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2024年第2回定例会―大つきかおり議員

日本共産党江東区議団を代表し、大綱4点について質問を行います。区長並びに関係理事者の答弁を求めます。

  1. 区民の暮らしと営業を守る施策について
  2. 防災・まちづくりについて
  3. ジェンダー平等と人権対策について
  4. 教育問題について

 大綱の第1は、区民の暮らしと営業を守る施策についてです。
 食料品や燃料代など物価高騰が続く中で、政府の電気・ガス代補助終了による再値上げが見込まれています。一方、働く人の実質賃金は25か月連続低下、高齢者の年金も実質減となり、区民からは、これでは暮らしていけない、と悲鳴の声が上がっています。
 また、インボイス実施による消費税増税とコロナ禍以降続く景気低迷の中での物価高騰で、区内でも、消費税が払えず塗装業を廃業した、赤字が続き中華店を閉めた、など、廃業・閉店が相次いでいます。区民の暮らしと中小業者の現状について、区はどのように認識をしているのか伺います。
 全国で5番目の基金を持つ本区が、基礎的自治体として区民の暮らしを守る役割を果たすことが求められています。
 初めに、区内中小業者への支援強化です。
 景況調査でも、小売・製造業などで売上げ・収益の減少が続いています。区は、日本共産党区議団が提案してきた全事業者を対象とした水道光熱費・燃料代の補助を6月から開始しましたが、店舗等への家賃助成についても、再実施と助成の継続化を図るべきではないでしょうか。
 また、区内事業者の仕事確保と地域経済活性化に役立つ住宅リフォームや店舗改修への助成制度の創設を求めます。
 現在、区が実施しているホームページ新規開設の補助は、費用の2分の1、上限10万円ですが、新宿区では上限が30万円で、更新時にも補助しています。本区でも上限額を引き上げ、更新も対象とすべきです。
 公共サービスの質の確保と労働者の処遇改善を図る公契約条例が23区でも広がり、現在13区で制定されています。下請事業者からは、労働者の賃金も上がった、安心して仕事ができ経営が安定した、など、下請事業者の健全育成や若者への技能継承につながっています。本区でも公契約条例を制定すべきではないですか、伺います。
 次に、若者の生活支援についてです。
 学生の約半数が奨学金を受給し、そのうちの3人に1人は貸与型で、平均310万円の借金を抱えて卒業、就職となります。物価高騰と低賃金の中、区内のワンルームのアパートでも月8万円前後の家賃と奨学金返済で生活が苦しく、家賃補助を求める声が上がっています。区として、若者への家賃補助を行うことを求めます。
 高齢者の生活支援を求める声も切実です。UR賃貸住宅の大島六丁目団地で行った生活アンケート調査では、高齢者のひとり暮らしが4割以上に増加し、家賃負担が「大変重い」、「重い」と答えた世帯が9割以上です。区として高齢者への家賃補助を行うべきです。併せて伺います。
 今年の夏も猛暑が予想されています。昨年、区内の熱中症救急搬送は323件で、その半数近くが高齢者です。23区で亡くなった人の約3割がエアコン未設置世帯です。熱中症予防対策として、エアコン未設置の低所得高齢者世帯にエアコン設置助成を行うべきです。また、設置工事については、区内業者に発注することを求めます。伺います。
 次に、子育て支援についてです。
 出産後1か月前後に産後鬱の発症が多いなど、早期に産婦の心身の状況を把握し、支援を行う上で、産婦健診は妊婦健診と同様に重要です。都に早期実施を求めるとともに、区独自に実施すべきではないでしょうか、伺います。
 行政と地域が協働し、社会全体で子育て家庭を支える地域の子育て機能の強化が求められています。杉並区では、未就学児のいる家庭に子育て応援券を発行し、一時保育や家事代行、こどものインフルエンザ予防接種など、地域の医療機関や事業者・団体等が行う1,200以上の有料子育てサービスに利用されています。
