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2023年第4回定例会―大つきかおり

  • 木村前区長の公職選挙法違反問題について
  • 2024年度予算編成と行政運営について
  • ジェンダー平等社会の実現について
  • 国民健康保険について
  • 教育について

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱5点について質問します。
 初めに、木村前区長の公職選挙法違反問題について伺います。
 木村区長が、11月15日で辞職しました。4月の区長選で、クリーンな区政を掲げていたにもかかわらず、自ら公正であるべき選挙を歪め、区民の信頼を裏切ったことは、決して許されません。
 木村前区長は、9月の本会議で我が党議員の質問に、有料広告は支援者からの提案で、支援者が単独で掲載したかのようなと答弁しましたが、実際には、柿澤未途衆議院議員の勧めであったことが明らかになりました。本会議での木村氏の答弁は、虚偽であり、区民や議会を欺く不誠実な対応だと言わざるを得ません。
 区は、この一連の事態をどう受け止めているのか、改めて見解を伺います。
 わずか半年余りでの再選挙や退職金支給についても、区民から批判の声があがっています。木村前区長への退職金支給はやめるべきだと思いますが、見解を伺います。

 さらに東京地検は、柿沢議員による選挙買収疑惑についても捜査を行なっており、複数の区議会議員の自宅への家宅捜索を行いました。過去には「陣中見舞い」として現金を受け取った議員も選挙買収で有罪となっています。
 区民からは、秋元司・元衆議院議員のカジノ汚職、榎本雄一・元区議会議長の入札汚職、そして今回の公選法違反や選挙買収疑惑など、度重なる汚職や不正に、「江東区は一体何をしているのか」と、厳しい声が寄せられています。
 日本共産党区議団は、議会だけではなく、行政も政治倫理条例を制定するよう求めましたが、区は、内規を策定したことを理由に制定の「考えはない」と9月議会で答弁しました。
 汚職や不正をなくし、区民の信頼を取り戻すために、行政側も政治倫理条例を制定すべきです。改めて見解を伺います。
 また、議会の政治倫理条例も資産公開や問責制度を盛り込むなど、厳しい内容とすることを同僚議員に呼びかけます。
 日本共産党は、企業団体献金も政党助成金も受け取らない政党です。だからこそ、汚職や不正と無縁です。汚職や不正のない区政を実現するため、引き続き力を尽くすことを表明し、次の質問に移ります。

 大綱の2点目は2024年度予算編成と行政運営についてです。
 「失われた30年」ともいわれる、長きにわたる経済の停滞に加え、物価高騰で区民生活は危機的な状況です。
 経済の停滞・衰退をもたらした最大の原因は、「コストカット型経済」です。
 労働法制の規制緩和を繰り返し、目先の利益のためにコスト削減・人件費削減で非正規雇用を広げ、正社員の長時間労働を蔓延させました。大企業の利益は増えても実質賃金は下がり続け、経済成長できない国にしています。また、医療・介護・年金など社会保障のコストカットが繰り返されてきました。
 経済を再生し、暮らしを守るためにも、「コストカット型経済」から賃上げと待遇改善、社会保障充実への転換が必要ではないですか。見解を伺います。
 
 区長不在のもとで来年度予算の編成が行われていますが、区民の暮らしを守るための施策を当初予算から盛り込むべきです。
 江東区の基金総額は、22年度決算時点で過去最高の1862億円にものぼります。危機的状況にある区民の暮らしを支えるため、基金を活用し、子育て支援の拡充、教育費の負担軽減、高齢者や低所得世帯への経済的支援、中小企業支援など、新たな施策を盛り込むこと、保育料だけでなく、公共施設の使用料の値上げ中止など、区民への負担増は行わないよう求めますが、見解を伺います。

 また年末に向け、暮らしを支える緊急支援策を実施すべきです。
 政府は、住民税非課税世帯への追加の給付を決定しました。
 区独自に住民税均等割世帯に対象を広げ、ただちに補正予算を編成し、速やかな支給を行うことを求めます。さらに、年末に向けて倒産・廃業という事態を防ぐため、新たな借換融資の創設や利子補助の拡充、杉並区や新宿区で実施している全事業者を対象とした、電気・ガス・ガソリン代などの物価高騰分に対する支援を行うべきではないですか。伺います。

