2023年第2回定例会―赤羽目民雄議員

 日本共産党の赤羽目民雄です。日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。大綱1点目、行財政運営について伺います。

  • 区長の政治姿勢について
  • 医療・介護の充実について
  • 区内中小事業者支援について

 まず、区長の政治姿勢についてです。
 江東区はこの間、国の社会保障の削減や「行革」に歩調を合わせ、保育料、介護保険料、施設使用料の引上げ、国民健康保険料は毎年値上げを区民に押し付けてきました。さらに、オストメイト用装具等購入費助成事業の廃止や亀戸第2児童館の廃止を強行、福祉会館、きっずクラブ、学校警備などを安上がり労働に置き換える民間委託を推進し職員削減を行ってきました。国保料や住民税は強引な取り立てを行い、奨学金は訴訟を起こしてまで回収してきました。
 負担増と福祉削減を区民に押し付ける一方、基金はこの4年間で480億円もため込み、昨年度末時点の基金総額は区政史上最高1712億円に達しています。
 江東区の果たすべき役割は「住民福祉の向上」です。区長は、国の悪政ときっぱり対決をして、区民負担の軽減と福祉の充実を図るべきと考えますが、見解を伺います。

 次に、職員定数の適正化について伺います。
 区は、定員適正化計画に基づき、人口が増え、行政需要が増大しているにも関わらず、区の正規職員をこの10年間で133人も削減してきました。その結果、昨年の1月1日時点で、人口千人当たりの職員数は4.8人と23区平均6.3人を大きく下回り、23区の中で最下位となっています。
 特にマンパワーが必要な防災分野では、災害があった時に現場に急行する土木職員は、15年間で47人から13人に削減され、土木の技能系職員は退職してもまったく補充されていません。福祉事務所のケースワーカーの一人当たりの担当数は国基準80件に対し、今年1月末時点で99件、多い人で116件も抱えており、保護受給者の高齢化等に対し、きめ細かい対応は困難です。定員適正化計画を見直し、必要な職員の増員を図るべきです。伺います。

 次に会計年度任用職員の処遇改善について伺います。
 現在、本区の職員は全体で4952人、その内、会計年度任用職員は、2305人となっており、本区の大事な行政サービスを支えています。しかし、会計年度任用職員は安い賃金で何年働いても給料は上がらず、短期間の雇用契約の更新を繰り返し、常に雇用不安を抱えています。
 職員の処遇改善は区の大事な責務です。会計年度任用職員の時給の引上げや昇給制度を導入するなど、処遇の改善を行うよう求めます。伺います。

 次に、民間委託についてです。
 アウトソーシング方針で区立保育園・福祉会館などの運営や、保育所調理・用務業務などの民間委託を拡大するとしています。
 この間、委託先では、低賃金と過重労働などで職員が定着せず、委託された亀高保育園では、令和元年度、保育士が大量退職したため、離職率は40%と異常な高さとなりました。これは、保育園運営の質の確保という根幹に関わる大問題です。さらに、きっずクラブでは、職員の確保が困難として事業者が撤退する事態が起き、塩浜福祉園では「毎年職員の入れ替えが激しい」と利用者や家族から不安の声が上がっています。
 財政効率優先の民間委託は、安上がり労働に置き換えて、ワーキングプアを拡大し、江東区の福祉を低下させています。民間委託の拡大は中止すべきです。伺います。

 次に、公契約条例の制定についてです。
 区が発注する契約で働く労働者の適正な労働環境の整備や、事業者の人材確保等のため、公契約条例を制定する自治体が全国で広がり、都内では江戸川区、世田谷区、多摩市など11区3市で制定され、今年度中に台東区も制定するとしています。
 多摩市では、派遣業者や建設の下請業者にも一定の賃金を支払う仕組が作られ、市内業者を下請けに選ぶ動きが強まりました。
 労働条件の改善、地域経済の活性化を図るため、江東区としても公契約条例を制定すべきです。伺います。

 次に児童館の廃止問題についてです。
 区は、令和2年に、行財政改革計画に基づいて児童館の運営方針の見直し行い、児童館を乳幼児親子の支援に重点化させました。そのため、子ども家庭支援センターと支援が重複するとして、子ども家庭支援センターの近隣にある児童館の廃止の検討を行い、今年3月に、年間2万6千人以上が利用していた亀戸第2児童館を廃止してしまいました。さらに、今年度以降も、児童が減少傾向にある地域の児童館について、存廃を含めて検討するとしています。
 しかし、対象年齢が18歳までの児童館を乳幼児親子の支援に重点化させることは、子育て支援の縮小・後退であり、不登校の子どもが年間100人以上増加する等、困難を抱える子どもが増える中、児童館の廃止は、子どもの居場所を奪うものに他なりません。「こどもまんなか江東区」を掲げる区長は、児童館の廃止方針を撤回すべきです。伺います。

 次に使用料等の見直しについてです。
 区は、施設使用料や保育料を4年ごとに見直しを行っており、今年度は改定の時期となっています。
 この間、「受益者負担」の名のもとに、見直しの度に負担増が区民に押し付けられてきました。そのため「利用料が高くてスポーツ会館のプールに行く回数を減らした」「保育料の負担が重い。二人目は考えてしまう」との声が上がっています。くらしは厳しさを増しており、使用料や保育料の値上げは許されません。使用料を値下げし、区民がお金の心配なく公共施設を利用できるようにすると共に、子育て支援の観点から保育料の引下げを求めます。伺います。

 次に、クリーンで開かれた区政についてです。
 昨年7月に起きた元自民党区議によるあっせん収賄事件は、区政の根幹を揺るがす重大問題であり、徹底的な真相の究明と再発防止が求められています。
 この事件に関して、昨年11月の定例記者会見において、山﨑前区長は「今回の事件以外に、守秘義務違反になるような情報提供をしたという例はない」と記者の質問に回答しています。
 しかしながら、本年5月から始まった元区議の公判では、平成28年度以降、指名業者数や指名業者名を元区議から教えてもらい、談合をしていたという業者の証言や、議員から推薦された業者の指名の有無を、公表前に議員に対面で伝えていたと元経理課長が証言するなど、秘密事項の漏洩が何年にも渡って行われていたという疑惑が明るみに出ています。
 元区議の公判において、新たに明らかになった証言や、管理職アンケートの結果も踏まえて、第三者機関による再調査を実施し、その結果を区民に公表すべきと考えますが、区の認識を伺います。

 大綱2点目は、医療・介護の充実についてです。
 この間の、介護保険の改悪や75歳以上の医療費の窓口負担の倍化、年金削減、国民健康保険料の連続値上げで「くらしは限界、助けてほしい」と多数の悲鳴が上がっています。しかし国は、現在開かれている通常国会で、年収153万円以上の後期高齢者医療保険料の引上げや、国保料の値上げに拍車をかける改悪を強行しました。長引くコロナ禍、物価高騰で暮らしが大変な時に負担増の押しつけは絶対に許せません。今必要なのは、医療や介護等、社会保障の充実・負担の軽減だと考えますが、区長の見解を伺います。

 次に、後期高齢者医療保険料についてです。
 今年度は保険料の見直しが行われます。この間、一人当たりの平均保険料は制度発足時89,300円から直近では、104,842円へと1万5千円も引き上げられてきました。年金が目減りする中で、高齢者の負担は限界を超えています。200億円を超える財政安定化基金を活用して保険料負担を軽減するよう、東京都後期高齢者医療広域連合に申し入れるべきです。伺います。

 次に国民健康保料について伺います。
 国民健康保険料は、今年度、1人当たり10,791円もの大幅値上げが押し付けられました。そのため、一人当たりの年間保険料は約18万2千円となり、この5年間で2万円以上も値上げされています。
 国保加入者の多くは失業者や高齢者、フリーランスなど低所得の人ですが、同じ年収で中小企業で働く労働者が加入する「協会けんぽ」の保険料と比べ1.4倍も負担が重く、暮らしを苦しめています。
 国に公費投入を増額して、協会けんぽ並みの保険料に引き下げるよう求めるとともに、江東区として一般会計からの繰り入れを行い、保険料の引下げに力を尽くすべきです。伺います。
 高すぎる国保料を引き下げる為には、協会けんぽ等他の医療保険にはなく国保加入者全員にかかる均等割の軽減が必要です。
 国は、未就学児に限り均等割りを半額にしていますが、江東区が5000万円程財源を充てれば、2千人以上の未就学児の均等割を無料にすることができます。国に対し、均等割り減額対象の拡大を求めると共に、区独自に子どもの均等割り負担を軽減するよう求めます。伺います。

 次に、医療保険証を廃止し、マイナンバーカードに一体化する問題についてです。
 5月31日、岸田自公政権は多くの医療関係者や国民の声を無視して、医療保険証を廃止し、マイナンバーカードに一体化させる法案を強行採決しました。この間、マイナンバーカードと医療保険証を一体化した「マイナ保険証」に他人の情報が紐づけられていた事例が、厚生労働省によると2021年10月からの1年間で、全国7000件以上も確認されていました。誤入力された医療情報に基づく治療行為や投薬は、命に関わる重大問題を引き起こしてしまいます。
 また、マイナ保険証は申請方式となっており、申請困難な高齢者や障害者は無保険になる危険が高まります。
 現行の保険証は、何ら問題なく機能しており、廃止する理由はありません。国会審議の中で、新たな問題が次々に噴き出し、区民の不信と不安は募るばかりです。安全なシステムという前提も破綻しています。区長は、区民の不安の声を受け止め、医療保険証の廃止は中止するよう国に求めるべきです。伺います。

 次に介護保険について伺います。
 現在、2024年からの第9期介護保険事業計画の策定に向け議論が進められています。次期計画には国民から反対の強かった介護1・2の保険外しやケアプランの有料化を盛り込むことは見送ったものの、利用料2割・3負担の対象拡大や老人保健施設等の多床室の有料化などが検討され、夏までに結論を出すとしています。
 この間、区は、介護保険制度の見直しは「必要」と述べ改悪を容認していますが、介護離職など家族負担を増大させるとともに、介護サービス利用を抑制させ「保険あって介護なし」の状況を広げてしまいます。制度改悪に反対し、誰もが安心できる介護保険に改善するよう国に求めるべきです。伺います。

 介護保険料も今年度見直しが行われます。私たち共産党区議団に、「介護保険料の負担が非常に重い」という声が多数寄せられており、保険料の引下げが強く求められています。
 前回改定時に区は、値上げを強行しましたが、23区中12区は値上げを回避しました。この間、くらしは一段と厳しくなっており負担増は許されません。
 約40億円が見込まれる介護給付費準備基金を活用することや、保険料区分の多段階化、特別区長会を通じて要望している国庫負担の増額を実現させるなど、あらゆる手だてを尽くし、介護保険料の負担を軽減すべきです。伺います。

 次に、特別養護老人ホームの増設についてです。
 特別養護老人ホームの待機者は1千4百人を超える深刻な状況が続いています。
 区はこれまで、「自宅介護を希望している人が多い」等として整備を抑えてきました。そのため高齢者の人口に対する施設整備数は、平成23年度23区中9番目から今では15番目と後退しています。
 長期計画では、令和11年までに2か所整備するとしていますが、早期増設が求められています。現在利用可能な大島3大中の跡地や白河3丁目、新砂3丁目、枝川1丁目の空き都有地を活用する等、計画を前倒しして整備するとともに、更なる増設を図るべきです。伺います。

