2018年第3回定例会―すがや俊一

 日本共産党を代表し、大綱3点について質問いたします。

  1. 児童虐待問題について
  2. 受動喫煙防止対策について
  3. 障害者支援について

 質問の1点目は、児童虐待問題についてです。
 5歳の女の子が食事を与えられないなどの虐待で亡くなる痛ましい事件が目黒区で起こるなど、全国の児童虐待件数は、昨年度13万3,778件で過去最多です。こうした事態を受けて政府は、児童相談所の体制強化を打ち出し、また東京都も全庁的なプロジェクトチームを立ち上げ、児童福祉司や児童心理司の増員など、総合的な対策を進めるとしています。
 本区においても、虐待相談件数が6年前の2倍以上、1,037件に達するなど、増加の一途であり、児童虐待対策の強化が必要です。
 児童虐待相談の本区での対応は、現在、庁内の子育て支援課と南砂子ども家庭支援センターの2カ所で行っています。そのうち、南砂子ども家庭支援センターでの相談件数は、昨年度で573件、現在6人の職員で対応中ですが、職員1人当たり95件にもなります。また、虐待の受理件数でも、1人平均65件抱えています。国は、1人当たり20から30件が妥当としており、専門職員を増員するべきです。伺います。
 さらに、きめ細やかで迅速な対応を図るためにも、他の4カ所の子ども家庭支援センターに児童虐待相談窓口を設置するべきです。中でも、児童の増加が著しい豊洲子ども家庭支援センターに早期設置を求めます。また、亀戸地域や有明地域に子ども家庭支援センターの早期増設を求めます。伺います。
 虐待防止対策について伺います。
 一昨年度、全国の虐待死77件のうち、ゼロ歳児が32人で一番多く、3歳未満で全体の8割を占めています。本区の虐待相談では、乳幼児が4割、小中学生が5割、両者で全体の9割を占めています。また、虐待者では実母が大多数で、精神疾患も少なくありません。
 医療機関との連携強化とともに、妊婦健診や妊婦訪問指導、新生児・産婦訪問指導、乳幼児健診時でのチェックや啓発強化、保健師等の訪問支援、保育所の子育て相談の拡充など、産後鬱、心のケアへの支援強化を図ることを求めます。また、学校での対応強化に向け、全ての小中学校にソーシャルワーカーの配置を求めます。伺います。
 本区の児童虐待の家庭環境では、ひとり親家庭が多数です。国の調査でも、ひとり親家庭の6割は生活が苦しく、生活苦や貧困は児童虐待を起こす大きな要因です。ひとり親家庭など生活が苦しい家庭に対し、家賃助成や保育料軽減、学校給食費の無料化、就学援助の拡充など、経済的支援の強化が必要と考えますが、区の見解を伺います。
 区は、児童虐待対策の中心機関となる児童相談所と一時保護所を平成37年4月に開設する計画です。区は、枝川にある東京都の児童相談所と一時保護所の移譲、譲渡を要請していますが、都は応じる姿勢がないと伺っています。また、児童福祉司などの専門職員の確保、育成でも、都の児童相談所への研修受け入れ数が23区の希望数の半数以下であり、このままでは区の計画がおくれかねません。都が施設の譲渡にあくまで応じないのであれば、区の独自整備に向けた検討を行うべきです。また、都に対し、職員育成受け入れ数の拡大を求めるなど、緊密な連携強化を構築するべきです。さらに、他の自治体に対しても、職員育成の受け入れ拡大を図るべきです。あわせて伺います。
 大綱2点目は、受動喫煙防止対策についてです。
 東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、都は、ことし6月に受動喫煙防止条例を制定しました。また、国においても、健康増進法が7月に改正され、いずれも来年9月から施行されます。これにより、行政機関や医療機関、学校等を初め、事務所、飲食店などでの受動喫煙防止対策が講じられることになります。
 初めに、たばこの健康被害についてですが、たばこは単なる嗜好品ではありません。ニコチンによる麻薬性中毒の依存症と多大な健康被害を起こす有害なものです。がんや心疾患、肺炎、脳血管疾患など、我が国の4大死因全てをふやし、毎年13万人が喫煙で死亡しています。
 また、受動喫煙の被害は、喫煙に伴う副流煙の有害性が極めて高く、肺がん、虚血性心疾患、呼吸器疾患など、多くの致死的な疾患を引き起こすことが世界保健機関(WHO)で結論づけられ、日本でも、国立がんセンターの調査によると、年間1万5,000人が受動喫煙で死亡しています。
 たばこによる健康被害について区の見解を伺うとともに、禁煙に向けた区民への啓発活動の強化が必要と考えますが、見解を伺います。
 都条例及び改正健康増進法のもとで区は、受動喫煙防止に向け、区役所の屋内喫煙所を廃止し、庁舎敷地内に屋外喫煙所の設置を検討しているとの報道があります。
 国際オリンピック委員会(IOC)とWHOは、2010年にたばこのない五輪推進で合意し、開催国で実施されています。東京五輪開催で本区は、世界各国の人々から注目されます。屋外喫煙所設置では、出入り口でのたばこ粒子の拡散、喫煙者の衣服付着による被害など、受動喫煙は防げないと考えます。
 大田区や江戸川区では、敷地内全面禁煙を検討しています。本区も、たばこのない五輪推進の立場に立ち、庁舎敷地内も全面禁煙にするべきです。同時に、区民センターや文化センターなども敷地内禁煙とすることを求めます。伺います。
 また、行政機関外の議会棟の屋内喫煙所も廃止するべきものと考えます。
 次に、区内飲食店への対応について伺います。
 国の基準より規制を強化した都条例では、従業員を雇用している飲食店について、客室面積にかかわらず屋内禁煙とし、これにより都内飲食店の8割以上が義務化されます。一方、個人や家族経営店は経営者の判断になっています。
 近年の五輪開催都市では、飲食店は全て屋内禁煙です。禁煙にしたらお客が減るのではなどの不安の声がありますが、各国の調査でも、全面禁煙によって飲食店やバーなどでの来客数がふえ、増収となっています。また、国内のレストラン調査でも、来客も売り上げも増加しています。業者の不安払拭と飲食店禁煙を広げるために、区の啓発活動の強化を求めます。伺います。
 同時に、店内禁煙が義務となる従業員がいる店舗の調査、点検、現場からの告発などによる指導等の対応に向け、保健所体制の拡充が必要と考えますが、区の見解を伺います。
 受動喫煙防止に向けた都条例や改正健康増進法は、WHOや五輪開催国の水準に比べて規制が緩くなっています。ニコチンなどの有害物質を出している加熱式たばこの規制強化を初め、飲食店の室内全面禁煙、行政機関等の屋外喫煙施設容認の見直しなど、速やかな改善を都や国に求めるべきです。伺います。
 大綱3点目は、障害者支援についてです。
 初めに、障害者の多機能型施設整備などについて伺います。
 区は、多機能型施設整備に向け、来年度での設計着手を目指していますが、まだ設置場所が未定と伺っています。
 私たち区議団のアンケートには、医療的ケアが必要な重度の身体障害者を在宅で7年間介護している母親から、「レスパイトを含むショートステイなど、安心して預けられる施設を一日も早く整備してほしい」との切実な声が寄せられています。
 当初の計画では、平成27年度開設であり、これ以上の先延ばしはあってはなりません。土地購入を含め、区みずから施設整備するなど、区の責任で早期に整備することを求めます。伺います。
 また、亀戸、東砂の福祉園についても、東京都の補助制度を活用して看護師等を配置し、医療的ケアが必要な重度障害者の支援につなげるべきです。伺います。
 次に、障害児の放課後等デイサービス施設の増設について伺います。
 区は、臨海部地域で不足している放課後等デイサービスの整備を求める区民の議会陳情を受け、今年度、開設前の補助として予算を計上しましたが、まだ具体化されていません。臨海部地域は家賃が高く、物件確保が困難と伺っています。開設後の家賃補助の実施など、支援拡充が必要です。また、中学生以上の放課後デイ不足が深刻との陳情者の要望を受けとめ、早期整備を求めます。あわせて伺います。
 障害福祉サービス等の報酬改定について伺います。
 国はことし4月に、障害者通所施設などに支払う基本報酬を改定しました。これにより、一般就労が困難で工賃が低い障害者が働く就労継続支援B型事業所では、基本報酬が、障害者に支払う工賃の金額に応じて7段階に区分されたために、平均工賃が低い事業所ほど報酬が下がり、減収になります。
 本区では、B型事業所が31カ所あり、「減収になれば職員を減らさざるを得ない」との声が上がっています。
 また、放課後等デイサービス事業所についても、重い障害児を多く持つ事業所に報酬を厚く、そうではない事業所への報酬を下げたことで、区内36カ所の事業所への影響が懸念されます。区として各事業所の実情を把握し、必要な支援を行うことを求めます。また、国に対し、基本報酬の改善を求めるべきです。伺います。
 次に、障害者スポーツの普及・振興について伺います。
 私ども区議団が求めてきた初級障がい者スポーツ指導員の養成講習会が平成28年度から始まり、3年間で82人が受講しました。この講習会には、講習費と登録料で1万2,800円が必要です。健康スポーツ公社の職員やスポーツ推進委員は区の補助等で無料ですが、受講者の半数を占める一般公募区民は全額自己負担です。
 区内障害者スポーツの普及振興に携わる公募区民への講習料等の補助とともに、毎年3,800円かかる登録更新料も補助することを求めます。中級資格取得の講習会実施や資格を取得した指導員の活躍の場を広げるなど、指導員養成事業を拡充することを求めます。伺います。
 また、自閉症の子を持つ区民からは、区のプールに介助員を配置してほしいとの声が上がっています。介助員配置に向けた区の支援とともに、月1回のスポーツ会館での障害者水泳教室をふやすなど、障害者スポーツ事業の拡充を求めます。伺います。
 次に、塩浜福祉園の指定管理について伺います。
 区は、塩浜福祉園の管理運営を民間事業者に委託する議案を今議会に提出しました。これまで区は、「父母の会の理解を得る」、「丁寧な説明をしていく」と繰り返し述べてきました。しかし、父母の会は、「ことし3月と4月の園との定例会でも、指定管理者の事前説明は一切ありませんでした」と言っています。父母の会からは、「私たちの合意なしで決められることに不信感でいっぱい」との声が上がっています。
 国連の障害者権利条約は、私たちのことを抜きにして私たちのことを決めないでと定めています。父母の会の理解も合意もない民間委託は中止するべきです。同時に、父母の会の切実な願いを受け入れ、トイレに車椅子が入れるようにするなど、塩浜福祉園の大規模改修を最優先することを強く求め、質問を終わります。(拍手)

