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2017年第4回定例会―赤羽目たみお議員
日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。
- 子育て支援について
- まちづくりについて
- 生活保護制度について
>>動画は江東区議会インターネット中継のページからご覧ください。
大綱1点目、子育て支援について質問します。
まず、児童虐待対策についてです。
こどもの貧困が深刻化する中で、悲惨な児童虐待が後を絶たず、昨年度、全国210カ所の児童相談所が受けた相談件数は、12万件を超えています。
江東区でも、「保護者から暴力を振るわれ、頭に傷を負い、顔にあざができているこどもが治療に来た」と医療機関から相談が寄せられるなど、これまでに区が受けた虐待相談件数は927件に上り、4年前の約3倍にふえ続けています。
区長は、区内でも増加している児童虐待についてどのように認識していますか、伺います。
現在江東区では、子育て支援課と南砂子ども家庭支援センターの職員で、区内全域の虐待対応に当たっていますが、国は職員1人当たりの担当数を20人から30人が望ましいとしているのに対し、江東区では1人平均60件のケースを担当しています。そのため、現場の職員からは、「複雑化する相談に対応することが大変」という声が上がっています。
区長は、区内の虐待にきめ細かく迅速に対応できるようにするため、南砂子ども家庭支援センターだけでなく、区内4つの子ども家庭支援センターに職員を増配置すべきです。また、子ども家庭支援センターがない亀戸や有明地域などに増設し、体制整備すべきです。伺います。
また、複雑化し、ふえ続ける虐待に対応するため、法的権限を持ち、一時保護などができる児童相談所の開設が急がれます。
区長は、東京都に移管協議を求めるとともに、職員を増員し、都の児童相談所に限らず、自治体の児童相談所に職員を派遣し研修を受けることを検討するなど、人材確保を進めるべきです。伺います。
次に、こどもの貧困対策について伺います。
我が党はこれまで、区内のこどもの貧困の実態を調査するよう繰り返し求めてきましたが、区は、貧困の定義が定まっていないことを理由に拒み続けています。しかし、区内の保育現場からは、「虫歯の治療が必要なのに放置されているこどもがいる」、教育現場からは、「経済的理由に進学を諦めてしまうこどもがいる」といった声が寄せられており、この区内でもこどもの貧困は広がっています。
区長は、区内のこどもの貧困の実態の調査を行い、こどもたちの置かれている現状に向き合うべきです。伺います。
この間、貧困の実態調査を行った足立区や文京区では、調査結果から、経済的支援が必要ということがわかり、返済不要の奨学金を実施し、さらに文京区では、中学2年生と3年生の学習塾代に助成金を支給し、青少年プラザを無料化するとしています。
江東区としても、返済不要の奨学金を創設することや学習塾代の支援などを行うべきです。また、就学援助の拡充も図るべきです。
今年度から区は、就学援助の中学生の入学準備費を入学前に支給するとしていますが、小学生についても、入学前に支給するよう改善すべきです。
さらに、認定基準や支給額の引き上げを行うとともに、23区中15区では柔道着や剣道の体育実技用品を、墨田区では眼鏡の購入費を対象費目に加えています。本区も、対象費目を広げるなど、就学援助を拡充すべきです。伺います。
今、子育て支援策として、学校給食費の無償化が全国的に広がっています。江東区としても、学校給食費の負担の軽減について検討すべきです。あわせて区長の見解を伺います。
次に、住吉児童会館の改築についてです。
今後区は、こどもと高齢者の複合的な施設を整備するとしています。改築に当たっては、これまで多くの区民が利用し喜ばれていたプラネタリウムや、こども劇場を再開することや、子育てにかかわる住民団体や保護者サークルの活動支援を行うこと、さらに、子ども家庭支援センターなど、子育てに関するさまざまな相談や悩みに応えられる機能を持たせた、総合的な子育て支援施設となるようにすべきです。区長の見解を伺います。
次に、大綱2点目、まちづくりについて質問します。
この間のマンション建設に伴う人口の激増によって、バランスのよいまちづくりが阻害され、大きな問題となっています。特に小学校、保育所など、公共施設の不足は深刻です。
豊洲北小では、教室の増築に次ぐ増築で校庭を狭め、こどもたちにも多大な負担を与えています。豊洲西小では、開校1年目にして増築が必要になっています。さらに、扇橋小では、3年前に大規模改修を行ったにもかかわらず、隣接する公園を削り、教室を増築する事態となっています。
扇橋公園はこどもたちが遊び、多くの高齢者も利用し、地域行事の会場ともなり、災害時には避難所となる区民の大事な公共施設です。区長は、マンション建設によって、学区域がたびたび変更され、地域のコミュニティが崩されたり、区民の大事な公園までも削らざるを得ない「後追いのまちづくり」をどのように受けとめていますか、見解を伺います。
扇橋小の増設によって削られる公園の代替として、都有地、さらには民有地を確保し、公園整備を行うべきです。伺います。
保育施設も足りず、待機児童は増加の一途をたどっています。また、区内認可保育園117園のうち、園庭がなかったり、十分な広さの園庭がない保育園は58園もあります。保育士から、「園庭がわりの公園が遠く、こどもに負担が大きい。遊び場所の確保が非常に困難」という声が寄せられています。こどもたちの健全な成長、発達を保証するため、環境を整備することは区の大事な役割です。区長は認可保育園の増設を急ぐべきです。また、民有地等の取得も検討し、公園を整備すべきです。伺います。
今後も、大規模マンションの建設などにより、大幅な人口増が予想されています。区長は、人口増に見合った公共施設の整備計画を早急に策定すべきです。そのためにも、都営の豊洲四丁目団地や辰巳団地の建てかえで創出される都有地の提供を都に求めるべきです。
また、夢の島いこいの家やリサイクルパーク跡地など、未利用の区有資産の積極的な活用について、住民とともに検討を進めるよう求めますが、あわせて区長の見解を伺います。
次に、区は今定例会にマンション建設の方針を示し、来年の第1回定例会に、マンション等の建設に関する条例の改定案を提出するとしています。マンション建設は、今後のまちづくりに大きく影響を及ぼすことから、多くの区民参加で議論を深めるべきです。
また、マンション建設ありきの検討ではなく、以前実施していた公共施設の受け入れ困難地区の指定など、マンション建設を調整できる条例とするよう検討すべきです。伺います。
大綱3点目は、生活保護制度について質問します。
生活保護法第1条では、憲法25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障すると定められています。ところが、政府は、生活扶助費や住宅扶助基準の引き下げ、冬季加算の廃止など、生活保護基準の引き下げを強行しました。そのため、ひとり親の多子世帯では、年間20万円もの保護費が削られ、「電気代や燃料代がかかるので冬場の暖房も我慢している」、「食事を一日2食に減らして節約している」など、切実な声が上がっています。
追い打ちをかけて政府は、生活扶助のさらなる削減や医療機関での窓口負担の導入、さらに、多くの国民の願いに押され復活した母子加算についても、廃止、縮小を検討していることは断じて許せません。
生活保護基準の引き下げは、今でさえ厳しい生活保護受給者の暮らしを窮地に追いやるとともに、住民税の非課税限度額、就学援助、医療や介護の負担減免など、他の制度にも連動し、国民の暮らしを支える制度の全面的な縮小に直結します。
区長は、区民の暮らしを守る役割を果たし、生活保護基準の引き下げ検討を中止するよう政府に求めるべきです。伺います。
次に、本区の生活保護行政について伺います。
区民が生活に困り、福祉事務所に相談に行った際、「生活保護を受けるには86歳になる兄弟の資産を調査すると言われ、迷惑をかけたくないので帰ってきた」、また、「精神を病んで働けなくなり、相談に行ったら、区の担当者から若いから働けると言われた」など、生活に困った区民に対して誤解を与える対応が行われています。
生活保護法では、まず申請を受け付けて、必要なときは後から書類等の提出を求めることが大原則になっています。法律に沿った窓口対応をすべきと考えますが、区長の見解を伺います。
次に、無料低額宿泊所について伺います。
住まいに困った生活困窮者が利用できる施設として、無料低額宿泊所があり、江東区も、生活保護受給者など、一時的に入所させています。しかし、無料低額宿泊所は貧困ビジネスの温床とも言われ、生活保護費のほとんどを徴収したり、劣悪な生活環境が大きな問題となっています。
区内の無料低額宿泊所の中にも、病院の多床室のように、1つの大きな部屋をカーテンで細かく仕切っただけ、食事をするスペースも狭く、余り衛生的とは言えない状況がありました。区は、生活困窮者を利用させている以上、施設側に劣悪な環境を改善するよう求めるべきです。伺います。
次に、生活保護受給者が亡くなった後の私財処分への対応について伺います。