 大綱3点目、区内中小事業者支援について質問します。
 区内経済の屋台骨である中小業者を支援し、地域経済の活性化を図ることは、区の大事な役割です。今、区内業者は、原材料の値上げに加え、電気代が跳ね上がり、「経営が苦しい」と悲鳴を上げています。今月からさらに諸物価が高騰、電気代も上がっており、支援が必要です。現在区は、公衆浴場に限り燃料代に補助を行っていますが、事業継続に影響がある業種に対象を広げ補助すべきです。伺います。

 経営難の中小・零細業者やフリーランスに対し、国は、消費税のインボイス制度を今年10月から実施し負担増を押し付けようとしています。
 インボイスは課税業者でないと発行できないため、区内では6500以上の免税業者に対し課税業者になることを迫るもので、税負担に耐えられず中小・零細業者やフリーランスの倒産・廃業を招き、多くの区民が職を失う事態となってしまいます。中小業者の暮らしと営業を守るため、消費税のインボイス制度の中止と5%への減税を国に求めるべきです。伺います。

 区内の飲食店から「エアコンや冷蔵庫を直したいが、費用があがり修理できない」といった声が寄せられています。新宿区では、経営力強化支援として、全業種を対象に80万円を上限に設備の購入等に支援を行っています。江東区としても設備の購入費などに支援を行い、経営を支えるべきと思いますが、見解を伺います。

 区は、販路開拓支援として、ホームページの新規作成に対し、年間300万円の予算を組み、上限10万円の補助を行っています。昨年度は32件の利用があり、年度途中で予算を使いきってしまったため、区内業者から「申請を断られた」との声が上がっています。また、「多言語化やスマートフォンに対応するホームページに更新したいが30万以上の費用負担が重い。補助金を支給してほしい」との声が寄せられています。
 区は、更新時の補助について「更新内容が、把握困難なケースがある」と拒んでいますが、江戸川区は、事前に事業計画書で審査を行い、事業目的に合致していれば支給しています。他にも葛飾区、足立区、豊島区なども更新時に補助金を支給しています。
 江東区としても、予算を増額してホームページの更新時を補助対象に加えるべきです。伺います。
 区内中小企業の人材確保を目的として、若者・女性しごとセンターでは、カウンセリングやセミナーを開催しているほか、「U29こうとうジョブマッチング」を行い、ビジネス研修や職場体験をサポートしています。
 雇用環境が悪化する中で、新規登録者は事業開始時の倍以上に増加していますが、求人企業は100件以上も減少しています。
 昨年3月に報告された産業実態調査では、多くの企業が若い人の採用を希望しています。
 区は、参加企業を増やす取り組みを強めるとともに、おおむね29歳以下となっている対象年齢を広げ、より中小企業とのマッチングが図れるようにすべきです。区長の見解を伺い、私の質問を終わります。