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2018年第3回定例会―赤羽目たみお

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱4点について質問します。

  1. 医療・介護問題について
  2. 災害対策について
  3. 教育費の負担軽減等について
  4. 豊洲市場について

 第1は、医療・介護問題についてです。
 安倍政権は、この間、年金の削減や要支援者の介護保険外し、窓口負担の引き上げなど、社会保障の大改悪と負担増を強行しました。区長は、社会保障は充実されていると述べ、国の悪政を追随、容認してきました。しかし、我が党が行った区民アンケートには、「年金収入でひとり暮らし、保険料など負担はふえるばかり」、「病院に行く回数を減らしたり節約しているが不安」などの声が多数寄せられています。区長はこうした声をどう受けとめているのか、伺います。
 国は、今後さらに75歳以上の医療費の窓口負担や介護保険の利用料を、原則1割負担から2割負担に引き上げることや、要介護1・2の人を介護保険から外す方向です。一方、軍事費は過去最高の5兆5,000億円を投入するとしています。これは余りにも国民の願いに背を向けた冷たい政治と言わざるを得ません。区民の暮らしを守る立場にある区長は、国に対し、社会保障の削減路線をやめ、充実へと転換するよう求めるべきです。伺います。
 江東区として、子ども医療費無料化制度の対象年齢の拡大を初め、入院時見舞金制度や重度介護手当を創設するなど、医療、介護の負担を軽減すべきです。伺います。
 次に、本区の国民健康保険料についてです。
 今年度も保険料が値上げされ、この7年間だけで約3万円も負担がふえ、現在の1人平均保険料は12万円を超えています。この保険料の値上げ通知が各家庭に届くと同時に、1週間で4,000件を超えるほどの問い合わせ、抗議が殺到しました。「収入は減っているのに保険料が上がるのはおかしい」、「高過ぎて払えない」などの悲鳴が上がっており、国保料の負担軽減は緊急切実です。
 しかし、東京都は、保険料負担を抑えるために実施している財政支援を、今後6年間で廃止する方針です。また、保険料負担を軽減するため、区市町村が独自に実施している一般財源の繰り入れを廃止するよう求めています。区はこれに従って、一般財源の繰り入れを今後6年で廃止する方針ですが、区が繰り入れをやめれば1人平均3万円以上もの値上げとなり、保険料を払えない人や必要な医療が受けられない人がふえてしまいます。区長は東京都に対し、財政支援の廃止計画を撤回するよう求めるべきです。区は、一般財源の繰入額をふやし、保険料値下げに踏み出すべきです。あわせて伺います。
 国民健康保険料の均等割は、こどもにも一律にかかり、平成11年の2万6,000円から今年度は2倍の5万1,000円にはね上っており、多子世帯にとっては非常に重い負担となっています。
 我が党区議団は、前回定例会に多子世帯の保険料負担の軽減を図る条例提案を行いました。子育て支援からも、区として多子世帯の保険料負担の軽減を実施すべきです。伺います。
 保険料が毎年引き上げられる原因は、国が国庫負担割合を大幅に引き下げてきたためです。国庫負担の増額を区として国に求めるべきです。伺います。
 次に、介護問題について伺います。
 まず、総合事業についてです。
 区が実施する総合事業について、我が党は、単価が低く事業者が集まらないことや、介護サービスの提供を縮小せざるを得ない事態になると指摘してきました。区は今年度から単価を引き上げましたが、それでも単価は低く、総合事業から撤退する事業所が相次いでいます。
 区内の介護現場から、「要支援者を受け入れてくれる事業所探しが一層難しくなった」、「まだまだ単価が低く、新規に要支援と判定された方は週1回しか入浴介助を受けられない」との声が上がっています。
 区は、現行相当サービスを今年度いっぱいで廃止するとしており、介護が必要と認定されながら介護を受けられない高齢者が一層増加してしまいます。区長は、事業所単価のさらなる引き上げや現行相当サービスを継続するとともに、国に対し、要支援者サービスを保険給付に戻すよう求めるべきです。伺います。
 次に、介護人材確保について伺います。
 区が昨年度から、区内の介護事業所に就職した方に就労準備金を支給する新たな事業を開始しましたが、実績6人と少なく、人材確保が進んでいるとは言えません。介護現場から、「人手不足で身体介助ができない」と声が上がっており、介護を支える人材を確保する施策の拡充が必要です。区長は、国に対し、介護報酬とは別枠で賃金を引き上げるよう強く求めるべきです。
 また、都が実施している介護施設の職員を対象にした宿舎借り上げ支援事業は、災害時の福祉避難所に指定されていることなど、要件が厳しく、使いづらいと現場から声が上がっています。利用要件の緩和を都に求めるべきです。区としても、家賃補助を実施するなど、介護職員確保策を拡充すべきです。あわせて伺います。
 大綱2点目は、災害対策について伺います。
 今月6日に発生した北海道胆振東部地震や大阪府北部地震、また、西日本を中心に襲った集中豪雨や台風上陸による浸水被害など、大規模な自然災害が頻発し、甚大な被害をもたらしました。この間の自然災害で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災者皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
 本年8月22日には、海抜ゼロメートル地帯が広がる江東5区での大規模水害時の被害想定や今後の課題が示されるなど、江東区としても、区民の命と暮らしを守る災害対策の拡充は待ったなしの緊急課題です。
 水害時に浸水が予想される地域を事前に知ってもらうため、ハザードマップを全戸配布すべきです。さらに、区内各所に海抜を表示し、今、自分がいる場所がどのような地域なのか、区民や来訪者に現状を認識してもらうべきと考えますが、あわせて伺います。
 緊急避難の場合には、公共施設や都営住宅、UR住宅などに避難することになっていますが、これらの施設には水や食料、トイレなどの備蓄はありません。浸水期間が2週間以上に及ぶとも言われており、水や食料、トイレの備蓄は必要と思いますが、見解を伺います。
 西日本豪雨では、犠牲者の半分以上が要支援者であったと言われています。現在、災害時に支援を必要とする江東区民3万9,000人のうち、個別の支援計画が作成されているのは9,000人にとどまっています。地域任せにすることなく、区が作成に深くかかわり支援していくべきです。
 また、要配慮者についてのタイムラインを、関係事業者や高齢者・障害者団体などと協議し作成すべきです。伺います。
 集中豪雨対策として、東京都に対し、江東ポンプ所、排水機場の完成年度を早めることや、50ミリ以上の豪雨に対応できる下水道を整備するよう求めるとともに、区として、区道の透水性・保水性舗装の拡大や、公共施設の地下等へ貯水槽の設置を進めるべきです。あわせて伺います。
 次に、地震対策について伺います。
 大阪府北部地震では、通学途中の小学生がブロック塀に挟まれて亡くなりました。こうした事態を受けて区は、通学路等の緊急点検を実施し、その結果、64カ所で危険箇所が見つかりました。現在通学路については、迂回するなどの対応が図られていますが、安全を確保するため危険なブロック塀対策を早急に講じるべきです。
 区長は、安全基準の周知や生け垣への転換などの支援を拡充することや、荒川区、江戸川区、台東区など、23区中9区で既に実施しているブロック塀の撤去、改修に、江東区としても助成すべきです。伺います。
 この間の地震災害を経験して、住宅の耐震補強の必要性がさらに高まっています。しかし、区の耐震化の現状は、対象4万4,000戸に対し、木造住宅では33件、マンションでは23棟にとどまっています。区長は、木造住宅の耐震工事助成の対象要件を緩和し、部分改修にも助成することや、助成限度額を引き上げるべきです。マンションについても、現在、1棟当たり2,000万円の限度額を見直し、1戸当たり100万円に改善し、住宅の耐震化を促進すべきです。
 また、発災時の通電火災を防ぐため、足立区など都内6区で行われている感震ブレーカーの設置助成を本区でも実施すべきです。あわせて伺います。
 ことしの夏は、気象庁が災害と認定するほどの記録的猛暑で、熱中症による健康被害が続出し、地球温暖化のもとで、区としても今後の対策が求められています。
 我が党は、本年8月7日に、熱中症から区民の命と健康を守る緊急対策の実施を区長に申し入れましたが、災害時には避難所にもなる区内小中学校の体育館にクーラーを設置するよう求めます。
 また、クーラー未設置の低所得の高齢者、障害者、乳幼児がいる世帯への設置補助を行うとともに、夏季の冷房利用に伴う電気代を助成すべきです。
 さらに、熱中症予防のため、暑さ指数計を小中学校、幼稚園、保育園、福祉施設等へ設置、高齢者世帯にも配布すること、防災行政無線放送等を活用し、熱中症注意報・警報の周知を図るべきです。あわせて伺います。
 大綱3点目、教育費の負担軽減等について伺います。
 憲法第26条には、義務教育は、これを無償とすると明記されています。しかし、実際には義務教育で無償なのは授業料と教科書等だけで、給食費や修学旅行費、ドリルなどの副教材費など、公立小学校で年間約10万円、公立中学校では約18万円もの重い保護者負担となっています。我が党が行った区民アンケートにも、教育費負担を軽くしてほしいという切実な声が多数寄せられています。義務教育段階における保護者負担を軽減する取り組みが全国で広がっています。
 江東区として、修学旅行費や移動教室費、卒業アルバム代や学校で使うドリルなどの副教材は公費負担とすべきです。伺います。
 次に、就学援助についてです。
 この事業は、経済的な理由で就学が困難な児童・生徒の保護者に対して、経済的支援を行うものです。我が党は繰り返し、入学準備費の支給時期改善や支給額の引き上げを求めてきましたが、このたび入学前に支給時期が改善されたことは大きな前進です。さらに、都区財調で基準単価が引き上げられたことから、入学準備金の支給額を直ちに増額すべきです。
 また、国は、本年10月から生活保護基準を引き下げます。区はこれに連動して、就学援助の認定基準を引き下げないようにすべきです。あわせて伺います。
 次に、学校給食費の負担軽減についてです。
 学校給食の普及充実と食育の推進は、学校給食法にも定められ、給食は教育の一つとして重要な役割を果たしており、本来無償にすべきものです。今、全国的に学校給食を無償にしたり一部を補助する自治体がふえています。
 江東区として、給食の牛乳代を補助することや多子世帯の給食費を無償にするなど、給食費の負担軽減に踏み出すべきです。伺います。
 次に、給付型奨学金制度についてです。
 返済不要の給付型奨学金制度の実施を求める声に押され、ようやく国は、今年度から本格的に制度をスタートさせましたが、対象規模が小さいことや、住民税非課税世帯でかつ成績優秀者と厳しく限定するなど、余りにも貧弱で、多くの学生と保護者、国民の切実な願いに応える制度になっていません。国に対し、対象者の拡大や要件を緩和するなど、制度の改善を求めるべきです。伺います。
 給付型奨学金は都内でも広がっています。文京区では、高校進学時に入学支度金として、公立で6万円、私立では10万円を支給し、足立区では、昨年度から国の教育ローンの返済補助として15万円を支給する大学等入学準備金支援助成を行い、今年度は対象の拡大を図っています。荒川区でも、条件つきで返済免除を実施しています。江東区としても、給付型奨学金制度を創設すべきです。伺います。
 次に、学習支援についてです。
 学習支援は、貧困の連鎖を断ち切る施策としても有効です。現在江東区は、主に生活困窮世帯等の中学生を対象に、無料の学習支援教室、まなび塾を区内2カ所で開催し、定員いっぱいになるほど多くのこどもたちが利用しています。より多くのこどもたちの学びをサポートするため、区長は、小学生も対象に加えることや開催会場をふやすなど、学習支援を拡充すべきです。伺います。
 大綱4点目は、豊洲市場についてです。
 小池都知事は、土壌汚染対策を提言してきた専門家会議の評価を受け、豊洲市場の安全性が確認されたとして、農林水産大臣に豊洲市場の認可申請を行いました。9月10日、国は、多くの反対の声を無視して豊洲市場に認可書を交付しましたが、日本共産党は怒りを込めて強く抗議するものです。
 専門家会議は、追加対策工事の完了をもって安全を認識したとしていますが、7月30日に発表されたモニタリング調査結果でも、過去最高となる環境基準の170倍もの発がん性物質、ベンゼンが検出され、環境基準では検出されてはならない猛毒のシアンも検出されるなど、依然として高濃度の土壌汚染が残されたままです。
 さらに、地下水に含まれる汚染物質の影響が地上に出ないようにするため、地下水の水位を当面海抜2メートル以下に抑えるとした目標も、追加対策工事完了後も達成されておらず、達成できる見通しも示されていません。
 日本環境学会の畑明郎元会長は、「追加対策の効果には非常に疑問がある。地下空間床面にコンクリートを敷き詰めても、時間が経過すればひび割れし、目に見えないひび割れからガスが浸入する」と指摘しているなど、この安全宣言については、各界から無責任だと厳しい批判の声が上がっています。
 区長は、汚染土壌の無害化が市場移転を受け入れる大前提としてきましたが、いまだに環境基準を大きく超える有害物質が検出され続けており、地下水位の管理もできていない現状で、食の安全・安心は確保できると考えているのですか、区長の答弁を求めます。
 そもそも、小池都知事が安全宣言の根拠とした専門家会議は公開で行うと定められているにもかかわらず、追加対策の有効性を確認する公開の専門家会議は開かれておらず、正当な手続もとられていません。
 この間、国も、科学的見地に基づき万全な対策を講じるとともに、消費者等に対して、対策の内容について十分な説明を行うよう求めており、市場業者や市民の前できちんとその根拠を説明する責任が都知事にあります。東京都に対し、専門家会議を公開で開催するとともに、市場関係者や区民、都民に説明責任を果たすよう強く求めるべきです。伺います。
 築地女将さん会が築地市場の水産仲卸業者などへ、築地市場の移転についてアンケート調査を行い、回答した9割の方が、築地で商売を続けたいと答えています。
 東京都は、東卸組合が了承したことをもって移転を進めるとしていますが、築地市場で働く仲卸業者らは、同市場で営業権を持つ業者として、交渉権、発言権を行使するため、築地市場営業権組合を結成、昨日、仲卸業者ら56名は、豊洲市場への移転差しとめを求める訴訟を東京地裁に起こすなど、合意は得られていません。
 さらにマグロ包丁が使えないほど狭い仲卸店舗、急斜面、急カーブがあり、長くて複雑な流通動線、大型トラック荷台の横扉があけられない構造、駐車場不足、いまだに示されない水光熱費等の費用負担の問題、また、先日新たに発覚した地盤沈下による舗装のひび割れなど、問題は山積しています。
 食の安全・安心が確保されない以上、区長は東京都に対し、安全宣言の撤回を求めるとともに、市場関係者の同意も得られていない市場移転は中止するよう求めるべきです。
 区長の見解を伺い、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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区議団ニュース2019年1月号