 国と同様に、江東区でも人件費のコストカットが進められてきました。人口が増加しているにもかかわらず、定員適正化計画の名のもと正規職員を減らしてきた結果、人口1000人あたりの職員数は23区中、最下位です。
 区は少数精鋭を謳っていますが、病欠や定年前の退職も増加し、現場の職員は疲弊しています。また、この間、補助金の申請や税業務でのミスなどが多発し、損失も生まれています。古石場親水公園の漏水事故ではすぐに職員が駆けつけられず、住民からも批判の声が上がるなど、いざ災害の時に区民の暮らしを守れるのか懸念されます。
 労働組合からは、福祉事務所や保健所、窓口対応などの人員増の要求が出されています。
 定員適正化計画を見直し、人口増加に見合った正規職員の採用を行うべきではないですか。伺います。

 区は、正規職員を減らす一方、非正規の会計年度任用職員を増やしてきました。15年前と比べ、正規職員は2956人から2659人に300人あまり減少する一方、非正規労働者は1280人から2325人と1000人以上増えています。全職員に対する非正規の割合は30%から47%になり、今や半分近くが非正規労働者です。

 会計年度任用職員は、福祉事務所の女性相談員や学校の栄養士など、重要な業務を担っていますが、任期は最長1年、契約回数の上限も定められ、経験を積み重ねても、昇給制度も勤勉手当もありません。
 契約回数の上限を撤廃し無期限の任用に改め、雇用の安定を図るべきではないですか、伺います。
 また、人事院勧告の給与の引き上げについては、一般職と同様今年度の給与から反映させるとともに、対応する給料号級の引き上げを行うべきではないですか。伺います。
 区は、10月から最低賃金を、時給1125円に引き上げましたが、労働者の求める1500円には程遠い状況です。
 直ちに、時給1500円に引き上げるべきです。伺います。

 区は、「民間で出来ることは民間で」「経費削減」だとして、公共施設の民間委託を進めることで、職員の削減をおこなってきました。
 この間、保育園やきっずクラブの運営を委託している事業者が、必要な職員を配置していないにもかかわらず、補助金を不正に受給する事件があいつで発生しています。
 民間委託の結果、低い賃金で人が集まらず、結局は区民サービスの低下をもたらしているのではないですか。
 不安定雇用を増やす民間委託は中止すべきです。見解を伺います。

 公共サービスの質の確保と労働者の処遇改善を目的とする公契約条例が全国に広がっています。
 今年度は、台東区、墨田区、文京区でも実施予定で、23区では過半数を超える13区で実施となります。
 江東区は、今年4月から、労働環境の整備と人材確保のために、一定価格以上の工事、設計、調査、測量に関わる契約を区と行う事業者に「労働環境報告書」の提出を義務付けました。
 公共サービスの質の確保と労働環境の整備、人材確保を進めるため、「労働環境報告書」を公共施設の指定管理者にも拡大するとともに、公契約条例を制定すべきだと思いますが、伺います。

 大綱の第3は、ジェンダー平等社会の実現についてです。  
 区は、来年4月から「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」を実施する予定です。
 LGBT等の方々は偏見や差別などに直面し、自分らしく生きることが難しい状況に置かれています。
 制度の必要性について、あらためて区の見解をうかがいます。

 この間、当事者が声を上げ運動する中で、全国6割の地域で、パートナーシップ制度が実施されました。その一方で、誤解や偏見も依然根強く、制度創設により、トイレや公衆浴場などで女性の安全が脅かされるとの主張が見受けられます。女性の安全が脅かされている現状は、性暴力の防止、被害者支援の取り組みの不十分さの問題です。
 また、子どもへの影響を懸念する声もありますが、LGBT等の6割近くが小学校入学前には性別違和感を自覚し始めているのに、誰にも相談できない現実があり、LGBTの子どもや若者の自殺未遂は14%にものぼります。学校教育を含め、差別や偏見をなくす取り組みが重要だと思います。
 今後、区はどのような取り組みを進めていくのか、伺います。

 次に、リプロダクティブ・ヘルス&ライツについて伺います。
 リプロダクティブ・ヘルス&ライツとは、「子どもを産む・産まない」「いつ何人産むか」を女性が自分で決めることができ、性と生殖に関する健康や、それについての情報を得ることができる権利のことです。
 SDGsの目標にも記載され、今日、ジェンダー平等の実現とも結びながらこの取り組みが、重要となっています。
 まずは、「リプロダクティブ・ヘルス&ライツ」という概念の普及が、重要だと思いますが、見解を伺います。

