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2017年第4回定例会―すがや俊一議員

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱4点について質問いたします。

  • 区民の暮らしと来年度予算編成について
  • 医療問題について
  • 介護保険について
  • 憲法と北朝鮮問題について

>>動画は江東区議会インターネット中継のページからご覧ください。
 質問の1点目は、区民の暮らしと来年度予算編成について伺います。
 この間、私たち区議団は、安倍政権の経済政策、アベノミクスと消費税増税、社会保障削減路線によって貧困と格差が拡大していることを示し、山崎区長に対し、区民生活支援とともに、経済政策の転換と社会保障の削減中止を政府に求めるよう要求してきました。しかし、区長は、「アベノミクスで景気は回復基調」などの見解を繰り返し、区民生活支援に背を向け、政府の社会保障削減を容認してきたことは問題です。
 今、日本経済の6割を占める家計消費は、消費税が8%に増税されて以来、38カ月間落ち込んでいます。また、労働者の実質賃金も年間で10万円も減少し、貯蓄ゼロ世帯は30%を超えています。一方、大企業は、アベノミクスで莫大な利益を上げ、内部留保は史上最高の400兆円、大資産家も株価つり上げで巨額な所得です。格差と貧困が一段と広がり、区民生活が一層厳しくなっていることは明らかだと考えますが、区長の認識を伺います。
 区民生活が厳しさを増す中、安倍政権は来年度予算に向け、医療や介護の給付削減、負担増を初め、児童手当、生活保護費の削減など、全世代直撃の社会保障改悪を強行しようとしていることは断じて容認できません。区民生活を守るために区長は、社会保障改悪の中止を求めるべきです。伺います。
 大企業、大資産家のためのアベノミクスを中止し、国民生活中心の経済財政運営にすることが必要です。暮らしと景気を壊す消費税10%への増税の中止、大企業、大資産家への応分の負担で税財源を確保し、社会保障と若者、子育て優先に使うことが何よりも重要だと考えますが、区長の見解を伺います。
 本区の来年度予算編成について伺います。
 貧困と格差が広がり、区民生活が一層厳しさを増しているときにこそ、身近な区政が区民の暮らしを守るために力を発揮することを強く求めるものです。
 第1は、経済的支援の拡充です。
 本区でも年収200万円以下の低所得層がふえています。中でも高齢者の生活困窮が広がり、生活保護受給者の6割が高齢者です。また、中学生の3人に1人が経済的困難から就学援助を受けています。重度介護手当や入院見舞金の創設、学校給食費負担などの軽減が必要です。伺います。
 第2には、区内経済の主役、中小業者への支援拡充です。
 区内業者から、「景気がよくなった」の声は全く聞こえません。住宅リフォーム助成の実施など、地域経済活性化に力を尽くすべきです。伺います。
 第3は、福祉施設の整備促進です。
 保育園の待機児童や特養ホームの待機者が増加の一途です。公有地活用の拡大で、認可保育所や特養ホームの増設を求めます。また、深刻な保育士、介護職員不足の解消に向け、補助制度の拡充を行うべきです。伺います。
 第4は、公立保育園や塩浜福祉園など、公共施設の民間委託の中止を求めます。
 運営費の大幅削減で人件費が圧縮され、保育士や職員の処遇改善に逆行し、サービス低下を招くものです。伺います。
 第5には、職員適正化計画の見直しです。
 人口増の中、23区でも最下位クラスの職員数を改め、区職員組合の138人の増員要求に応え、正規職員増員と非正規職員の処遇改善を行うことを求めます。伺います。
 これらの施策は、基金の一部活用で十分実施できます。行革路線による福祉切り捨てや職員削減で100億円を超す余剰金を出し続け、昨年度決算の基金総額は過去最高の1,170億円です。ため込み型の財政運営を改め、住民福祉の増進へ自治体本来の役割を果たすことを強く求めるものです。
 質問の2点目は、医療問題について伺います。
 安倍政権の社会保障予算削減と医療制度改悪のもとで、私たち区議団には、夫が重病でも年金が少なくて医者に行けず、3カ月で亡くなる、また、夫の介護が10年続く中で夫が入院、1カ月半の入院で、部屋代を含む126万円の医療費が払えない相談が寄せられるなど、深刻な事態です。
 高額な医療費負担が区民を苦しめているもとで、国民健康保険も大きな問題です。