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区議団ニュース2018年11月号

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2018年第2回定例会―そえや良夫議員

 日本共産党区議団を代表し、大綱3点について質問します。

  • 教員の働き方改革について
  • 中小企業支援について
  • 羽田新飛行ルートについて

 第1は、教員の働き方改革についてです。
 昨年6月、東京都教育委員会が行った教員の勤務実態調査では、過労死ラインと言われる月80時間以上の時間外勤務をしている教諭の割合は、小学校で約4割、中学校で約7割に上ります。そのため、本区教職員組合のアンケートに、半数を超える教員が「日々疲れを感じる」と答えるなど、実に7割以上が過労状態であることが示されています。そういう中でも、ほぼ全ての教員がこどもと向き合える時間が欲しいと求めています。長時間過密労働の改善は、教職員の健康問題にとどまらず、こどもと向き合う時間や教育の質を確保し向上させる上からも、緊急に解決すべき待ったなしの課題です。
 東京都教育委員会がことし2月発表した働き方改革推進プランは、業務の役割分担や組織運営の見直し、時間管理と意識改革が柱です。
 業務見直し案には、給食の時間を学校外の人に見てもらうことや、学習評価、授業準備、学校行事の準備、運営など、幅広い分野で補助要員の導入、民間委託を検討することも盛り込まれています。しかし、教組のアンケートでは、6割以上の教員が、生活指導、学習指導などに関する業務は、現状通り教員が行うのがよいと答えています。業務の役割分担などの見直しは現場の声を尊重して進めるべきです。伺います。
 次に、教員定数の見直しについてです。
 学習指導要領の改訂で、標準授業時間数がふやされ、小学1年生から毎日5時間授業、4年生以上では水曜日以外は6時間授業となっています。文科省は、授業時間数と同じだけ授業準備の時間が必要としていますが、こどもたちの下校後に翌日の準備を始めれば残業になるのは当たり前です。「授業準備がせめて定時間内に終わるようにしてほしい」との声に応えて、教員をふやし、1人が受け持つ授業時間数を減らすべきです。
 少人数学級は一人一人に目が届くなど、高い教育効果とともに、担任の負担を減らす効果も大きいと文科省も認めています。ところが、小学1年生に導入された後、財政上の理由で7年間もとまったままとなっています。長時間過密労働の解消、教育の質の確保と向上に向け、国に教員定数の抜本的引き上げ、35人学級の全学年での速やかな実施を求めるべきです。伺います。
 また、養護教諭の全校複数配置や小規模校への理科、家庭科などの専科教員の配置を求めるべきです。あわせて伺います。
 次は、過度な競争主義をもたらす、教師にもこどもにも負担となっている学力テストについてです。
 全国学力テストは、こどもの学力の状況を調べる、指導の改善に役立てるなどを理由に導入されましたが、教師とこどもを自治体間競争に巻き込み、自治体による独自のテストまで行われています。しかし、テストの結果がわかるのは半年後で、指導の改善には役立たないと指摘されています。それどころか、「テストの準備や調査のために時間がとられ、授業時数が確保できない」との声も上がっています。
 広島県は、業務改善の面から、県独自の学力テストを中止しました。こどもと教師に心理的にも大きな負担となっている学力テストの中止を、国と都に求めるべきです。また、本区独自のテストは中止すべきです。伺います。
 次は、区独自の取り組みについてです。
 国や都が示す改革方針は、具体化までに相当時間を要することが予想され、区独自にできることは直ちに始めることが必要です。
 こどもたちをめぐるさまざまな問題に対応するためのスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの増配置、担当教諭の負担軽減とともに、高い教育効果も確認されている学校司書の全校配置、部活動の外部指導員の全校配置など、積極的に取り組むべきです。伺います。
 大綱第2は、中小企業支援についてです。
 区は、区内中小企業の景況について、製造業を除く3業種で業況の持ち直しが見られるなどの認識を示してきました。しかし、平成21年から28年の7年間、全ての業種で事業所数は減少し、全体では約1割の減、製造業では3割もの減となっています。
 卸・小売業は全体では1割の減ですが、区商連加盟の商店会は、平成11年の52から40へと激減しました。商店街には住宅やコンビニ、大手スーパー系のミニスーパーが目立つなど、大変な状況になっています。区内商工業者の実態について、認識を伺います。
 製造業でも卸・小売業でも、地元中小業者の減少傾向に歯どめをかけ、地域経済の活性化を図るためにも支援の強化が必要です。まず、実態調査が重要です。
 今回視察した大阪八尾市では、条例に位置づけられた産業振興会議の政策提言を市の政策に取り込みながら中小企業支援を進めています。その際、何より重要なのが、商工業者の実態を正確につかみ、課題を明確にすることだと言います。そのため同市では、全業種対象に悉皆調査を行い、また、日常的に市職員が町に出て、毎年500件ぐらいの事業所を訪問しているとのことです。
 本区は、平成25年に製造業と商店街について実態調査を行い、その結果は、生鮮三品商店助成事業や江東ブランド推進事業に生かされました。しかし、このときの調査対象となった製造業と商店街は区内全事業所の半分程度で、建設、運輸など9,000を超える事業所は対象外とされました。改めて全業種にわたる実態調査を行うべきです。伺います。
 次に、中小企業活性化協議会についてです。
 本区は、区内中小企業の活性化について、協議、調整と検討をするために、中小企業活性化協議会を設置しています。部会を設置し、専門的な検討を行うことも規定していますが、この14年間、部会が設置されたことは一度もなく、協議会本体の会議も、事務局である区からの報告と質疑、各団体からの短い報告で終わっています。
 八尾市の産業振興会議が政策提言の場と位置づけられ、これまで90件以上が市の政策に生かされたことと比べ、大きな違いです。八尾市の取り組みを教訓に、本区の活性化協議会に学識経験者や公募区民を加え、部会を設置し、継続的な議論を行って政策提言もできる組織に高めるべきです。まとまった提言は、区も積極的に中小企業政策に生かす双方向の取り組みを進めるべきです。伺います。
 次に、相談体制についてです。
 本区の中小企業相談員は、中小企業診断士5人と商業診断士2人の計7人で、経営相談が中心です。常駐する相談員は週4日は1名のみで、体制の強化が必要です。
 2,000を超える製造事業所があることも踏まえ、製造部門、技術部門の相談員を増配置し、製造業の高度化支援などを含め、産業会館に来れば全ての相談に対応できるよう、産業会館機能の強化も図るべきです。伺います。
 次に、商店支援についてです。
 平成27年から始まった生鮮三品商店支援事業は、この3年間で18件が利用し、「おかげで事業を継続できた」、「備品を買い入れ、売り上げがふえた」など好評です。しかし、対象となる商店はもとより100件程度です。商店街の活性化に向け、飲食店を含む全ての店に支援の対象を拡大すべきです。伺います。
 空き店舗活用支援事業は、この3年間、徐々にふえて、昨年度の補助件数は11件になりました。しかし、対象が江商連加盟商店街とされているため、4分の1の商店会は対象外です。小さくなった商店会を差別し、地域再生の道を閉ざすやり方は改め、全ての商店会を対象にすべきです。伺います。
 大綱第3は、羽田新飛行ルートについてです。
 国は、国際競争力を高めるために羽田空港の機能強化が必要として、新たに都心上空に低空の飛行ルートを設定しようとしています。羽田空港発着便は、これまで騒音影響や落下物対策のため、高度1,800メートル以下は陸地を飛ばない、海から入り海から出るという大原則が確立されてきました。この大原則を覆す新ルートは、住民に墜落や落下物の危険、騒音など、安全面でも環境面でも新たな危険と負担をもたらすものです。
 5月24日、熊本空港を離陸した日航機からのエンジン部品落下事故は、本区上空に羽田空港出発機の低空ルートを設定することの危険性を改めて浮き彫りにしました。認識を伺います。
 次に、落下物対策についてです。
 国は昨年、飛行機からの部品落下が相次いだことを受けて、11月、落下物総合対策推進会議を設置、ことし3月にまとめを発表しました。その柱は、航空会社による点検整備の強化と部品脱落を見つけた場合の国交省への報告義務づけ、事故に対する損害補償からなっています。
 しかし、この総合対策についてのレクチャーで、「落下物をゼロにできるか」との質問に、国交省は「ゼロを目指す」と繰り返すだけで、「ゼロにする」とはついに答えませんでした。
 また、羽田空港の検査体制の弱さも浮き彫りになりました。航空会社による胴体周りの点検は、検査員が1人で行う目視検査だけ、国交省の検査員はわずか9人で、1日に検査できるのは10機程度、とても十分な対策とは言えないとの指摘に、国交省からの明確な答えはありませんでした。
 区は、落下物対策について、国に整備体制の強化を求めるとしてきましたが、新たな対策でも、落下物をゼロにできる保証はないと思いますが、区の見解、伺います。
 次に、国の対応についてです。
 国交省は、「羽田新飛行ルート設定は、地元の理解を得て進める」と国会で答えています。また、新ルート設定に関する最新の広報紙では、環境対策や安全対策などについて丁寧に説明してきたと強調しています。しかし、区内で過去4度開かれた説明会は、いずれもオープンハウス型で、国の取り組みについての情報提供が中心、住民の質問に対する適切かつ正面からの答えはありません。一方、参加者が共通の理解を得るのに有効として求めている教室型の説明会は、いまだに開かれておりません。
 区も、28年11月に教室型説明会の開催を申し入れましたが、国交省はその後、2度の説明会を行いながらいまだに実施しておりません。国の対応は、区に対しても区民に対しても余りに誠意がありません。認識を伺います。
 我が党が先日行ったアンケートの中間集計でも、「反対」51%、「よくわからない」23%、「計画を知らない」が16%となっています。とても区民の理解が得られたと言える状態ではありません。住民の合意がないまま新飛行ルートでの運用は行わないよう、国に求めるべきです。伺います。
 区は、羽田空港の機能強化は国際競争力の強化のために必要との立場ですが、国が当面新飛行ルートで運用を目指すとしている午後3時から7時の時間帯は、アジア便と北米便が集中する時間帯です。羽田で乗り継げば、乗客はアジアと北米との移動が効率よくでき、航空会社は乗客がふえて収益性を向上させることができます。つまり、午後3時から7時までの時間帯で羽田発着便をふやしても、乗り継ぎ客がふえるだけで、日本への観光客の増加などによる経済効果はほとんど期待できません。航空会社の利益のために住民の安全を犠牲にする新飛行ルートの撤回を国に求めるべきです。
 以上伺い、質問を終わります。(拍手)