 経済的負担の軽減だけでなく、子育て家庭と事業者とのつながりを育み、地域の子育て機能を高める子育て応援券を江東区でも発行すべきではないでしょうか、伺います。

 大綱の第2は、防災・まちづくりについてです。
 30年以内に70%の確率でマグニチュード7規模の大地震が発生すると予想される首都直下地震や、激甚化する風水害から区民の命と財産を守るために、防災対策の一層の強化が求められます。
 まず、マンションの耐震化についてです。
 本区における首都直下地震等の被害想定では、最大死者401名、最大建物被害9,700棟と、甚大な被害が想定されています。東京都は、旧耐震基準マンションのうち、地震で倒壊危険のあるピロティ階を補強するため、管理組合を対象に設計・工事費用の半額を補助しています。区は、部分的な耐震化では街全体の安全が守られない、として否定的ですが、何よりも人命を優先し、ピロティ階に対する耐震補強の促進を図るべきです。伺います。
 江東区耐震改修計画では、耐震化助成について、現状の取組状況を踏まえ、見直しを行うとしています。現下の物価高騰で、耐震化工事費の上昇が耐震改修の大きなネックとなっています。マンション耐震化への診断・設計・工事費に対する助成額の拡充を求めますが、伺います。
 次に、浸水対応型まちづくりビジョンについてです。
 区は、大規模開発や団地の建て替え時に、建物をデッキでつなぐなどの浸水対応型まちづくりを進めるとしています。しかし、これは防災を理由に東京一極集中をさらに加速させ、結果的には都市機能を脆弱にするものです。また、莫大な費用と長い年月がかかります。浸水を前提にした大型開発中心のまちづくりではなく、実施可能な耐越水堤防の強化や液状化対策の強化・促進を図っていくべきです。伺います。
 水害時の広域避難等について伺います。
 地域防災計画では、大規模水害時の広域避難先として、東京ビッグサイトをはじめ、都内24か所の施設と利用協定を結んでいます。しかし、江東区民はどの施設に避難すればよいのか決まっていません。避難マニュアルの作成が必要だと考えますが、見解を伺います。
 区は、大型商業施設など、区内企業と協定を締結し、水害時の一時避難施設として指定しています。しかし、一時避難施設の使用は、営業時間内に発災したときに限られています。駐車場使用や夜間・休日の場合など、協定内容の見直しが必要だと思いますが、伺います。
 次に、交通対策について伺います。
 移動支援が必要な高齢者や子育て世帯等に対し、最寄りのバス停までの移動や買物、通院など、日常生活を支えるきめ細かな公共交通の整備が求められています。
 私たち区議団は、昨年、宮崎市で運行している定員9名、時速20キロ未満で市街地を走る小型の電気自動車を視察しました。同市では、移動手段だけでなく、こども向けイベントを定期的に実施するなど、民間と連携したまちのシンボルとして運行しています。
 予約制乗り合いワゴンなど、きめ細かな移動支援とともに、コミュニティ活性化支援として、区内全域を視野に入れたコミュニティバス導入など検討すべきだと考えますが、伺います。
 本区臨海部のまちづくりについて伺います。
 東京都は、本区臨海部の青海地区をIRカジノの最有力候補地として調査してきました。現在も毎年調査費を予算に計上しています。本区は、長期基本計画で、臨海部のまちづくりを重点プロジェクトに位置づけ、MICE等の誘致を掲げています。
 小池都知事は、IRは、MICE施設、宿泊施設、カジノ施設などで構成されている、と認めていますが、本区が掲げるMICE等誘致にはカジノも含まれるのか、大久保区長の認識を伺います。
 カジノは、人の不幸の上に成り立つ商売です。ギャンブル依存症による本人や家族の苦しみ、治安の悪化、こどもへの悪影響を及ぼすものです。東京都が本区臨海部へのカジノ誘致の動きがあった場合、毅然と反対を表明すべきだと思いますが、伺います。

 大綱の第3は、ジェンダー平等と人権対策についてです。
