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2017年第4回定例会―赤羽目たみお議員

 日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。

  • 子育て支援について
  • まちづくりについて
  • 生活保護制度について

>>動画は江東区議会インターネット中継のページからご覧ください。
 大綱1点目、子育て支援について質問します。
 まず、児童虐待対策についてです。
 こどもの貧困が深刻化する中で、悲惨な児童虐待が後を絶たず、昨年度、全国210カ所の児童相談所が受けた相談件数は、12万件を超えています。
 江東区でも、「保護者から暴力を振るわれ、頭に傷を負い、顔にあざができているこどもが治療に来た」と医療機関から相談が寄せられるなど、これまでに区が受けた虐待相談件数は927件に上り、4年前の約3倍にふえ続けています。
 区長は、区内でも増加している児童虐待についてどのように認識していますか、伺います。
 現在江東区では、子育て支援課と南砂子ども家庭支援センターの職員で、区内全域の虐待対応に当たっていますが、国は職員1人当たりの担当数を20人から30人が望ましいとしているのに対し、江東区では1人平均60件のケースを担当しています。そのため、現場の職員からは、「複雑化する相談に対応することが大変」という声が上がっています。
 区長は、区内の虐待にきめ細かく迅速に対応できるようにするため、南砂子ども家庭支援センターだけでなく、区内4つの子ども家庭支援センターに職員を増配置すべきです。また、子ども家庭支援センターがない亀戸や有明地域などに増設し、体制整備すべきです。伺います。
 また、複雑化し、ふえ続ける虐待に対応するため、法的権限を持ち、一時保護などができる児童相談所の開設が急がれます。
 区長は、東京都に移管協議を求めるとともに、職員を増員し、都の児童相談所に限らず、自治体の児童相談所に職員を派遣し研修を受けることを検討するなど、人材確保を進めるべきです。伺います。
 次に、こどもの貧困対策について伺います。
 我が党はこれまで、区内のこどもの貧困の実態を調査するよう繰り返し求めてきましたが、区は、貧困の定義が定まっていないことを理由に拒み続けています。しかし、区内の保育現場からは、「虫歯の治療が必要なのに放置されているこどもがいる」、教育現場からは、「経済的理由に進学を諦めてしまうこどもがいる」といった声が寄せられており、この区内でもこどもの貧困は広がっています。
 区長は、区内のこどもの貧困の実態の調査を行い、こどもたちの置かれている現状に向き合うべきです。伺います。
 この間、貧困の実態調査を行った足立区や文京区では、調査結果から、経済的支援が必要ということがわかり、返済不要の奨学金を実施し、さらに文京区では、中学2年生と3年生の学習塾代に助成金を支給し、青少年プラザを無料化するとしています。
 江東区としても、返済不要の奨学金を創設することや学習塾代の支援などを行うべきです。また、就学援助の拡充も図るべきです。
 今年度から区は、就学援助の中学生の入学準備費を入学前に支給するとしていますが、小学生についても、入学前に支給するよう改善すべきです。
 さらに、認定基準や支給額の引き上げを行うとともに、23区中15区では柔道着や剣道の体育実技用品を、墨田区では眼鏡の購入費を対象費目に加えています。本区も、対象費目を広げるなど、就学援助を拡充すべきです。伺います。
 今、子育て支援策として、学校給食費の無償化が全国的に広がっています。江東区としても、学校給食費の負担の軽減について検討すべきです。あわせて区長の見解を伺います。
 次に、住吉児童会館の改築についてです。
 今後区は、こどもと高齢者の複合的な施設を整備するとしています。改築に当たっては、これまで多くの区民が利用し喜ばれていたプラネタリウムや、こども劇場を再開することや、子育てにかかわる住民団体や保護者サークルの活動支援を行うこと、さらに、子ども家庭支援センターなど、子育てに関するさまざまな相談や悩みに応えられる機能を持たせた、総合的な子育て支援施設となるようにすべきです。区長の見解を伺います。
 次に、大綱2点目、まちづくりについて質問します。
 この間のマンション建設に伴う人口の激増によって、バランスのよいまちづくりが阻害され、大きな問題となっています。特に小学校、保育所など、公共施設の不足は深刻です。
 豊洲北小では、教室の増築に次ぐ増築で校庭を狭め、こどもたちにも多大な負担を与えています。豊洲西小では、開校1年目にして増築が必要になっています。さらに、扇橋小では、3年前に大規模改修を行ったにもかかわらず、隣接する公園を削り、教室を増築する事態となっています。
 扇橋公園はこどもたちが遊び、多くの高齢者も利用し、地域行事の会場ともなり、災害時には避難所となる区民の大事な公共施設です。区長は、マンション建設によって、学区域がたびたび変更され、地域のコミュニティが崩されたり、区民の大事な公園までも削らざるを得ない「後追いのまちづくり」をどのように受けとめていますか、見解を伺います。
 扇橋小の増設によって削られる公園の代替として、都有地、さらには民有地を確保し、公園整備を行うべきです。伺います。