 ご清聴、ありがとうございました。

~~~~~~~~~~【答弁】~~~~~~~~~~~

 赤羽目民雄議員のご質問にお答えします。
 初めに、行財政運営についてのご質問にお答えします。
 まず、区長の政治姿勢についてです。
 区民福祉の追求と生活負担感の軽減は、住民に身近な自治体である区の責務であると認識しております。
 このため、本定例会では、子育て負担感軽減のため、区立小中学校等における学校給食の無償化の予算を計上したほか、物価高騰対策として、非課税世帯への一世帯あたり三万円の給付について、迅速に対応したところです。
 次に、職員定数の適正化についてです。現定員適正化計画は、単に職員数の減を目的としたものではなく、適正な執行体制の確保を主眼としております。
 そのため、毎年度、行政需要や退職・育児休業等による必要数と、行財政改革の進捗度合等による減員数とのバランスを図りながら、総職員数を管理しており、令和5年4月1日の総職員数は、前年度比12人の増としたところです。
 今後とも、行政需要に対応した人員体制の確保を図ってまいります。
 次に、会計年度任用職員の処遇改善についてですが、区としては、令和6年度からの勤勉手当導入に向けた準備を進めるとともに、就労環境の改善やスキルアップ支援など、様々な取り組みを検討しているところです。ご提案の給料の引上げや昇給制度の導入については、職務給の原則が報酬水準等の基本であると考えており、現時点で導入の考えはありませんが、引き続き、会計年度任用職員の処遇改善に努めて参ります。
 次に、民間委託についてです。
 一部の施設において、公設民営への移行期に、事業者における従業員の離職が見られたことは承知しておりますが、いずれの施設においても、現在は適正な人員体制での運営となっており、利用者満足度も向上しております。
 施設運営の指定管理化等、アウトソーシング基本方針に定める姿勢は、健全な行財政運営を行ううえで、必要かつ不可欠なものであり、見直しを行うつもりはありません。
 次に、公契約条例を制定すべきとのお尋ねでありますが、適正な労働環境の整備については、国の労働法制の中で対応すべきものと考えております。従いまして、現在のところ、公契約条例を制定する考えはありませんが、本年度から、工事案件の一部を対象に、受注者の労働関係法令の遵守状況等を区が確認する取組みを実施するなど、労働環境の確保に一層配慮した調達を推進してまいります。
 次に、児童館の廃止問題についてです。現在、児童館の利用において、乳幼児親子の利用割合が高くなるなど利用者ニーズが変化してきたことを受け、子ども家庭支援センターが新設された際は、機能が大きく重複する近隣の児童館は廃止を含め検討するといたしました。
 検討にあたっては、人口動態や利用者の推移、近隣の児童施設の状況などを総合的に分析・検討するものであり、単なる児童館の廃止方針ではないため、撤回する考えはありません。
 次に、使用料等の見直しについてですが、公共施設使用料、保育料ともに、今年度は行財政改革計画に基づき、検討を行うことになります。
 まず、公共施設使用料についてですが、受益者負担の原則に基づき、決算実績の分析等から適正な料金設定とするため、検討を進めてまいります。
 また、保育料についても、受益者負担の原則や在宅子育て家庭との公平性などを踏まえつつ、保育経費の状況をはじめ様々な観点から分析を行うなど、適切に検討を進めてまいります。
 次に、クリーンで開かれた区政についてです。本区契約に係るあっせん収賄事件を受け、区では昨年、関係職員への聴き取り調査を行いましたが、本件以外の不正行為は確認されませんでした。公判での証言について、報告は受けていますが、裁判は継続中であり、現時点では、再調査を実施する考えはありません。
 また、クリーンで開かれた区政の一環として、第三者機関である「入札監視委員会」を本年度から新たに設置し、入札や契約の内容について点検を受けるとともに、審議内容をホームページ等で公開してまいります。
 なお、その他のご質問につきましては、所管部長が答弁いたします。

 次に、医療・介護についてです。
 まず、社会保障の拡充と負担軽減についてです。少子高齢化が急速に進む中、将来にわたって社会保障を持続させる観点から、負担能力に応じてすべての世代で公平に皆が支えあう仕組みが必要であり、先日、全世代型社会保障法が可決・成立いたしました。そこでは、現役世代の負担上昇の抑制に向け、負担能力に応じた後期高齢者の保険料負担の見直し等が規定されております。本区といたしましても、社会保障の充実等のためにはまず、受益と負担のバランスを考慮し、全世代で、増加する医療費や介護費用等を支えていく仕組みの構築が、重要であると考えます。
 次に、後期高齢者医療保険料についてです。財政安定化基金を活用して、保険料負担の引下げを行うよう、東京都後期高齢者医療広域連合に申し入れるべきとのことですが、財政安定化基金の本来の用途は、医療費の予期せぬ高騰の際に備えることであり、基金の投入を行わずとも、適切な保険料改定ができる場合、本基金の活用を行う必要はないものと認識しております。
 次に、国民健康保険料についてです。
 国に公費投入を増額し、保険料を引き下げるよう求めるとともに、一般会計からの繰り入れを行い、保険料の引下げに力を尽くすべきとのことですが、本制度の構造的課題の解決については、既に特別区長会より国に要望しており、区から改めて要望する考えはありません。また、保険料の算定においては、これまでも本区を含む特別区全体で、法定外繰り入れを実施しており、例えば令和5年度の算定においては、約244億円もの多額の繰り入れを行うなど、保険料の抑制に力を尽くしているところです。
 次に、国に対し、均等割減額対象の拡大を求めるとともに、区独自にこどもの均等割負担を軽減することについてですが、これについても特別区長会において、子育て世帯への支援として、均等割の対象や割合の拡大など要望しているところです。なお、こどもの均等割等、制度上の課題については、国の責任で実施すべきものと認識しており、区独自にこどもの均等割負担を軽減する予定はありません。
 次に、医療保険証廃止問題についてです。国に対し、医療保険証の廃止の中止を求めるべきとのことですが、マイナンバーカードと保険証の一体化により、特定検診情報や処方薬の情報を医師等と共有でき、より適切な医療が期待できる等のメリットがあること、またマイナ保険証未取得者には、「資格確認書」が発行されるなど、代替策も検討されていることなどから、区としては、国へ中止するよう要望する考えはありません。
 次に、介護保険制度の改定についてです。現在、国の社会保障審議会において、次期介護保険事業計画の改定に向けた議論が行われているところであり、その中で、給付と負担のあり方が大きなテーマとなっております。本区としても、今後の介護保険制度を持続可能な制度にしていくためには避けては通れない課題であると認識しております。
 このため、お尋ねの次期介護保険事業計画改定の反対を国に求める考えはありませんが、全国市長会等を通じて、低所得者対策等、国の責任において講ずるよう引続き要望してまいります。
 次に、介護保険料についてです。本区の第八期介護保険料の基準額は、現在、23区中3番目に低廉な保険料となっており、また、介護給付費準備基金約40億円のうち20億円を取崩し、保険料の値上げを抑制するなど、負担の軽減に努めております。第九期の介護保険料の改定におきましても、これまでと同様、被保険者の保険料負担が過重なものとならないよう、基金の活用、あるいは更なる保険料の多段階化等、検討を進めてまいります。
 また、国費負担の引き上げにつきましても、特別区長会や全国市長会等を通じ、引き続き要望してまいります。
 次に、特別養護老人ホームの増設についてですが、区有地の跡地利用については、将来の行政需要や地域の意向を踏まえた検討が必要と考えており、都有地については、引き続き、都と協議を行いながら用地確保に努めてまいります。
 また、整備計画の前倒しや更なる増設についてですが、今後も長期計画に基づき、着実に整備を進めていくとともに、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるよう、地域包括ケアシステムのさらなる推進を図ってまいります。

 次に中小事業者支援についてのご質問にお答えいたします。
 まず、燃料代高騰分に対する補助拡充についてです。
 本区では、昨年度エネルギー価格の高騰の影響が顕著な事業者に対して、緊急的に補助金による支援を実施したところですが、燃料価格高騰等の影響を受ける、広範の業種を対象とした統一的な支援は、国等において実施されており、現時点では対象の拡大は考えておりません。
 次に、消費税のインボイス制度の中止と5%への減税を国に求めることについてです。まず、インボイス制度については、本年10月の制度開始に伴い、区内中小企業等の事業者には、経理処理の変更等の影響が生じるものと認識しておりますが、国では免税事業者がインボイス発行事業者になった場合の納税額を、売上税額の2割とする経過措置を設けるなど、様々な負担軽減策を講じております。
本区といたしましては、引き続き、税務署等関係機関と連携し、制度の周知等に努めていくところであり、国に中止を求める考えはございません。
 また、消費税の5%への減税を国に求めることにつきましては、消費税は社会保障の安定財源であると認識しており、物価高騰などに対しては、様々な支援策により生活や事業を支えていることから、国に減税を求める考えはございません。
 次に、設備購入等に対する支援についてです。
 様々な業種・規模で構成される中小企業や個人事業主を対象とする補助事業は、対象の明確化と支出の適正化が重要であると認識しております。
 本区においては、商店街の活性化に資する目的として、肉・魚・野菜の商品を取り扱う、生鮮三品の店舗に限定し、設備購入等に対する補助を実施しております。
 業種の拡大については、今後の地域経済の動向を注視しつつ、必要な支援策を検討してまいります。
 次に、ホームページ作成支援についてです。
 本区の中小企業ホームページ作成費補助金は、区内中小企業等のPRや販路拡大のため、新規ホームページ開設時の費用の一部を補助しており、令和4年度は、社会経済活動の活発化等により、年度途中で予算上限に達したところです。
 本補助金の予算増額については、今後の需要を踏まえた検討が必要でありますが、改修を補助対象とする取り扱いについては、創業希望者の増加とともに、ホームページを新規開設する事業者も増加していることから、先ずは、新規開設者の需要に優先的に対応してまいります。
 次に、中小企業の人材確保支援についてのうち、求職申込企業増加への取り組みについてです。
 「こうとう若者・女性しごとセンター」の、求職申込企業数については、コロナ禍の影響もあり、減少傾向であるものの、令和4年度の就職決定数は、前年度よりも約百人増加し、五百七十人となりました。今後は、更なる就職決定数増加に向け、企業向けのセミナーや事業所への訪問等を通じた新規開拓等、求職申込企業数の拡大に取り組んでまいります。
 また、29歳以下となっているマッチング支援の対象年齢を拡大すべきとのことですが、「U29こうとうジョブマッチング」は、中小企業の人材確保支援と、就業経験の少ない若者の定着支援を目的としております。
 そのため、中小企業にとっては、課題である若い世代の人材確保が期待できる一方で、参加者は、社会人としての基礎知識を学ぶ研修と企業での就業実習を通じ、中小企業へのスムーズな定着が期待される等、双方に効果が得られるプログラムとなっています。
 本プログラムでは、年齢制限があるものの、しごとセンターでは、誰でも参加できる求職者向けセミナーの開催や、キャリアアドバイザーが求職者一人ひとりに担当する支援体制を整えております。
 区といたしましては、引き続きこれらの取り組みを推進するほか、ハローワーク等とも連携し、若い世代以外の支援に取り組んでまいります。

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暮らし・福祉・教育など区民要望実現のための申し入れ

2023年5月12日、木村区長に対し「暮らし・福祉・教育など区民要望実現のための申し入れ」を行いました。
全文はこちらをご覧ください。

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2023年第1回定例会―正保みきお議員

  • 来年度予算と区財政運営について
  • 子育て・教育について
  • 防災対策について

【正保幹雄議員の質問】
 日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。

 冒頭に、先日のトルコ・シリア大地震で亡くなられた方々に心からの弔意を表すとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。また、被害に遭われた方々の早期回復をお祈りいたします。

 大綱の第1は、来年度予算と区財政運営についてです。
 いま、働く人の賃金が減り続けているところに、物価高騰が襲いかかり、区民の暮らしと中小業者は、かつてない危機と困難のもとに置かれています。ところが政府は、電気・ガス料金の抑制など部分的・一時的な対策に終始しています。それどころか、「5年で43兆円の大軍拡」を優先し、物価高騰のさなかに年金削減や医療・介護の負担増を次々と押しつけ、「子育て予算倍増」は看板倒れとなるなど、暮らしの予算を削って軍事費につぎ込む悪政を推し進めています。
 このような中で、本区の来年度予算については、物価高騰で暮らしと経営が大きな打撃をうけ、地域経済の疲弊が深刻になっている時だからこそ、国の悪政の防波堤となって、区民の暮らしと福祉を良くする自治体本来の仕事をすすめることが肝要だと思いますが、見解を伺います。
 本区の来年度予算(案)は、一般会計で2370億円、3つの特別会計を合わせた総予算は3376億円余と過去最大規模となりました。わが党が繰り返し求めてきた18歳までの医療費助成、給付型奨学資金の創設、感震ブレーカー配付、特養ホームの整備、失語症者への意思疎通支援者派遣、学童保育(きっずB登録)の保留児解消対策など一定の前進があるものの、国民健康保険料の大幅値上げ、10月以降の施設使用料の2割値上げ、児童館廃止、学校用務、児童館、きっずクラブ、福祉会館等の民間委託など、負担増と福祉削減、不安定雇用を増幅させる予算案となっています。
 予算案では、教育、高齢者・障害者福祉、中小企業・小規模事業者に対する支援が不十分です。合わせて50億円を投入する子育てクーポンや防災カタログギフトは、1回きり、一時的なものであり、区民の暮らしを継続的に下支えする施策の拡充こそ必要ではないでしょうか。
 過去最高規模となった一般会計予算の総額は、4年前と比べ316億円も増大しているにもかかわらず、教育予算は減少しています。「子育て世帯を強力に支援する」というのなら、教育予算を増やし、また、莫大な基金も活用して、全国でも23区内でも広がっている学校給食の無償化を、ただちに実施すべきではありませんか。伺います。
 高齢者・障害者福祉では、1400人の方が入所を待っている特養ホームと不足するグループホームの増設、ティアラこうとう、文化センターなど公共施設へのヒアリングループ整備、不足しているリフト付き介護タクシーの拡充、28年間1円も上がっていない障害者・難病者への区制度の福祉手当の増額と対象者の拡充を、ただちに行うべきです。合わせて伺います。
 コロナ禍の経済悪化の中で実質無利子・無担保で資金を借りられる「ゼロゼロ融資」は、資金繰りを緩和し、中小企業の倒産を減らしてきました。これから融資の返済のピークを迎えます。ゼロゼロ融資が過剰債務になって返済ができなくなり、倒産する企業が急増する懸念が強まっています。地域経済の主役である区内中小企業をつぶしてはなりません。コロナ対応のゼロゼロ融資をいったん通常の融資から切り離して「別枠債務」とし、新規融資が受けられるよう関係機関に働きかけるべきです。
 また、事務所・店舗の家賃、水光熱費に時機を逸することなく補助をおこない事業継続への支援を行うべきです。合わせて伺います。
これらの財源は、過去最高の区税収入と予算規模、23区の中でもトップレベルの基金残高1712億円、何にでも使える財政調整基金300億円を活用し、コロナ禍と物価高騰から暮らしと営業を継続的に支えていくことを強く求めます。
 区財政運営について伺います。
