日本共産党江東区議団を代表し、大綱三点について伺います。区長ならびに関係理事者の答弁を求めます。
第一に、来年度予算について伺います。
政府の来年度予算案は、4月からの消費税率8%への引き上げと社会保障の改悪で、国民への大負担増を強行する一方、大企業には、復興特別法人税の廃止による減税を実施、また、「国土強靭化」の名のもとに、東京外郭環状道路や国際コンテナ港湾など巨大公共事業に巨額の税金を注ぎ込み、軍事費も2年連続増額するものとなっています。
区長はこの間、消費税増税や社会保障の改悪について「社会保障制度の持続可能性や財政再建の観点からも必要」と答弁していますが、来年度予算では、消費税増収分5兆円のうち社会保障の「充実」にあてられるのは、わずか
5000億円程度にしかすぎません。逆に、診療報酬の実質マイナスや生活保護の抑制などで社会保障費の自然増すら押さえ込み、さらに70〜74歳の医療費窓口負担の1割から2割への引き上げ、生活保護費や年金の削減などの改悪を行おうとしています。
結局、消費税増税で吸い上げた税金は、「社会保障のため」でも「財政再建のため」でもなく、大企業減税と巨大開発、軍拡予算に使われてしまうのではないですか。見解を伺います。
この間、異常な金融緩和によって株価は上がりましたが、庶民への恩恵はなく、円安による燃料、原材料、生活必需品の値上がりが家計と中小企業を苦しめています。働く人の賃金は18ヶ月連続マイナスで家計は冷え込んだままです。区民からは「給与は上がらずただでさえ苦しいのに、なぜ消費税増税か」「年金も減らされ、これでは暮らしていけない」など怒りの声が上がっています。
政府に対し、4月からの消費税増税と社会保障の改悪を中止するよう求めるべきだと思いますが、見解を伺います。
安倍首相は、「企業の収益を雇用の拡大や所得の上昇につなげる」と述べていますが、これは「大企業が利益を上げたら、そのうち下請けや労働者におこぼれがある」という、すでに破綻した「トリクルダウン」の理論にすぎません。この間、いくら企業が収益を上げても、まともな雇用の拡大や賃金の上昇につながっていないのが実態です。しかも派遣労働の無制限の拡大など一層の雇用破壊を進めようとしており、これでは「経済の好循環」はつくれません。
我が党は、働く人たちの賃金を直接引き上げてこそ、「経済の好循環」を作り出せるとし、具体的な提案を行ってきました。
第一は、大企業の内部留保の活用です。270兆円にのぼる内部留保の1%を活用するだけで、大企業の8割で月額1万円、被正規労働者の時給を100円引き上げることが可能です。内部留保の活用を経済界に正面から提起することが必要だと思いますが、見解を伺います。
第二は、最低賃金の抜本的引き上げと中小企業への財政出動を行うことです。中小企業の7割は赤字経営で、法人税を減税しても賃上げの促進にはなりません。雇用の7割を支える中小企業で賃上げを実施するための直接支援が必要だと思いますが、見解を伺います。
第三は、派遣法の抜本改正、均等待遇のルールの確立、ブラック企業規制など雇用のルールを強化することです。非正規から正社員への道を広げることこそ、働く人の所得を増やす道ではないですか。区長の見解を伺います。
次に、本区の来年度予算について伺います。
本区の来年度予算案は、一般会計が1743億1900万円、特別会計が
910億7400万円で、総額2653億9300万円で今年度比5.2%増となっています。
来年度予算案では、認可保育園や特別養護老人ホームの増設、木造住宅密集地域の不燃化促進や防災備蓄物資の拡充、空き店舗対策の拡充、スクールソーシャルワーカーの配置など、我が党が提案してきた区民施策が一部、盛り込まれたものの、安倍政権による消費税増税や医社会保障の改悪、雇用の破壊により区民生活が一層厳しくなることが予想されるのにもかかわらず、そうした区民生活への言及は一切なく、悪政からくらしを守るための新規施策は見当たりません。