 国保制度は、来年4月より運営主体が区から東京都に移管され、広域化します。それに伴う都の来年度の保険料試算では、本区は1人平均15万4,311円で、今年度と比べ、1人平均3万5,000円以上もの値上げです。年収400万円の40代夫婦、こども2人の4人家族では、現行の保険料より10万円以上も高い58万7,000円余となり、これまで前例のない大幅な値上げとなります。
 これまで区は、保険料が高いことを認めながら、制度の存続を理由に、毎年保険料を値上げしてきました。しかし、非正規雇用や無職、年金生活者が多数の国保加入者にとって、保険料負担は限界です。23区統一保険料方式を堅持するとともに、一般財源からの繰り入れなどを行い、保険料値上げを中止するべきです。伺います。
 我が党都議団の、ことし11月の厚生委員会での保険料軽減に向けた都独自の財政支援の求めに対し、「検討している」と答弁しています。多子世帯等への保険料軽減の財政支援を含め、都に対して緊急要請するべきです。伺います。
 広域化で策定される国保運営方針には、収納率向上が自治体に課せられますが、保険料負担の公平を理由に、強権的な差し押さえ拡大になりかねません。
 今、本区でも、高い国保料が払えず、平均で加入世帯の約3割、2万6,000世帯が滞納となる中、滞納者への差し押さえが急増し、5年前の2.5倍、450件に達しています。そのうち、差し押さえ禁止財産の年金や給与を含む預金口座の差し押さえは、昨年度で265件に及んでいます。滞納者の6割近くが年収150万円未満の低所得層であり、生活困窮に追い込む差し押さえはやめるべきです。
 また、保険料分割納付誓約書による差し押さえ容認を求める署名、押印の強要は、生活する権利、生存権を否定するもので、直ちに中止を求めます。伺います。
 次に、後期高齢者医療保険について伺います。
 来年度は第6期の保険料改定です。東京都広域連合の資料では、国の政令どおりの算定では、1人平均1万3,629円上がり、年額10万9,184円に、また、都広域連合が行っている保険料抑制策を実施した場合でも7,554円値上がり、1人平均10万3,046円にもなります。
 加入者の大多数が年金収入だけであり、その4割が年収80万円以下の高齢者です。年金減額や医療・介護の負担増が続いている中での保険料値上げは、余りにも苛酷だと考えますが、区の見解を伺います。国や都の財政支出を求め、値上げ中止を求めるべきです。あわせて伺います。
 低所得者や健保加入の扶養者に対する国の保険料軽減特例が、ことしから段階的に縮小され、廃止になります。本区でも、加入者の約6割、2万8,000人以上が負担増となり、中には保険料が10倍となります。軽減特例の縮小・廃止を中止し、復活させることを政府に求めるべきです。伺います。
 政府は来年度、75歳以上の患者の窓口負担を2倍の2割負担にする計画です。病気になりやすい高齢者への窓口負担増は、「医者にかかるな」であり、長寿と健康を奪うものです。政府に対し、2割負担の中止を求めるべきです。伺います。
 質問の3点目は、介護保険についてです。
 来年度の第7期保険料改定について伺います。
 区は前回の我が党議員の本会議質問の答弁で、次期保険料について、要介護認定者の増加や介護の重度化による給付費増が見込まれ、介護給付準備基金を活用しても値上がりすることを予定しています。これ以上の値上げは、低所得層が多数となっている高齢者の生活を一層苦しめるものです。保険料を引き下げてほしいという高齢者の願いは切実です。区の一般財源を投入してでも値上げはやめるべきです。伺います。
 また、保険料改定に際しては、現行15段階の保険料区分を見直し、高額所得者への応能負担化を図り、その増収分で保険料の軽減を行うことを求めます。伺います。
 現在、保険料第2段階と第3段階を対象に、保険料減額制度を実施していますが、受給者は36人、軽減額は年額で約3,000円です。低所得者が多い第4段階も対象とし、軽減額も引き上げるなど、減額制度の改善を図るべきです。伺います。
 次に、政府の介護保険制度改定について伺います。
 政府は、前回の介護報酬大幅削減に続き、来年度も報酬削減を検討しています。ことし7月に医療・介護団体が実施した、本区を含む東部地域5区での介護事業所アンケートの結果では、事業所の7割が「人材確保が困難」と答え、深刻な人材不足と経営難にさらされている実態が示されています。これ以上の介護報酬削減は、人材不足に拍車をかけ、介護事業所の倒産、廃業を大幅にふやし、介護サービスの基盤崩壊を招きかねません。区の見解を伺うとともに、国に対し、介護報酬削減を中止し、引き上げを求めるべきです。
 同時に、介護職員の処遇改善については、保険料への影響を避けるために、国庫負担による交付金制度の復活を求めるべきです。あわせて伺います。