(再) 航空機からの落下物対策です。
 落下物が落ちれば、それだけで区民の命にかかわります。ゼロにできるというふうな確信があるのかどうか、そこのところをぜひ示していただきたいと思います。

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2018年第2回定例会―きくち幸江議員

 日本共産党江東区議団を代表して質問します。

  • 高齢者の生活支援について
  • 住宅問題について
  • 若者支援について

 第1は、高齢者の生活支援についてです。
 高齢者の貧困状況が深刻です。国民生活基礎調査に基づく分析では、「生活が苦しい」と答える世帯が年を追うごとに増加し、最低生活費未満で生活する世帯が4分の1、貯蓄があってもいつなくなるかわからない不安を抱えているとのことです。
 江東区でも、高齢者の生活保護受給世帯はふえて、全体の6割を占め、共産党区議団が行ったアンケート調査には、「長生きすることが人生の最大のリスク」、「80歳の今でも働いているが病気になったら生活できない」など、悲痛な声がたくさん寄せられました。
 戦争を体験し、後の日本経済の土台をつくってきた高齢者が、老人漂流社会、老後破産、長寿という悪夢などと、社会問題となる高齢者の生活困窮状況をどう認識していますか、まず伺います。
 高齢者の経済的困窮は、友達との交流ができないなど、社会参加の機会の減少、食費の節約からくる健康阻害など、心身を害する要因ともなっています。健康で文化的な生活を保障する区の役割として、経済的支援が求められます。
 まず、医療・介護の負担軽減です。
 入院時の差額ベッド代について、厚生労働省は、治療上の必要で個室を利用する場合に加えて、大部屋が満室のときも差額ベッド代は取れないとの通知を出しました。区報で取り上げるなど、医療関係者や区民に周知すべきです。
 また、月に二、三万円もかかる入院時のおむつ代は、現在の7,500円を実態に見合って引き上げるとともに、せめて日用品等の購入費用として入院見舞金制度の創設を求めます。
 在宅の介護では、利用料負担の心配なく介護保険を利用できるように、介護手当の支給制度の創設を求めます。
 さらに、区が行う見守り事業は、この間、廃止や利用条件を制限する傾向にありますが、むしろ拡充すべきです。
 福祉電話は、今年度から新規受け付けがなくなりました。しかし、外部との連絡や救急車の要請など、低所得で電話が持てない世帯にとって福祉電話は命綱です。新規受け付けの復活を求めます。
 緊急通報システムの補助、声かけ訪問などは、利用対象の制限をなくし、必要な人が利用できるようにすべきです。伺います。
 次に、長寿サポートセンターについてです。
 「夫が夜徘徊して寝られない」、「介護者が疲れで入院した」など、高齢化の進行の中、長寿サポートセンターはすぐに駆けつけてくれる頼りになる存在ですが、仕事量が多く、8時、9時までの残業が常態化しているとのことです。
 今後さらに、地域包括ケアのかなめとして、町会・自治会、医療関係者や警察など、地域と連携した役割が求められるとなると、とても人が足りません。権利擁護、病気予防、地域福祉など、本来業務をしっかり進めるためにも、介護予防プラン作成のケアマネジャーの定員をふやすべきです。
 また、困難事例やトラブルを抱えたときの同行支援、仕事のバックアップ、スキルアップを行う基幹型センターの設置を求める声が上がっています。
 高齢者の生活を支える仕事を事業者任せにせず、区直営で基幹型センターを整備し、センター間の調整や指導、助言を初め、困難事例にはともに出向いて解決に努めることで、地域の状況もわかり、実効ある区の施策につながると考えますが、見解を伺います。
 次に、介護の総合事業についてです。
 要支援の介護が総合事業に移行したことにより、利用者からは、「時間が短くなって、今までしてもらっていたことができなくなった」などの声が寄せられています。
 総合事業は、住民等の主体により多様なサービスを提供すると取り組まれてきましたが、事業開始から2年、期待された住民主体のサービスはわずか数%、今後の見通しも需要を満たすことを期待できるものではありません。
 事業所提供の基準緩和サービスも、今年度から単価アップを図ったものの、大手事業者が撤退を表明するなど、そもそもの人手不足もあって受け入れが困難になっていると聞いています。
 区は今年度で現行相当のサービスを打ち切る方針ですが、受け皿のない現状では介護難民をふやすことになります。総合事業の現行相当は残し、サービス提供や事業所運営が適切に行われているか実態を把握し、報酬単価の引き上げ、人材確保支援を強化すべきです。また、政府に対し、要支援者の介護は介護保険に戻すことを求めるべきです。伺います。
 質問の第2は、住宅問題です。
 東京都の昨年の調査では、住居を持たないネットカフェ難民が、都内で1日約4,000人に上ることがわかりました。10年前の国の調査では、全国で5,400人ということですから、不安定な生活の広がりは明らかです。また、ことし高齢者が死亡した無料低額宿泊所の火災では、劣悪な住環境が改めて問題となりました。
 本区においても、大部屋をカーテンで仕切り、2段ベッドを置いただけの宿泊所に、何年も居住する状況について、会派として改善を求めてきた経緯があります。住まいがあっても、狭くてバリアフリーの改修ができない、家賃が払えないなど、住まいの不安はそのまま生活の不安です。
 会派のアンケートに寄せられた声も、「都営住宅に何年申し込んでも当たらない」、「働いているが、貯金がなくなったら住むところがない」と切実です。住宅施策の抜本的拡充が必要であると考えますが、見解を伺います。
 昨年10月、改定住宅セーフティネット法が施行されました。高齢者や障害者などの入居を拒まない賃貸住宅や空き家を登録してもらい、家主には住宅改修費や家賃低減補助を行う仕組みですが、江東区の登録物件はいまだありません。東京都は、さきの法律に基づき、提供物件の改修費や低所得者への家賃軽減費などの補助を行う制度をつくりました。この制度も活用し、登録物件の確保に努めるべきです。伺います。
 次に、本区のお部屋探しサポート事業です。
 支援対象を高齢者だけでなく、障害者、ひとり親家庭に広げましたが、29年度実績は、158件の相談件数に対し契約成立10件と少なく、改善が必要です。
 品川区では、社会福祉協議会と連携して、定期的安否確認と急病などの緊急時にも対応するほか、葬儀や家財撤去を代行する支援を行います。
 本区としても、高齢入居者の孤独死などに不安がある家主に対し、こうした支援を行うべきと考えます。また、相談窓口も、何回も区役所に通わなくてもよいように、不動産業者の代理申請を認めるなど、改善すべきです。あわせて伺います。
 次に、公営住宅の増設についてです。
 都営住宅の申し込みは高倍率が続き、とりわけ高齢者住宅は数十倍の厳しい状況です。住宅確保が困難な住民にとって、公営住宅の提供は最も確実な手段であるのに、都営住宅の戸数はふやさない方針です。
 区内では、築年数の長い都営住宅の建てかえ、高層化が進み、敷地に余裕が出ています。住宅戸数をふやすように都に求めるべきです。また、本区の区営住宅の検討においても、住宅戸数をふやすことを求めます。伺います。
 公共住宅であるUR住宅の活用も急ぐ必要があります。
 本区にはUR住宅が1万6,000戸もありますが、高齢化が進み、入居世帯の5割が公営住宅入居階層に当たるとの調査もあります。
 国交大臣の基本方針では、UR住宅は、住宅確保要配慮者の居住の安定を担う重要なストックとして位置づけられ、借り上げ公営住宅や地域優良賃貸住宅として活用することも検討と明記されました。国において収入に応じた家賃設定を行うことが必要ですが、区としては、高齢者住宅としての借り上げ、家賃助成を実施すべきです。伺います。
 質問の第3は、若者支援についてです。
 内閣府は今年度、40歳から59歳を対象に、ひきこもりの実態調査を行います。これまで若者特有の問題とされてきたひきこもりやニートの状態が継続したまま年を重ね、親も高齢になり、収入減や病気などで一家が孤立、困窮するケースが顕在化しているということです。
 80代の親が50歳代の子の生活を支える8050問題と社会問題になるほどにその対象者数も多く、長期化が進んでいる状況は、今後の社会にとって問題であるというだけでなく、本人や家族にとってはつらく、苦しい生活を長期に過ごしていることでもあり、早い時期からの支援強化が求められます。
 そこでまず、ひきこもり、無業状態にあるなど、生きづらさを抱えている若者支援について伺います。
 本区の総合相談窓口であるこうとうゆーすてっぷを、区役所青少年課を中心に行っています。しかし、実施の基本は週3日で、午後1時から5時、電話相談は午後5時から7時の週1回です。
 青年の悩みは、本人も家族もなかなか人には話しにくく、相談者の多くが本人より保護者や親戚関係者であることを考えると、いつでも相談できる常設か、少なくとも土日、平日夜の実施をすべきです。
 また、広報広聴課発行の江東区の相談案内に青少年相談は紹介されていません。広く周知すべきと考えますが、あわせて伺います。
 次に、若者支援の取り組み体制についてです。
 自立した社会参加に踏み出すには、生活の立て直しと就労への展望を持った支援が不可欠です。ゆーすてっぷでは、訪問支援で就労に結びつけたり、インテーク会議で他機関とのつながりができた例があると聞いていますが、こうした取り組みを抜本的に前に進める体制の整備を求めます。
 例えば本区の事業で、保護課の就労センターなど、各種就労支援事業があり、経済課はこうとう若者・女性しごとセンターを実施するなど、青年の自立支援にかかわる事業がいろいろありますが、そのほとんどが事業委託で、実施場所、事業者、区の担当課も別々です。心の悩みや発達障害などは、保健所、医療機関などとの連携も必要です。
 2010年に施行された子ども・若者育成支援推進法は、若者の抱える問題の深刻化に対応するには、従来の縦割りの対応では限界があるとして、支援の総合的推進のための枠組みの整備、各機関の連携、調整のためのネットワーク整備を目的に制定されましたが、本区の取り組みは不十分です。青年支援の総合計画をつくり、相談から支援事業につなげるための支援コーディネーターや、地域協議会の設置など、各機関との連携に責任を負うコンシェルジュとしての区の役割強化を含め、体制を整備すべきです。伺います。
 次に、青少年の居場所づくりと活動の拠点整備についてです。
 ひきこもりや無業状態など、今日の若者の抱える問題の背景には、競争教育の中での自己肯定感の不足、経済格差の広がりの中で、家庭環境の悪化や労働者使い捨ての社会環境など、さまざまな要因があります。
 ちょっとしたつまずきでも、孤独な環境でなかなか立ち直れない、自分に自信が持てず、人と触れ合うのが怖くなる、こういう青年にほっとできる居場所を提供する。ちょっと上のお兄さん、お姉さんがいて、つまずいても大丈夫という大人がいる、何かあれば相談できる、グループ活動にも参加でき、そこで自信をつけて社会とのつながりがつけられる、そうした活動ができる場所が必要であるというのが、先進的な取り組みを行っている自治体の教訓です。そこで、青少年活動の拠点機能を持った基幹センターの整備を求めます。
 江東区では、ジュニアリーダーの育成や青少年を地域で支える青年館活動は、かつて深川、亀戸両青年館で行われていましたが、青少年センターに縮小され、今は区役所4階が活動拠点になりました。これでは青年から見えません。青少年課は庁内から出て青年育成の活動拠点を地域に移し、総合相談や就労支援など、ワンストップで行う体制をつくるとともに、亀戸の青少年交流プラザを含め、ブランチとしての地域センターを区内各所に設け、地域と一体で青年問題に取り組む体制をつくるなど、青少年支援の予算と施策の抜本的拡充を求めます。
 見解を伺い、質問を終わります。(拍手)