先日、区内のアパートの大家さんから、「単身の保護受給者が亡くなった後、区は貴重品など、金品は回収しに来たが、その他の家財道具は大家のほうで処分するようにと言われた。負担だけを押しつけられては困る」との声が寄せられました。
高齢者や生活困窮者の住まいの確保が困難な中で、身寄りがないなど特別な場合は、区が処分費用を助成するなど、家主への負担軽減こそ図るべきです。伺います。
次に、ケースワーカーの増員について伺います。
現在、生活保護受給者の生活全般に対する支援や指導を行うケースワーカーは、保護一課、二課合わせて74人で、ワーカーが1人で担当している世帯数は平均105件ほどとなっており、ワーカー1人に対し、80世帯という法定標準を大きく超えています。
現場からは、「保護受給者の認知症の対応など、介護、医療の問題等、多岐にわたって個別対応を迫られるケースが増加している」という声が上がっています。早急にケースワーカーを増員するとともに、保護第三課をつくり、きめ細やかな支援や指導が行える体制の整備を区長に求め、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
2017年第4回定例会―すがや俊一議員
日本共産党江東区議団を代表し、大綱4点について質問いたします。
- 区民の暮らしと来年度予算編成について
- 医療問題について
- 介護保険について
- 憲法と北朝鮮問題について
>>動画は江東区議会インターネット中継のページからご覧ください。
質問の1点目は、区民の暮らしと来年度予算編成について伺います。
この間、私たち区議団は、安倍政権の経済政策、アベノミクスと消費税増税、社会保障削減路線によって貧困と格差が拡大していることを示し、山崎区長に対し、区民生活支援とともに、経済政策の転換と社会保障の削減中止を政府に求めるよう要求してきました。しかし、区長は、「アベノミクスで景気は回復基調」などの見解を繰り返し、区民生活支援に背を向け、政府の社会保障削減を容認してきたことは問題です。
今、日本経済の6割を占める家計消費は、消費税が8%に増税されて以来、38カ月間落ち込んでいます。また、労働者の実質賃金も年間で10万円も減少し、貯蓄ゼロ世帯は30%を超えています。一方、大企業は、アベノミクスで莫大な利益を上げ、内部留保は史上最高の400兆円、大資産家も株価つり上げで巨額な所得です。格差と貧困が一段と広がり、区民生活が一層厳しくなっていることは明らかだと考えますが、区長の認識を伺います。
区民生活が厳しさを増す中、安倍政権は来年度予算に向け、医療や介護の給付削減、負担増を初め、児童手当、生活保護費の削減など、全世代直撃の社会保障改悪を強行しようとしていることは断じて容認できません。区民生活を守るために区長は、社会保障改悪の中止を求めるべきです。伺います。
大企業、大資産家のためのアベノミクスを中止し、国民生活中心の経済財政運営にすることが必要です。暮らしと景気を壊す消費税10%への増税の中止、大企業、大資産家への応分の負担で税財源を確保し、社会保障と若者、子育て優先に使うことが何よりも重要だと考えますが、区長の見解を伺います。
本区の来年度予算編成について伺います。
貧困と格差が広がり、区民生活が一層厳しさを増しているときにこそ、身近な区政が区民の暮らしを守るために力を発揮することを強く求めるものです。
第1は、経済的支援の拡充です。
本区でも年収200万円以下の低所得層がふえています。中でも高齢者の生活困窮が広がり、生活保護受給者の6割が高齢者です。また、中学生の3人に1人が経済的困難から就学援助を受けています。重度介護手当や入院見舞金の創設、学校給食費負担などの軽減が必要です。伺います。
第2には、区内経済の主役、中小業者への支援拡充です。
区内業者から、「景気がよくなった」の声は全く聞こえません。住宅リフォーム助成の実施など、地域経済活性化に力を尽くすべきです。伺います。
第3は、福祉施設の整備促進です。
保育園の待機児童や特養ホームの待機者が増加の一途です。公有地活用の拡大で、認可保育所や特養ホームの増設を求めます。また、深刻な保育士、介護職員不足の解消に向け、補助制度の拡充を行うべきです。伺います。
第4は、公立保育園や塩浜福祉園など、公共施設の民間委託の中止を求めます。
運営費の大幅削減で人件費が圧縮され、保育士や職員の処遇改善に逆行し、サービス低下を招くものです。伺います。
第5には、職員適正化計画の見直しです。
人口増の中、23区でも最下位クラスの職員数を改め、区職員組合の138人の増員要求に応え、正規職員増員と非正規職員の処遇改善を行うことを求めます。伺います。
これらの施策は、基金の一部活用で十分実施できます。行革路線による福祉切り捨てや職員削減で100億円を超す余剰金を出し続け、昨年度決算の基金総額は過去最高の1,170億円です。ため込み型の財政運営を改め、住民福祉の増進へ自治体本来の役割を果たすことを強く求めるものです。
質問の2点目は、医療問題について伺います。
安倍政権の社会保障予算削減と医療制度改悪のもとで、私たち区議団には、夫が重病でも年金が少なくて医者に行けず、3カ月で亡くなる、また、夫の介護が10年続く中で夫が入院、1カ月半の入院で、部屋代を含む126万円の医療費が払えない相談が寄せられるなど、深刻な事態です。
高額な医療費負担が区民を苦しめているもとで、国民健康保険も大きな問題です。
国保制度は、来年4月より運営主体が区から東京都に移管され、広域化します。それに伴う都の来年度の保険料試算では、本区は1人平均15万4,311円で、今年度と比べ、1人平均3万5,000円以上もの値上げです。年収400万円の40代夫婦、こども2人の4人家族では、現行の保険料より10万円以上も高い58万7,000円余となり、これまで前例のない大幅な値上げとなります。
これまで区は、保険料が高いことを認めながら、制度の存続を理由に、毎年保険料を値上げしてきました。しかし、非正規雇用や無職、年金生活者が多数の国保加入者にとって、保険料負担は限界です。23区統一保険料方式を堅持するとともに、一般財源からの繰り入れなどを行い、保険料値上げを中止するべきです。伺います。
我が党都議団の、ことし11月の厚生委員会での保険料軽減に向けた都独自の財政支援の求めに対し、「検討している」と答弁しています。多子世帯等への保険料軽減の財政支援を含め、都に対して緊急要請するべきです。伺います。
広域化で策定される国保運営方針には、収納率向上が自治体に課せられますが、保険料負担の公平を理由に、強権的な差し押さえ拡大になりかねません。
今、本区でも、高い国保料が払えず、平均で加入世帯の約3割、2万6,000世帯が滞納となる中、滞納者への差し押さえが急増し、5年前の2.5倍、450件に達しています。そのうち、差し押さえ禁止財産の年金や給与を含む預金口座の差し押さえは、昨年度で265件に及んでいます。滞納者の6割近くが年収150万円未満の低所得層であり、生活困窮に追い込む差し押さえはやめるべきです。
また、保険料分割納付誓約書による差し押さえ容認を求める署名、押印の強要は、生活する権利、生存権を否定するもので、直ちに中止を求めます。伺います。
次に、後期高齢者医療保険について伺います。
来年度は第6期の保険料改定です。東京都広域連合の資料では、国の政令どおりの算定では、1人平均1万3,629円上がり、年額10万9,184円に、また、都広域連合が行っている保険料抑制策を実施した場合でも7,554円値上がり、1人平均10万3,046円にもなります。
加入者の大多数が年金収入だけであり、その4割が年収80万円以下の高齢者です。年金減額や医療・介護の負担増が続いている中での保険料値上げは、余りにも苛酷だと考えますが、区の見解を伺います。国や都の財政支出を求め、値上げ中止を求めるべきです。あわせて伺います。
低所得者や健保加入の扶養者に対する国の保険料軽減特例が、ことしから段階的に縮小され、廃止になります。本区でも、加入者の約6割、2万8,000人以上が負担増となり、中には保険料が10倍となります。軽減特例の縮小・廃止を中止し、復活させることを政府に求めるべきです。伺います。
政府は来年度、75歳以上の患者の窓口負担を2倍の2割負担にする計画です。病気になりやすい高齢者への窓口負担増は、「医者にかかるな」であり、長寿と健康を奪うものです。政府に対し、2割負担の中止を求めるべきです。伺います。
質問の3点目は、介護保険についてです。
来年度の第7期保険料改定について伺います。
区は前回の我が党議員の本会議質問の答弁で、次期保険料について、要介護認定者の増加や介護の重度化による給付費増が見込まれ、介護給付準備基金を活用しても値上がりすることを予定しています。これ以上の値上げは、低所得層が多数となっている高齢者の生活を一層苦しめるものです。保険料を引き下げてほしいという高齢者の願いは切実です。区の一般財源を投入してでも値上げはやめるべきです。伺います。
また、保険料改定に際しては、現行15段階の保険料区分を見直し、高額所得者への応能負担化を図り、その増収分で保険料の軽減を行うことを求めます。伺います。
現在、保険料第2段階と第3段階を対象に、保険料減額制度を実施していますが、受給者は36人、軽減額は年額で約3,000円です。低所得者が多い第4段階も対象とし、軽減額も引き上げるなど、減額制度の改善を図るべきです。伺います。
次に、政府の介護保険制度改定について伺います。