 NHKの朝の連続テレビドラマ「虎に翼」が話題になっています。日本で初の女性弁護士になった主人公はお祝いの席で、「私たちは怒っています」、「生い立ちや信念や格好で切り捨てられたりせず、男か女かでふるいにかけられない社会を望みます」、「一緒に変えませんか」と呼びかけました。今の日本の社会にも突き刺さる言葉です。女たちの苦しみ、悲しみ、怒り、そして権利を求める戦いの末に、男女平等の憲法がつくられ、男女雇用機会均等法が制定されました。
 しかし、いまだに女性の平均賃金は男性の7割、非正規雇用は圧倒的多数が女性、長時間労働、単身赴任など、結果として女性が管理職から排除されています。
 選択的夫婦別姓制度の法制化を経団連も要求し、札幌高等裁判所では、同性婚を認めないのは婚姻の自由に反すると違憲判決が出され、パートナーシップ制度は全国456自治体にまで広がっています。しかし、政府は選択的夫婦別姓も同性婚も認めようとせず、戦前同様の家父長主義的家族観を押しつけようとする人たちがいます。区長は、日本のジェンダー不平等の現状についてどのような認識をお持ちか、伺います。
 江東区の管理職、審議会等における女性比率について伺います。
 区の女性管理職の割合は、目標の25%に対し現状は16%、審議会等の女性の割合は、40%の目標に対し31%で、いずれも目標には程遠い状況になっています。あらゆるレベルにおいて女性の参画が進むことは、社会経済の変化に対応できる豊かで活力のある持続可能な社会を実現する上で重要です。いつまでに目標を達成するのか、年度ごとの具体的計画を持つべきではないですか、伺います。
 次に、江東区版パートナーシップ・ファミリーシップ制度について伺います。
 区は3月の企画総務委員会で、制度の根拠となる男女共同参画条例の改正を今議会に提案すると報告しました。ところが今回、条例改正案が提出されていません。江東区のパートナーシップ・ファミリーシップ制度は、区の長期計画の多様性を認め合う社会の実現、SDGsを踏まえた取組に基づくものです。区長が交代しても変わらぬ区の大方針ではないですか。なぜ今回提案されなかったのか、伺います。
 昨年11月に実施したパブリックコメントでは、賛成の意見が66%、反対は18%でした。多くの区民が江東区版パートナーシップ・ファミリーシップ制度の実施を歓迎しています。男女共同参画条例の改正を直ちに行い、制度を開始すべきではないですか、伺います。
 ジェンダー平等社会とは、男女平等にとどまらず、誰もが性別に関わらず個人の尊厳が大切にされ、自分らしく生きられる社会のことです。条例改正に当たっては、ジェンダー平等の文言を盛り込むとともに、男女共同参画推進センターの名称をジェンダー平等推進センターへと変更すべきだと思いますが、見解を伺います。
 次に、犯罪被害者支援について伺います。
 犯罪被害者は、本人の意思とは関係なく、犯罪という理不尽な行為により命を奪われたりけがをしたり、財産を盗まれるなどの直接的被害にとどまらず、精神的ショックや身体の不調、医療費の負担や失業、転職などによる経済的困難などに苦しめられます。
 東京都は犯罪被害者に対し、法律相談費用の助成や見舞金支給、転居費用の支援などを実施していますが、住居の確保や雇用支援、家事・育児・介護・保健・医療分野の支援は、最も身近な区が実施すべき問題です。
 23区では、中野区や杉並区が被害者支援条例を制定し、職員も配置し、支援を行っています。江東区でも犯罪被害者支援条例を制定するとともに、専門の相談窓口を設置し、きめ細かな犯罪被害者支援を行うべきではないですか、伺います。

 大綱の第4は、教育問題についてです。
 まず、教育費負担の軽減について伺います。
 1年生になった児童を育てる保護者から、入学前に買いそろえる学校指定の体操服や上履き、粘土など総額2万円以上かかる、入学後も鍵盤ハーモニカや絵の具セットなどが必要で負担が重い、こういう声が寄せられています。
 文科省が行ったこども学習費調査では、小学校で年間6万5,000円、中学生では13万円以上もかかり、家計を苦しめています。「義務教育は、これを無償とする」とした憲法26条に基づき、国に対し学用品費の無償化を求めるべきです。伺います。