 区は、「行財政改革」と称して、児童館・幼稚園などの子育て教育施設の廃止、学校用務、学校警備、福祉会館などの民間委託を徹底して推し進め、人口増にもかかわらず正規職員を削減し、安上がりの非正規労働に置き換えてきました。効率化を最優先する民間委託は、委託先の労働者の低賃金と不安定雇用を拡大し、区民サービスの質を低下させています。アウトソーシング方針については、民間委託ありきでなく、直営に戻すことも含め、その必要性、効率性、透明性などを検証し、見直しを行うべきです。また、区が発注する工事や業務委託等に従事する従事者の安定的賃金と雇用を確保するために公契約条例の制定を求めます。合わせて伺います。
 児童館の廃止方針についてです。
 区は、2年前に行財政改革として児童館の廃止方向を打ち出し、今後は乳幼児親子を対象とした子育て支援に重点化し、子ども家庭センターと乳幼児機能が重なる児童館の廃止、児童人口が減少傾向の地域の児童館の存廃を検討するとしました。
 しかし、児童館は、18歳未満のすべての子どもを対象に、子どもの心身の健康と情操を豊かにする機能と役割を担っています。児童館の廃止は、子どもたちから遊びと安心の居場所を奪い、子育て支援に逆行するものです。児童館廃止方針は撤回すべきです。伺います。
 施設使用料についてです。
 施設使用料は、新型コロナ感染症が拡大し始めた2020年3月、一律20%の値上げが行われましたが、現在まで、コロナ禍の影響から値上げ前の料金に据え置かれています。措置が終了すれば、使用料が一気に値上がりし、施設利用者年間延べ480万人に約1億4千万円の負担増となります。利用者から、サークル会費の値上げにつながり、「楽しみにしている趣味の教室やサークル活動ができなくなる」との声が上がっています。値上げ前の料金に改定すべきです。伺います。
 職員定数についてです。
 区職員の削減によって人口1000人当たりの職員数は、23区平均が6.3人であるのに対し、本区は4.9人と23区で一番少ない職員で業務にあたっています。仮に23区平均に換算すると743人の人員不足となります。この10年間で本区の人口は5万5千人増加し、業務量が増大する中で長時間労働が常態化し、メンタル疾患等による長期休業者が少なくありません。各職場から職員組合を通じて人員要求が出されており、保健所・保健相談所からは業務量増による保健師や一般事務の職員増、保育現場から延長保育の充実に必要な保育士や業務量増による恒常的な残業解消のための事務職の増員、生活保護の現場から業務量軽減のための地域担当ケースワーカーの増員、区民部の職場からマイナンバーに伴う業務量増加による増員など、合計210名に及びます。5年間にわたって職員定数を1人も増やさないという定員適正化計画を抜本的に見直し、技能系職員の補充を含め、業務量に見合った適正な職員数とすべきです。伺います。

【理事者答弁】
 正保幹雄議員のご質問にお答えします。来年度予算と区財政運営についてのお尋ねであります。
 まず、区の果たすべき責務についてです。国の予算については、社会保障関連経費の拡充等、暮らしを守る予算となっておりますが、住民に身近である区は、国や都の制度と連携し、コロナ禍や物価高騰など、先行きが見通すことが困難な状況にあっても、区民に安全・安心を届けることが、果たすべき責務と認識しております。
 5年度当初予算では、まさに区民の暮らしを支える取り組みとして、全ての18歳以下のこども一人につき3万円の電子クーポンを支給するほか、関東大震災から100年の節目を迎えるにあたり、自助による防災力の向上を目的とした防災カタログギフトの全戸配付、商店街連合会に対するプレミアム付き区内共通商品券の発行に係る経費の補助などを計業しております。
 また、福祉分野では、引き続き感染症対策をすすめるほか、特別養護老人ホームや障害者入所施設の整備、医療的ケア児の受け入れ施設の拡充など、ハード・ソフト両面において区独自施策の拡充を図っており、多方面にわたり区民を支える対応が出いたものと認識しております。
 次に、継続して下支えする施策の拡充についてです。
 まず、教育予算が4年前より減少とのご指摘ですが、学校施設等ハード事業が大きな要因であり、この間もGIGAスクールの環境整備等、教育施策の充実を図っており、当初予算での割合は23区内でも上位にあります。学校給食無償化の実施にあたっては、財政負担だけでなく、事務管理体制の構築が不可欠であり、その検討も必要なものと認識しております。
 また、高齢者・障害者施策のうち、特養ホームについては、すでに亀戸9丁目における整備事業を進めており、グループホームについては、引き続き、長期計画に基づき着実に整備を進め、障害者グループホームの整備については、既存計画の具体化に向け、様々な方策を講じて整備を進めてまいります。
 さらに、公共施設へのヒアリングループの設置ですが、大規模改修等の時期を捉えて設置を検討するほか、携帯用機器の活用も図ってまいります。
 また、リフト付き福祉タクシーについてですが、事業者からの実績報告では、希望する日時に概ね利用できており、現在のところ、拡充する考えはありません。
 心身障害者福祉手当ですが、今後も、都条例に定める金額等を基本とし、中軽度の障害者等、すでに拡充している方々に対しても引き続き、的確に支給してまいります。
 次に、「ゼロゼロ融資」の保証枠の別枠設置に関する関係機関への働きかけについては、現在の信用保証制度により、適切に運用されているもの認識しており、関係機関等に働きかける考えはありません。
 加えて、区内中小業者に対する家賃・光熱水費の補助については、広範囲の業種を対象とした統一的な支援は、国や都が適切に実施すべきと認識しており、区として実施する考えはありません。
 また、財政調整基金を活用すべきとのお尋ねですが、既に財政調整基金から94億円余を繰り入れ、中小企業への支援に限らず、幅広く施策の充実を図っております。
 次に区財政運営についてです。
 まず、民間委託についてですが、本区では施設の指定管理化等を決定する場合には、直営との比較を含め個々に検証しながら進めており、アウトソーシング基本方針の見直しを行う考えはありません。
 また、労働者の適正な労働条件の確保については、国の労働法制の中で対応すべきとの見解にあるため、現在のところ、公契約条例を制定する考えはありません。
 次に児童館についてですが、利用者ニーズが変化したこと等を受け、令和2年度に「児童館の運営方針」を見直しました。本方針は廃止を前提としたものではなく、利用者の増加が見込める児童館は、今後も区民ニーズに対して役割を果たすとしており、引き続き、適正配置に努めるとともに、地域のこどもの居場所づくりに取り組んでまいります。
 また、施設使用料の値上げについてですが、改定は受益者負担の原則に基づき、決算実績から適正な料金設定を決定したものであり、施設使用料の改定を中止する考えはなく、改定前料金に戻す考えもありませんが、施設使用料等の特例措置は、9月末まで延長いたします。
 次に、職員定数についてですが、本区では、年2回のヒアリングを通じ、業務量に見合った適正な職員配置を行っております。そのため技能系職員の退職不補充の継続を含め、計画を見直す考えはなく、今後とも効果的・効率的な行財政運営のため、定員適正化計画を着実に推進してまいります。

【正保幹雄議員の質問】
 大綱の第2は、子育て・教育について伺います。
 政府の子ども子育て政策で、国民が最も望んでいるのは、重すぎる教育費の負担軽減です。ところが、岸田首相は「異次元の少子化対策」を表明しましたが、教育費の軽減策がありません。国の2002年度に行った意識調査では、「育児を支援する施策として何が重要か」という設問に対して、断トツ1位は「教育費の軽減」です。高い学費、日本独自の大学入学金、若者に数百万円もの借金を背負わせる奨学金、給食費の重い負担などの抜本的な改善が求められています。
 本区の奨学金制度について伺います。
 高校等へ進学する生徒を対象とした本区の奨学金貸付について、わが党は、繰り返し給付型奨学金を求めてきましたが、来年度予算案において貸付型を廃止し、返済不要の給付型が新設されました。私立高校の学資金への給付額は、貸付型の月額2万8千円から給付型では1万円に減額されていますが、これでは十分とは言えず増額すべきです。また、貸付型の返済困難者に対しては債権取立訴訟をせず、返済免除扱いとすべきと思いますが、合わせて伺います。
 日本学生機構の調査によれば、アルバイトをしないと大学に通えない学生が全体の2割に達し、学生の2人に1人が300万円の奨学金を借りている状況にあり、借金を背負って社会人としてのスタートを切ることになります。一方で、非正規雇用の増大などで卒業後の雇用・収入は不安定になっています。区の施策として奨学金返済支援助成や大学生等への返済不要奨学金を新設すべきと思いますが、伺います。
 次に、安心・安全な保育の確保についてです。
 この間、他自治体において保育所での児童虐待や送迎バスへの置き去りなど悲惨な事件が起きました。本区では、保育活動中の職員による児童虐待の発見、各保育施設の虐待対策の確認を目的に、区内270の保育施設と区独自に約6000人の保育士を対象としてアンケート調査を実施中と聞いています。区としても、虐待の早期発見・対応等の体制づくりが必要だと思いますが、今後の取り組みについて、伺います。
 子どもたちの命や安全を守るためにも、発達を保障するためにも、保育士の配置基準の改善が求められています。現在の保育士配置基準は70年以上変わっておらず、いまの実態に合わない基準であり、3・4・5歳ではOECDの調査国・地域で最低です。「子どもたちにもう一人保育士を!実行委員会」が昨年実施した保育施設職員へのアンケート結果によれば、2,648人が回答され、「今の配置基準では、命と安全を守ることができない」と思う場面に、「地震・火災など災害時」と答えた保育士は84%、「お散歩」は60%となっています。保育の長時間化の中で保育士の仕事量は70年前と比べて格段に増えています。スウエーデンでは4~5歳児の子ども18人に保育士3人の基準ですが、日本では4~5歳児に対する保育士の配置基準は子ども30人に対し保育士1人です。 国に対し、子どもたちの安全を守れる人数になるよう保育士の配置基準の引上げと保育士の処遇改善を求めるべきです。また、区独自に上乗せ補助を拡充し、国基準を上回る保育士配置を行うべきと思いますが、合わせて伺います。
 保育園運営費の不正受給と弾力運用問題についてです。
 区内保育施設において、保育士の人数を水増しするなど委託費の不正受給が相次いで起きています。抜き打ち検査の導入など検査体制を強化し、再発防止を図るべきです。伺います。
 株式会社が運営する保育施設では、委託費が保育事業以外に流用され、役員報酬や株主配当に回されるなど、委託費の8割以上を占める保育士の人件費が削減され、保育の質の低下を招いています。東京都の調査では、2018年度の社会福祉法人の運営費に占める人件費支出の割合は7割、株式会社は5割にとどまっています。国に対し、委託費の弾力運用の見直しを求めるとともに、区としても委託費に占める人件費比率の引き上げを図るべきと思いますが、伺います。

【理事者答弁】
 次に、子育て・教育の支援についてのご質問にお答えいたします。
 まず、奨学金制度についてです。
 現行の貸付制度を利用された方への返済の免除等については、これまで返済をされた方との公平性等の観点から困難であり、現時点で実施する考えはありません。また、新たな給付型奨学資金における給付額については、生計上の理由から高校の修学が困難な生徒の教育機会の確保という制度の趣旨から、国の「子供の学習費調査」における公立高校にかかる費用をもとに、修学旅行等の行事費、部活動費や家庭内教育費など広く対象として積算しており、私立高校進学者への増額は考えておりません。
 さらに、大学生等への給付型奨学金についてですが、令和2年4月から国において返済不要の給付型奨学資金の制度を開始しており、今後対象の拡大も検討されていることから、区において実施する考えはありません。
 次に、安全・安心な保育の確保についてですが、保育施設内における虐待事案の報道をうけ、保育活動中の職員による児童虐待の発見、各保育施設の虐待対策の確認など現状を把握することを目的に区内保育施設に勤務する職員に対しアンケートを実施致しました。現在、集計・分析を行っているところでありますが、回答内容に応じて、随時職員や保育施設へのヒアリングを行うなど適正な保育運営の確保に向けた対応を実施しております。
 また、調査結果を踏まえ、万が一不適切な保育が発生した際の迅速な解決をするための内部通報制度確立の指導、職員や保育施設への虐待防止に向けた意識啓発、保育施設への巡回訪問など、虐待防止に向けた取り組みの充実を引き続き図ってまいります。
 次に、保育士の配置基準についてです。
 まず、配置基準の引き上げと保育士の処遇改善を国に求めることについては、本区では国基準よりも手厚い職員の配置に誘導する形で、私立保育所等に対して補助金を支給するとともに、保育士の処遇改善については、保育士等の賃金改善を図るため、国の公定価格における処遇改善加算に加えて、都の保育士等キャリアアップ補助による支援を行っており、国に要望することは考えておりませんが、こどもたちの安全を第一に取り組みを推進してまいります。
 また、区の上乗せ措置の拡充については、先ほどご答弁した職員の配置に関する現行の誘導措置を継続し、保育の質の向上に資する職員の加配に応じた補助金の交付を引き続き実施してまいります。
 次に、補助金の不正受給についてですが、保育運営事業者による補助金の不正受給事案が発生していることから、専門人材を活用した「補助金等特別調査」の実施及び毎年実施している保育施設への一般検査における複数の書類などによる確認や「適正な職員配置」を重点検査項目にするなどの検査手法の見直しを含めた検査の強化を図っているところであります。
 今後も、補助金が適正に活用され、安全・安心な保育運営が確保されるよう、保育施設に対する不定期な巡回訪問や社会保険労務士による労務関係検査の実施など検査を実施する職員の専門性の向上も含めた更なる検査体制の強化を行ってまいります。
次に、保育所運営費の弾力運用問題についてです。
 まず、弾力運用の見直しを国に求めることについてですが、運用については国の通知に基づいて行っており、現時点で見直しを求めることは考えておりません。区としましては、引き続き、指導検査時に、適切な運用がなされているかを確認してまいります。
 また、運営費に占める人件費の比率の引き上げを図ることについてですが、先ほどご答弁した国の制度等を通じて、各事業者において、適正に保育士等の賃金改善が図られているものと認識しており、区独自の支援を行うことは考えておりません。

【正保幹雄議員の質問】
 大綱の第3は、防災対策について伺います。

 いつ起きてもおかしくないマグニチュード7クラスの大地震や激甚化する大規模風水害に備え、区民の生命と安全を守る防災対策の強化が求められています。
 東京都は昨年9月、東京都震災対策条例に基づき、「地震に関する地域危険度測定調査(第9回)」の結果を公表しました。
 この中で、本区では、建物倒壊と火災の総合危険度4以上が18町丁目に上り、来年度予算案において不燃化特区及び火災危険度の高い地域を対象に地震発生時の電気火災を低減する感震ブレーカーの無償配布と分電盤への設置にも費助成を行います。わが党が求めてきたもので評価しますが、都の新たな地震被害想定では、感震ブレーカー設置率を現状の8.3%から25%に引き上げた場合、焼失棟数、死者数が約7割減少するとされていることからも、設置率の引上げ目標をしっかり設定して事業を継続的に実施していくべきと思いますが、伺います。
 区は、「必要なら区役所や図書館にある」と言って頑なに拒否していた各種水害ハザードマップを全戸配布しました。これを配布だけに終わらせないで、防災講話のほかにも計画的な区民説明会やマップを使った防災訓練を行うなど、周知・徹底を図るべきと思いますが、伺います。
 また、防災備蓄用ラジオは、災害時の情報収集の手段の一つとして有効である一方、レインボータウンFM885の「放送が聞こえない」「取扱いが分からない」などの声が寄せられています。レインボータウンFMの災害情報臨時放送のブースが防災センターに設置が検討されていますが、中継アンテナを増設して難聴地域を解消するとともに、当該ラジオを使った防災訓練を行うべきと思いますが、合わせて伺います。
 福祉避難所についてです。
 法改正により福祉避難所への直接避難が可能となりましたが、実際の受け入れ体制が整っていないのが現状です。文化センター等の自主避難施設は、洋式トイレやエレベーター、備蓄物資も配備されており、災害時に避難してくる高齢者等のケアに対応する専門的な職員を配置するなど、福祉的な避難所としても役割が発揮できるよう体制整備を図るべきと思いますが、伺います。
 救命ボートの配備についてです。
 現在、本区には、潮見、東大島、新木場の防災倉庫と冬木艇庫の4ヵ所に、合計32隻の救命ボートが配備されていると聞いています。大規模水害の際、小・中学校等の拠点避難所に避難した区民が、長期間の浸水時に移動手段を確保するため、災害用救助ボートを各拠点避難所に配備し、荒川の洪水氾濫、東京湾の高潮氾濫など大規模水害に備えるべきと思いますが、伺います。