政府は、前回の介護報酬大幅削減に続き、来年度も報酬削減を検討しています。ことし7月に医療・介護団体が実施した、本区を含む東部地域5区での介護事業所アンケートの結果では、事業所の7割が「人材確保が困難」と答え、深刻な人材不足と経営難にさらされている実態が示されています。これ以上の介護報酬削減は、人材不足に拍車をかけ、介護事業所の倒産、廃業を大幅にふやし、介護サービスの基盤崩壊を招きかねません。区の見解を伺うとともに、国に対し、介護報酬削減を中止し、引き上げを求めるべきです。
同時に、介護職員の処遇改善については、保険料への影響を避けるために、国庫負担による交付金制度の復活を求めるべきです。あわせて伺います。
本区でも、介護事業者との介護保険運営協議会の中で、ヘルパーなど人材不足の慢性化が指摘され、区の独自支援を求める声が上がっています。人材確保に向けた補助制度の拡充が必要と考えますが、区の見解を伺います。
また、政府は、要支援1・2に続き、要介護1・2も介護保険から外し、自治体の総合事業に移す計画です。本区では、要介護者全体の6割、1万1,000人以上が総合事業と地域住民の助け合い制度に回されます。保険あって介護なしは許されません。区の見解を伺うとともに、政府に撤回を求めるべきです。伺います。
区の総合事業について伺います。
要支援1・2の総合事業について区は、来年度に向けて現行相当サービスの見直しを検討しています。長寿サポートセンターからは、現行相当サービスが来年3月で廃止となれば、受け皿となる基準緩和型サービスAの登録事業所が少なく、利用者の多くが介護難民になるとの声が上がっています。現行相当サービスは継続するべきです。伺います。
また、本区の基準緩和型サービスAは、現行相当サービスの介護報酬より17%も低く、足立区はマイナス7%にとどめるなど、東部地区の中でも本区が最低の単価です。区内の登録事業所からは、「低単価で経営が困難、撤退したい」との声が上がっています。サービスAの報酬単価を引き上げるべきです。伺います。
質問の4点目は、憲法と北朝鮮問題について伺います。
さきの総選挙で、自民党などの与党が憲法改憲の発議に必要な3分の2の議席を占めました。選挙後の記者会見で安倍首相は、憲法9条改憲について「自民党としての改憲案を国会に提案したい」と述べ、来年の通常国会での改憲発議を目指しています。
安倍首相は9条改憲について、9条1項と2項を残しつつ、新たに自衛隊を書き込むだけで何も変わらないと述べていますが、全くのごまかしです。
自衛隊の海外での武力行使の歯どめになってきたのは、戦力不保持を掲げた憲法9条の2項です。ところが、新たに別項で自衛隊が明記されれば、後からつくった法律は前の法律に優先するという法律原則に基づき、2項が空文化し、海外での武力行使が可能となります。
また、集団的自衛権を容認した安保法制が制定されており、自衛隊は海外での武力行使が可能になっています。その自衛隊を憲法に書き込めば、憲法違反の安保法制が合憲化され、海外での武力行使が無制限で可能になります。憲法9条への自衛隊明記について、区長の見解を伺います。
日本が起こした太平洋戦争でアジアの人々2,000万人の命を奪い、日本国民も300万人余が犠牲となりました。この悲痛の反省から、二度と戦争はしないことを世界に宣言したのが憲法9条です。平和都市宣言を持つ本区の区長の責務として、憲法9条の改憲に反対を表明し、国会と政府に対し、憲法の遵守を要請するべきです。伺います。
次に、北朝鮮問題について伺います。
米国と北朝鮮の軍事的緊張が強まっているもとで、11月6日に日米首脳会談が行われました。会談後の記者会見で安倍首相は、「先制攻撃を含む全ての選択肢がテーブルの上にある」との米国の立場を改めて支持し、「対話のための対話は意味がない」と述べました。対話による解決を否定し、米軍の軍事力行使を容認する立場を繰り返し表明したことは、韓国や中国を初め、世界各国の首脳が対話による平和的解決を求めていることと比べ、極めて異常であり、北東アジアと日本の平和を守る上で危険きわまりないものです。
北朝鮮問題の最大の危険は、米朝間の軍事的緊張が高まるもとで偶発的な事態や誤算から軍事衝突が起こり、戦争になりかねないことです。戦争になれば、日本や韓国を含め、おびただしい犠牲者を出すことになります。戦争回避は政治に課せられた最大の責務です。政府の元防衛事務次官も、「軍事行動を排除しない安倍首相の姿勢は、国民の安全に深刻な危険をもたらしている」と警告しています。
北朝鮮問題での安倍首相の外交姿勢に対する区長の見解を伺うとともに、区民の命を守るべき区長として、米朝間の話し合いによる平和的解決を求めて、政府に要請するべきです。伺います。
核兵器禁止条約が国連で採択されましたが、唯一の戦争被爆国である日本政府が加入に反対していることは許されません。日本が核兵器禁止条約に加盟してこそ、北朝鮮に対し、核廃絶を迫っていく大きな力となります。区長は政府に対し、核兵器禁止条約への加盟を求めるべきです。伺います。
北朝鮮問題を6カ国協議で解決することや、北東アジアの緊張や紛争を平和的に解決するルールを定めた友好協力条約を締結するなど、日本共産党が提案している北東アジア平和協力構想の実現が今こそ必要と考えますが、区長の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
江東区民アンケート2018実施中!
江東区民アンケートを行っています。
皆さんの声をお聞かせください。
記入はこちらから。
http://www.jcp-kotokugidan.gr.jp/cgi-bin/enq18/questionnaire.html
区議団ニュース2018年1月号
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2017年第3回定例会―そえや良夫議員
日本共産党区議団を代表し、大綱3点について質問します。
- 防災対策について
- 子育て支援について
- 図書館について
第1は、防災対策についてです。
我が党区議団は7月、観測史上初、繰り返しの大きな直下型地震に襲われた熊本市を視察しました。この視察は、本区防災計画を改めて見直す機会となりました。
まず、住宅の耐震化についてです。
区は、地域防災計画で住宅の耐震化率を平成32年までに95%にするとしていますが、旧耐震の木造戸建て住宅約7,700戸のうち、昨年までの改修実績は32戸にすぎません。法律に適合する接道がないため、補助対象にならないのが大きな要因の一つです。しかし、借地に多くの住宅が建てられた本区で、接道を補助要件にすれば耐震改修は進みません。建物倒壊から命を守るためには、補助要件の見直しが必要です。伺います。
また、建物が大きく壊れても命だけは助かる場所を確保するための部分的な補強工事も助成対象とすべきです。あわせて伺います。
旧耐震のマンションも耐震改修が済んだのは約1,300戸で、いまだ3万戸以上が経済的理由などで手つかずとなっています。本区は、マンションの耐震助成を1棟当たり2,000万円としていますが、これでは大きなマンションほど改修工事が進みません。助成基準を1戸当たり100万円に引き上げるべきです。伺います。
老朽住宅の倒壊による火災の発生や延焼、細街路の閉塞を防ぐなどの目的で始まった除却助成は、開始1年後には対象が昭和46年以前のものに狭められ、除却件数が減少しました。災害の拡大を防ぐ効果が大きい除却助成の対象を、もとの昭和56年以前の建物に戻すべきです。伺います。
次は、避難所の受け入れ態勢についてです。
本区の避難所計画は、耐震基準をクリアした住宅の人は避難所に来ないという前提でつくられています。ところが、熊本市では、繰り返す大きな余震の恐怖から自宅が無事でも避難した人が多く、避難者は計画の2倍になったといいます。
また、最新の研究で、従来安全とされていた免震装置を備えた超高層建物さえ一撃で壊すおそれのある長周期パルス地震動の発見や、近接する高層、超高層の建物同士がぶつかって壊れる危険も指摘されています。
避難者数が計画を上回り、車中泊などによる関連死の増加を防ぐためにも、避難者数の想定を見直すべきです。伺います。
高齢者や障害者などを受け入れる福祉避難所は、二次避難所との位置づけで、指定避難所に来た人の中から要配慮者を移動させる計画です。しかも、二次避難所として指定されている施設は、区が運営を委託している特養ホームなどの高齢者施設や東砂福祉園などの障害者施設など21カ所ですが、施設ごとの受け入れ可能数は示されず、食料の備蓄もありません。また、区からの具体的な指示もないといいます。速やかに各施設と協議し、受け入れ態勢や施設ごとの受け入れ可能人数を明確にすべきです。伺います。
次に、発災時を見越した職員確保についてです。
熊本市では職員も被災し、その参集率は3割から5割、民間の支援は協力協定があっても公務員の半分程度で、発災後1週間は職員が不眠不休で頑張っても、住民の要望に応え切れなかったといいます。
区は定数適正化を掲げ、技能労務職は退職不補充としてきました。その結果、道路保全係は3つの班体制で区内全域の道路保全作業を行っていますが、1班は人も車も丸ごと委託、残る2班は移動用の車も運転手も委託です。発災時の区民の安全が危ぶまれる事態となっています。