 品川区は今年4月から、区立小中学校等のこどもが使う学用品の全額無償化を所得制限なしで開始しました。重い教育費負担を軽減するため、江東区としても学用品を無償化すべきです。伺います。
 国は、第3子以上を扶養している多子世帯に対し、大学授業料の無償化を実施するとしていますが、あまりにも対象が狭過ぎます。国に対し、大学授業料無償化の対象を広げることや、入学金の廃止、給付型の奨学金を充実するよう求めるとともに、区としても給付型奨学金の対象拡大や、奨学金返済の助成制度を実施するべきです。伺います。
 次に、不登校対策についてです。
 東陽二丁目の教育センター内のブリッジスクールは、100名以上のこどもが通っており、相談や学習スペースが不足し、過密状態となっています。こどもたちに手厚い支援が行えるよう、南部地域にブリッジスクールを早期に開設すべきです。伺います。
 昨年度から教室に登校できないこどもを対象に校内別室指導事業が開始され、実施した学校からは、不登校だったこどもが学校に通えるようになった、との声が寄せられています。専用の部屋で悩みを聞きながら個別学習を行うことや、教室ではない安心して通える居場所の確保は重要です。今年度は20校が新たに申請しましたが、東京都は11校しか認めませんでした。都に対し、希望する学校全てで校内別室指導事業を実施できるよう求めるとともに、区独自に予算措置を行うべきではないですか、伺います。
 次に、特別支援教育について伺います。
 現在区は、特別支援教室を区内全小中学校で実施し、児童・生徒12人に対し教員は1人の配置となっています。しかし、年度途中にこどもが増えても教員の配置数は変わらず、きめ細かい支援が難しい、と学校現場から声が上がっています。年度途中の入室に対応できるよう、教員の増配置を都教委に求めるとともに、区として講師を確保すべきです。伺います。
 知的発達に遅れがない自閉症等の児童・生徒が在籍する情緒障害支援学級が、南砂小学校と同中学校に設置されています。保護者からは、こどもを通わせたいが学校まで50分かかる、登下校を付き添わなければならず負担が重い、との声が寄せられています。身近な学校で学べるよう増設を図るべきです。伺います。
 特別支援学校の増設について伺います。
 本区内の墨東特別支援学校は、この5年間で6クラス増加しているのに増改築は行われていません。教室をカーテンで仕切って授業しているため、隣のクラスの声が気になり、集中できないといった声が寄せられています。2018年に開設した臨海青海特別支援学校も、既に児童・生徒が多く、ランチルームが使えなくなりました。区は江東区のこどもが劣悪な教育環境で学ばざるを得ない現状をどのように認識していますか。教室が足りない状況を改善するため、東京都に対し、東部地域に特別支援学校の増設を求めるべきです。伺います。
 最後になりますが、私は、今定例議会をもちまして議員を辞職させていただきます。8期約30年、区議会議員としての活動を支えていただいた区民の皆さん、そして同僚議員並びに理事者の皆さんに心から感謝を申し上げます。活動の場所は変わりますが、これからも住民の暮らしと福祉を守るために全力で頑張る決意を申し上げ、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

~~~~~~~~~~【答弁】~~~~~~~~~~~

 大嵩崎かおり議員の御質問にお答えいたします。
 初めに、防災・まちづくりについての御質問のうち、マンションの耐震化についてでございます。
 まず、ピロティ階の耐震補強の促進についてでございますが、ピロティ階等の部分的な耐震補強は、建物の一部を倒壊などから守る有効な対策の一つであると考えておりますが、区としては建物全体の安全対策が必要であると考えているため、その効果等について、引き続き調査・研究してまいります。
 また、耐震化助成の拡充については、現在、耐震化への意欲醸成に注力しており、建設資材等の高騰への対応につきましては、国や他自治体の状況を参考にしながら、今後の検討課題といたします。