 近年の大規模災害などを経験し、自治体職員の不足による対応の遅れが全国各地で大きな問題となっています。本区では、災害があったときに現場へ急行する土木職員が、退職しても補充されず、この15年間で47人から13人に激減しています。これでは、区民の安全は守れません。災害時に、区民の命の安全・安心に直結する分野の職員を削減から増員へ転換すべきです。答弁を求めます。

【理事者答弁】
 次に、防災対策についての御質問にお答えいたします。
 まず、感震ブレーカーの設置率についてですが、東京都による新たな首都直下地震等の被害想定において、感震ブレーカーの設置の有効性が示されたことから、令和5年度に、火災危険度の高い地域において、簡易型の感震ブレーカー等の設置を促進することとしたところです。都が示した設置率25パーセントについては、区としても認識しており、より多くのご家庭に設置いただけるよう、対象地域での説明会や取り付けの代行を実施し、設置率の向上に努める考えであります。
 なお、事業の継続については、普及状況等を踏まえた検討が必要であると考えております。
 次に、ハザードマップを使った防災訓練についてです。まず、地域でのハザードマップの説明会についてですが、現在、町会・自治会など地域団体等の要望に応じて、ハザードマップを活用した講話を行っており、好評を得ているところです。引き続き防災講話を活用し、積極的にハザードマップによる浸水危険度の周知を図ってまいります。
 また、ハザードマップを活用した防災訓練については、災害協力隊が実施する自主防災訓練や要配慮者利用施設における避難訓練での活用を促進してまいります。
 次に、防災備蓄用ラジオを使った防災訓練についてです。まず、防災訓練でのラジオの活用については、ハザードマップ同様、災害協力隊による自主防災訓練や要配慮者利用施設の避難訓練での活用を促進するとともに、次年度に防災センターに設置するレインボータウンFMの臨時放送ブースを活用した一斉放送訓練による活用を検討しているところです。
 また、中継アンテナの増設についてですが、放送が聞き取りづらい地域があることは認識しておりますが、中継アンテナの設置は、設置先における電波の干渉が課題であり、周波数の変更の可能性や、調査・設置にかかるコスト等から、増設の予定はありません。このため、区ホームページや安全安心メール、防災ツイッターなど、災害情報の複数の収集手段の活用について、区民周知に努めてまいります。
 次に、福祉避難所についてのお尋ねのうち、自主避難施設について、要配慮者の避難受け入れと、福祉専門職の配置など福祉機能を付加した態勢の構築についてですが、福祉避難所や拠点避難所等における避難支援体制の検討と併せて、実効性のある要配慮者の避難受け入れ方策について、検討を進めているところです。
 また、自主避難施設の避難者受け入れ態勢の確立についてですが、限られた人員を各避難所等に効果的に配置する必要があり、自主避難施設については、短期的な避難者受け入れを想定した態勢としております。各避難所等の開設・運営にあたっては、計画に沿った態勢を基本とし、かつ、状況に応じて柔軟に対応することとしております。
 次に、救命ボートの配備についてです。まず、各拠点避難所への配備についてですが、非浸水地域にある防災倉庫への集中的な備蓄が、有効であると認識しており、臨海部の倉庫への備蓄を基本としているところです。また、消防団によるボートの活用についてですが、区としては、消防署・消防団の活用が、水害発生時の対応として現実的なものと考えており、災害協定を締結し、消防団の分団数に応じたボート数を配備しているところです。
 次に、土木職員の退職不補充についてです。首都直下地震や大規模水害の際には、まずは本区土木技術職の総員体制で、区内各所で発生すると想定される道路や橋梁への影響に対する初期対応を行う予定です。また、本区で日常的な維持管理業務に従事している委託事業者や、災害協定締結団体等も、災害時などには区と協力体制を講じ、緊急対応にあたることとしております。
 そのため、行財政改革計画に定める技能系職員の退職不補充の方針を見直す考えはありません。

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区議団ニュース2023年4月号

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区議団ニュース2023年1月号

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2022年第4回定例会―赤羽目民雄議員

日本共産党江東区議団を代表し大綱3点について質問します。

  • 国民健康保険制度について
  • 介護保険制度について
  • マンション対策について

 大綱1点目は国民健康保険制度についてです。まず、保険料につい伺います。
 江東区は今年度、一人平均5,512円もの保険料値上げを強行しました。6月15日に保険料決定通知が各家庭に発送されると、医療保険課の窓口に、多い日で1日に770人以上が来庁し「計算間違いでないか」「なぜ値上げなのか」といった問い合わせや苦情が殺到しました。
 私たち共産党区議団が実施した区民アンケートに「年金は減らされたのに、国保料は値上がりで暮らしていかれない」など、悲鳴が多数寄せられています。
 保険料の値上げが区民の暮らしに大打撃を与えている現状をどう認識していますか、伺います。
 運営主体が東京都に移されてから5年間で、年収500万円で夫婦と子ども2人の4人世帯では、年間保険料が58万円から62万円へと4万円もの値上げが押し付けられました。
 国は、都や自治体に対して、令和6年までに一般会計からの法定外繰入れの解消を迫まっており、区は、2年後までに解消する方針です。しかし、一般会計からの繰り入れがなくってしまうと、さらに2万円以上の大幅負担増となってしまいます。
 区は、制度維持のため、値上げは止むを得ないとしていますが、保険料負担に耐え切れず暮らしが壊され、国民健康保険制度そのものが脅かされてしまいます。一般会計からの繰り入れを引き続き行うとともに、繰り入れ額を増やし、保険料負担の軽減を図るべきです。伺います。
 とりわけ、国保加入者一人一人に同額がかかる均等割が重い負担となっています。
 今年度から国は、未就学のこどもの均等割を半額にしましたが、学校に通いだし、お金が入用になると途端に均等割が跳ね上がってしまいます。国に未就学児の均等割りの廃止と対象年齢の拡大を求めるべきです。国が動かなくても江東区が1200万円程財源を充てれば、未就学児の均等割を無料にできます。子育て支援として、区独自に子どもの均等割り負担を引き下げるよう求めます。合わせて伺います。
 国民健康保険は、加入者の4割が年金生活者等で低所得者が多く加入する医療保険です。しかし、国保加入者の一人当たりの平均保険料は、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの約1・4倍と格差が生じています。
 こうした構造的問題を解決するためには、全国知事会が要求している国の公費投入を増額する以外にありません。
 国が1兆円の公費を投入すれば、23区の場合、均等割りが廃止でき、本区の年収500万円の2人世帯では、年間51万円余の保険料を約14万円引き下げ、協会けんぽ並みにすることができます。
 国の言いなりで連続・大幅値上げを区民に押し付けるのではなく、住民福祉の増進という自治体本来の役割を発揮し、高すぎる国民健康保険料の引き下げに力を尽くすべきです。江東区としても公費投入の増額を国に要求するとともに、来年度の保険料については値上げしないよう求めます。伺います。
 コロナ禍で暮らしが大変な時に江東区は、保料が払えない滞納世帯に対し、預貯金や生命保険などの差し押さえを行い、2018年度の106件から昨年度は279件と2.6倍に増やしています。
 共産党区議団に「分納を約束し納めていたが預貯金を差し押さえられ、家賃や学費が払えない」との相談が寄せられています。
区は「連絡を取るための手段」として、年金や給与が入金された口座を差し押さえていますが、これでは、生活が成り立たなくなってしまいます。強権的な差し押さえは中止するよう求めます。伺います。
 政府は、現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードに一体化すると表明しました。
 一体化によって、認知症の高齢者や障害者など手続き困難な人たちが医療を受けられなくなることや、システム不具合時に診療継続が困難になるなど、様々な問題が指摘されており、医療現場や多くの国民から反対の声が上がっています。
 生活に欠かせない保険証と引き換えにマイナンバーカードの取得を迫ることは強制であり、あまりにも強権的で許されません。国民が望まない保険証廃止は撤回するよう国に求めるべきです。伺います。

 大綱2点目、介護保険制度についてです。
 介護保険は、国の社会保障削減路線の下、3年に1度の見直しのたびに給付の削減と負担増が押し付けられてきました。
 厚生労働省が2025年度の制度改定に向け検討している内容は、介護利用料の2割・3割負担の対象拡大、要介護1、2の訪問・通所介護の保険外し、ケアプラン作成の有料化、保険料納付年齢の引下げなど、改悪の目白押しです。
 国は「全世代型の社会保障制度構築のための改正」と言いますが、これらが強行されると、全世代の負担が重くなり、必要な介護を受けられない事態を深刻化させてしまいます。介護保険制度の大改悪は検討中止するよう国に求めるべきです。伺います。
 次に介護人材の確保についてです。
介護労働安定センターが今年8月に公表した、全国の介護事業所向けアンケートでは、6割以上が「人材不足」と回答しました。
 区内の介護現場からも「人手不足で利用者を受け入れできない」と悲鳴が上がっています。
 国は、本年2月から介護職員の処遇改善を実施しましたが、全産業平均給与と比べ約8万円も低い水準であり、ケアマネジャー等は対象から外されるなど、極めて不十分です。
 保険料が上がらないよう介護報酬とは別枠で、介護に携わる全ての従事者の賃金を引き上げるよう国に求めるべきです。伺います。
 都が実施している「宿舎借り上げ支援事業」は、対象が拡大され11月から申請受付が始まり、区と災害協定を結んでいる介護事業所は、家賃の8分の7の補助が受けられるようになりました。
 しかし、区は、「災害時の事業者の活用は検討中」として協定を結ばないため、事業者は利用したくてもできない状況です。
 災害協定を締結して都に申請できるようにし、事業の周知徹底を図るべきです、また、区としても家賃助成制度を実施する等、介護人材の確保策を拡充すべきです。伺います。
 次に、特別養護老人ホームの増設についてです。
 令和7年に区内16番目の特養ホームが開設されますが、待機者は1400人を超えており、更なる整備が必要です。区は、令和11年までに新たに2か所整備するとしていますが、待機者が多くいる中で、計画を前倒しして整備すべきです。伺います。
 区は、整備促進を求めるわが党の質問に「土地の確保が困難」と答弁していますが、第3大島中学校の跡地を活用すべきです。さらに枝川1丁目や白河3丁目に未利用の都有地があり、多くの区民が特養ホームの整備を求めています。積極的に東京都と協議を行い、特別養護老人ホームを増設するよう求めます。伺います。
 次に、介護にかかる経済的負担の軽減についてです。
 特別障害者手当は、身体等に重い障害があり、日常生活で常時特別の介護を必要とする人に2万7300円支給されています。
 本手当は障害者手帳のない要介護4・5の人も支給される可能性がありますが、区の周知が弱いため、多くの方は知らないままの状況です。
 区はHPで案内していると述べていますが、HPに要介護4・5の人が対象になるケースがあるとの記載はありません。HPの記載内容を改善することや区報に掲載すること、高齢者のためのハンドブックや介護保険利用者ガイドブックに記載するなど、周知徹底を図るべきです。伺います。
 車いすやストレッチャーのまま乗降できるリフト付き福祉タクシー事業は、普通車タクシーのメーター料金で利用できることから、年間7000件以上の利用があり、移動困難な高齢者や障害者にとっては欠かせない福祉施策です。
 現在区は民間業者と委託契約を結び、リフト付きの福祉タクシーを5台運行していますが、予約が取れない状況が続いています。
 介護現場からは「台数が少なく入・退院時など急な利用は困難」「介助者が同乗しないと利用できない」等の声が寄せられており、止む無く民間の福祉タクシーを使った場合、料金設定が高いため非常に重い負担となっています。区は、委託先任せとせず、利用実態を把握するとともに必要な時に利用できるよう増車すべきです。また、区の事業が使えず、民間のタクシーを利用した場合には、利用料に補助を行うなど負担を軽減すべきです。伺います。

 大綱3点目、マンション対策についてです。
 江東内には分譲、賃貸合わせて4,242件のマンションがあり、8割を超える区民が暮らしています。このうち、築40年以上経過したマンションが660件以上もあり、本年3月に報告された「マンション実態調査報告書」によると、建物の維持管理、快適な住居、防災対策等、様々な課題が浮き彫りになりました。
 特に、回答のあった古いマンションの1割以上で長期修繕計画が作成されておらず、このまま放置すればやがて荒廃し、防災や防犯力の低下を招き、まちづくりにも悪影響を及ぼします。
 区は、長期修繕計画策定に対しアドバイザー派遣を行っていますが、昨年度実績はわずか4件です。申請があってから対応するのではなく、積極的に出向いて行って指導と援助を行うべきです。伺います。
 区は、マンション管理組合等が修繕の場所や工事内容等の調査を行った時、費用の一部に助成をしています。しかし、この事業は一度助成を受けてから10年を経過しないと次の申請ができません。
 国交省の長期修繕計画作成のガイドラインでは5年ごとに調査し計画を見直すことが望ましいとしており、墨田区では間隔を5年としています。年次要件を緩和し、見直しに活用できるよう改善すべきです、伺います。
 今回の調査で、古いマンションの約半数で共用部分の段差や出入り口にスロープが設置されてない等、バリアフリー化されていない現状も明らかになりました。文京区や台東区では工事費に助成を行い、バリアフリー化を進めていますが、本区では、マンションの管理組合が融資を受けて工事を行ったとき、保証料の一部を助成しているだけです。
 共用部分のバリアフリー化工事費に助成を行い、住まいの安全性・快適性を高めるべきです。伺います。
 マンションに来訪する宅配や介護サービスの車が増加し、敷地内に駐車できず、狭い道路にはみ出して通行の妨げとなっている状況が見受けられます。本区のマンション条例では、世帯用住戸151戸以上のマンションに一時的駐車場を1台設置するよう義務付けていますが、杉並区では30戸以上のマンションは外来者用の駐車場を2台設置とし、板橋区では一時駐車場は、総住戸数の2%以上の設置としています。
 住戸数に合わせて一時駐車場を増やすべきです。また、中・小規模のマンションにも一時駐車場の設置を義務付けるべきです。伺います。
 次に、マンション防災についてです。
 昨年度、区の分譲マンションの耐震診断や耐震改修への助成実績はなく、1万6千戸を超えるマンションが耐震化されていない現状にあります。
 実態調査でも、耐震化が進んでいない大きな理由として「費用の不足」が一番多く出されています。現在区は、マンションの耐震助成を1棟当たり2千万円としていますが、大きなマンションほど費用負担が重くなり住民の合意ができない状況です。
 耐震化を促進するため、マンション規模に応じた助成基準に改め、1戸当たり100万円に引き上げるよう求めます。伺います。
 実態調査では「防災マニュアル」を作成していないマンションが全体の半数を超えていることがわかりました。また、災害協力隊については、「マンションとして結成しておらず、地域の災害協力隊にも加入していない」との回答が最多となっています。
 災害協力隊が結成されていないとバールや担架等の救助用資機材が江東区から貸与されません。さらに、災害時要支援者の安否確認や負傷者の救助等が大幅に遅れ住民の命に関わります。
 区は「高層住宅震災対応マニュアル作成の手引き」をHPに掲載し啓発していますが、未策定のマンションへの配布や、職員による出張説明会を実施するなど、防災マニュアルの整備を支援するとともに、災害協力隊の結成を働きかけていくべきです。区の見解を伺い、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