技能職の退職不補充はやめ、一般職も現業職も、少なくても職員組合が求める138人の職員増員を行い、平素の住民サービスを図りながら発災時の対応力を強化すべきです。伺います。
第2は、子育て支援についてです。
まず、保育待機児対策についてです。
区は、保育待機児解消に向け、全庁一丸で頑張るとしていますが、長期計画に掲げる定員増は毎年約1,000人です。平成28年度は計画どおり1,053人の定員増が図られましたが、認可保育園に入れなかった児童数は1,729人で過去最高です。区は、来年度も1,000人の定員増を達成するために努力しているとのことですが、入園希望者がふえ続け、待機児童もふえ続けているもとで、この計画では待機児解消は図れません。
区が新たな用地確保策として、我が党が繰り返し求めてきた都有地活用など、都の支援策も利用した土地確保に踏み出したことは前進ですが、待機児解消には定員増計画を抜本的に見直し、本腰を入れた取り組みが必要です。
豊島区では、当初計画を倍増する定員拡大で保育待機児をゼロにしました。本区も、整備目標を少なくても2倍に引き上げるべきです。伺います。
次に、保育士の確保についてです。
株式会社の参入が保育士の賃金水準を引き下げ、保育士の確保と定着を困難にしています。東京都が行った調査では、株式会社の人件費比率は、社会福祉法人と比べ3割も下回り、勤続年数別の平均賃金も、全ての段階で社会福祉法人より低く、勤続年数が長くなるほどその差は大きくなっています。株式会社には経験年数が賃金に反映される様子が見られません。賃金水準を引き上げ、保育士の確保と定着を図るために、株式会社であっても人件費比率の最低基準を定めるなどの規制が必要です。国に求めるべきです。伺います。
私立園では、保育士不足が保育の継続を困難にする事態が相次いでいます。一方で、身分と労働条件が安定した公立園には、保育士募集に7倍もの申し込みがあります。保育園の増設を計画的に進め、待機児を解消する決め手は区立認可園の増設です。民間頼みは改めるべきです。伺います。
次に、子ども家庭支援センターについてです。
子ども家庭支援センターは、1人で子育てをしている母親の相談相手から虐待対応まで幅広く対応し、頼りにされています。しかし、人口が急増している亀戸や有明・東雲地域にはありません。この地域に、速やかに子ども家庭支援センターを開設すべきです。
リフレッシュひととき保育は好評で、予約はいつもいっぱいです。受け入れ枠をふやすべきです。伺います。
次に、こどもの貧困対策についてです。
厚労省が6月末公表したこどもの貧困率は13.9%、7人に1人と依然深刻です。発達・成長段階にあるこども時代の貧困は、健康や学力など、こどもに必要な条件が経済的困窮によって奪われるなど影響が大きく、こども本人だけでなく社会全体にとっても損失をもたらします。
我が党は、貧困対策を進めるために速やかな実態調査を求めてきましたが、東京都は、昨年12月策定した新たな支援計画の中に、こどもの貧困の実態把握や支援ニーズ等の調査など、貧困対策の推進に取り組む区市町村に支援をすると盛り込みました。こどもの貧困は、十分な食事や医療が受けられない、林間学校に行かないなど、さまざまな形であらわれます。効果的な支援を進めるためにも、速やかな実態調査を行うべきです。伺います。
次に、就学援助の改善についてです。
我が党が条例提案を含め、繰り返し求めてきた入学準備金の前倒し支給が、中学入学予定者を対象に、来年3月実施に移されることは、一歩前進です。小学校についても、前倒し支給するための準備が各自治体で進められています。本区でも速やかに実施すべきです。
また、文科省は、支給額についても実際の必要額との乖離が大きいことから、小中学校とも2倍に引き上げました。要保護基準に準じて引き上げるべきです。あわせて伺います。
第3は、図書館についてです。
区は平成31年度から、区立図書館11館のうち、江東・深川両図書館を除く9つの地域館を指定管理にしようとしています。しかし、図書館あり方検討のまとめでは、指定管理にした場合、各地域館同士のサービス内容に格差が生じる、区職員がいない地域館での選書方法の中立性に不安、地域ニーズ集約に課題など、問題点を指摘しています。
また、指定管理によって、司書資格など、専門性あるスタッフが確保できても従来からのサービス継承ができるのか、管理運営を全て民間任せにした地域館に区の施策が徹底できるのかなど、さまざまな問題があると認めています。
さらに、指定管理では、区職員が図書館からいなくなり、区が持っている図書館のノウハウが失われることも懸念しています。
視察した小郡公立図書館は、一度は指定管理にされながら直営に戻されました。指定管理では経済効率が優先されるため、公立図書館が本来持つべき教育の視点が欠落するほか、図書館としての迅速な意思決定ができないなどの問題があったと言います。それが直営に戻ったことで、教育の視点を持った行政機関として、他の課と対等の立場で図書館が進める施策について協議できるようになり、他の課と連携なしにはできないさまざまな取り組みも、スムーズにできるようになったと言います。
公立図書館は社会教育の場であり、民主主義を支え育む役割を担っている行政サービス機関です。こどもたちには読書を通じて学ぶ喜びを伝え、成人には、生涯通じて学ぶ機会を保証し、地元が抱える課題を解決する拠点でもあります。全ての区立図書館が行政サービス機関としての権限を持ち、お互いが対等の立場で協議し、本来の役割を果たすためにも指定管理はやめるべきです。伺います。
次に、図書館の窓口業務委託についてです。
区は、平成14年以降、定員適正化の名のもとに、職員数を131名から57名に減らし、窓口業務の民間委託を拡大してきました。その評価について、図書館のあり方検討のまとめでは、窓口業務を民間委託したことで職員が内部業務に従事することになり、利用者や地域ニーズを踏まえた図書館サービスの立案や提供、情報発信が不足している、地域との積極的な連携が不十分になっているなど公立図書館が果たすべき力が低下していることを認めています。
窓口業務は、利用者ニーズをつかみ、資料収集や蔵書を決める上で欠かせない業務であり、司書資格を持つ職員による経験の蓄積が重要です。窓口業務の民間委託はやめ、直営に戻すべきです。伺います。
次に、学校図書館についてです。
平成26年6月、学校図書館法が改正され、学校図書館の運営の改善・向上を図り、児童・生徒及び教員による学校図書館の利活用の一層の促進に資するため、学校司書を置くよう努めるものとされました。
これを受けて川崎市は、平成27年からモデル実施、横浜市では、同年10月から全市立学校の半数、250校で全開校日配置を行いました。その効果について、川崎市教育委員会は、9割近くの担任がこどもの読書状況に変化があらわれたことを認め、学校司書のさまざまな工夫で本に興味を持ち、さまざまなジャンルの本を読むようになった。学校司書が常時図書館にいることで、こどもたちが安心して図書館に行くようになった。さらに、8割の担任が司書による授業支援があったと、評価しています。
横浜市でも、教材のテーマに関連した本の紹介や、授業で使う教材集めの手助け、児童の調べもののアドバイスなどで授業が豊かになったと評価しています。
現行、週2日となっている本区の学校司書の配置を週5日配置にするよう求め、質問を終わります。(拍手)
2017年第3回定例会―大つきかおり議員
日本共産党江東区議団を代表し、大綱4点について質問を行います。
- 豊洲市場問題について
- 国民健康保険制度について
- 介護保険制度について
- 平和と憲法について
初めに、豊洲市場問題について伺います。
小池知事が、豊洲市場の無害化方針を投げ捨て、早期移転を進めるための補正予算を提案し、都議会で可決成立しました。豊洲新市場は、土壌も地下水も環境基準以下にした上で開場するという無害化の約束は、東京都が都民や市場関係者に繰り返し約束してきたことで、これを一方的にほごにするなど許されません。
無害化方針の撤回について、築地の仲卸業者でつくる築地女将さん会は、約束の内容について変更の申し出はなく合意の手順も踏まれていないと、怒りの声を上げています。
山崎区長も、そして江東区議会も、土壌も地下水も環境基準以下にするという、都の土壌汚染対策の確実な実施を移転の条件とし、区民にも約束をしてきました。東京都の約束違反は許されないと思いますが、区長の見解を伺います。
小池知事は、約束が果たされていないことを認めつつ、現実的な対応だとして、補正予算で提案した追加対策は、多くの問題点が明らかになっています。
追加対策工事では、盛り土がないかわりに、地下空間の床に厚さ15センチのコンクリートを打設するとしていますが、地下水に触れやすい地下空間のコンクリートは、使っているうちに劣化し、ひび割れ、そこから地下の汚染物質が上がってくる可能性や、直下型地震に対する強度などが不安視されています。
また、地下水管理システムの揚水井戸を増設して機能強化するとしていますが、本格稼働から10カ月たっても地下水位は目標より1メートル以上も高く、地下水の揚水実績が日量60トン程度と、目標のたった1割程度しかない状態です。ふぐあいの原因も解明できていないのに揚水井戸を増設してもうまく機能しないと指摘されています。
8月に行われた地下水調査では、ベンゼンが基準値の120倍と過去最大の汚染が検出されました。これまで860億円もかけて土壌汚染対策を行ってきたのに、なぜ汚染が検出されるのか、科学的な調査、検証は行われておらず、いくら追加対策工事を行っても実効性がないと、専門家からも厳しく批判されています。