(再) 高齢者の生活困窮に対する区の見解なんですが、高齢者の生活が大変になっているということはお認めになった。しかし、健康で文化的な生活を保障することは国の役割だということで、江東区としては、さまざまな経済的な支援の提案をさせていただきましたけれども、こうした経済的支援については、区としてはやる考えはないということなのか。この辺をお答えいただきたい。

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2018年第2回定例会―大つきかおり議員

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱4点について質問を行います。

  • 豊洲市場問題について
  • 生活困窮者支援について
  • 保育問題について
  • 憲法と平和問題について

 第1に、豊洲市場問題について伺います。
 豊洲新市場の開場予定日まで4カ月となりましたが、土壌汚染問題、施設の欠陥と使い勝手の悪さの問題、にぎわい施設計画の問題など、混迷は深まるばかりで、何一つ解決していません。
 築地市場の女性でつくる築地女将さん会は4月11日、都に対し、開場延期、移転中止、築地での再整備を要請しました。
 3月に行ったアンケートでは、水産仲卸業者の7割が、市場移転の中止、凍結を求め、10月11日の開場日設定についても、8割が「納得していない」と回答しています。
 水産卸売場から水産仲卸売場までのターレの移動時間が、今までの6倍もかかることや、トラックの荷台の扉が横開きで使えず、荷物の積みおろしに時間がかかること、店舗面積が狭いことなど、これまでも指摘されてきましたが、5月10日に行われた集荷の搬出入を行う習熟訓練に参加した業者からも、追加工事が必要との声も上がっています。このまま開場されれば混乱は必至です。
 市場業者の理解も得られず、施設の問題も解決されないまま市場の開場を強行すべきではないと思いますが、伺います。
 市場移転の最大の問題は土壌汚染問題です。東京都は、「土壌も地下水も環境基準値以下にする」との都民への約束を反故にし、追加対策工事で済まそうとしていますが、汚染が残されたままでは食の安全は確保できません。
 4月3日に発表された昨年12月からことし2月の地下水モニタリング調査の結果では、46カ所中39カ所の調査地点から、環境基準を超える汚染物質が検出されています。ベンゼンは最高で130倍、検出されてはいけない猛毒のシアンは検出下限値の14倍、シアンやヒ素は前回調査より上昇傾向にありました。区は今回の調査結果をどのように受けとめているのか、伺います。
 都の専門家会議は、地下水から汚染が検出され続けていることについて、「環境基準は超えているが大きく変化はしていない」、「地下水管理システムで地下水を回収するから、中長期的に水質は改善していく」と述べていますが、いつ改善するのか具体的な見通しを示せていません。そもそも、土壌汚染対策で除去したはずの汚染が検出されること自体問題で、これまでの土壌汚染対策の失敗は明らかです。失敗した土壌汚染対策を提言した専門家会議がいくら大丈夫だとお墨つきを与えても、全く信頼できないのではないですか。伺います。
 豊洲新市場では、汚染地下水が上昇して地上に出てきてしまわないようにするために、市場の敷地の3つの街区をそれぞれ遮水壁で囲み、敷地外との地下水の移動を防いだ上で、ポンプによって地下水を吸い上げ、地下水位を海水面のプラス1.8メートルで保つ地下水管理システムが設置されています。
 しかし、地下水管理システムが本格稼働してから1年半も経過するのに、海水面のプラス1.8メートルという地下水位を達成できているのはわずか4割にすぎません。
 地下水位の変動を分析した研究者からは、遮水壁を隔てた市場の内側と外側の地下水位の変動がリンクしており、地下水管理システムが機能していないか、もしくは遮水壁が機能していない可能性があると指摘されています。
 地下水管理システムや遮水壁がうまく機能していなければ、汚染地下水を回収することはできず、地下水の上昇で揮発した汚染物質が地上に暴露してしまうおそれがあります。
 区は、遮水壁や地下水管理システムの有効性について、調査、分析を求めるべきではないですか。伺います。
 ぐるり公園と市場の敷地の境界の遮水壁が地上面より2メートルも低いことから、地上面まで上昇した汚染地下水が遮水壁を乗り越えて、ぐるり公園の土壌も汚染しているのではないかという可能性が指摘をされています。
 区長は、盛り土の再調査について、調査を求めるつもりはないと答弁してきましたが、ぐるり公園の安全性を確保するためにも、盛り土の調査とともに、ぐるり公園の土壌の調査を求めるべきではないですか。伺います。
 食の安全・安心は何よりも優先されなければなりません。汚染が残されたままでは将来にわたって不安を抱えることになり、江東区にとっても、また都民にとってもよいことではありません。食の安全が確保できない豊洲東京ガス工場跡地への築地市場の移転は、撤回を求めるべきです。伺います。
 第2に、生活困窮者支援について伺います。
 格差と貧困が広がる中、離婚や病気、障害や失業、借金など、さまざまな事情で生活困窮に陥り、その結果、税金を滞納してしまう方も少なくありません。区は、払いたくても払えない人まで一律に悪質だとし、放置すれば公平を失するとの考えから、わずかな預貯金や給与の差し押さえを行っています。
 けがをして仕事ができなかったことをきっかけに、税金の滞納が膨らみ、預貯金の全額を差し押さえられてしまった区民の方は、「差し押さえを解除してもらわないと生活できない」、「どうやって生活すればいいのか」と訴えましたが、窓口の職員からは、「自分で考えてください」と冷たく言われ、結局、生活保護を受けざるを得ない状況に追い込まれました。
 私が5月に視察した滋賀県野洲市では、差し押さえによる一時的な徴収よりも、生活再建を経て納税してもらうほうが長期的な納税額が大きく、親身に相談に乗る頼りがいのある行政でこそ、今後の長期的な納税意欲の向上につながるとの考えから、滞納は生活困窮のシグナルと捉え、滞納者の生活再建を支援し、税金等の滞納を解消しています。
 野洲市長は、「税金を納めてもらう以前に、市民の生活が健全でなければならない。市民の生活を壊してまで滞納整理をするのは本末転倒」と述べています。
 江東区でも、滞納は生活困窮のシグナルとの立場に立ち、生活困窮にまで追い込む強制徴収はやめ、まずは生活再建のための支援を行う生活再建型の滞納整理へと転換を図るべきではないでしょうか。伺います。
 税金の滞納をしている場合、その背景には失業や借金、家族の問題などを抱えていることが多く、また、税金だけではなく、国民健康保険料など、ほかの支払いも滞っている場合があります。
 野洲市では、庁内で情報を共有して、横の連携を図るため、市が扱う債権の管理台帳を整備し、税情報を持つ納税課が債権を一元的に扱うとともに、市民生活相談課と連携し、仕事、生活、借金などに悩む相談者をたらい回しせず、生活再建のための包括的な支援を行っています。
 江東区でも、区民税等の滞納をしている区民の生活再建を包括的に支援する生活支援課を設置すべきではないでしょうか。伺います。
 区は、現在、生活困窮者自立支援法に基づく自立支援相談を、民間事業者に委託して実施していますが、民間委託の場合、区の職員が委託先職員に直接指示を行えば偽装請負になるため、対等な立場で業務を行うことは困難です。また、包括的な支援を行うためにも、債権の滞納情報などを庁内で共有することが必要ですが、個人情報の取り扱いという点から民間委託は問題です。
 自立支援相談は、民間委託ではなく区の職員が直接行うべきではないですか。伺います。
 また、現在、任意事業の家計相談については実施されておりませんが、家計の立て直しをアドバイスする家計相談事業についても実施すべきだと考えますが、伺います。
 江東区では、28年度、4,431件の区税の差し押さえを実施していますが、一方で、徴収猶予はゼロ件、生活困窮を理由とした換価の猶予もわずか2件しか行われていません。