 次に、浸水対応型まちづくりビジョンについてでございます。
 耐越水堤防、液状化対策の強化についてでございます。
 本区は地盤が低く、水面に囲まれている地形から、堤防の耐越水対策や液状化対策は最重要施策であると認識しております。現在、国や東京都では堤防の耐震化やかさ上げ整備を進めており、区としては国や都に対し、事業の早期実施を求めております。
 しかしながら、堤防整備には長い時間を要することから、本区としては、本ビジョンに基づき、大規模開発や団地の建て替えの機を捉え、新たな避難先の確保を目指し、水害による犠牲者ゼロの実現に向けて取組を推進してまいります。
 次に、水害時の広域避難等についてのうち、避難マニュアルの作成についてでございます。
 広域避難の具体的な避難計画の策定は必要であると認識しており、現在、広域避難先施設の調査を行い、発災時の施設開設の具体化を検討しております。引き続き、都や江東5区等と連携し、実効性のある広域避難スキームの検討を進めてまいります。
 また、大型商業施設等の協定見直しについてでございますが、施設の安全管理上、終日の開放は難しい状況でございますが、今後も協定締結企業とは意見交換を行っていくとともに、新たな一時避難施設の確保や民間マンションを避難場所とする協定締結の推進など、避難可能な施設の充実に引き続き努めてまいります。
 次に、交通対策についてでございます。
 移動支援とコミュニティ活性化支援についてのうち、移動支援につきましては、バス停までの移動が困難な高齢者や子育て世帯等を対象にして、昨年度実施したアンケート調査結果や本区の地域特性等を踏まえ、都営バス路線を補完する新たな交通システム導入に向けた検討を行うこととしてございます。
 一方、コミュニティ活性化支援として、区内全域を視野に入れたコミュニティバスの導入につきましては、都営バス路線の減便や廃止が懸念されるため、慎重に検討する必要があると考えてございます。
 次に、臨海部のまちづくりについてのうち、MICE等の誘致についてでございますが、長期計画における「観光・MICE等によるにぎわい創出」の「等」につきましては、レクリエーション等の多様な都市機能を包括して表現したものであり、特定のIRやカジノを指すものではございません。
 また、カジノ誘致についてでございますが、IRは、法律上、整備計画を申請できるのは都道府県、または政令市と定められており、本区は申請主体とはなり得ません。
 一方、申請主体となり得る東京都では、メリット・デメリットの両面について総合的に検討している状況であると認識しており、本区としては都の動向を注視してまいります。

 次に、ジェンダー平等と人権対策についてでございます。
 私の祖母、児玉勝子は婦人参政権運動に長年携わっておりました。その祖母の思いを胸に、私は女性の活躍やジェンダー平等を強く推進していく所存でございます。
 まず、ジェンダー平等の現状に対する認識についてでございます。
 区は、本区の長期計画において、全ての区民がお互いの人権を尊重し、様々な違いを認め合い、自分らしく生きることができる社会の実現を目指しており、ジェンダー平等もその目標達成のための取組の一つでございます。
 現状において、ジェンダー平等に関する様々な課題があることは認識しており、今後も多様性を認め合う社会の実現に向けて、国や都、関係機関等と連携し、課題解決を図ってまいります。
 次に、区の管理職、審議会等における女性比率の引上げについてでございます。
 区では、女性管理職の協力を得て、女性視点での管理職の魅力を発信し、女性職員の昇任意欲の醸成に努めるとともに、女性職員の視点を生かした事業点検や企画立案するプロジェクト・スマイル事業などを通じて、積極的にチャレンジできる環境の整備を図っております。
 また、審議会等への女性の参画につきましても、構成団体に男女の比率のばらつきがあるという構造的な課題がございますが、各種団体に対し、女性委員の推薦を依頼するなどの働きかけを行っております。