 本区でも、介護事業者との介護保険運営協議会の中で、ヘルパーなど人材不足の慢性化が指摘され、区の独自支援を求める声が上がっています。人材確保に向けた補助制度の拡充が必要と考えますが、区の見解を伺います。
 また、政府は、要支援1・2に続き、要介護1・2も介護保険から外し、自治体の総合事業に移す計画です。本区では、要介護者全体の6割、1万1,000人以上が総合事業と地域住民の助け合い制度に回されます。保険あって介護なしは許されません。区の見解を伺うとともに、政府に撤回を求めるべきです。伺います。
 区の総合事業について伺います。
 要支援1・2の総合事業について区は、来年度に向けて現行相当サービスの見直しを検討しています。長寿サポートセンターからは、現行相当サービスが来年3月で廃止となれば、受け皿となる基準緩和型サービスAの登録事業所が少なく、利用者の多くが介護難民になるとの声が上がっています。現行相当サービスは継続するべきです。伺います。
 また、本区の基準緩和型サービスAは、現行相当サービスの介護報酬より17%も低く、足立区はマイナス7%にとどめるなど、東部地区の中でも本区が最低の単価です。区内の登録事業所からは、「低単価で経営が困難、撤退したい」との声が上がっています。サービスAの報酬単価を引き上げるべきです。伺います。
 質問の4点目は、憲法と北朝鮮問題について伺います。
 さきの総選挙で、自民党などの与党が憲法改憲の発議に必要な3分の2の議席を占めました。選挙後の記者会見で安倍首相は、憲法9条改憲について「自民党としての改憲案を国会に提案したい」と述べ、来年の通常国会での改憲発議を目指しています。
 安倍首相は9条改憲について、9条1項と2項を残しつつ、新たに自衛隊を書き込むだけで何も変わらないと述べていますが、全くのごまかしです。
 自衛隊の海外での武力行使の歯どめになってきたのは、戦力不保持を掲げた憲法9条の2項です。ところが、新たに別項で自衛隊が明記されれば、後からつくった法律は前の法律に優先するという法律原則に基づき、2項が空文化し、海外での武力行使が可能となります。
 また、集団的自衛権を容認した安保法制が制定されており、自衛隊は海外での武力行使が可能になっています。その自衛隊を憲法に書き込めば、憲法違反の安保法制が合憲化され、海外での武力行使が無制限で可能になります。憲法9条への自衛隊明記について、区長の見解を伺います。
 日本が起こした太平洋戦争でアジアの人々2,000万人の命を奪い、日本国民も300万人余が犠牲となりました。この悲痛の反省から、二度と戦争はしないことを世界に宣言したのが憲法9条です。平和都市宣言を持つ本区の区長の責務として、憲法9条の改憲に反対を表明し、国会と政府に対し、憲法の遵守を要請するべきです。伺います。
 次に、北朝鮮問題について伺います。
 米国と北朝鮮の軍事的緊張が強まっているもとで、11月6日に日米首脳会談が行われました。会談後の記者会見で安倍首相は、「先制攻撃を含む全ての選択肢がテーブルの上にある」との米国の立場を改めて支持し、「対話のための対話は意味がない」と述べました。対話による解決を否定し、米軍の軍事力行使を容認する立場を繰り返し表明したことは、韓国や中国を初め、世界各国の首脳が対話による平和的解決を求めていることと比べ、極めて異常であり、北東アジアと日本の平和を守る上で危険きわまりないものです。
 北朝鮮問題の最大の危険は、米朝間の軍事的緊張が高まるもとで偶発的な事態や誤算から軍事衝突が起こり、戦争になりかねないことです。戦争になれば、日本や韓国を含め、おびただしい犠牲者を出すことになります。戦争回避は政治に課せられた最大の責務です。政府の元防衛事務次官も、「軍事行動を排除しない安倍首相の姿勢は、国民の安全に深刻な危険をもたらしている」と警告しています。
 北朝鮮問題での安倍首相の外交姿勢に対する区長の見解を伺うとともに、区民の命を守るべき区長として、米朝間の話し合いによる平和的解決を求めて、政府に要請するべきです。伺います。
 核兵器禁止条約が国連で採択されましたが、唯一の戦争被爆国である日本政府が加入に反対していることは許されません。日本が核兵器禁止条約に加盟してこそ、北朝鮮に対し、核廃絶を迫っていく大きな力となります。区長は政府に対し、核兵器禁止条約への加盟を求めるべきです。伺います。
 北朝鮮問題を6カ国協議で解決することや、北東アジアの緊張や紛争を平和的に解決するルールを定めた友好協力条約を締結するなど、日本共産党が提案している北東アジア平和協力構想の実現が今こそ必要と考えますが、区長の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)

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