 野洲市では、市民生活相談課に相談が寄せられた段階で、まずは徴収を停止し、滞納の原因を探り、解決のための支援を行います。その上で、支払い困難となれば、債権管理審査会の審査を経た上で債権放棄を行っています。
 江東区でも、税金や保険料が払えないとの相談があった段階で、まずは徴収停止を行い、滞納原因の解決に当たるべきではないでしょうか。伺います。
 第3に、保育問題について伺います。
 江東区の保育園不足は引き続き深刻です。ことし4月時点での待機児童数は、国基準で76人とのことですが、認証保育所に入所できたこどもは除かれており、実際には認可保育園に申し込んでも入れなかった待機児童数は1,503人に上っています。
 ゼロ歳児のお子さんが認可保育園に入れなかったという区民の方は、「やむを得ず満員電車で職場近くの企業内保育園に預けようと覚悟していた」、「近所の認証保育所にあきが出てほっとしたけれど、認可保育園をふやしてほしい」と、切実な声を寄せています。
 1,500人を超すこどもが認可保育園に入れなかったということについて、区はどのように認識していますか。伺います。
 区は、今年度から認可保育所の空きスペースを利用した定期利用保育や、自宅に保育士を派遣する居宅型保育を新たに実施しています。しかし、定期利用保育は2歳児の1年間だけで、3歳児以降の保育が保障されるわけではありません。
 また、居宅型保育も、保育士が1人で保育することから、安全面や他人が自宅に入ることにちゅうちょする方も少なくありません。
 小規模保育所も2歳児までが対象で、3歳児以降の保育が保障されていないことや、転園によるこどもの負担も問題です。
 認可保育園への入園を希望するこどもの保育を保障するために、毎年1,000人の保育所の定員増の目標を引き上げるとともに、ゼロ歳から5歳までの認可保育所の整備を基本に増設を行うべきではないでしょうか。伺います。
 認可保育園の整備が進まない大きな原因となっている保育士不足も依然として深刻です。保育士が集まらないため、区内でも認証保育所の閉園やゼロ歳児保育が廃止されるなどの事態が起きています。
 さらに、昨年は、保育所の事務職員の内部告発によって、保育士がそろわないのに、書類上保育士がいるかのように見せかけていたことが発覚をし、補助金の返還を求める事件まで発生しました。
 保育士基準を満たさないまま保育をすることは、こどもたちの安全や命にかかわる問題であり、決して許されることではありません。再発防止のために検査体制を強化するとともに、保育士不足という根本問題を早急に解決しなければなりません。
 この間、国の処遇改善やキャリアアップ補助など、都独自の賃金引き上げ策などが実施されてきましたが、一般労働者と比べ、月額10万円も低い保育士の給与を改善するには十分とは言えません。また、今年度実施する国の処遇改善加算も、一部の職員にだけ4万円の昇給を義務づけるもので、所長や主任保育士との給与額の逆転や他の職員との格差が大きくなるなど、現場からは新たな矛盾が生じるとの声が上がっています。
 また、13時間保育が行われるなど、保育時間が長時間化する中で、保育士の負担も増加し、働き続けられない要因にもなっており、保育士の配置基準の見直しも必要です。
 保育士の処遇改善と安定した保育を実施するために、国の保育所運営費基準の引き上げ、保育士の配置基準の見直しを国に求めるべきではないですか。
 また、区として、保育士を増配置するための補助を拡充すべきだと思いますが、伺います。
 区は、ことし4月から区立南砂第四保育園の民営化を実施し、さらに今後、辰巳第二、東砂第三、亀高第二保育園の民営化を実施することを明らかにしています。
 区立直営保育園では、ほとんどの職員が定年まで仕事を続け、離職率は2%から3%弱なのに比べ、民営化された保育園での離職率は、28年度で平均20%、多い園では47%と、半分近い保育士が入れかわっている保育園もありました。
 民営化によって経費を削減できると言いますが、公立園に比べ保育士の給与などが低く抑えられているためです。保育士の処遇を改善し、保育士の確保を進めていかなければならないときに、処遇の安定した公立保育園を民営化することは、区みずからが安上がりの労働者をつくり出し、待機児解消にも逆行するものです。これ以上の民営化は中止し、社会福祉法人など、民間事業者には新たな保育園整備に力を尽くしてもらうべきではないでしょうか。伺います。
 大綱4点目は、憲法と平和問題についてです。
 安倍政権のもと、憲法改悪が行われようとしています。自民党が3月の党大会で取りまとめた憲法改正の条文案では、憲法9条2項の後に「前条の規定は、自衛の措置をとることを妨げない」として、自衛隊を明記する条文を加えるとしています。
 安倍首相は、9条に自衛隊を書き込んでも何も変わらないと言いますが、前条の規定は妨げないというのは、海外での武力行使を禁じてきた9条2項の制約を取り払うということです。
 また、自衛の措置には集団的自衛権も含まれ、日本が攻撃を受けていなくても自衛隊が米軍などと一緒に武力行使ができることになり、海外での無制限の武力行使に道を開くことになります。何も変わらないというのは、全くのごまかしではありませんか。区長の見解を伺います。
 安倍政権は、憲法違反の戦争法、安保法制を強行し、政府も憲法上認められないとしてきた空母の保有を検討、長距離弾道ミサイルを導入して敵基地攻撃能力の保有にまで踏み出すなど、専守防衛をかなぐり捨て、さらに自衛隊の日報隠蔽など、シビリアンコントロールも大きく崩れています。
 憲法9条が変えられ、米軍とともに海外での武力行使を行えば、常に他国からの攻撃やテロの脅威にさらされるなど、日本の安全、国民の命を守るどころか、逆に危険にさらされることになるのではないでしょうか。伺います。
 日本は、15年間にわたる侵略戦争で、310万人以上の日本国民と2,000万人を超すアジアの人々を犠牲にしてきました。江東、墨田など下町一帯も、東京大空襲によって一夜にして10万人近くの方が命を失いました。
 日本国憲法は戦争の反省の上に立ってつくられたものであり、戦後70年、憲法が一度も変えられなかったのは、悲惨な体験から戦争に反対し、平和を求めた国民の声があったためです。
 江東区は、平和都市宣言で、再び戦争の惨禍を繰り返してはならないことを強く世界の人々に訴えるとしています。区長として憲法9条の改悪に反対すべきです。伺います。
 昨日、史上初の米朝首脳会談が行われました。長年にわたって厳しく敵対してきたアメリカと北朝鮮が、初の首脳会談を行い、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築を進め、両国関係を敵対から友好へと転換させるために努力することで合意したことに対して、私たち日本共産党は心から歓迎を表明するものです。
 今回の米朝首脳会談は、非核化と平和体制構築に向けたプロセスの開始であり、目標を達成するためには、共同声明の合意の具体化と誠実に履行するための真剣で持続的な努力、国際社会の協調した取り組みが必要です。
 安倍政権は、この間、北朝鮮の核開発は国難だとまで言って、憲法9条改定の必要性と軍事力強化を強調し、対話を否定し、圧力一辺倒の対応に終始してきました。しかし、今、日本政府に求められているのは、日朝平壌宣言に基づき、核、ミサイル、拉致問題や過去の清算など、両国間の懸案事項を包括的に解決し、国交正常化のための努力を図り、開始された平和のプロセスを促進する役割を果たすことです。
 今後、速やかに日朝首脳会談を行うべきだと思いますが、区長の見解を伺います。
 日本共産党は、決して戦争にしてはならないとの立場から、一貫して対話による平和的解決を主張し、4月上旬には、朝鮮半島の非核化と北東アジア地域の平和体制の構築を一体的、段階的に進めることを関係各国に要請してきました。
 開始された平和のプロセスが成功をおさめるならば、地域の情勢を一変させるものとなります。日本共産党は、引き続き北東アジア地域の平和体制の構築に向け努力することを表明し、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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区議団ニュース2018年7月号

