料は、今でさえ「高過ぎて払えない」と悲鳴が上がっているのに、来年度も大幅値上げです。医者にかかるのを我慢して手おくれになるような事態をなくすためにも、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料は引き下げるべきです。
 介護保険制度は、見直しのたびに保険料の引き上げとサービスの縮小が繰り返され、何のための制度なのかとの声が広がっています。特別養護老人ホームの増設、介護保険料・利用料の負担軽減を図るとともに、重度介護手当や高齢者入院見舞金制度を創設し、負担軽減を図るべきです。伺います。
 子育て・教育では、待機児童対策は民間任せにせず、区の責任で国有地、都有地も活用した認可保育所の増設を進めるとともに、保育料負担の軽減、子ども医療費助成制度を18歳まで拡大、また、就学援助の対象拡大など、負担軽減を図るべきです。さらに、学童クラブ、江東きっずクラブの充実も図るべきです。伺います。
 消費税増税などで苦労を強いられている中小業者の支援は急務です。利用者に好評な生鮮三品小売店支援の対象拡大や、住宅リフォーム助成実施による営業支援と仕事おこし、融資の利子補助拡大、さらに下請いじめをやめさせ、労働者の処遇改善と確保、仕事の品質確保を図るためにも、公契約条例の制定を進めるべきです。伺います。
 障害者支援では、障害者多機能型入所施設の早期整備、移動支援の拡充、通所施設に対する家賃助成の継続と新規事業所への助成復活、南部地域に区の責任で通所施設の増設などを進めるべきです。伺います。
 次は、民間委託と職員確保についてです。
 区は、急激な人口増に加え、国や都の制度改定などで業務量が増加するもとでも、正規職員を減らし続け、非正規雇用と民間委託の拡大を進めてきました。その結果、正規職員の過密労働が恒常化し、夜間、早朝、休日勤務も常態化して、メンタルの病気による退職や長期病欠も依然多いままとなっています。区民サービス向上のためにも必要な人員を確保し、過重労働をなくすべきです。
 区職員労働組合から出されている人員要求は、生活支援部32名を初め、全部で173名にも上ります。しかし、来年度、人員増が図られたのは保護課の9名だけと、余りにも不十分です。
 また、技能職の退職不補充と民間委託の拡大は、区の職員が1人もいない小中学校があるなど、災害時の対応力の低下を招いています。技能継承と区民の安全を守るためにも、技能職の退職不補充は取りやめ、正規職員を採用すべきです。伺います。
 区が職員削減の一方で拡大してきた民間委託は、低賃金、不安定雇用を区みずからが拡大させるものとなってきました。区は、来年度も保育所の給食調理業務を新たに2園委託する計画です。しかし、給食調理業務の民間委託は経費削減効果がない上に、偽装請負が疑われる働かせ方です。民間委託拡大は中止し、計画的に直営に戻すべきです。伺います。
 また、来年度新たに管理運営が委託される小名木川保育園では、運営費を直営時に比べ約3,100万円、14%も削減しながら、直営時にはやろうとしなかった延長保育の実施などを事業者決定の条件にしています。まるで下請いじめです。安上がり保育の流れは保育士の処遇悪化を招き、保育士不足や保育現場の混乱を引き起こす要因となっています。区は、さらに3つの園を株式会社を含む民間事業者に委託しようとしていますが、こどもの命を預かる仕事です。正規職員を採用し、直営を維持すべきです。伺います。
 以上の施策推進に当たっての財源ですが、区は2015年度も最終補正で基金を155億円も積み立て、総額1,013億円としました。2014年度決算に比べ、70億円もの新たな積み増しです。この一部を充てるだけで、既にため込んだ分を取り崩さなくても提案した施策の実施は可能です。株式会社東京臨海ホールディングスへの2億4,000万円の出資など、無駄な支出は見直して、区民の暮らしを支える区政に切りかえるべきです。伺います。