 今年7月に、不同意性交等罪含む改正刑法が施行されました。
 日本では、性教育が極めて不十分で、子どもたちは、人間の生理や生殖、避妊についての科学的な知識も、互いを尊重し合う人間関係を築く方法も、自分の心や体を傷つけるものから身を守る術も十分に学べないまま、成長していきます。
 望まぬ妊娠や性被害を産まないためにも、法改正を踏まえ「性的同意」について、徹底した教育・啓発を行うことが必要だと思いますが、伺います。
 望まぬ妊娠をした方への支援も重要です。
 区として相談窓口を設置するとともに、緊急避妊薬、中絶薬などの医療費やカウンセリング費用などへの経済的支援を行うべきだと思いますが、伺います。

 「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が、来年4月1日に施行されます。
 江東区でも基本計画を策定し、具体的な取り組みを進めるべきだと思いますが、伺います。
 また、地域の支援関係者との連携を深めるとともに、個別の対象者について情報共有を行い、支援内容や支援の方向性の協議を行うため、支援調整会議を設置すべきだと思いますが、伺います。
 現在、江東区では、福祉事務所で女性相談を実施していますが、女性相談員を増員し、体制を強化するとともに、東京都の女性相談センターのような分かりや相談窓口を設置すべきではないですか、伺います。

 大綱の第4は国民健康保険についてです。
 コロナ禍や物価高騰が区民生活に深刻な影響を及ぼしているにもかかわらず、今年度は、一人当たり1万791円もの大幅な値上げが実施されました。    
 40代夫婦と子ども2人、年収400万円の4人家族の場合、年間保険料は44万4千円で、収入の1割を超えます。
 区民からは「これ以上の負担は限界」との声が寄せられています。加入者の4人に1人が保険料を滞納するなど、毎年のように繰り返される値上げは、保険料を払いたくても払えない人を増やすだけです。
 区は、重い保険料の負担について、どう認識しているのか、伺います。
 東京都が9月7日に、都の国保運営協議会に提案した2023年度からの運営方針の改定案には、今後6年間で法定外繰入を解消し、保険料水準の「完全統一化を目指す」と明記されました。
 区は、「法定外繰入を実施して、保険料の抑制を図っている」と述べてきましたが、法定外繰り入れの解消は、保険料の大幅な負担増となり区民の暮らしを一層苦しめるのではないですか。
 都に対し、方針を撤回し、保険料を軽減するための独自の財政支援を行い、財政運営の主体としての責任を果たすよう求めるべきではないですか。
 また区として、一般会計の投入で、高すぎる保険料を引き下げるべきではないですか、伺います。

 政府は、5年で43兆円もの軍事費を確保する一方、少子化対策の財源として社会保険料への上乗せを行おうとしていますが、とんでもありません。結局、子育て世帯にも負担増となり本末転倒です。
 所得のない子どもにも年間60100円もの負担を求める均等割負担の廃止こそ必要です。
 国庫負担を大幅に増やし、就学前の子どもの均等割の半額減免を、18歳まで拡大するよう国に求めるべきではないですか。
 また、区として就学前の子どもの均等割を、全額無料にすべきだと思いますが、見解を伺います。

 大綱の5つめは、教育についてです。  
 教員不足が依然として深刻です。江東区でも4月時点で4人、9月になっても2人、不足しています。中学校の技術の教員が2校を掛け持ちしたり、算数の少人数教育も出来ない事態となっています。
 子どもの学びにも影響が生じていると考えますが、区の認識を伺います。

 教員不足の最大の原因は、異常な長時間労働です。1日平均12時間近く働き、土日も出勤、精神疾患の休職者が全国で毎年5千人を超え、中途退職に追い込まれる教員が後を絶ちません。教員の働き方の改善は急務です。
 日本共産党は、抜本的な定数改善計画の策定や、義務教育給与費の国庫負担の引き上げ、「公立教員給与特例法」を見直し、残業代を支給することなどを国に求めています。
 区としても、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、私費会計を担う職員、クラブ活動の外部指導員など、学校を支える人材を増員し、教員の負担を減らすべきだと思いますが、伺います。
 また、無駄な報告書作成や見せるための公開事業、統一学力テストなど、子どもに直接向き合うこと以外の事業を中止・削減することも重要です。
 現場からは、周年行事を行う年なのに、研究発表校にも手を上げていて、とてもやりきれないとの声も寄せられています。
 現場の教員の声を十分に聞いた上で見直しが必要だと思いますが、伺います。
 さらに、家庭の経済状況に関わらず教員になれる道を確保するために、区として、教員の奨学金返済助成制度を創設すべきではないですか。伺います。
 