追加対策工事では、食の安全・安心は守れない、安全宣言など出せる状況ではないと思いますが、区長の見解を伺います。
豊洲新市場への移転について、食の安全・安心は確保できるのかという都民の不安は解消されていません。
豊洲東京ガス工場跡地である豊洲新市場の土壌からは、環境基準の4万3,000倍のベンゼンや860倍のシアンが検出されるなど、世界でも類を見ない深刻な汚染が明らかとなり、食の安全・安心を求める市場関係者、都民、消費者、専門家などから、生鮮食料品を扱う卸売市場としてふさわしくないとの反対の声が上がる中で、豊洲新市場への移転の前提として、東京都が無害化を約束し、都議会も附帯決議を行いました。
無害化の約束を守れない追加対策を行っても、食の安全・安心を守れない豊洲東京ガス工場跡地への築地市場の移転を進めることは許されません。豊洲市場への移転は撤回を求めるべきです。見解を伺います。
小池知事は、6月の基本方針発表時、「築地は守る」、「市場機能は確保する」と言いながら、臨時議会では、「民間主導で再開発」というだけで、築地の市場機能を守る具体策を示せませんでした。
築地市場は80年以上の歴史を持つ世界にも誇るべき市場です。卸と仲卸との競りや相対の取引、いわゆる目ききの力によって全国のよいものが適正な価格で都民、消費者に提供されています。
区長は、市場機能について、場所の問題ではないと述べていますが、目ききの力である多くの仲卸業者から、「豊洲市場に移転する体力はない」、「一旦豊洲市場に移転したら、築地に戻る前に廃業に追い込まれかねない」と、反対の声が出ています。移転によって市場機能を支える仲卸業者が激減してしまうのです。
築地で営業しながらの再整備は可能との建築家の提案も次々と出ています。現在地再整備こそ築地の市場機能を守る最も現実的な道ではないでしょうか。築地の現在地再整備を求めるべきです。区長の見解を伺います。
第2に、国民健康保険制度について伺います。
今年度の国民健康保険料は、1人当たり平均7,252円もの大幅値上げが実施されました。年収400万円、夫婦とこども2人の子育て世帯では、2万6,000円も値上げされ、年間41万7,000円、年収の1割もの保険料負担となっています。
6月に保険料決定の通知が区民に届いた直後からわずか1週間で、区役所には4,500件もの問い合わせや苦情が殺到したとのことです。毎年の保険料の値上げに、区民からは、「なぜこんなに負担がふえるのか」、「払い切れない」と悲鳴の声が上がっています。区民の国民健康保険料の負担は限界に来ていると思いますが、区の認識を伺います。
来年4月から、国保制度が、これまでの区市町村ごとの財政運営から都道府県が主体となり、区市町村と共同運営する都道府県化が行われます。1961年の制度創設以来、かつてない大きな制度変更であるにもかかわらず、区民には十分な説明が行われていません。国保制度がどのように変わるのか、それによって来年度以降の保険料負担がどうなるのかなど、区民への説明会を開催すべきではないでしょうか。伺います。
厚生労働省は、6月に納付金及び標準保険料率の算定方法についてのガイドラインの見直しを急遽実施しました。過去2回の試算の結果、多くの自治体で、現行保険料より大幅な負担増となったため、修正を余儀なくされたものですが、一方で、法定外一般会計繰り入れの計画的な削減、解消の促進という方針を変えていません。
ことし23区の保険料が大幅値上げとなった原因の一つは、高額療養費の一般会計からの繰り入れを削減したことです。今後さらに一般会計からの繰り入れが削減されれば、保険料の大幅値上げとなってしまいます。保険料の大幅負担増となる一般会計からの繰入縮小は行うべきではありません。来年度以降の法定外負担についてどのような議論が行われているのか、あわせて見解を伺います。
これまで23区では、統一保険料方式で保険料率を定め、各区の不足する財源については、財調制度で調整し、さらに都の独自補助で保険料の負担を抑えてきました。来年度以降も、23区として統一保険料方式を堅持するとともに、財政運営の責任主体としての東京都に対し、保険料負担を抑えるために補助を増額するよう求めるべきだと思いますが、見解を伺います。
国は、国保制度の安定運営を行うために都道府県化を行うとしていますが、その狙いは、納付金と標準保険料率をてこに、一般財源からの繰入解消、給付金の削減を行うことです。
国保財政が今日のような深刻な状況となっている最大の原因は、非正規労働者や無職者、年金生活者が加入者の8割近くを占め、所得が低いのに保険料が高いという構造的な問題を持っているからです。
国保制度の安定運営を行うためには、国庫負担の大幅引き上げを行い、高過ぎる保険料を引き下げることが必要です。政府に対し、国庫負担の大幅な引き上げを求めるべきだと思いますが、区の見解を伺います。
第3に、介護保険制度について伺います。
厚生労働省は、2018年度報酬改定に向けた議論を進めています。安倍政権のもと、高齢化に伴う自然増分さえも押さえ込む社会保障削減方針に沿って、今回の改定も報酬削減の方向で議論が進められていることは重大です。
介護保険法が制定されてからことしで20年となりますが、見直しのたびに給付抑制と保険料の値上げが行われ、制度あって介護なしと言われる状況となっている中、高齢者も家族も介護従事者も、誰もが安心できる介護保険制度へと抜本的な改善が求められています。
以下、幾つかの問題について伺います。
最初に、介護従事者の処遇の改善についてです。
低過ぎる賃金や長時間労働による介護現場の人手不足は深刻です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2016年の介護職員の平均賃金は22万8,300円で、前年より4,800円増額しましたが、全産業平均を10万円も下回る低い水準となっています。
17年4月に介護職員の給与を月額1万円程度引き上げる処遇改善加算を新たに設け、臨時の報酬改定を行いましたが、生活援助などの報酬削減が行われたため、介護事業所の運営が圧迫され、職員の基本給引き上げにまで回らないのが実態です。
江東区でも、塩浜に昨年11月に開設した区内15番目の特養ホームは、10カ月以上たった今も必要な職員が集まらず、98名の入所定員のうち58名しか受け入れができない状況です。深刻な介護職員の不足を打開するため、抜本的な職員の処遇改善と、事業所を支える介護報酬全体の引き上げが必要だと思いますが、区の見解を伺います。
次に、生活援助について伺います。
厚生労働省は、介護保険法の改定議論の中で、委員から厳しい意見が続出し、断念せざるを得なかった要介護1・2の保険外しを、今回の報酬改定の面から実施しようとしています。
生活援助は、高齢者の生活全体を支援し、要介護者の状態を把握したサービスを提供することで、状態維持や改善につなげていく役割があり、切り捨ては許されません。報酬削減は事業者の運営にも深刻な影響、打撃を与えます。生活援助の報酬削減は行わないよう求めるべきです。伺います。
昨年から実施している要支援1・2の高齢者を対象とした総合事業では、介護報酬が低く抑えられた基準緩和サービスの受け皿が不足しているため、区は、経過措置として、現行相当サービスを提供しています。区は来年度以降どう対応するのか、現行相当サービスを継続するとともに、政府に対し、要支援1・2の報酬の引き上げを求めるべきです。伺います。
次に、介護施設の整備についてです。
現在、江東区の特養ホームの待機者は1,200人を超えており、2年、3年待つのは当たり前という状況で、入所できずに亡くなる方も少なくありません。
我が党の再三の要求で、区はようやく1カ所増設することを長期計画に盛り込みましたが、31年には、基本設計を行う計画にもかかわらず、いまだ具体的になっていません。
豊洲四丁目や辰巳などの都営住宅の建てかえで生まれる都有地や、枝川一丁目の都有地などを活用し、特養ホームやグループホーム、軽費老人ホームなどの整備を行うよう求めます。見解を伺います。
次に、第7期の保険料についてです。
江東区の介護保険料の基準額は現在5,200円で、前回改定で負担の限界と言われた5,000円を超えています。年金は減らされるのに保険料の負担が高過ぎると、区民からは引き下げを求める声が寄せられています。
33億円にも及ぶ介護基金の活用や一般会計からの財政投入を行い、保険料の値上げを行わないよう求めます。伺います。
高齢者や家族の暮らしを支えるための必要なサービスの提供と、介護従事者の処遇の改善を行いつつ、保険料の負担を軽減するためには、国庫負担の抜本的な引き上げが必要です。政府に対し、国庫負担の増額を求めるべきです。伺います。
最後に、平和と憲法について伺います。
今月3日、北朝鮮が6回目の核実験を強行しました。北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射は、世界と地域の平和にとっての重大な脅威であり、国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する行為です。日本共産党は強い憤りを持ってこの暴挙に抗議するものです。