 保育施設も足りず、待機児童は増加の一途をたどっています。また、区内認可保育園117園のうち、園庭がなかったり、十分な広さの園庭がない保育園は58園もあります。保育士から、「園庭がわりの公園が遠く、こどもに負担が大きい。遊び場所の確保が非常に困難」という声が寄せられています。こどもたちの健全な成長、発達を保証するため、環境を整備することは区の大事な役割です。区長は認可保育園の増設を急ぐべきです。また、民有地等の取得も検討し、公園を整備すべきです。伺います。
 今後も、大規模マンションの建設などにより、大幅な人口増が予想されています。区長は、人口増に見合った公共施設の整備計画を早急に策定すべきです。そのためにも、都営の豊洲四丁目団地や辰巳団地の建てかえで創出される都有地の提供を都に求めるべきです。
 また、夢の島いこいの家やリサイクルパーク跡地など、未利用の区有資産の積極的な活用について、住民とともに検討を進めるよう求めますが、あわせて区長の見解を伺います。
 次に、区は今定例会にマンション建設の方針を示し、来年の第1回定例会に、マンション等の建設に関する条例の改定案を提出するとしています。マンション建設は、今後のまちづくりに大きく影響を及ぼすことから、多くの区民参加で議論を深めるべきです。
 また、マンション建設ありきの検討ではなく、以前実施していた公共施設の受け入れ困難地区の指定など、マンション建設を調整できる条例とするよう検討すべきです。伺います。
 大綱3点目は、生活保護制度について質問します。
 生活保護法第1条では、憲法25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障すると定められています。ところが、政府は、生活扶助費や住宅扶助基準の引き下げ、冬季加算の廃止など、生活保護基準の引き下げを強行しました。そのため、ひとり親の多子世帯では、年間20万円もの保護費が削られ、「電気代や燃料代がかかるので冬場の暖房も我慢している」、「食事を一日2食に減らして節約している」など、切実な声が上がっています。
 追い打ちをかけて政府は、生活扶助のさらなる削減や医療機関での窓口負担の導入、さらに、多くの国民の願いに押され復活した母子加算についても、廃止、縮小を検討していることは断じて許せません。
 生活保護基準の引き下げは、今でさえ厳しい生活保護受給者の暮らしを窮地に追いやるとともに、住民税の非課税限度額、就学援助、医療や介護の負担減免など、他の制度にも連動し、国民の暮らしを支える制度の全面的な縮小に直結します。
 区長は、区民の暮らしを守る役割を果たし、生活保護基準の引き下げ検討を中止するよう政府に求めるべきです。伺います。
 次に、本区の生活保護行政について伺います。
 区民が生活に困り、福祉事務所に相談に行った際、「生活保護を受けるには86歳になる兄弟の資産を調査すると言われ、迷惑をかけたくないので帰ってきた」、また、「精神を病んで働けなくなり、相談に行ったら、区の担当者から若いから働けると言われた」など、生活に困った区民に対して誤解を与える対応が行われています。
 生活保護法では、まず申請を受け付けて、必要なときは後から書類等の提出を求めることが大原則になっています。法律に沿った窓口対応をすべきと考えますが、区長の見解を伺います。
 次に、無料低額宿泊所について伺います。
 住まいに困った生活困窮者が利用できる施設として、無料低額宿泊所があり、江東区も、生活保護受給者など、一時的に入所させています。しかし、無料低額宿泊所は貧困ビジネスの温床とも言われ、生活保護費のほとんどを徴収したり、劣悪な生活環境が大きな問題となっています。
 区内の無料低額宿泊所の中にも、病院の多床室のように、1つの大きな部屋をカーテンで細かく仕切っただけ、食事をするスペースも狭く、余り衛生的とは言えない状況がありました。区は、生活困窮者を利用させている以上、施設側に劣悪な環境を改善するよう求めるべきです。伺います。
 次に、生活保護受給者が亡くなった後の私財処分への対応について伺います。
 先日、区内のアパートの大家さんから、「単身の保護受給者が亡くなった後、区は貴重品など、金品は回収しに来たが、その他の家財道具は大家のほうで処分するようにと言われた。負担だけを押しつけられては困る」との声が寄せられました。
 高齢者や生活困窮者の住まいの確保が困難な中で、身寄りがないなど特別な場合は、区が処分費用を助成するなど、家主への負担軽減こそ図るべきです。伺います。
 次に、ケースワーカーの増員について伺います。
 現在、生活保護受給者の生活全般に対する支援や指導を行うケースワーカーは、保護一課、二課合わせて74人で、ワーカーが1人で担当している世帯数は平均105件ほどとなっており、ワーカー1人に対し、80世帯という法定標準を大きく超えています。
 現場からは、「保護受給者の認知症の対応など、介護、医療の問題等、多岐にわたって個別対応を迫られるケースが増加している」という声が上がっています。早急にケースワーカーを増員するとともに、保護第三課をつくり、きめ細やかな支援や指導が行える体制の整備を区長に求め、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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