 次に、不登校対策について伺います。
 2022年度の江東区の不登校の子どもは、小学校で416人、中学校で586人と前年度と比べ、大幅に増加しています。
 不登校が増加する大もとには、国連子どもの権利委員会が何度も指摘しているように、過度な競争主義的教育があり、是正が必要です。
 江東区は、教室に登校できない子どもを対象に、今年から区内15校で、校内別室指導を開始しました。1日も学校に行けなかった子どもが、別室に登校できるようになったり、学習内容によっては授業にも参加できるなどの効果が出ていると聞いています。
 この事業は、全額都の補助で実施されているものですが、今年度17校が希望したのに15校しか認められませんでした。
 都に対し、予算の増額と対象要件の見直しを求めるとともに、都待ちではなく、区独自に希望するすべての学校で実施すべきではないですか。伺います。
 また、多様な学びの場を確保するため、区内3か所でブリッジスクールを設置していますが、南部地域にも開設すべきだと思いますが、伺います。

 次に、登校時間前の子どもの居場所について伺います。
 共働き世帯の増加を背景に、保護者の出勤時間が子どもの登校時間より早くなってしまうことが問題になっています。
 私のところには、「1年生の子どもを1人で家に残せないので、出勤する時に一緒に家を出ると校門が開くまで時間があり、子どもの安全が心配」との声が寄せられています。
 三鷹市や八王子市では、子どもの居場所を確保するため、民間事業者などに委託し、小学校の校庭を始業時間より早く解放する事業を実施しています。
 江東区でも登校前の子どもの居場所づくりを実施すべきではないですか、伺います。
 以上、区の答弁を求め、私の質問を終わります。

~~~~~~~~~~【答弁】~~~~~~~~~~~

 大嵩崎かおり議員のご質問にお答えします。
 はじめに、木村前区長の公職選挙法違反問題についてのうち、これまでの一連の経過に対する区の認識についてです。
 本件につきましては、十月二十四日の区長室の捜索、そして二十六日には辞職の意向を表明するなど、突然の出来事に対し、職員一同、大きな衝撃を受けたところでございます。
 また、前回本会議の答弁と任意聴取過程での新聞報道等との相違については、仮に、報道内容のとおりであれば、議会ならびに区民の皆様に対して真実とは異なる答弁をしたこととなり、本区にとって非常に遺憾なことであります。
 次に、退職手当の支給をやめるべきとのお尋ねについてです。
 退職手当の支給については「江東区長等の退職手当に関する条例」等の規定に基づき、慎重に対応してまいります。
 次に、区側の政治倫理条例の策定についてです。昨年度立ち上げた「江東区契約にかかる不正行為等防止検討委員会」の中で「一定の公職にある者等からの不正な働きかけ等に関する取扱規定」を策定しており、規定上、区長も対象に含めております。そのため、現時点では政治倫理条例を制定する考えはございません。
 今後とも区政運営に支障のないよう、職員一丸となって、行政運営に取り組んでまいります。

 次に、2024年度予算編成と行政運営についてのご質問にお答えいたします。
 はじめに、2024年度予算編成についてのうち、国の経済対策に対する認識についてです。国は、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」において、あらゆる政策手段を総動員するとしており、区としても、国の経済対策は、物価高騰などから区民生活を守るために有効な対策であると認識しております。
 また、基金を活用して新たな施策に取り組むべきとのお尋ねですが、これまでも区内の福祉関連施設や運送事業者などへの物価高騰対策に加え、学校給食費の無償化など基金の活用をはじめ、補助金なども積極的に活用して区民の暮らしを支える施策に努めており、引き続き必要に応じた施策展開を図ってまいります。
 さらに、公共施設使用料の引上げなど区民負担増についてですが、特に使用料については、現在も特例的措置を実施しており、4月以降の対応は適正な受益者負担を踏まえ、当初予算編成の中で、総合的に判断する必要があると認識しております。
 次に、国の経済対策のうち、住民税均等割のみ課税世帯にも給付対象を拡充すべきとのお尋ねですが、今後、補正予算の編成時において、判断すべきものと認識しております。
 次に、中小企業の廃業等を防ぐため、新たな借換え等の支援の拡充についてです。今年度は、新たにコロナ融資限定借換資金制度を創設したほか、昨年度から実施している原油や物価高騰等に対応する資金融資では、利子補助の条件を他の資金よりも優遇しており、現時点で新たな融資制度の創設や利子補助の拡充の考えはありません。