今、最も懸念されることは、米朝両国の軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が強まっていることです。万が一にも軍事衝突が起これば、その被害は日本にも及び、おびただしい犠牲をもたらすことになります。
軍事衝突という事態を何としても回避するため、日本政府に対し、対話否定に固執する態度を改めて、米朝両国政府の直接対話を米国政府に強く働きかけるよう求めるべきではないですか。見解を伺います。
安倍首相は、2020年までに憲法改正を行うと表明し、自民党は、11月下旬までに党の改憲案を国会に提示しようとしています。北東アジア地域の緊張が高まっているときに、憲法9条の改悪を行うべきではありません。憲法改悪を中止し、9条を生かした平和外交を行うことこそ求められているのではないでしょうか。区長の見解を伺います。
ことし7月、人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約が、国連加盟国の3分の2、122カ国の賛成で採択されました。70年来の被爆者を先頭とする日本と世界の市民運動の画期的な成果です。
日本政府は、唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、交渉会議に参加せず、条約採択を受けて日本の国連大使が、「日本が署名することはない」と言ったことに、世界の失望と批判の声が上がりました。日本政府のこうした態度について、区長はどのような認識をお持ちですか、見解を伺います。
条約は、核兵器の非人道性を厳しく告発し、国連憲章、国際法、国際人道法に照らして、その違法性を明確に述べるとともに、核兵器の使用や開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵などを禁止するだけでなく、使用をちらつかせて脅す核抑止力も禁止しました。
アメリカ、フランス、中国、ロシアなど、核保有大国とその同盟国はこの核抑止力論にしがみつき、北朝鮮の核開発も条約に反対する理由に挙げています。核兵器は人道に反する大量破壊兵器であり、決して使用してはならないものです。全ての国が核兵器を廃絶することこそ、最大の安全保障と言えます。
北朝鮮が核開発を行っているときだからこそ、日本や核保有国が核兵器禁止条約に参加し、北朝鮮に核開発の放棄を迫ることが重要ではないでしょうか。政府に対し、速やかに核兵器禁止条約へ署名するよう求めるべきです。伺います。
ことし8月、江東区も参加する平和首長会議の第9回総会が長崎市で開催され、2017年から2020年までの重点行動計画が策定されました。
重点行動計画では、核兵器禁止条約の早期締結を、核保有国やその傘のもとにある国に対し求めるとともに、ヒバクシャ国際署名に取り組むことが掲げられています。
23区では、世田谷区に続き江戸川区長も、ヒバクシャ国際署名に応じ、職員の中でも取り組みが行われているそうです。江東区でも、区長を先頭にヒバクシャ国際署名を推進するべきではないでしょうか。伺います。
我が党区議団は、ことし7月、長崎市の平和施策を視察、調査しました。長崎市では、被爆体験の継承や他自治体の青少年との平和交流事業に力を入れており、青少年ピースフォーラムには、23区からも多くの自治体が平和使節団を派遣しています。
平和首長会議でも、新たな取り組みとして、若い世代の平和教育の実施や核兵器の非人道性とリスクに関する啓発活動を掲げています。
江東区でも、青少年の長崎、広島への派遣や、原爆パネル展など実施すべきではないでしょうか。
最後に、核兵器禁止条約の採択という記念すべき年、平和首長会議に続き、長崎市長が呼びかける日本非核宣言自治体協議会への加盟を求め、質問を終わります。
御静聴ありがとうございました。(拍手)
2017年第2回定例会―山本 真議員
日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点質問します。
- 教育について
- 介護について
- 中小企業支援について
大綱1点目は、教育についてです。
まず初めに、学習指導要領の改訂についてです。
文部科学省は9年ぶりに小中学校の学習指導要領を改訂しました。今回の改訂では、学習内容を中心に示していたこれまでとは大きく異なり、国としてこどもたちに身につけさせる資質、能力を定め、その達成を中心に据えています。こどもがどのような資質、能力を形成するのかということは、自分がどのような人間になるかという人格の自由の問題であり、こどもを中心に国民みずからが考えることです。国家権力により決められて上から押しつけるやり方は、憲法の保障する個人の尊厳に反するものではないでしょうか。教育委員会の見解を伺います。
また、教育目的の達成のために授業方法や評価の方法まで細かく規定することは、学習内容の大まかな基準という、学習指導要領の性格を逸脱する大きな問題です。教育は、教師の自主性や創造性が保障されてこそ、こどもが感動する生き生きとしたものになります。教育への国家統制ではなく、教師の自主性を尊重し、豊かな授業と教育が進められることが必要だと考えますが、教育委員会の見解を伺います。
続いて、教育勅語について伺います。
安倍内閣が教育勅語について、教材としての使用を認める閣議決定をしました。教育勅語は、当時、学校教育の中でこどもたちに一字一句暗記、暗唱させ、国家のために命を投げ出すことを徹底してたたき込み、こどもを臣民として育て、侵略戦争に駆り立てたものです。戦後、教育勅語は、国民主権を掲げる憲法の理念に反するとして、1948年に国会で公式に否定されています。
また、教育勅語はいいことも書いてあるからと、評価できるものではありません。例えば、「夫婦相和し」ですが、当時の女性には参政権もなく、女性からの離婚もできない男尊女卑の社会が前提としてあり、現在のような夫婦が対等平等で、尊重し、協力し合う価値観ではありません。基本的人権が保障されなかった時代背景を問わずにいいこととして教えることは、人権教育をゆがめるものです。
教育勅語は、現憲法のもと、どのような形であれ肯定的に扱うべきものではないと考えますが、教育委員会の見解を伺います。
次に、教育費の負担軽減について伺います。
就学援助の入学準備費前倒し支給について伺います。
私たちの会派は、前倒し支給について繰り返し提案し、昨年度は条例提案もしてきました。また、ことしの3月31日には、文部科学省から就学援助についての新たな通知が出されました。この通知には、援助を必要とする時期に速やかな支給が行えるよう、中学校等だけでなく、小学校等についても、入学前に支給できるようにしたと書かれています。
入学準備費の前倒し支給は今、全国で広がっています。現在、都内でも板橋区や世田谷区など、8つの自治体で実施され、さらに来年度からは、足立区など11の自治体で実施される予定です。また、武蔵野市では、高校生にも対象を広げ、支給を開始しています。
区は今まで、私立学校入学者や転出者に対しても支給してしまうのが問題だという答弁をしており、支給を拒んでいます。しかし、今回の通知では、国立学校や私立学校に通う児童・生徒にも対応することを求めています。
また、転出者に対しては、先行自治体では転出先の自治体に通知するなどして、二重払いにも十分に対応しています。そのため、私立学校入学者や転出者がいるということは、やらない理由になりません。
江東区でも、この通知の趣旨に基づき、入学前に支給すべきと考えますが、見解を伺います。
また、同通知では、要保護世帯に対する入学準備費の補助額が引き上げられたことも示されています。この通知を受け、狛江市、府中市、小金井市でも、今年度、早速入学前の3月支給をすると同時に、準要保護世帯の入学準備費を要保護世帯への補助額と同水準に引き上げています。準要保護世帯の入学準備費を要保護世帯と同水準に引き上げるべきです。伺います。
大綱2点目は、介護についてです。
まず、介護保険制度の改悪についてです。
5月26日、国会で審議が十分にされないまま、介護保険法が強行採決され、改悪されました。今回の改悪は、利用料負担を3割に引き上げ、経済的な負担をふやすものとなっています。低賃金で職員の人材不足が問題になっていますが、介護報酬の引き上げも人員配置の見直しも行っていません。
さらに、自治体間で競争させ、給付を抑えた自治体には財政的に優遇をするなどし、介護サービスの縮小が加速する危険があると指摘されています。これでは、さらなる負担増と給付の抑制が押しつけられ、介護サービスが必要な人に届かず、公的介護保険に対する信頼を崩すことになります。区は国に対し、介護保険制度の改悪の中止を求めるべきです。区の見解を伺います。
来年度は介護保険料の見直しの年です。見直しのたびに介護保険料、利用料の負担は重くなり、区民生活を限界まで圧迫しています。
介護保険料、利用料の負担を抑えつつ制度を充実させて、本当に持続可能な制度とするためには、国庫負担の割合を大幅にふやすしかありません。区は国に対し、国庫負担の割合をふやすよう求めるべきです。区の見解を伺います。
次に、総合事業についてです。
要支援1・2の方は、総合事業の基準緩和サービスに移行させられました。しかし、基準緩和サービスは報酬単価が低く、区内事業者の負担が重いため、基準緩和サービスの提供を拒む事業者が多く、受け入れ体制が整っていません。そのため現在では、多くが今までどおりの現行相当サービスで対応している状況です。