 女性管理職、審議会等の女性比率につきましては、職員のしごと生活応援プラン、男女共同参画行動計画、それぞれの目標年次での達成を目指し、毎年度進捗状況を踏まえた対策を講じながら取組を進めており、年度ごとの具体的な計画を策定する考えはございません。
 次に、江東区版パートナーシップ・ファミリーシップ制度についてでございます。
 多様性を認め合う社会の実現という長期計画が掲げる目標に向けて、LGBT等の方々が抱えている課題の解決のために、本制度の導入は本区としても有効であると考えてございます。
 次に、男女共同参画条例の改正についてでございます。
 江東区版パートナーシップ制度に関する区議会からの御意見や、先ほど申し上げた木村前区長の裁判等の状況を踏まえた制度の検証をいただくため、私から江東区男女共同参画審議会へ再諮問することといたしました。そのため、制度構築に向けた取組につきましても、再諮問による審議会の答申の内容を受けて対応を図っていく考えでございます。
 次に、男女共同参画推進センターの名称変更についてでございます。
 センターの名称につきましては、国において男女共同参画基本法の名称変更が行われていないことなど、今後の課題とさせていただきます。
 次に、犯罪被害者支援についてでございます。
 犯罪被害者支援条例の制定と支援の拡充についてでございます。犯罪被害者の状況は多岐にわたり、ワンストップで解決する事案は極めて少ないため、状況に応じた相談窓口を御案内しております。
 また、住居や雇用等の支援につきましては、区においても各所管できめ細やかな支援に努めておりますので、現時点で条例制定や専門の相談窓口設置の考えはございませんが、引き続き、犯罪被害者等基本法などにのっとり、関係機関と連携を図り、犯罪被害者等に寄り添った支援に取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、教育長並びに所管部長が答弁いたします。

 次に、教育問題についてお答えいたします。
 まず、教育費負担の軽減についてであります。
 学用品費の無償化についてですが、学用品については、児童・生徒個人の所有物で、学校と家庭のいずれでも使用でき、その利益が直接児童・生徒に還元されるものとして、家庭での費用負担としており、国に対し、学用品の無償化を求める考えはございません。
 また、本区では、経済的に困難な世帯に対し就学援助制度を実施するとともに、使用教材等の見直しによる保護者負担の軽減にも取り組んでおり、現時点では学用品費の無償化を導入する考えはございません。
 次に、給付型奨学金等の拡充についてですが、国における大学の授業料等に対する給付型奨学金制度は、今年度から収入基準の緩和等による多子世帯中間層への対象拡大以外にも各種改正が実施されており、引き続き、国の動向等を注視してまいります。
 給付型奨学金の対象拡大や返還助成制度については、現時点では区において実施する考えはございません。
 なお、広く「教育費負担の軽減」については、既に全国都市教育長協議会を通じ、国等へ要望しております。
 次に、不登校対策についてであります。
 南部地域へのブリッジスクールの設置についてですが、立地状況から、南部地域への設置の必要性は認識しております。児童・生徒の移動の際の利便性や活動するための適切な場所の確保等の課題があり、現在慎重に検討しているところであります。
 また、校内別室指導事業の拡充についてですが、本事業の成果と課題は認識しております。本区では、第3次不登校総合対策KOTOこどもかがやきプランを基に、不登校の児童・生徒のみならず、誰もが安心して過ごせる取組の充実を図っており、本事業の拡充を含め、都の状況を注視するとともに、よりよい方策を検討してまいります。
 次に、特別支援教育についてであります。
 特別支援教室においては、年度途中の入室により、教員1人当たりの指導対象児童・生徒が大幅に増えてしまった場合は、区費の特別支援教室指導員を配置しており、必要な指導はできているものと認識しております。