 また、物価高騰に伴う光熱水費の支援を全事業者に拡充すべきとのお尋ねですが、全ての業種を対象とする支援は、国等において実施されるべきであり、現時点で対象の拡大は考えておりません。
 次に、定員適正化計画についてです。
 本区の定員管理は、行政需要等による必要数と行財政改革の進捗による減員数とのバランスを図りながら実施しており、必要な採用も毎年実施していることから、人口増に伴う行政需要にも対応しているものと認識しております。
 次に、会計年度任用職員についてのうち、公募によらない再度任用回数の上限を撤廃すべきとのことですが、区では、平等取扱いの原則や成績主義に基づき上限回数を4回としており、適正な運用と認識しております。
 また、会計年度任用職員の報酬を一般職と同様に遡及して引き上げるべきとのことですが、今年度より任期が3か月以内の者等を除き、常勤職員の給与改定の取扱いに準じることとし、今年度は4月に遡及して改定する考えであります。
 さらに、会計年度任用職員の給料号給を引き上げるべきとのことですが、報酬は職務内容や責任の程度等を考慮しつつ常勤職員の給料表に基づき決定しており、これまでも、適宜引き上げを行ってきたところです。
 また、事務支援員の報酬単価を1,500円にするべきとのことですが、職務給の原則を基本に、国が定める最低賃金などの社会経済状況や他団体の動向等を踏まえ決定していることから、現時点で考えておりません。
 次に、民間委託についてですが、アウトソーシングによる民間活力導入は健全な行財政運営に不可欠なものであり、今後とも必要な活用を図ってまいります。
 次に、公共サービスの質の確保についてです。指定管理施設における適正な労働環境の確保については、第一義的には雇用主に法の順守義務があることに加え、事業者の選定過程で一定の確認を行っているところですが、適正な運営となるよう、様々な手法を検討しております。
 また、公契約条例を制定すべきとのお尋ねですが、適正な労働環境の整備については、国の労働法制の中で対応すべきものと考えており、現在のところ、公契約条例を制定する考えはありません。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長並びに所管部長が答弁いたします。

 次に、ジェンダー平等社会の実現についてのご質問にお答えします。
 まず、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度についてです。
 制度の必要性の認識ですが、来年2月の答申に向け、現在、男女共同参画審議会で制度案が審議され、本年11月に、パブリックコメントを実施したところです。お尋ねの制度の必要性については、現時点では、審議会の答申やパブリックコメントの状況等を踏まえ、区として総合的に判断すべきものと考えております。
 また、差別や偏見をなくす取り組みについては、これまでも、LGBT等に関する理解を促進し、差別や偏見をなくすために有効な講座や啓発事業を実施してまいりましたが、引き続き、LGBT理解増進法の趣旨を踏まえ、取り組んで行く考えであります。
 次に、リプロダクティブ・ヘルス/ライツについてです。
 概念の普及についてですが、区は、「生殖に関する健康と権利」と訳されるリプロダクティブ・ヘルス/ライツの概念に基づき、出産に関する権利等「性」と「生き方」に関する権利を踏まえた講座や事業を通して、概念の普及にも努めております。
 また、法改正を踏まえた性的同意についての教育や啓発については、男女共同参画行動計画の目標の一つに「あらゆる暴力の根絶」を掲げ、この目標達成に向けた講座や事業において、性的同意に関する啓発も行っており、今後も、法改正を踏まえた啓発を実施してまいります。
 また、望まぬ妊娠をした方への支援のうち、相談窓口については、匿名で相談したいというニーズが強いことから、匿名での相談が可能な東京都の「妊娠相談ほっとライン」をご紹介しており、区独自での設置は考えておりません。
 また、法整備が進んでいないこと等から、緊急避妊用ピルやカウンセリング費用、経口中絶薬の費用助成を行う考えはありません。
 次に、困難な問題を抱える女性への支援についてです。
 基本計画策定、支援調整会議設置のうえ、具体的な取り組みを進めるべきとのことですが、現在、東京都が令和5年度末を目途に基本計画を策定しており、その内容を踏まえ、本区計画の策定や会議体の設置、具体的な取り組みについて検討して行く考えであります。
 また、わかりやすい女性相談窓口の設置についてですが、相談者の中には、DV被害者も含まれるため、一定の秘匿性を確保する必要があります。そのため支援を必要とする女性の安全性と、相談しやすい環境の両立を考慮しながら、よりわかりやすい相談窓口のあり方について、他自治体の状況も含め、引き続き調査してまいります。