 第2は、平和と憲法問題についてです。
 安倍政権は、昨年9月19日、国民多数の声を踏みつけて安全保障法制、すなわち戦争法を強行成立させました。しかし、その後の世論調査では、政府の説明は「不十分」が8割、戦争法成立を「評価しない」が過半数で、「評価する」を大きく上回りました。戦争法は、内容もやり方も立憲主義、民主主義を否定する憲法違反であり、このまま許しておくことは絶対にできないとして、政治的立場や世代を超えて、戦争法を廃止し、立憲主義、民主主義を取り戻せという大きな運動が広がっています。
 区長は、戦争法を、「国民の命と平和を守るため」、「専守防衛の範囲内」などとして容認してきました。しかし、安倍政権は戦争法成立後、南スーダンへPKO派遣している自衛隊に、駆けつけ警護と安全確保業務という2つの任務を追加しようとしています。
 南スーダンでは停戦合意が繰り返し破られ、今でも政府軍、反政府軍が住民を巻き込み、激しい内戦状態になっています。こうしたもとで自衛隊の派兵を続け、その任務を拡大すれば、自衛隊が武力を行使し、武装勢力と戦うことになってしまいます。これは憲法第9条が禁止した海外での武力行使そのものです。見解を伺います。
 安倍政権は4年連続で軍事費を増額し、2016年度予算では、軍事費が初めて5兆円を超えました。しかも、ステルス戦闘機やオスプレイ、新型空中給油機など、攻撃性が高いアメリカ製の高額な兵器が多数盛り込まれています。
 また、武器輸出三原則の廃止と日米一体の兵器開発、自衛隊と米軍司令部の連携強化と、そのもとでの日米共同訓練も大規模化し、回数も激増しています。戦争法強行成立とともに安倍政権が進めているのは、憲法を踏みにじり、米軍と一体となって海外で戦争をする態勢の強化ではありませんか。戦争法の廃止を求めるべきです。伺います。
 安倍首相は、違憲立法に続いて、「実力組織である自衛隊を憲法に明記する」と答弁するなど、憲法第9条第2項を初め、明文改憲について繰り返し発言し、参議院議員選挙の争点にするとも答弁しています。その狙いが、海外での武力行使の歯どめを取り払い、海外で戦争するためのものであることは明らかです。
 安倍首相は緊急事態条項の導入にも言及していますが、自民党の憲法草案では、緊急事態は大規模な自然災害などでも政府の判断で発動できるとされています。しかも、発動されれば、政府は100日間も憲法の効力を停止し、国会抜きに法律をつくり、国民に政府などへの服従を義務づけることができます。まさに独裁政治です。
 現憲法は、明治憲法が軍部の独走を許し、日本が悲惨な戦争を起こしたことに対する痛苦の教訓から、二度と戦争をしないとの思いを込め、国民主権主義、基本的人権の尊重、恒久平和主義を三大原則とし、立憲主義は人類普遍の原理だとして制定されました。憲法を守り、生かすことこそ求められているのではないですか。見解を伺います。
 北朝鮮が行った水爆実験やミサイル発射実験は、国連安全保障理事会決議を破り、地域の平和と安定を損なうものであり、許しがたい暴挙です。しかし、日本が軍備増強で対抗すれば、軍事的緊張を高めるだけです。今、世界の流れは、紛争を戦争にせず話し合いで解決する方向へ大きく前進しています。ASEAN(東南アジア諸国連合)は、昨年12月末、ASEAN共同体を発足させ、地域の平和と安定、経済的繁栄、社会的進歩に向けた共同をより強力に推進する体制をつくりました。こうした取り組みを日本など北東アジアにも広げて、憲法第9条に基づく平和外交を進めることこそ、東京大空襲で多大な犠牲を強いられ、「戦争だけは絶対だめ」という区民の願いに沿うものではないでしょうか。見解を伺います。

 第3は、羽田空港発国際便の増発問題についてです。
 国土交通省は、2020年に向け羽田空港発着国際便を増発するために、本区上空を上昇経路とする計画を検討しています。国土交通省は、本区上空の通過高度は900メートルから1,200メートルで、その際の騒音は70デシベルから77デシベルと説明しています。これは現在、本区上空を低空で飛行するヘリコプターの騒音よりはるかに大きく、航空機が近づいてから遠ざかるまでの約20秒間も会話が遮られる状態にさらされます。
 本区上空を飛行経路とするのは北風のときとの説明ですが、北風は窓をあけて過ごすことが多い春や秋にも吹いています。区は、「騒音は一瞬で、大きな影響はない」との考えを示してきましたが、窓をあけて過ごすことが多い時期に、2分から3分に1機の割合で航空機が低空を通過すれば、学校や幼稚園、保育園などの屋外での活動だけでなく、室内での授業や部活動、区民の日常生活に重大な障害を来すではありませんか。認識を伺います。
 騒音による健康被害も深刻です。航空機の騒音は、1年間の平均値で判断されています。しかし、WHOのヨーロッパ事務局は、「航空機騒音の健康被害は平均値でははかれない」、「睡眠妨害の影響には、航空機が通過する際の最大騒音の大きさが重要」で、「平均的な家屋防音量を考慮しても、60デシベルを超えると睡眠妨害が発生する」と指摘しています。また、その影響は高齢者やこどもにより強くあらわれ、不眠症や高血圧、心筋梗塞、鬱病、こどもの学習障害等、多くの疾患、問題を引き起こす可能性があると指摘しています。朝6時から本区の低空を頻繁に通過する航空機の騒音が、重大な健康被害をもたらすことは明らかです。見解を伺います。
 次は、事故などの危険性についてです。
 国土交通省は、南砂区民館での説明で、航空機は「片翼でも離陸できる」、「2つのエンジンが同時にとまっても滑空性能が高いから大丈夫」との説明を繰り返してきました。しかし、操縦も機体整備なども人の手によって行われる以上、絶対に安全ということはあり得ません。
 現に昨年2月、台湾では離陸直後の旅客機がエンジントラブルなどにより墜落して、43名もの方が亡くなりました。航空機事故の大半は離陸時に発生しています。人口が密集する本区の低空を上昇中に重大なトラブルが発生すれば、乗員乗客だけでなく、地上の住民を巻き込む大惨事になるではありませんか。認識を伺います。
 説明会のあり方も問題です。区は国土交通省に教室型の説明会の開催を求めるとしていましたが、2回目の説明会も、前回同様、立ち話のようなものでした。しかも、想定される騒音レベルとして聞かされたものは、遠く離れた場所を通過する際の音で、本区を通過する際の推計値をはるかに下回るものでした。余りにも誠意がなく、住民がさまざまな角度から検討し、問題意識を共有することもできません。
 江戸川区では、区民館など5カ所で教室型の説明会が行われ、そのことによって問題点が共通認識になったと聞きました。広い範囲が上昇経路とされる本区でも、区内各所で教室型の説明会の開催が必要です。速やかな実施を求めるべきです。伺います。
 羽田空港発着便の飛行経路は、これまで安全対策や騒音被害に最大限配慮し、できるだけ海上を活用するものとされてきました。今度の計画は、国際競争力強化のために羽田空港発着国際便の増発が必要だから都心上空を経路にする、住民や乗員乗客は安全も環境悪化も我慢しろというもので、余りにも乱暴です。撤回を求めるべきです。
 以上を伺い、質問を終わります。(拍手)

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