それどころか、さらに民間委託の拡大、正規職員の削減で、自ら安上がりの労働を拡大し、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料の引き上げなど区民へのあらたな負担増を行おうとしています。
国の悪政が進められる中、身近な江東区政が区民の暮らしを守る防波堤の役割を果たすことが必要ではないですか。区長の認識を伺います。
消費税の増税や医療費の負担増は、所得の低い高齢者にとりわけ重くのしかかってきます。また、昨年10月からは年金も引き下げられ「これ以上負担が増えたら、食べるものをどうやって節約すればいいのか」と悲痛な声が寄せられています。高齢者のくらしを支えるために、老人入院見舞金や重度介護手当の支給、家賃補助など経済的支援を行うとともに、待機者が2200名を超え不足が深刻な特別養護老人ホームや介護施設の整備数を増やすよう求めますが、見解を伺います。
子育て家庭への支援では、保育士の確保が困難になる中、安定した良質な保育を確保するために、都有地・国有地を活用し、民設民営だけでなく区の責任で認可保育園を増設すること。また、保育料の負担の軽減や出産一時金の引き上げ、教育費の負担軽減などの経済的支援を強化するよう求めますが、見解を伺います。
消費税増税は、今でも営業が厳しい中小企業に深刻な打撃を与えます。歳出に占める割合が、わずか1%という低すぎる中小企業予算を抜本的に引き上げ、住宅リフォーム助成や店舗改修助成などの仕事起こし、商店街の電気代の全額補助など行うべきだと思いますが、見解を伺います。
若者支援では、引き続き深刻な雇用環境を改善するための「若者就労支援窓口」の設置、ひきこもり対策などを行うべきだと思いますが、見解を伺います。
区はこの間、経済の先行きが不透明だとし民間委託の推進、職員の削減、施設使用料の値上げやがん検診の有料化など区民犠牲の行財政改革を行う一方、基金をため込んできました。25年度最終補正では新たに120億円余りを積み増しし、基金総額は844億円にも膨らんでいます。ため込んだ基金を活用するとともに、区長、議長の交際費の削減、副区長を1人に削ることや同和予算の全廃など、不要不急の予算を見直し、区民の切実な願いに応えるよう求めますが、見解を伺います。
次は、職員確保についてうかがいます。
江東区の人口は引き続き増加し、来年度は49万人に達する見込みです。仕事量が増大しているにもかかわらず、人口増加に見合った職員の増員を行わず、毎年削り、来年度も7名の削減をおこなう計画です。
区は、必要な職員は増員していると述べていますが、この間、経済状況の悪化で生活保護受給者が増大し、福祉事務所の職員は、法定の担当件数80名を大きく超え、一人当たり平均100名、中には140名を受け持つ職員もいるなど不足は深刻です。職員組合からは、南部地域での福祉事務所の開設とあわせ、32名の増員要求が出されています。また、区民課でも窓口業務の増大で14名の増員要求が出されています。現場の求めに応じた職員の増員を行うべきです。伺います。
次に、民間委託について伺います。
区は来年度、新たに千田児童館・福祉会館の管理運営を株式会社に委託するほか、区立保育所の調理業務や小学校の用務業務、道路維持管理業務の民間委託を拡大します。
区はこの間、「効率的・効果的な区政運営のためには民間活力の活用は不可欠」と述べていますが、委託した学校用務では、月給16万円から18万円程度の低賃金・不安定雇用の契約社員に置き換えられる一方、労働者にはこれまでと同じ水準のサービスを求めるなど、区の進める民間委託は、結局は労働者の犠牲の上に成り立っています。
景気を回復させるために、何よりも安定した働き方、賃金の引き上げが必要な時に、区自らが低賃金の不安定雇用を広げる民間委託は中止すべきです。見解を伺います。
第二に、医療保険制度について伺います。
はじめに、国民健康保険についてです。