 次に、国民健康保険についてです。
 まず、保険料についてです。
 重い負担への認識についてですが、保険料は主に医療の高度化や高齢化により増加する医療費に起因して毎年増加しており、これが被保険者にとり負担となっていることは認識しております。
 次に、東京都に対し運営方針の撤回を求めるとともに、独自の財政支援をするよう、また財政運営主体としての責任を果たすよう、求めるべきとのことについてです。
 本方針では、決算補填等を目的とする法定外繰入の解消を目指しておりますが、一般会計からの法定外繰入を行うことは、給付と負担の関係が不明確となるほか、国保加入者以外の区民にも負担を求めることになるため、特別区においても既に段階的縮小に取り組んでいるところです。
 また、本方針では保険料水準の統一を目指しておりますが、完全統一がなされた場合、都内のどこに住んでいても、同じ所得・同じ世帯構成であれば同じ保険料となり、被保険者にとりわかりやすく公平性が保たれ、かつ安定した国保運営に繋がることが期待できます。なお、統一化は段階的に進めることとし、今回の改定では、まず納付金ベースにおける統一を目指すこととしております。
 また、独自支援等について都へ求めることにつきましては、特別区長会にて、国保財政の責任主体として、保険料負担軽減策の更なる実施及び財政支援の拡充について要望しているところです。
 以上のことから、方針の撤回等について、都に要望する考えはありません。
 また、区が一般会計を投入し、保険料を引き下げることにつきましては、特別区ではこれまでも一般財源から法定外繰入を実施し、保険料の抑制を図ってきたところであり、来年度の算定についても、被保険者の負担感を考慮しながら検討をしているところです。
 次に、こどもの均等割負担の軽減についてです。
 就学前のこどもに対する均等割軽減を18歳まで拡大するよう国に求めることについてですが、特別区長会では例年軽減措置等の拡充について、国に要望しているところであり、さらに今年度は十一月に、同措置の拡充を含む国民健康保険制度の見直しに関する提言を行ったところです。そのため、区からあらためて要望する考えはありません。
 また、区としても就学前のこどもの均等割全額無料に取り組むべきということにつきましては、こどもの均等割等、制度上の課題については、国の責任で実施すべきものと認識しており、区独自に取り組む予定はありません。

 次に、教育についてお答えします。
 まず、教員不足についてであります。
 年度当初からの教員未配置については、職員の兼務や校内体制を工夫することで、こどもへの影響を最小限に抑えるよう努めております。教員不足は、あってはならないことであり、具体的な解決策を速やかに実行するよう私も直接、東京都教育委員会に強く申し入れを行っております。
 次に、学校の負担軽減のうち、人材の支援については、これまでもスクールソーシャルワーカーや部活動指導員を増やすほか、スクールサポートスタッフや副校長補佐などを配置しており、引き続き必要な人的支援を行ってまいります。また、行事等につきましては、これまでもその狙いに即して精選するなど随時見直しを行っております。改めてこどもを真ん中に置き、教職員、学校の状況を踏まえた内容となるよう努めてまいります。
 次に、教員に区独自の奨学金返済助成制度を創設することについてですが、教員の経済的支援については国や都において制度を検討していくべきものであり、区独自の制度による返済助成については考えておりません。
 次に、不登校対策についてであります。
 まず、校内別室指導支援員配置事業についてですが、東京都に対しては、既に予算増や配置基準等の要望は伝えております。また、現在、配置のない学校についても工夫をして丁寧な対応に努めており、区独自の配置については、今後の検討課題と考えております。
 また、ブリッジスクールの南部地域開設についてですが、現状、南部地域からブリッジスクールに通室する児童・生徒は、主に公共交通機関を利用しており、通室が容易になる新たな教室の開設の必要性は認識しておりますが、場所の確保等課題もあることから引き続き検討してまいります。
 次に、登校時間前のこどもの居場所についてであります。
 ご指摘のような声があることや他地区の事例は把握しておりますが、ご提案の民間事業者による登校時間前の学校開放については、児童生徒の安全な登校、活動の見守り等の安全確保、施設管理の在り方、運営方法など真にこどものための施策として課題も多いことから、先行事例の状況を注視してまいります。

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