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2018年第1回定例会―山本真議員

 日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点質問いたします。

  • 医療問題について
  • 介護保険について
  • まちづくりについて

>>動画は江東区議会インターネット中継のページからご覧ください。
 大綱1点目は、医療問題についてです。
 初めに、国民健康保険料について伺います。
 ことしの4月から、国民健康保険制度の都道府県化に当たり、特別区の基準保険料を1人当たり3,547円引き上げ12万1,988円とする値上げが、区長会で確認されました。試算でも大幅な値上げが見込まれていたため、住民や区市町村から多くの声が上がり、東京都は初めて独自の財政支援を行うことになりました。しかし、来年度は14億円、1人当たりでは400円の引き下げにしかならず、極めて不十分です。
 また、法定外繰り入れも廃止をすることが前提となっており、今後6年間で段階的に廃止をする計画です。現在行われている法定外繰り入れが全て廃止されれば、保険料は大幅な値上げになってしまいます。東京都に責任を果たさせ、保険料の値上げが起こらないよう、財政支援の拡充を求めるべきです。また、法定外繰り入れは期限を切ってやめるのではなく、継続的な財政支援をするよう都に求めるべきです。区の見解を伺います。
 これまで江東区独自で法定外繰り入れを行い、保険料を引き下げてきましたが、この法定外繰り入れは今後も継続されるべきです。
 千代田区では、一般財源の投入により保険料を値下げしています。江東区も、保険料の負担軽減のため、一般財源からの繰り入れを行うべきです。伺います。
 そもそも、国保制度が始まった当初、政府は、無職者が加入し、保険料に事業主負担がない国保を保険制度として維持するには、相当額の国庫負担が必要としていました。その国庫負担の割合を減らしてきたことが、保険料の増大の要因になっています。所得の低い国保加入者に高い保険料を求める仕組みを改めるべきです。区は国に対し、国庫負担をふやし、国保料が引き下がるよう求めるべきです。伺います。
 国保料の多子世帯への減免について伺います。
 都内の昭島市、東大和市では、自治体の施策として多子世帯への減免が行われています。清瀬市でも、ことしの1定で審議が行われる予定です。こどもが多いほど負担増となる制度では、少子化対策にも逆行します。国や都に対して実施を求めるとともに、区として多子世帯への減免制度をつくるべきと考えますが、見解を伺います。
 次は、後期高齢者医療保険について伺います。
 1月31日の広域連合議会で、後期高齢者医療保険料の値上げの条例が、共産党の連合議員以外の賛成多数で可決しました。これにより、保険料は平均で9万7,127円、1,635円の値上げです。
 今回は余剰金を180億円投入し、値上げ幅を抑えるなどしましたが、所得割の2割軽減を廃止、元被扶養者の均等割軽減を7割から5割にするなどの負担増も行っています。
 また、所得割は引き下げましたが、均等割を900円引き上げたため、収入が217万円以上の方は保険料が下がりますが、低所得者を初め、7割の高齢者の方は保険料の値上げになります。
 広域連合財政安定化基金は212億円あります。その一部を活用すれば、保険料の引き上げをせずに済んだのではないでしょうか。見解を伺います。
 後期高齢者医療制度は、国民を年齢で区切り、医療の利用頻度が高い高齢者を別枠の医療保険に強制的に囲い込み、負担増と差別を押しつける制度です。
 制度導入時に低所得者の保険料を軽減するために導入された特例軽減も、今年度から段階的に撤廃され、これから本格的な保険料の値上げと差別医療が押しつけられます。後期高齢者医療制度を撤廃し、もとの老人保健制度に戻すよう国に求めるべきです。また、特例軽減の復活を求めるべきです。見解を伺います。
 都立墨東病院の独立行政法人化について伺います。
 東京都は、石原都政以来、都立病院の独立行政法人化を検討してきましたが、住民からの都立病院は直営で拡充をという強い要求に押されて、具体化はとまっていました。
 ところが、1月29日に都立病院経営委員会で、墨東病院を初めとする8つの都立病院の経営形態を独立行政法人にする報告が出されました。独立行政法人制度になれば、経営面での独立性が強調され、現在支出されている都の財政400億円が削減されます。そうなると、現在の墨東病院が担っている救急医療、周産期医療、感染症、精神科など、不採算医療の後退を招くことが予想されます。
 実際に独法化されたところでは、小児科の保育器など、必要な機器が購入できなくなる事態も起こっています。また、負担の重い差額ベッドの増床や、10万円の保証金を支払わなければ入院できなくなるなど、患者負担がふえ、お金のない人が医療を受けられないという事態をつくり出しています。
 墨東病院の患者の3割が江東区民であり、区民の命を守る上でも欠かせない病院です。東京都に対し、墨東病院の独立行政法人化の中止を求め、引き続き直営を堅持して拡充をさせるよう求めるべきです。伺います。
 大綱2点目は、介護保険についてです。
 介護報酬について伺います。
 昨年の12月18日、厚労省は来年度の介護報酬改定の取りまとめを行い、0.54%と若干のプラス改定をしました。しかし、わずかなもので切迫している介護現場の声に応えるものではありません。介護現場でお話を伺うと、どこでも共通するのが人手不足、担い手不足の問題です。介護労働は、専門知識や技術を持ちながら利用者とコミュニケーションをとる労働で、誰にでもできる仕事ではありません。しかし、その賃金は全産業の平均よりも月額10万円近く低く、そのため、募集をしてもなかなか集まりません。2016年にできた塩浜の特養も、いまだに職員が定員に満たないため、ベッドがあいている状況です。
 ただでさえ低い介護報酬が、前回の改定時にはマイナス4.48%の大幅引き下げ、加算は小規模事業所で取得が難しく、介護、福祉の小規模事業所の倒産件数は、2011年以降6年連続で増加。介護報酬削減が事業所の経営を圧迫しています。介護報酬自体の引き上げがなければ、介護基盤そのものが失われます。介護報酬の引き上げを国に求めるべきです。あわせて、介護報酬の引き上げが保険料にはね返らないよう、国費負担割合の引き上げを求めるべきです。伺います。
 次に、総合事業について伺います。
 国は、介護給付費の抑制のため、要支援の介護外しを進め、専門的資格を持たない人たちが行う総合事業の基準緩和サービスへと置きかえています。しかし、要支援の方を受け入れてくれる事業所はなかなか見つからず、長寿サポートセンターの職員は、あちこち探して、何とか事業所に頼み込んで入れてもらっていると話します。
 現行相当でも低い報酬単価をさらに低くした基準緩和サービスでは、事業所は採算が合わず、とてもやっていけません。この間、私たちは繰り返しこの実態を取り上げ、報酬単価の引き上げを求めてきました。区は、報酬単価を見直し、基準緩和サービスの報酬単価を一定引き上げたことや、入浴介助加算、送迎加算をつけたことは評価できますが、まだ不十分です。特に、身体介護を必要としない生活援助の部分では、現行相当より14%低くなっています。
 基準緩和サービスの担い手は無資格者が想定されているため、単価を低く設定されていますが、実際には無資格者の担い手はほとんどいないため、ヘルパー資格を有する人が低い単価で実施しているのが実態です。区として、基準緩和サービスの報酬単価を引き上げるべきです。特に生活援助について引き上げを行うべきです。
 また区は、2019年度には現行相当を廃止する計画ですが、現行相当の廃止はやめ、継続を求めます。伺います。
 総合事業は、利用者を報酬単価の低い無資格者のサービスに誘導し、費用を抑えるのが狙いです。しかし、要支援者への支援は、介護度の重症化を抑える上で大事な役割を果たしています。生活援助支援の中でも利用者の体調の変化を見る管理なども行うものであり、専門的な支援が求められます。要支援者サービスを保険給付に戻すことを国に求めるべきです。伺います。
 介護保険料について伺います。
 2018年度から始まる第7期の介護料基準保険料は、現時点での試算で月額600円増の5,800円。苦しい生活をさらに圧迫させる負担増はやめるべきです。
 介護給付費準備基金は30億円あります。この準備基金を保険料引き下げの財源として活用し、保険料負担の軽減を図るべきです。
 さらに、区は一般財源の投入を行い、これ以上の値上げはやめるべきです。一般財源の投入は、保険制度の原則からもふさわしくないと言いますが、住民の切実な生活実態を考えれば投入すべきです。見解を伺います。
 大綱3点目は、まちづくりについてです。
 初めに、マンションの増加について伺います。
 区内ではマンションがふえ続ける中で、小学校等収容対策が大きな課題となっています。今定例会でマンション条例の改正が提案されています。今回の改定では、151世帯以上のファミリー向けマンションを対象に、一部ワンルームの設置を義務づけることにより、児童発生数を1割抑え、収容対策に一定効果があると説明しています。しかし、この5年間で見れば、151世帯以上のマンション建設は12件、5,000世帯分でした。児童発生数は約3割なので1,500人です。マンション条例で抑えられる児童数は1割なので150人ですが、対してこの5年間にふえた児童数は約3,000人です。規制対象以外のマンションも多くできているため、収容対策の効果は限定的です。
 前回の赤羽目議員の質問に対して区は、まちづくりについて、都市計画マスタープランにのっとり計画的に進めている、公共施設の整備についても、適時適切に進めていると答弁しました。しかし、この間、小学校についても、過去に統廃合が行われた明治小や浅間竪川小で教室が不足し増築、扇橋小では大規模改修を行った5年後に増築する計画が出されています。公園の縮小や校庭の面積が削減されるなど、こどもたちの体を動かす場所も奪われる、これが適切な計画なのでしょうか。
 現在の無秩序に進むマンション建設に規制をする必要があります。区として、以前行っていた受け入れ困難地域の指定をマンション条例に入れるべきです。伺います。
 2つ目は、公共施設用地の確保についてです。
 人口がふえる中で、保育園、特養ホーム、障害者多機能施設など、さまざまな公共施設が不足しています。
 昨日の答弁でも、障害者の小規模多機能型入所施設について、整備用地の確保を全庁的にも進めるとの答弁がありましたが、もともとは長期計画の前期で、2014年度に設計の予定でした。それが、土地が確保されないために、2019年度に設計に移っています。積極的な土地の確保が必要です。
 現在、都営住宅の建てかえが行われる際には、高層化することで新たな創出用地が生まれています。その1つに豊洲四丁目都営住宅の創出用地があります。
 この土地は、1年前の1定の本会議で区長が、「地域の御意見を考慮した上で東京都と協議してまいります」と答弁していますが、1年経過していますが、いまだ具体的な計画は示されません。
 豊洲四丁目都営住宅創出用地について、住民の意見の聞き取りは行ったのでしょうか。そして、区は東京都と協議をしているのでしょうか、伺います。
 現在、東京都では、2024年度末までに建てかえに伴う創出用地を30ヘクタール提供し、福祉インフラ整備を進めることを目標として掲げています。豊洲四丁目の用地や今後できる辰巳団地の土地など、区として公共施設用地を確保するよう東京都に求めるべきです。見解を伺います。
 3点目に、民泊について伺います。
 民泊新法が施行され、届け出は3月15日から始まり、6月15日から実施可能となる中で、住民からは不安の声が多く出されています。
 今定例会に条例が提案されていますが、制限をかける地域を広げ、区域全域を対象にしたことは評価できます。しかし今、区内で数百件以上の違法な民泊が行われており、その多くが対応できないままになっています。
 東陽で民泊が行われていたところでは、隣のマンションから夜中の12時に騒ぎ声があり迷惑していると保健所に相談をしたところ、改善までに5カ月もかかったとのことです。違法民泊が野放しのままでは、住環境の悪化が懸念されます。
 民泊について住民からの相談や調査、指導を行う体制はどのようになっているのでしょうか。あわせて、体制の整備、拡充をしっかり進めるべきです。見解を伺い、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