 次に、自閉症・情緒障害特別支援学級の増設についてですが、本区では、受入れ可能児童・生徒数を拡充するため、令和5年度より南砂小学校、南砂中学校ともに2学級に増設しております。
 他の学校への新設については、教室の確保や指導体制の構築等課題もあることから、引き続き、本区における特別支援教育検討委員会において検討してまいります。
 また、特別支援学校の増設についてですが、在籍者数の増加に伴い、教育環境の充実が求められていることは認識しております。都では、東京都特別支援教育推進計画に基づき、在籍者数の将来推計や地域ごとの配置バランス等を踏まえ、特別支援学校の規模と配置の適正化を行う旨を定め、教育環境についても多様な方法を用いて適切に改善を図っていることから、都へ特別支援学校増設の要望をすることは考えておりませんけれども、今後も都の動向を注視してまいります。

 次に、区民の暮らしと営業を守る施策についてです。
 まず、区民の暮らしと中小業者の現状に対する認識についてですが、日本経済はデフレ脱却に向けて、賃金上昇など明るい兆しが見えつつあるものの、長引く物価高騰や円安が区民生活や中小企業の経営等に影響を及ぼしているものと認識しております。そのため、区ではこれまで低所得世帯への給付金や物価高騰対策として30%のプレミアム付区内共通商品券の発行のほか、子育て支援や福祉施策の充実など、様々な区民及び中小企業支援に取り組んでまいりました。
 次に、区内業者への支援の強化についてのうち、家賃助成や住宅リフォーム、店舗改修助成の実施による支援についてですが、今年度、エネルギー価格高騰対策補助金を実施し、業種を問わず広く区内事業者の経営を支援することから、現時点で制度創設などの考えはありません。
 次に、ホームページ作成費補助金の補助額引上げや、更新時も対象にすべきとのお尋ねですが、現在対象としている新規開設の需要が大変高く、まずは優先的に対応する必要があることから、補助額や対象を拡充する考えはありません。
 次に、公契約条例についてですが、適正な労働環境整備は一義的に国が対応すべきであり、現時点で制定の予定はありませんが、引き続き一定の労働環境の確認と情報収集を行ってまいります。
 次に、若者の生活支援についてです。
 現在区では、若者も含め、生活保護に至らない生活困窮者を対象に自立支援事業を実施し、住宅確保や就労支援を行っているほか、家賃の支払いや生活全般に不安のある方に対しては、東京都が運営するTOKYOチャレンジネットを紹介し、住宅相談や生活相談につなげております。そのため、区独自に若者へ家賃助成をすることは考えておりませんが、引き続き、区民に寄り添った支援の充実に努めてまいります。
 次に、高齢者支援についてのうち、家賃助成についてです。
 家賃負担が重くお困りの方に対しては、都営住宅等の御案内や空き室情報の提供を行うお部屋探しサポートにより支援しており、高齢者世帯への家賃助成は考えておりません。
 次に、エアコン設置助成についてです。
 現時点で設置助成をする予定はありませんが、高齢者に対する熱中症対策として、注意喚起や予防対策等の周知、公共施設をクールシェアスポットや猛暑時の休憩所として開放するなど、対策に取り組んでまいります。
 次に、子育て支援のうち、産婦健診への助成についてです。
 産婦健診は体とともに心の健康のフォローとしても大変重要であると認識しております。江東区民が区内で出産する割合が現在4割程度であることから、区独自の助成ではなく、都内全域において活用できる受診券方式を早期に導入・実施することが望ましいと考えており、引き続き都と協議を進めてまいります。
 次に、子育て応援券の発行についてですが、本区では、子育て家庭への経済的支援とともに、地域で子育てを行う環境づくりも重要であると認識しております。お尋ねの子育て応援券については、子育て支援策の一つとして検討課題と考えております。

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