そもそも総合事業は無理のある制度です。区は、このような事業者の声をどのように受けとめ、応えていくつもりでしょうか、区の認識を伺います。
また、この現行相当サービスの対応は経過措置であり、国は今年度末までの移行を進めようとしているため、現場からは、このまま続けられるのかという不安の声が上がっています。もし現行相当サービスが打ち切られることになれば、要支援者への介護は奪われます。区として、来年度以降も現行相当サービスの継続を行うべきです。見解を伺います。
次は、長寿サポートセンターの配置についてです。
区は、ことしの3月で、高齢者の暮らしを支えていた長寿サポート東陽南を廃止しました。廃止の理由として、電話を受けたら職員が訪問することと、区役所でも対応できるということを挙げています。しかし、初めての方の場合は直接来庁する方も多く、電話があれば十分というわけではありません。
また、相談業務については、長寿サポートセンターにつなぐだけで、区役所で相談支援を直接行うわけではありません。
東陽一・二丁目の地域の方からは、「江東ホームは近かったのに、東陽六丁目まではとても歩いていけない」との声が寄せられています。高齢者にとって、歩いていける身近な場所に配置されているというのは極めて大事なことです。東陽一・二丁目にも長寿サポートセンターを配置すべきと考えますが、区の見解を伺います。
次は、長寿サポートセンターの職員体制についてです。
長寿サポートセンターには、高齢者の権利擁護や認知症予防など、高齢者の生活を支える役割があります。その役割の一つに、要支援者のケアプランの作成がありますが、現在配置されている職員数では足りず、権利擁護などを行う専門3職種の職員もケアプランの作成を行っている状況です。
現場で働く方からも、今後、要支援者のケアプランの作成がふえると、専門3職種の職員がその仕事に手をとられ、総合相談事業に支障が出るとの声が上がっています。区は現場の声に応え、必要な人員の配置ができるよう支援すべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、特別養護老人ホームについて伺います。
現在、特別養護老人ホームの待機者は1,400人を超えています。我が会派は特別養護老人ホームの増設を繰り返し求め、ようやく長期計画に新たな特別養護老人ホームの増設が盛り込まれましたが、2019年度に設計に着手するというだけで、具体的な内容については明らかにされていません。早期に計画を具体化すべきです。伺います。
ここ数年で、特別養護老人ホームに申し込み、入れないまま亡くなられた方が、毎年300人から400人ほどとなっており、全く足りていない状況です。さらに次の整備を計画すべきです。見解を伺います。
大綱3点目は、中小企業支援についてです。
区内の中小企業景況調査によると、景気がよくなる見通しを持てない業者が多数います。区内の業者は、「いくら待ってもよくなるどころか悪くなる一方だ」と言います。アベノミクスの効果は中小企業に全く届いていません。区として、中小企業支援を拡充し、応援することが重要です。
そこで、商店街支援について伺います。
閉店が相次ぐ中で、商店街の運営そのものが困難になりつつあります。閉店したお店が住宅に変わったら、そこはもう二度とお店になることはなく、商店街の機能が失われていきます。活気ある商店街づくりのための支援を充実させるべきです。
そこで伺います。
1つ目に、商店街空き店舗活用支援事業についてです。
この事業の補助対象は、江東区商店街連合会への加盟商店会に限られていますが、現在区内に54ある商店会のうち14の商店会は加盟していません。加盟していない商店会にも対象を広げるべきです。伺います。
2つ目に、装飾灯の電気代補助についてです。
商店が住宅に変わる中で、残ったお店で商店街の装飾灯の維持を行うため負担が増しています。残った商店がさらなる負担を負うことになれば閉店が加速します。電気代の全額補助を行うべきです。伺います。
3つ目に、生鮮三品小売店支援事業の対象拡大についてです。
この間、区は、「三品」で効果を確かめると答弁してきました。利用した人からは、「この制度があったから事業が継続できた」との声が寄せられています。いち早く全店舗に広げるべきです。予算を引き上げ、全店舗への拡充を実施するよう求めます。見解を伺います。
次に、建設業者の支援についてです。
建設業界では、賃金が低く、担い手が減少し、技術の継承が困難になっています。そこで、技能労働者の適切な確保を目的として、公共工事設計労務単価が2013年から4回にわたって引き上げられました。しかし、引き上がった分が重層下請構造のもとで中抜きされている実態が浮き彫りになっています。
都内の建設団体への調査では、設計労務単価が建設業の全職種の平均で1日4,632円も引き上がっているのに対し、職人の賃金は755円しかふえていません。差が余りにも大き過ぎではないでしょうか。区の発注する公共工事で直ちに実態を調査し、必要な手だてをとるべきです。区の見解を伺います。
また、工事費の中には、社会保険料の事業主負担分である法定福利費がひとくくりに示されています。中抜きされる過程の中で、この法定福利費分までもが下請に回っていない実態があります。そのため、下請を行う事業所の経営を圧迫し、労働者を解雇する事態が発生しています。
国は元請企業に対し、法定福利費を別枠で明示した見積書をつくり、下請にまで法定福利費の適切な支払いや状況の確認をするよう指導しています。区で発注する工事も、国の指針に沿った対応をすべきです。区の見解を伺います。
また、一人親方が社会保険に加入していないことを理由に、現場から排除されている実態もあります。この対応は、国の指針に違反するものです。区の発注工事において、現場に入れるよう周知徹底することを求めます。伺います。
最後は、公契約条例についてです。
公契約条例は都内でも6つの自治体で制定され、さらに広がろうとしています。区はこの間、公契約条例に対して、国が取り組むべき課題であるとし、労働条件は労使間で決定することであり、区が行うものではないという答弁を繰り返してきました。しかし、これは自治体の仕事として取り組むべき課題です。
今年度、公契約条例の制定を進めようとしている目黒区では、その理由として、労働者や事業者の育成によって、区で行う契約の品質向上を図り、ひいては区民サービスの向上に、また、地域経済の活性化につなげていきたいと述べています。
労働者や業界の健全な発展に寄与することは、よりよい住民福祉の向上につながるものであり、自治体の役割として取り組むべき課題です。本区でも公契約条例を制定すべきと考えますが、区の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
2017年第2回定例会―きくち幸江議員
日本共産党江東区議団を代表して質問します。
- 保育問題について
- 国民健康保険制度について
- 塩浜福祉園の民営化について
第1は、保育問題についてです。
今年度、認可保育所に入所できなかった待機児童は、育児休業や認証保育所入所者などを除いた区の定義でも322人と昨年より45人ふえ、認可保育所を希望しながら入れなかった児童は1,727人もいました。区はこの状況に対し、定員をふやしても供給が需要を生むのだと説明していますが、このような言い訳は通用しません。
低年齢児の入所では、両親ともに8時間以上の勤務が最低条件で、加点、優先順位がないと入れないところもあります。入所のために育児休業を早く切り上げて認証保育所に預ける、育児に保障された短時間勤務をやめるなどの不合理な状況も残されています。働かないと生活できない、仕事を続けたいという切実な願いに対し、施設が大幅に不足しているのは明らかです。
育児休業者や認可外保育施設入所者を待機者から外すなど、見せかけの待機児童減らしはやめ、保育所の整備目標は、認可保育所入所希望者数に引き上げるべきです。
土地の確保、保育士の確保に必要な職員体制を強化し、待機児童ゼロに向け本腰を入れた取り組みを行うことを求めます。伺います。
昨年、「保育園落ちた、日本死ね」と、痛烈な批判を浴びた政府の待機児童対策は、保育士配置基準の緩和、小規模保育所での受け入れ枠の拡大など、詰め込みと質の低下につながる安易な規制緩和で済まそうとしています。また、特別区長会でも、採光基準の緩和など、保育環境の悪化を認める要望を上げているのは問題です。
これまでの規制緩和で園庭のない保育所がふえ、体力の低下や、公園の場所とりも問題となっています。また、窓がなく空気の流れが弱い部屋では、感染症などが蔓延しやすいとの現場報告もあります。
これらは、こどもたちの健康と成長、命にもかかわる問題であり、待機児童解消を理由とした規制緩和は許されません。区として現行基準を守るとともに、政府に対し、これ以上の規制緩和を行わないように求めるべきです。伺います。
次に、保育の質の確保についてです。
日本における保育の最低基準は、施設でも人員配置でも極めて低いレベルにあることは厚生労働省も認めているところで、江東区を初め多くの自治体では、国の低い配置基準に上乗せ配置をして、保育の質の確保を図ってきました。しかし、株式会社の参入で、保育のかなめとなる保育士の人件費が削減されています。保育の公定価格では、運営費の7割が人件費と想定されていますが、区内の私立保育園では人件費率が5割を切っている施設が多数あります。