区は来年度、国民健康保険料の均等割を1800円値上げし、4万3200円にするほか、所得割率や賦課限度額の引き上げを行い、その結果、区民一人当たりの保険料は、現行9万9248円から10万3103円に、4638円もの大幅値上げとなります。
この間、国民健康保険料は、毎年値上げされ、さらに算定方式の見直しによる大幅な負担増が行われてきました。年収200万円で夫婦と子ども1人の3人世帯の場合では、算定方式見直し前の平成22年度には、年間9万5760円だった保険料が、来年度は、軽減措置を実施しても16万0216円と1.6倍にも負担が増えています。「これ以上の負担増は耐えられない」との切実な声が寄せられています。区長はこうした区民の声をどう受け止めていますか。伺います。
このような大幅な保険料の値上げが実施されるのにもかかわらず、区は事前に区民や議会の意見を聞くことなく、課長会や区長会で値上げ案を了承しています。検討段階から内容など情報を国保の運営協議会や議会に知らせ、区民の意見を反映させるべきではないですか。伺います。
江東区の国保料の滞納者数は、加入者の4割近くにもなり、財産の差し押さえ件数も平成22年26件だったのが、平成24年は180件と増加しています。これ以上の値上げは、滞納世帯をさらに増やし、必要な医療を受けられないない人を増やす悪循環を作り出しているのではないですか。
来年度、算定方式の変更に伴う軽減対策を拡充するとともに、元の住民税方式に戻すこと。また、一般財源からの繰り入れを増やし、保険料値上げを行わないよう求めますが、見解を伺います。
国は、赤字の国保財政に対し、「安定的な財政運営ができる規模が必要」などとして、2015年の通常国会に「広域化」のための関連法案を提出しようとしています。しかし、「広域化」の狙いは、国保を都道府県に運営させることによって、国の責任を一層後退させるとともに、自治体からの一般財源の投入もやめさせ、保険料値上げと給付抑制の押しつけで、医療費の抑制を図ることにあります。
区はこの間、広域化を先取りして、保険料の計算方式を統一するための算定方法の変更を行いましたが、これにより、大幅な保険料の負担増となりました。また、今回は、23区が独自に保険料の抑制をはかるために行ってきた高額療養費の一般財源での措置を、2017年の広域化実施までの4年間で廃止することを決め、来年度は、一般財源からの繰入額を77億円も減らしました。このことが、今回の保険料値上げの大きな原因になっています。
結局、広域化は、保険料の値上げと滞納という悪循環を一層ひどくし、財政的に安定するどころか、現状以上に財政の悪化をもたらすことになるのではないですか。見解を伺います。
そもそも、国民健康保険制度は、「社会保障及び国民保険の向上に寄与することを目的とする」社会保障制度です。だからこそ国は、制度が安定的に運営できるよう財政的な責任を果たすことが必要です。政府に対して、医療費抑制のための「広域化」の中止と、この間削減してきた国庫負担を元に戻すよう求めるべきではないですか。見解を伺います。
次に、後期高齢者医療制度について伺います。
後期高齢者医療保険料も4月から見直しが行われます。均等割額は2100円引き上げられ、4万2200円に、所得割率と賦課限度額も引き上げられ、一人当たりの平均保険料は、4118円増の9万7098円へと大幅な値上げが行われようとしています。
東京都広域連合では、保険料抑制のために財政安定化基金、211億円のうち145億円を活用するとしていますが、基金が余っているとの理由で、毎回、国、都、区市町村の3者が出すべき基金への拠出を来年度は行わないとのことです。従来通り、基金への拠出を行い、更なる財政安定化基金の活用や東京都への財政支援を求め、保険料の負担をさらに軽減すべきではないですか。伺います。