~~~~~~~~~~【答弁】~~~~~~~~~~~

 赤羽目民雄議員のご質問にお答えします。
 マンション対策についてであります。
 本区は、令和4年3月に改定した住宅マスタープランに基づき、マンションをはじめとした住宅について、総合的に施策を展開しているところであります。
 そこでまず、マンションの維持・管理についてのうち、アドバイザー派遣事業などについてであります。
 マンションアドバイザー派遣については、マンションの維持・管理・長期修繕計画等についての講座のほか、修繕計画の作成や修繕積立金の設定など、個別具体的な相談にも応じており、マンションの適切な管理運営に寄与していると考えております。
 また、長期修繕計画のない分譲の高経年マンションに対しては、管理組合からの要請の有無を問わず、マンション管理士を個別訪問させ、長期修繕計画の必要性や作成に向けた手順を助言するとともに、利用可能な助成制度も案内しながら計画の作成を促しているところであります。
 次に、マンション計画修繕調査支援事業は、一般的に12年周期で大規模修繕工事が実施されていることを目安として、助成要件を10年以上の間隔としたものであります。国のガイドラインに示された5年サイクルは、大規模修繕工事の中間の時期に行う目視等による簡易な調査も想定したものであるため、本事業については、現在の年次要件で引き続き助成してまいります。
 次に、安全・快適な住まいについてであります。
 まず、バリアフリー化工事費への助成につきましては、本区では不特定多数が利用する商業施設や医療施設などを対象としたやさしいまちづくり施設整備助成を実施しております。
 一方で、マンション共用部分については、住居機能の一部であって特定の方のみが使用することから、直接的なバリアフリー化助成は現在行っておりませんが、マンション共用部分リフォーム支援事業として融資に係る債務保証料の補助を実施しているところであります。同補助は、東京都の利子補助とともに活用できるよう、今年度より充実を図ったものであり、居住者の負担軽減と共用部分のバリアフリー化にも資するものと考えております。
 次に、一時駐車場の増設等についてですが、宅配や介護サービスの車両が増加している状況から、一時駐車スペースは区としても必要と認識しており、現在新たなマンション建設方針を策定する中で、規定の拡充について検討しているところであります。
 次に、マンション防災についてのうち、耐震改修助成についてですが、耐震化は住戸単位で計画するものではなく、建物の構造体ごとに計算、解析し実施されることから、建築物を対象として助成を行っております。また、助成の実績をみると、一戸あたりに換算した場合の負担額には大きなバラツキがあることから、現段階では算定方法を見直す考えはありません。
 次に、防災マニュアルの作成支援、災害協力隊結成の働きかけについてですが、マンションの防災対策においては、あらかじめ平時及び災害時の対策をマニュアルとして定めておくことが重要であると認識しております。現在改定作業中の区地域防災計画におけるマンション防災の検討を踏まえ、「高層住宅震災対応マニュアル作成の手引き」を見直し、機会を捉えてマニュアルの整備や災害協力隊の結成について働き掛けてまいります。
 なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。

 次に、介護保険制度についてのご質問にお答えいたします。
 現在、国の社会保障審議会において、次期介護保険事業計画の改定に向けた議論が行われているところであり、その中で、給付と負担のあり方が大きなテーマとなっております。本区としても、今後の介護保険制度を持続可能な制度にしていくためには避けては通れない課題であると認識しております。
 このため、お尋ねの次期介護保険事業計画改定の撤回及び検討の中止を国に求める考えはありませんが、全国市長会を通じて、制度改正に当たっては都市自治体をはじめ関係者の意見を十分踏まえるよう提言を行っております。
 次に、介護人材の確保のうち、介護職員の処遇改善については、国はこれまで着実に行ってきたものと認識しており、引き続き全国市長会を通じて介護職員全体の賃金水準の底上げを行うこと等の要望を行ってまいります。
 次に、東京都の宿舎借り上げ支援事業の活用等についてですが、本区では、現在、地域防災計画の見直しに合わせて、災害協定の締結や福祉避難所のあり方等について検討を進めているところです。このため、ご指摘の災害時の事業者の活用についても検討中となっておりますが、今般の事業対象拡大により、災害時対応要件のない事業者に対しても、新たに、借り上げ費の二分の一が助成されることとなりました。こうした対象拡大についても、現在、都において、対象事業者へのリーフレットの送付や、説明会の開催等により、きめ細かく周知を図っているところです。
 なお、介護人材の確保については引き続き、福祉のしごと 相談・面接会や介護の日本語教室等の実施を通じて、積極的に取り組んでまいります。
 次に、特別養護老人ホームの増設についてのうち、整備計画の前倒しについてですが、これまでも、移転改築による定員増や、都有地における整備計画に取り組んでまいりました。今後も区長期計画に基づき、着実に整備を進めてまいります。
 また、区有地・都有地を活用してさらに増設すべきとのお尋ねですが、ご指摘の旧第三大島中学校の跡地利用については、将来の行政需要や地域の意向を踏まえた検討が必要と考えており、都有地については、引き続き、都と協議を行いながら用地確保に努めてまいります。
 次に、特別障害者手当の周知についてですが、特別障害者手当は国の制度であるため、本区では、国の周知内容を基本に、対象者を障害者に限定することなく、周知しているところであり、今後も個別の対応は行ってまいります。
 次に、リフト付き福祉タクシー事業の拡充についてですが、利用の際には事前の予約が必要なため、急な対応は難しい一方、希望する日時には概ね利用できているものと認識しております。
 また、タクシー乗降時の介助は乗務員が行うこととなっているほか、移動中の介助が必要な場合は、ヘルパーに同乗してもらうなど、介護サービスや障害福祉サービスにおいて対応が図られているものと考えており、現時点で増車やタクシーの利用助成を行う考えはありません。

 次に、国民健康保険制度についてであります。まず、国民健康保険料についてです。
 保険料値上が区民の暮らしに影響を与えていることについてですが、国民健康保険は、高齢者や低所得者等の加入者が多く、こうした方々の所得に対し、保険料の負担割合が高いという現状は認識しております。しかし、保険料を財源としている本制度において、受益と負担の観点から、現状の医療費等に対応する保険料となることは避けがたいものであります。そのため特別区長会からは、低所得者層に対するより一層の保険料負担軽減について、国や都に強く要望しているところです。
 次に、国保会計への一般会計からの繰り入れについてです。法定外繰り入れにつきましては、国保財政の健全化・安定化における課題であり、国からもその解消について強く求められていることから、区といたしましても、令和6年度の解消に向け、引き続き縮減に努めてまいります。一方で、保険料負担の軽減については、医療費の適正化事業や保健事業のさらなる充実を図ってまいります。
 次に、こどもの均等割負担の軽減についてです。未就学児の均等割の廃止等について国へ求めるべきとのことですが、区長会では、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、これまでもこどもに係る均等割保険料の軽減措置をはじめとした制度の見直しについて、国に要望してまいりました。本年4月より、未就学児の均等割軽減が開始されたことは、長年要望を続けてきた成果であると認識しております。なお、区長会では引き続き対象年齢や軽減割合の拡大など、軽減措置の強化を図るよう既に国に要望していることから、区として要望をする考えはありません。また、均等割については、制度全体の課題であり、区独自で軽減策を実施する予定はありません。
 次に、公費投入を国に求め、来年度保険料は値上げをしないことについてですが、そもそもの構造的課題の解決については、区長会より国に要望しているところであり、区から改めて公費投入の増額について要求する考えはありません。
 また、来年度の保険料につきましては、現在適切な額になるよう検討中であります。
 次に、滞納差押えについてです。強権的な差押えを中止するよう求めるとのことですが、差押えは、納期内納付者の方々との公平・公正の観点から行なっているところです。なお、「年金や給与が入金された口座を差押えている」というご指摘についてですが、本区では、滞納者が生活困窮に陥らないよう、生活状況や財産の保有状況を見極めた上で差押えを行っており、年金や給与が入金された預金口座を全額差押えすることはしておりません。また徴収の際には、分割納付の相談や、保険料の減額免除など、生活状況等に十分配慮し、丁寧な対応を行っております。
 次に、保険証とマイナンバーカードの一体化についてです。保険証廃止の撤回を国に求めるべきとのことですが、一体化については解決すべき課題がある一方で、様々なメリットも示されているところであります。区として保険証廃止の撤回を国に求める考えはありませんが、今後も国の動向については、十分注視してまいります。