この人件費率の低さについて、区は、労使間での契約行為であり区として関与しないという見解ですが、人件費率の低い法人では、低賃金に加えて、短時間保育士や非常勤保育士などが主力となって保育をすることによる責任の重さ、体力の不安、休暇がとれないなどの劣悪な保育環境が報告されているところであり、「こどもたちに向き合う時間がとれない」、「サービス残業、仕事の持ち帰りが常態化し、疲れ切っている」と退職に追い込まれ、保育士不足にもつながっています。これは、保育の質にかかわる大問題ではありませんか。
同じ私立保育園でも8割前後をキープしている施設もあります。人件費率を事業者の評価基準に位置づけ、世田谷区のように最低5割とすることを補助金支出の条件にするなど、実効ある対策をとるべきです。
また、検査、指導も大切です。不正運営で認定を取り消された兵庫県姫路市の認定こども園では、定期検査では問題が見つからず、日時を知らせない特別監査で不正が明らかになりました。市の担当者は、「市への文書報告に嘘はないという思い込みがあった」と語っています。職員体制を強化し、日時を通知しない抜き打ちでの訪問検査、指導を行うべきと考えますが、あわせて伺います。
次に、区立保育園の民間委託についてです。
第1回区議会定例会に、区立保育園は出張所管内にゼロ歳児保育の実施園を1つ残し、あとは全て民営化するとの驚くべき方針が示されました。待機児童の増加、保育士不足、保育中の死亡事故の増加など問題山積の保育状況をつくり出してきた原因が、保育予算の削減のためにこどもたちの命を預かるという大事な仕事を民間会社のもうけのために投げ出してきたことにあるという自覚は、全くないのですか。
ベテランの保育士と若い保育士がバランスよく配置され、園庭もあり、伸び伸びと活動できる保育園という、区立保育園で一定充足されてきた環境が、民間活力の導入とともに崩されてきたではありませんか。
保育士募集でも、区立保育園には7倍の高倍率で応募がありました。経費削減で保育環境を悪化させる民営化路線はきっぱりやめ、国や都にも必要な施設整備費、運営費を求めて、区立保育園を保育事業の基本に据えるべきです。見解を伺います。
次に、国民健康保険制度について伺います。
来年4月からの国民健康保険制度広域化に向けての準備が進められています。都が保険者となる大きな制度変更で、ことし12月には納付金の算定方法を定める条例がつくられ、各自治体に納付金の額と標準保険料率が示されると聞いています。
既に国には納付金と標準保険料率の試算結果が報告されているそうですが、区民には全く知らされていません。保険料が上がるのか、下がるのか、23区統一保険料は今後どうしていくのか、区民の暮らしと医療にかかわる大問題です。試算結果を含め、情報を公開して区民参加で検討を進めるべきではありませんか。伺います。
次に、保険料についてです。
国民健康保険の加入世帯は、かつての農林水産業、中小企業にかわって、今日では非正規労働者、低所得の高齢者が大半を占め、所得水準も1990年代の半分近くに落ち込んでいます。
一方、保険料は、この15年間で均等割だけでも71%も値上げとなりました。今年度に平均7,252円もの大幅値上げとなった議論の中では、広域化に向けて縮減させてきた高額療養費分の繰り入れ割合の縮小を抑制し、値上げ幅を抑えたと聞いていますが、それでもモデルケースの夫婦2人こども2人で給与収入300万円の世帯の可処分所得は、保険料支出により生活保護基準以下となります。世帯収入に対し、保険料負担はもう限界です。
区は、高額療養費分の繰り入れをやめるのは法令によるものとしていますが、厚生労働省は、広域化のもとでも公費繰り入れは自治体の判断との見解です。これ以上の値上げを抑えるために、一般会計への繰り入れは今後とも必要であると思いますが、見解を伺います。
また、広域化に向けて、保険料設定の基準を旧ただし書き方式に変えたことにより保険料負担が大きくなった多子世帯、障害者世帯について、人的控除を反映した負担となるように軽減を図るべきです。あわせて答弁を求めます。
次に、保険料徴収についてです。
高過ぎる保険料が払えず、やむなく滞納状態となっている世帯に、保険証を発行せず、短期被保険者証、資格証明書に置きかえたり、年金や給料、売掛金などの生活費が通帳に振り込まれた直後の預金通帳を差し押さえたりするなど、人権無視、違法な徴収強化をすべきではないと求めてきました。
先日相談があった自営業の方は、経営が厳しい時期に滞納した保険料の分納返済中に、返済額の増額を求められ、同時にその返済が滞ったときには、「保険証の返還と財産の差し押さえ処分を受けても異議は申しません」という誓約書への署名捺印を求められたそうです。しかし、返済の自信がなく署名を拒んだところ、保険証が発行されなかったということです。以後1年間、保険証のない状況にありました。
区は保険料徴収について、無理な取り立てはしていない、きめ細やかな対応をしていると繰り返していますが、払いたくても払えないで不安の中にいる区民に対し、誓約書への署名捺印を保険証発行の条件として求めることは、問答無用に区民を追い詰めるものであり、やめるべきです。
保険料徴収の停止、減免対象の拡大、徴収の猶予なども工夫し、生活と営業を継続できる相談支援体制に徹するべきと考えますが、見解を伺います。
次に、持続可能な国民健康保険制度の構築について伺います。
区は、国民健康保険制度について、社会保障制度と認めながら、制度の持続のため、助け合いの制度だからと、保険料値上げを正当化してきました。しかし、高い保険料が払えずに保険証が使えなかったり、受診抑制が広がっている現状では、もはや社会保障制度とは言えません。国民健康保険制度を国民皆保険制度として持続させるには、国民健康保険収入に占める国庫負担が20%前後と低下している現状を放置せず、給付費の6割が国庫負担という、かつての水準に引き上げることが唯一の道ではありませんか。伺います。
次に、障害者施策について伺います。
障害者が生きていくために必要な支援を益として、利用者負担を求める応益負担に批判が高まり、人権侵害であると訴訟で争われました。訴訟原告団と国が和解した基本合意では、応益負担制度を廃止し、憲法に基づいて新たな総合的な福祉制度をつくることが合意されましたが、その後つくられた障害者総合支援法でも、また、昨年の障害者総合支援法見直しの中でも、応益負担の仕組みは残され、関係者から厳しい批判が寄せられています。
その一つが、65歳を超えた障害者が半強制的に介護保険に移行させられている問題です。それまで無料で使えていたサービスが、1割負担となって利用を控えざるを得ない状況が問題となり、来年から一定の見直しが行われますが、詳細は未定で、全ての障害者を対象としない見込みです。
また、介護保険優先原則では、入浴サービスの回数が減る、移動支援に制限がある、長年通っていた通所施設を変更するなどの問題が生じています。
区として、国に対し介護保険優先原則の法改定を求めると同時に、サービス提供の実態を調査し、利用者負担への補助制度の創設を含め、サービス利用が問題なく行われるように支援することを求めます。伺います。
また、利用者負担では、世帯収入を基準とするため、障害児を抱えた世帯の負担が大きく、負担額の上限が月3万7,200円の階層の負担軽減が求められています。国に対し制度改定を求めるとともに、本区として、利用料補助制度の創設をすべきと思いますが、伺います。
次に、塩浜福祉園の民営化についてです。
さきの本会議で、民営化の中止を求める我が党議員の質問に対し、区は「指定管理者制度では、直営に比べ、専門性の確保と柔軟なサービス提供による安定的、向上的な支援ができる」と答えていますが、これは障害者福祉の現状を全く理解していない考えです。
区内にある民間の障害者施設のほとんどは、行政の手が届かない中で、家族や障害者本人がお金を集め、場所を探して、大変な努力をして築き上げてきたものです。多くのボランティアの力を借り、働く職員もボランティア精神があってようやく続けられている劣悪な労働環境で、体を壊したり、賃金も低く、結婚したら生活できないので離職せざるを得ない厳しい状況で頑張っていることを、区はどう受けとめているのでしょうか。
他の自治体の施設を見学した家族会が、直営で専門職を直接採用している区もあることを知り、江東区もぜひ参考にしてほしいと願うのは当然です。
重度の障害者の受け入れに当たって、公立の福祉園だからこそ、看護師を初め人的配置をきちんと行え、専門性を高めるスキルも蓄積、発展させることができる安定した運営ができるのではありませんか。伺います。
今後の運営を考えるとき、家族会との関係は何よりも大切です。利用者の生活を支え、その状況と必要な支援に一番精通し、理解があるのが家族の皆さんです。環境の変化に敏感な利用者にとって、今日まで築かれてきた職員との関係は、何より大切なものとの声も寄せられています。民間委託ありきではなく、家族会との信頼関係の上に、利用者の生活の安定と向上を正面に据えた運営の検討を進めるべきです。伺います。
さらに、区内にある民間の障害者施設では利用者の高齢化が進み、医療的ケアが必要になると利用できなくなるという問題が起こっています。法人向けの看護師配置のための補助金支給を検討すべきと思いますが、見解を伺い、質問を終わります。(拍手)