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2018年第1回定例会―正保みきお議員

 日本共産党江東区議団を代表して、大綱4点について質問します。

  • 区民の暮らしと来年度予算について
  • 本区の行財政改革について
  • 豊洲市場問題について
  • 仙台堀川公園の整備計画について

>>動画は江東区議会インターネット中継のページからご覧ください。
 1点目は、区民の暮らしと来年度予算について伺います。
 安倍政権が進める経済政策、アベノミクスの5年間で、大企業は史上最大の利益を上げ、内部留保は400兆円を超えるまで積み上がり、一握りの超富裕層の資産は3倍にもなりました。
 その一方で、働く人の実質賃金は年額で15万円減り、実質消費支出は20万円減りました。格差と貧困が拡大している事実について、区長の認識を伺います。
 来年度の政府予算案は、大企業、富裕層優先で、暮らしに冷たいアベノミクスをさらに進めるとともに、憲法9条改憲策動に合わせて軍事費が過去最大の5兆2,000億円を超える一方、医療・介護など社会保障の自然増分を1,300億円削減するものです。
 安倍首相が総選挙で公約した幼児教育・保育無償化、大学学費の負担軽減は先送りされる一方で、生活保護費の母子加算やゼロ歳から2歳児の児童養育加算を削減するなど、教育と子育てに冷たく、貧困の連鎖を助長する予算です。
 とりわけ生活扶助基準引き下げは、就学援助、区民税、保育料、国保料、介護保険料、最低賃金など、多くの制度の基準となっており、区民生活への影響は甚大です。国の社会保障の切り捨て、負担増に反対し、拡充を求めるべきです。政府予算案に対する区長の見解とあわせて伺います。
 安倍政権のもとで格差と貧困が広がり、区民の暮らしは一層厳しいものとなっています。「年金が減らされ暮らしていけない」、「景気はよくない。商売をやめるしかない」など、切実な声が上がっています。ところが区長は、「景気回復は続いている」、「区民生活は引き続き良好状態を保っている」と、区民の暮らしの実態とかけ離れた答弁をしてきました。
 格差と貧困が広がるもとで、非課税世帯や年収200万円以下の低所得層が増加し、生活保護受給世帯は過去最多の7,800世帯、1万人前後で推移しています。就学援助は、小中児童・生徒の4人に1人が受けており、国民健康保険料の滞納世帯は加入世帯の3割、2万4,000世帯に上ります。決して区民生活は良好と言える状況ではありません。深刻な区民の暮らしの実態を見ようとしない姿勢では、区民の暮らしを守るまともな政策は出てきません。区民生活の実態について、改めて認識を伺います。
 本区の来年度予算案について伺います。
 区民の暮らしの実態を直視し、区民生活を守るために力を尽くすことが今、切実に求められています。
 来年度予算案は、我が党が要望、提案をしてきたこどもの貧困の実態調査や、小学校入学準備金の前倒し支給、障害者の移動支援事業の拡充、老朽建築物除却助成の対象拡大などが盛り込まれました。しかしながら、高齢者の生活支援や中小企業支援は極めて不十分な上に、高齢者や個人事業主に大きな負担となる国民健康保険料の値上げや介護保険料の値上げが行われます。
 また、来年度は、区立保育園や児童館、福祉会館、保育園の用務・調理などの民間委託が行われます。人件費削減のための民間委託の推進は、働く貧困層を区みずから増大させるもので、区民福祉の向上に逆行し、自治体の役割を投げ捨てるものです。
 その一方で、基金総額は区政史上最高額の1,192億円に上り、この3年間で約300億円を積み増ししました。区民の暮らしが大変な今こそ、区民の共有財産である積立基金の一部を積極的に活用し、子育て支援や高齢者の生活支援、中小企業支援など、区民生活を支えることを区政の最重点に据えた予算とすべきです。
 以下、提案します。
 国民健康保険料と介護保険料の値上げをやめ、引き下げに踏み出し、区民負担を軽くすべきです。
 地域経済の主役である中小企業の予算を抜本的にふやし、官公需の区内業者優先発注、制度融資の拡充、住宅リフォーム助成、商店街装飾灯の電気代全額助成など、中小零細業者を下支えし、地域経済の内発的な発展を図るべきです。
 こどもの貧困が深刻化しています。保育料の軽減、学校給食費の無償化、学習塾代の補助対象の拡充、18歳までの子ども医療費無料化の拡充を実施すべきです。
 「夫の介護で預金も底をついた」など、高齢者の悲痛な声が寄せられています。重度介護手当や高齢者入院見舞金制度の創設を求めます。
 障害者の重度化と家族の高齢化が深刻です。多機能型入所施設の早期整備、医療的ケアなど、支援の拡充を求めます。あわせて伺います。
 納税者の実情を無視した区民税等の強権的な徴収は大問題です。納税者に対し、法が差し押さえを禁止、制限している年金、給与を強引に差し押さえ、区民を生活困窮に追い込んでいます。その結果、生活保護を受給せざるを得ない事態も生まれています。
 税徴収の大もとの国税徴収法は、徴収確保のために納税者の生活保障を損なう結果を招くことは、無益にして有害な執行だとしています。人権、生存権を踏みにじるような差し押さえありきの徴収強化をやめ、区民の生活実態を十分踏まえ、生活再建を一緒に考える税務行政に改めるべきです。伺います。
 大綱の2点目は、本区の行財政改革について伺います。
 区は、来年度、区立南砂第四保育園を民営化し、今後も民営化園を拡大していく計画です。区立保育園の民営化は問題です。民間の保育現場では、全職種平均より月10万円以上も安い賃金と長時間過重労働など、劣悪な労働条件のもとで保育士が一度に大量退職するなど、保育士不足が深刻化し、保育の質の低下を招いています。
 待機児童の増加、認可保育園不足、保育士不足が深刻なさなかに、保育士の身分が保障され、質が高く、運営が安定している公立保育園を民営化する必要などありません。
 福祉現場でも人材不足は深刻です。重度の障害者が通う塩浜福祉園の民間委託を、利用者家族の合意、理解のないまま進められようとしています。利用者家族は、「民間委託せず現在の区直営で安定的・継続的に運営し、福祉の充実を図ってほしい」と訴えています。低賃金と不安定雇用を拡大させ、区民サービスの質を低下させる民間委託は、直ちに中止すべきです。伺います。
 本区の人口は急増し、51万人を超え、事務量が増大しているのに職員を減らし続けています。その結果、23区の人口1,000人当たりの職員数が平均6.69人であるのに対し、本区は4.91人と最低クラスです。職員削減の一方で過重労働が恒常化し、昨年度は過労死ライン80時間を超えて残業した職員は41人、100時間を超えた職員は24人に上ります。職員のメンタル不調もふえています。退職不補充など、人件費削減のための定員適正化計画は根本的に見直し、現場と職員組合が求めている100人を超える正規職員増員に応えるべきです。伺います。
 臨時・非常勤職員は、「一時金や退職金もないので老後がとても不安」との声が上がっています。民間委託と非正規職員への置きかえは、低賃金と短期細切れの雇用契約の更新を繰り返し、常に雇用不安を抱えて働いています。非正規職員の賃上げと一時金、退職金の支給など、処遇改善を求めます。伺います。
 法改正により増大する臨時・非常勤職員の受け皿として、期限つき任用である会計年度任用職員制度が2020年度から始まります。この制度は、臨時・非常勤職員の待遇改善をするものであり、処遇の引き下げや雇いどめなど、現行の労働条件の後退は許されないと思いますが、認識を伺います。
 そもそも臨時・非常勤と正規職員との待遇格差は、正規職員を削減し、本来正規が担うべき仕事をより低い待遇で担わせるために臨時・非常勤職員の数をふやしてきたところにあります。正規職員の増員、非正規職員の正規化と、同一労働・同一賃金、均等待遇を求めます。伺います。
 本区の公共施設等総合管理計画に関連して伺います。
 区は、住吉児童会館を廃止し、跡地の3分の2を特養ホームあそか園の建てかえ移転用地に、残りを児童向け複合施設を整備する計画を打ち出しました。
 住吉児童会館は、多目的ホールや劇場、プラネタリウムが設置され、天体観測や親子劇場、児童館対抗の卓球大会や地域交流など、中高生を含むこどもの居場所としてセンター的な役割を担ってきました。住吉児童会館の役割、機能についての評価、廃止する理由について伺います。
 今日、人口増により児童が増加するもとで、遊びを通してこどもの発達を増進し、個々の家庭や地域全体を視野に入れながら、こどもの生活を支援するネットワークの拠点として児童会館は必要です。休止しているプラネタリウムや劇場の再開、天体観測室など、児童会館機能を残し、さらに拡充する方向で整備すべきです。伺います。
 昨年度策定した江東区公共施設等総合管理計画では、今後の公共施設整備に当たっては、区民の意見を聞いて、区民ニーズを踏まえた上で、施設のあり方を検討することを明確にしました。しかし、このような手続を踏まないで、区民共有の財産を一民間のあそか会に優先的に土地利用させるのは、区民の理解は得られません。ルールに沿って住民合意で進めていくべきです。伺います。
 大綱の3点目は、豊洲市場問題について伺います。
 東京都は、12月20日、新市場建設協議会において業界団体と合意したとして、豊洲市場の開場日を10月11日とすることを決めました。東京魚市場卸協同組合の早山理事長は、「仲卸は納得したという安易な発言はしないでほしい」と訴え、築地女将さん会は、「事業者の意見集約は行われていない」と激怒しています。
 山崎区長は、東京2020オリンピック・パラリンピックの準備や市場移転を進めるためにもやむを得ないとして、受け入れを了承しました。しかし、豊洲市場受け入れの大前提である汚染土壌の無害化が実現できていない中で、オリンピックを理由に食の安全を求める都・区民と市場業者の納得、合意なしに受け入れることは許されません。
 昨年12月25日、都が発表した豊洲市場予定地の9月から11月の地下水調査結果によると、地下水から環境基準の160倍もの発がん性物質のベンゼンや、不検出が環境基準となっている猛毒のシアンが検出されました。豊洲市場予定地の地下水からいまだに環境基準を大きく超える有害物質が検出され続けている事実をどう受けとめているのか、伺います。
 今回、160倍のベンゼンが検出された地点は、この間の調査でも、環境基準の100倍から120倍が検出された箇所であり、東京ガス工場の操業時、コークスがあったところです。畑明郎日本環境学会元会長は、「汚染土壌自体を除去しない限り、地下水の汚染が長期間続く可能性がある」と指摘しています。これでは食の安全・安心が確保できません。汚染原因の徹底した究明と無害化対策を都に求めるべきです。伺います。
 東京都は、地下水位を海抜1.8メートルで管理し、盛り土の再汚染を防ぐとしていますが、一昨年10月の地下水管理システムの本格稼働以来1年4カ月、目標を達成できた箇所はほとんどありません。盛り土が再汚染されている可能性が、専門家からも指摘されています。都に対し、盛り土の再調査を求めるべきです。
 また、豊洲市場建物内の空気測定も、建物1階と屋外しか調査されていません。地下空間内部の水銀やベンゼン濃度も調査を求めるべきです。あわせて伺います。
 現在、都は、地下水位を下げるための地下水管理システムの機能強化工事や、地下空間の換気と床面にコンクリートを敷設するなど、追加対策を行っています。しかし、この対策は科学者から、「実効性がなく、食の安全・安心は確保できない」、「臭いものにふたするだけの対策にすぎない」などと、厳しく批判されているものです。
 地下空間の床にコンクリートを敷設しても、ひび割れの危険が指摘されており、都は「日本建築学会の指針を参考にコンクリートを調合、目地を適切に配置する」としていますが、建築学会自身が、指針によってもひび割れを100%制御できないことを認めています。半永久的に有害物質の動向を監視しなければならない豊洲市場予定地に、生鮮食品を扱う市場は不適切です。食の安心・安全が担保できない豊洲市場の受け入れを撤回し、都に対し、築地市場での再整備を求めるべきです。伺います。
 大綱の4点目は、仙台堀川公園の整備計画について伺います。
 仙台堀川公園整備計画は、当初計画案及び修正案が示されましたが、道路を拡幅し、公園面積を削り、樹木を大量伐採し、水路を埋め立てる計画に変わりがなく、区民が求めた修正とはなっていません。区は区民との意見交換を行うため、公募区民、行政、コンサルタントからなる意見交換会幹事会を立ち上げ、2回の意見交換会を実施しました。
 幹事会は、意見交換会での意見を含め、1,300件を超える区民意見を取りまとめ、昨年11月、再修正案への提言書を区長に提出しました。
 提言書は、地域の価値を高める公園、河川、道路の一体整備、自然味あふれる魅力の保全、継承、区民に開かれた再修正案の検討を求めています。提言書は、これまでの住民意見、要望が反映されており、重く受けとめるべきものと思いますが、伺います。
 区民の意見の多くは、長年にわたり築き上げられてきた緑と水の公園を削らないでほしい、自転車、歩行者、自動車交通の課題対応については、今後の通行量の見通しや区民の意見を踏まえて知恵を出し合えばいいというものです。
 また、生態的な価値や自然環境の保全、トイレ増設や通路の舗装改修、水環境の維持等、施設整備などの提案も寄せられています。
 現在、改めて基本計画の作成が行われていますが、現在の修正案のどの部分をどう見直すのでしょうか。提言書の内容をしっかり盛り込み、住民の意見を踏まえて見直しすべきと思いますが、あわせて伺います。
 区は、再修正案の成案に対する意見は求めないとしていますが、スケジュールありきで強引に工事着工すべきではありません。再修正案についても住民に意見を求めるなど、区民との合意形成を図りながら進めるべきです。伺います。
 区は、道路、公園、河川を一体整備することで、交通や防災など、地域課題を解決するとしています。一体整備に当たっては、道路拡幅先にありきでなく、公園内の歩行者と自転車の錯綜は、既存園路を活用した歩行者と自転車のゾーン区分で解決できます。
 施設の老朽化や親水性が低い水路については、水路を埋めたり多くの木を切ったり、公園の形状を変えなくても施設を改修すればいいことです。両側道路の狭い歩道と電柱は、道路を拡幅しなくても新たな無電柱化の施工技術導入等で歩道の安全は確保できます。地域課題の解決方法や整備事業のあり方を根本的に見直すべきです。あわせて伺い、質問を終わります。(拍手)

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