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区議団ニュース2022年11月号

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榎本雄一議員に対する議員勧告決議、第3回定例会本会議に上程せず

詳しくは日本共産党区議団ニュース速報をお読みください。

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2022年第3回定例会―大つきかおり議員

 区議会議員の大嵩崎かおりです。日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点について伺います。

  1. 2021年度決算と区民のくらしについて
  2. 行財政運営について
  3. 教育について

 はじめに、2021年度決算と区民のくらしについてうかがいます。
 江東区の21年度一般会計決算は、109億円の黒字となりました。基金は前年の決算時点と比べ115億円増え、総額1712億円にも膨らんでいます。
 21年度に区は、オストメイト用装具等購入費助成事業の廃止、国民健康保険料、介護保険料の値上げ、保育園給食調理業務や児童館、きっずクラブなどの民間委託による職員の削減を行いました。
 コロナ禍で区民生活を支援しなければならないときに、福祉の切り捨て、負担増、職員の削減は行うべきではなく、財政上も必要なかったのではないですか。見解を伺います。

 また21年度は、コロナ対策のために9回、総額288億円の補正予算が編成されましたが、その財源の内訳は、国や都などから256億円で、区の一般財源は32億円に過ぎません。
 中小業者への家賃補助や高齢者・障害者施設などへの支援金の再度の支給、国の子育て世帯や生活困窮世帯への給付金支給の対象外となった世帯への給付など、独自施策を実施できたのではないでしょうか。伺います。

 区は、令和3年度から5年度に160億円の財源不足となることを理由に、橋梁の架け替えや大規模改修を長期計画の後期に先送りしました。
 わたしたち共産党は、「早期に措置を講ずべき状態」であるとされている橋梁の架け替えの先送りは、災害の際の区民の命に関わるとして、当初から先送りすべきでないと指摘してきました。
 先送りした事業は元に戻すべきではないですか。伺います。

 次に、区民の暮らしと営業を守る施策について伺います。
 新型コロナ感染第7波のもと、再び、PCR検査も入院もできない事態となりました。区のコールセンターもつながらず、保健相談所の電話も鳴り止まず、業務にも支障が出ました。
 熱性痙攣を起こした0歳児の入院先が見つからず搬送が遅れ、後遺症が残る状態になったり、90代の方が、点滴だけで返され、翌日自宅で亡くなるなど区民の命が守れない状況となりました。
 区は、民間の医療機関の検査体制が充実してきたことを理由に、6月末でPCR検査センターの運営を中止しましたが、この判断は誤りだったと思います。
 民間医療機関での検査ができなくなる状況の中、区のPCR検査センターは継続すべきだったのではないですか。伺います。
 また、今後の感染拡大に備え機動性のない民間委託ではなく、従前のように医師会と協力をしてPCR検査センターを運営すべきではないですか。あわせて伺います。

 保健所による積極的疫学調査が大幅に縮小され、保育施設でも、5人以上のクラスターでない限り濃厚接触者の追跡調査が行われておらず、保育士からは不安の声が寄せられています。また、クラスターとなった際の濃厚接触者の判断は施設長に任されており、「精神的に負担」だとの声が寄せられています。
 保健所の人員体制を拡充し、きちんと疫学調査を実行い、安心して保育ができる環境を作るべきです。見解を伺います。

 障害者施設の運営も引き続き大変です。1日単位の利用料のため利用者が感染したり、濃厚接触者などになり休めば、即減収となります。
 加えて、水光熱費の高騰やガソリン価格の高騰の影響が深刻です。給食づくりを行う作業所では5月の水光熱費が昨年と比べて8万円も増えています。また送迎を実施している施設ではガソリン代が月3万円も増えています。
 コロナの影響による減収や原油価格・物価高騰などへの支援を行うべきだと思いますが、見解を伺います。

 区内事業者へのさらなる支援も急務です。
 最長3年間、実質無利子・無担保で借りられるコロナ融資、いわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が今後本格的に始まりますが、長引くコロナ禍と物価高騰で、返済に窮し、倒産・廃業に追い込まれる中小業者が急増することが強く危惧されます。
 区として金融機関と協議し、返済猶予期間の延長、利子補助の拡充など、廃業しないための支援を行うべきではないですか。またコロナ感染症対策融資の申請期間の更なる延長を行うべきだと思いますが、伺います。

 区は第2回定例議会では、原油価格・物価高騰対策として、公衆浴場への補助を拡充しましたが、影響を受けているのは公衆浴場だけではありません。
 区内のすべての中小業者を対象に、水光熱費、家賃、リース料など固定費への補助など、原油価格・物価高騰への支援を行うべきではないですか、伺います。

 大綱2点目は、行財政運営についてです。
 まず、入札不正問題について伺います。
 自民党会派に所属していた榎本雄一議員が、教育センターの清掃・管理業務の入札をめぐり、区幹部職員に情報を漏らすよう働きかけた見返りに、落札業者から現金30万円を受け取ったとして、あっせん収賄容疑で逮捕・起訴されました。
 政策の決定および行財政運営の監視という役割を果たすべき議員が、立場を利用し不正を行うなど許されません。議会に対する区民の信頼を失墜させるもので、社会的・道義的責任は免れません。
 日本共産党区議団は、「榎本雄一区議会議員の辞職勧告決議」を提案しましたが、速やかに議決すること、また議会として設置した「汚職防止対策等検討会」は、区民に公開し、公の場で真相究明と政治倫理条例の制定など再発防止に取り組み、議会に対する区民の信頼回復に努めることを各会派に呼びかけます。

 江東区は、事件を受けて「再発防止対策検討委員会」を設置しましたが、メンバーは、区職員だけです。
 透明性、信頼性を高めるためにも、外部有識者を入れて真相究明と再発防止に取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。
 さらに、今回不正が行われたとされる教育センターの管理業務については入札のやり直しが必要だと思いますが、見解を伺います。

 次に、プロポーザル方式による随意契約について伺います。
 地方自治法では、地方自治体の契約は競争入札によることを原則としており、随意契約は、例外的な契約方法です。しかしながら近年は、プロポーザル方式による随意契約が増加しています。
 プロポーザル方式は、複数の業者からの提案を審査し、最も優れたものと契約を行うものですが、平成28年の包括外部監査では、規定がないことや選定委員が区職員のみであることから、契約したいと思う業者があった場合、根回しが可能であると指摘されました。
 区は、平成30年にマニュアルを策定し、選定委員に「部外の区職員を加える」としたものの、監査で指摘された学識経験者など外部委員については「重要度、内容によって」選定するにとどまっています。
 客観性、透明性を最大限確保し区民から疑念を持たれることがないようにするためにも、選定委員への外部委員の選任を義務付けるべきではないですか。また所管任せとなっていると議事録の作成についても義務付けるべきだと考えますが、あわせて伺います。

 次に、地下鉄8号線の延伸について伺います。
 地下鉄8号線の延伸による南北方向の不便解消は、長年にわたる住民の願いであり、私たち共産党区議団も要望してきたものです。
 区は、中間新駅の設置を要望してきたことを理由に、都との協議で、地下鉄8号線建設基金から94億円を補助すること約束しました。しかし、鉄道など広域の公共交通網の整備は、国と東京都の仕事です。
 区が建設費の負担をしなければならない法的根拠はどこにあるのですか。94億円もの多額の補助は止めるべきです。見解を伺います。

 区は、94億円は補助対象事業費2341億円の4%に当たるとし、事業の進捗に合わせ、毎年4%を補助するとしています。
 今後、資材高騰や土壌汚染、埋設物処理などで建設費が膨らめば、区の負担は94億円では済まなくなるのではないですか。都とどのような約束になっているのか伺います。

 今回区は、地下鉄8号線建設基金を沿線のまちづくりにも活用するため、設置目的を変更し、さらなる基金の積み増しを行おうとしています。しかし、沿線まちづくりといってもその内容も必要額も定かではありません。
 区民の暮らしが大変なときに、際限のない基金の積み立てはやめるべきです。見解をうかがいます。

 大綱3点目は、教育についてです。
 東京都教育委員会は、来年の都立高校の入試から英語スピーキングテストを導入しようとしていますが、あまりに問題が多く、保護者や教育関係者から導入に反対の声が上がっています。
 スピーキングテストは、11月27日、都内の全公立中学3年生8万人を対象に一斉に実施されます。テストは(株)ベネッセコーポレーションが問題の作成から、採点まで実施し、採点実務はフィリピンで現地スタッフが行います。
 スピーングテストは採点者によってブレが生じるため、慎重な対応が必要ですが、都教委は、採点を行う組織や採点者の人数、採点方法などの情報を非公表としています。
 これでは公平で正確な採点が行われたのかどうか、検証できないのではないですか。区教委の見解を伺います。

 スピーキングテストの結果は、6段階20点満点で換算し内申点に加算します。5教科の内申点は、一教科23点なのに、英語だけスピーキングテストが加わり43点なります。
 これではスピーングテストに偏りすぎているのではありませんか。うかがいます。

 国立、私立、他道府県在籍者などスピーキングテストを受けなかった不受験者については、筆記試験の点数が同じ受験生10人のスピーキングテストの平均点を当てはめるとしています。
 しかし、他人のテストの結果をあてはめるなど、そもそも入学試験として成り立たないのではないですか。伺います。

 ベネッセはスピーキングテストにそっくりなスピーキング教材を販売し、都内9自治体が公費で購入し使用しています。江東区は使用していません。こうした教材や塾などで経験を積んだ方が有利になる可能性があります。
 居住地域や親の経済格差が得点の格差になるのではないですか。見解を伺います。

 入試は子どもたちの将来をも左右するものです。あまりに問題のある英語スピーキングテストの入試への活用はやめるべきです。
都教委に中止を求めるべきだと思いますが、見解を伺います。

 つぎに、学校給食の無償化について、伺います。
 学校給食費の無償化が全国に広がっています。来年度は、葛飾区が23区で初めて小中学校の給食費の完全無償化を実施します。
 江東区の小学校の給食費は低学年で1ヶ月4140円、中学年で4850円、高学年で5550円、中学校は5890円を保護者が負担しています。中学生が2人いる世帯では、毎月の給食費だけでも1万円を超え、保護者にとっては重い負担となっています。
 江東区は無償化について、国や他自治体の動向を注視すると答弁していますが、文部科学省は、自治体の判断で全額補助も可能だとしています。
 物価高騰で、子育て世帯の暮らしは大変です。教育費の負担を軽減するため、学校給食費の無償化に足を踏み出すべきではないですか。伺います。
 また、9月以降も食料品の値上げが相次ぐ中、学校給食食材費の物価高騰分の補助の拡充が必要だと思いますが、伺います。

 次に、校則の見直しについて伺います。
 国の生徒指導に関する基本文書「生徒指導提要」が12年ぶりに改訂されます。改訂では、子どもの権利条約と子どもの意見表明権などがはじめて明記され、生徒の下着の色や髪型を指定して点検する人権侵害とも言える校則や指導の見直し、児童生徒の性の多様性を踏まえた指導の方向性などの記述が充実されることになりました。
 文部科学省はすでに昨年6月、児童生徒の実情や保護者の考え方などを踏まえ、校則を絶えず積極的に見直すよう求める通知を出しています。
 江東区では校則の見直しについて、どのような取り組みをおこなってきたのか、伺います。

 改訂指導提要では、校則について「制定の際の少数意見の尊重」「理由を説明できない校則は本当に必要か絶えず見直す」「子どもや保護者の意見聴取」「見直し手続きの公開」などに言及しています。
 墨田区では令和3年度に「校則の見直しについてのガイドライン」を策定し、見直しの目的やあり方、取り組み方法、見直すべき内容の事例などを示しています。
 江東区でも改訂内容を反映したガイドラインを策定し、公開するとともに、おかしいと思ったら校則は変えられるということを生徒にも周知すべきだと思いますが、伺います。

~~~~~~~~【答弁】~~~~~~~~~

 大嵩崎かおり議員のご質問にお答えします。はじめに、2021年度決算と区民の暮らしについてのお尋ねであります。
 まず、2021年度決算についてのうち、区民負担の増加や職員削減についてですが、事業の見直しや各種保険料については、費用対効果の観点や、制度の安定的な運用のため、必要な見直しであると認識しております。なお、保険料については、新型コロナウイルス感染症による影響を鑑み、必要に応じた軽減措置を既に講じております。職員削減については、健全な行政運営の維持のために定員適正化計画を策定し、必要な職員数を維持しつつ、積極的な民間活力の導入等を図っております。3年度においては、逼迫する保健所業務を増員した一方、技能系職員の退職不補充や指定管理施設の導入により総数で減員となったものであり、今後とも、適正な職員規模を見定めつつ、効率的な行政運営を図ってまいります。
 また、区独自のコロナ対策として暮らしの支援の実施に関してのお尋ねですが、3年度も、区独自の支援策については財政調整基金を活用し、スピード感を持って、「区民生活」「区内事業者」「医療機関・従事者」の3つを支える取組みによる対策を講じて、区民の安全・安心を守ることができたと認識しております。
 さらに、主要事業の再計画化についてですが、2年度以降の歳入状況に懸念していた程の影響が見られなかったことから、3年度予算編成において先送り等を行った主要事業については、5年度以降、順次再計画化を行う考えであります。
 次に、区民の暮らしと営業を守る施策についてです。
 まず、PCR検査センターについてですが、区では、感染症法に基づき、確定患者の濃厚接触者の検査を行ってまいりました。濃厚接触者の検査については、検査診療医療機関の受診以外にも、抗原キットの利用などの方法があり、区のPCRセンター休止の判断に問題は無かったものと考えております。
 今後は、インターネット等でも抗原キットの販売がされることから、PCRセンターを再開する考えはありません。
 また、疫学調査についてですが、保育児童については、今後の全数把握見直し後の届出対象となっておりませんが、保育所等においては、厚生労働省及び東京都からの通知に基づき対応しているところであり、現時点で、変更は考えておりません。
 さらに、障害福祉サービス事業所に対する物価高騰への緊急支援についてですが、事業者や障害者団体からの要望も踏まえ、物価高騰下における安定的なサービス継続のため、運営費の緊急的な支援策を補正予算で対応しております。
 加えて、区の新型コロナ融資制度の返済猶予期間についてですが、現時点では返済期間の延長等を行う考えはありません。
 また、本融資の申込期限は、国のセーフティーネット認定指定期間と連動しており、国の動向を注視してまいります。
 なお、原油高などの影響を受けている事業者への固定費の補助についてですが、区では、新たに原油価格などの高騰に対応する融資制度を創設しており、広範囲の業種を対象とした統一的な支援は、国や都において行われるべきであると考えております。
なお、その他のご質問につきましては、教育長並びに所管部長から答弁いたさせます。

 次に、行財政運営についてのご質問にお答えします。
 まず、入札不正問題についてのお尋ねであります。契約にかかる不正行為等防止検討委員会の委員は、検討課題を所管する区職員で構成していますが、抽出した課題や防止策の方向性には、弁護士や公認会計士など、外部有識者の意見をいただくことを予定しており、第三者の意見も反映された不正防止策となるよう、検討を進めていく考えであります。
 なお、将来に向けて、不正が起こることのないよう、防止策を検討することが委員会の設置趣旨であり、真相究明は、別途内部調査を行っているところです。
 また、逮捕・起訴された事業者に対しては、8月1日から24か月間の指名停止措置を決定しましたが、その効果は、履行中の契約にまで遡るものではありません。契約条項において、贈賄等の刑が確定した場合には、契約を解除できるとの規定はありますが、今後の裁判の経過を注視するとともに、弁護士等の専門家にも相談を行うなど、該当する契約の取扱いについては、慎重かつ適切に判断を行ってまいります。
 次に、プロポーザル方式による随意契約についてでありますが、包括外部監査の意見を受け、平成30年7月に「プロポーザル方式事務マニュアル」を策定し、遵守すべき基本事項と事務手続き等の標準例を示し、透明性・公平性の確保に努めたところです。
 選定委員会の委員については、業務の内容や重要度に応じて、外部委員を加えることとしていますが、実際に関係団体の代表等を選任する例があるなど、適切に運用が図られているものと認識しており、すべての案件において外部委員を加えるよう義務づける考えはありません。
 また、会議の記録については、議案や議事など、必要な事項を記録することが文書管理規則に規定されており、職員に毎年配付する「基本事務マニュアル」にも掲載し、周知を図っております。
 次に、地下鉄8号線の延伸についてであります。
 まず、本路線の整備費に対して、区が負担する法的根拠についてであります。
 8号線整備で活用する地下鉄補助は、国と地方公共団体が協調して補助を行う制度で、整備路線の性格を踏まえ、必要に応じて区市町村を含む地方公共団体間で負担を調整するものになります。
 また、多額の補助はやめるべきとのお尋ねですが、二つの中間新駅整備を含む本事業を計画どおりに進めるためには、必要な補助であると考えております。
 次に、事業費が膨らんだ場合の区の負担額についてです。区の負担額に上限の設定はなく、中間新駅整備に要した費用の20%を負担することとしておりますが、事業費の動向については十分に注視してまいります。
 次に、基金への更なる積み増しはやめるべきとのお尋ねですが、整備効果を区の発展に最大限結びつけるために、沿線のまちづくりは不可欠であり、その財源を確保するために必要な積み立てについては、引き続き行ってまいります。

 次に、教育についてお答えします。
 はじめに、都立高校入試への英語スピーキングテストの導入についてであります。
 まず、公平で正確な採点については、都教委は、高度な専門性を有する採点者が複数で採点することで公平性・公正性が保たれると説明しております。
 次に、内申点における英語の比重が高くなることについては、都教委が、「使える英語力」の育成を目指し、英語を重視した結果と捉えております。
 次に、不受験者の点数の算出方法については、やむを得ず受験ができなかった生徒が不利にならないための取扱いであると認識しております。
 次に、居住地や経済格差にかかる影響についてですが、問題形式・出題内容は都教委が独自に決定しており、事業者の教材とは、異なるものであると認識しております。また、学校の授業等において十分に身に付く内容で、塾等での学習や経験が有利になることはないと都教委は説明しております。また、入試へのスピーキングテスト導入中止を求めることについては、現段階で考えておりません。
 次に、学校給食の無償化についてであります。区としても無償化を行う自治体が出てきていることは認識しております。新型コロナウイルス対応として時限を定めた緊急措置と位置付け、来年度の実施を別途検討するとしている自治体もあるなど、実施方法は様々であり、引き続き注視してまいります。学校給食法では給食にかかる経費の負担区分を定めており、施設や設備等は学校設置者の負担、それ以外の材料費や光熱水費は原則として保護者負担としているところであります。また、区では保護者負担の軽減については就学援助制度の中で、別途認定基準を設けており、ひとり親世帯や障害者のいる世帯等の状況に応じた柔軟な対応を図っているところであるため、現時点では無償化を行う考えはございません。
 また、さらなる補助の拡充については、1号及び2号補正予算において緊急支援を実施しており、一定の質を確保した給食の提供ができているため、現時点では、さらなる拡充は考えておりません。
 次に、校則の見直しについてであります。
 まず、校則の見直しにおける本区の取組についてです。
 本区においても、これまで学校の決まり、いわゆる校則について、児童・生徒が主体となってより良い学校づくりができるよう改めて見直しを校長会等で依頼してきました。また、見直した校則については、各学校のホームページに公開することとしております。
 今年度4月にも、見直しについて通知し、「児童・生徒が主体となって、毎年校則の見直しを図ること」や「人権上や社会通念上、適切で合理的なものか、設定の意義を適切に説明できる内容であるか」を確認するよう、伝えております。
 次に、校則の見直しについて、ガイドラインを作成し、児童・生徒に周知を図ることについては、既に学校で校則の見直しが行われていることから、現時点では考えておりませんが、今後も児童・生徒が主体的に関わり、適切に校則が運用されるよう努めてまいります。

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榎本雄一区議のあっせん収賄容疑に関する申し入れ

江東区長 山﨑孝明 殿

2022年8月1日
日本共産党江東区議団

 7月30日、榎本雄一区議(当時議長)が、区の清掃業務の入札を巡り、区幹部職員に情報を漏らすように働きかけた見返りに現金30万円を業者から受け取ったとして、あっせん収賄の疑いで警視庁に逮捕されました。
 自らの利益のために、区民の代表たる議員の立場を利用し、不正に入札情報を得るなど区民を裏切る重大な犯罪行為です。
 現職議員が逮捕されるという極めて異常な事態は、区政に対する区民の信頼を著しく失墜させるもので、断じて許されません。榎本雄一議員は、ただちに議員辞職をすべきです。
 区は、行政側の事件の関与や、他の入札で同様の不正行為が行われていないかどうかを調査し、公表すること。また、不正に関わった業者を指名停止すること。さらに、不正防止策の強化に早急に取り組むことを強く求めます。

江東区議会議長 山本香代子 殿

2022年8月1日
日本共産党江東区議団

 7月30日、榎本雄一区議(当時議長)が、区の清掃業務の入札を巡り、区幹部職員に情報を漏らすように働きかけた見返りに現金30万円を業者から受け取ったとして、あっせん収賄の疑いで警視庁に逮捕されました。
 自らの利益のために、区民の代表たる議員の立場を利用し、不正に入札情報を得るなど区民を裏切る重大な犯罪行為です。
 現職議員が逮捕されるという極めて異常な事態は、江東区議会に対する区民の信頼を著しく失墜させるもので、断じて許されません。榎本雄一議員は、ただちに議員辞職をすべきです。
 区議会は、捜査機関任せにせず、自ら疑惑の真相解明を行うとともに、再発防止と議員の綱紀粛正に取り組むことを強く求めます。

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