そもそも後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を別枠にし、保険料を算定する仕組みで、高齢者が増加する中で、保険料の見直しのたびに値上げとなることがさけられません。高齢者だけを別枠にする医療保険制度は世界でも例がありません。後期高齢者医療制度は廃止し、当面、もとの老人医療制度に戻すとともに、長年社会に貢献してきた高齢者が安心して医療が受けられる制度を確立するよう求めるべきではないか。伺います。
第三に、教育問題について伺います。
安倍政権は、「教育再生」の名のもとに、教育の全面改悪を行おうとしています。
教科書検定基準の見直しでは、歴史的事象に関して近隣アジア諸国への配慮を行うこととする「近隣諸国条項」を事実上撤廃し、政府の統一見解を厳格に記述させるなど、歴史的証言や検証などを無視して歴史をゆがめるとともに、国の審議会が「愛国心教育に反する」と判断すれば不合格となるような検定基準の改悪を進めようとしています。
また、道徳の時間を「教科」化し、検定教科書を使って国が定める徳目を教え込み「愛国心」の評価を行おうとしています。さらに、教育委員会制度の見直しでは、首長の権限を強化し、教育への政治支配を強める法案を提出しようとしています。
安倍首相は、侵略戦争への反省を「自虐史観」とし、従軍慰安婦問題でも「強制はなかった」と発言、A級戦犯を合祀した靖国参拝を行い、アジアのみならず、欧米諸国からも戦後秩序を破壊するとして批判を浴びています。また、改憲を掲げ、秘密保護法の強行、集団的自衛権の行使など「戦争する国」へと日本を大きく変えようとしています。
安倍政権の進める「教育再生」は、世界では通用しない歴史認識を子どもたちに教え込み、「愛国心教育」をすすめ、「戦争する国」を支える教育をつくるものに他なりません。安倍政権の「教育再生」についての認識を伺います。
戦後の地方教育行政は、戦前の国家による軍国主義教育のもと、国民を戦争へと駆り立てていったその反省の上に立ち、学問の自由や教育を受ける権利など基本的人権の保障、地方自治の原則に則り、国や行政権力から独立し、国民に直接責任を負って行われるべきものへと改革されました。
ところがこの間、制度が形骸化され、「競争教育」の推進、国のいう通りの教育を教員らに命じる行政が行われ、思想・良心の自由をも踏みにじる「日の丸・君が代」の強制までもが行われてきました。
今政府が取り組むべきことは、教育の自主性や地方自治の原則を尊重し、現場の子どもたちの実態に即した教育を進めていくことです。教育内容の国家統制や教育行政の中央集権化を進める「教育再生」を行わないよう政府に求めるべきです。見解を伺います。
つぎに、少人数学級の推進について伺います。
政府は来年度、文部科学省が概算要求していた「少人数教育の推進」にかかる教員の定数改善を認めず、第一次定数改善計画が開始されて以来、初めて、教職員定数の削減を実施しようとしています。
少人数学級は、「授業につまずく児童生徒が減り、勉強がよくわかるようになった」「子どもたちが落ち着いて生活するようになった」など全国的にも成果が報告されており、昨年6月には、全国都道府県教育委員長協議会・教育長協議会からも、少人数学級の推進を求める意見が出されています。
また、いじめ自殺や不登校など子どもたちを取り巻く環境も依然として深刻な中、教職員が子どもたちと向き合う時間を確保するためにも少人数学級を推進することが必要です。
政府に対し、1・2年生に続き小学校3年生以上の学年でも35人以下学級を実施するよう求めるべきです。
また、東京都に対し、小学校3年生以上への35人以下学級の拡大、中学校2年生以上への拡大を求めるべきです。見解を伺います。
つぎに、教育費の負担軽減について伺います。
まず、就学援助についてです。この間、我が党は、生活保護基準の引き下げが就学援助に影響しないよう求めて来ました。区は検討すると答弁してきましたが、改めて生活保護基準の影響が出ないようにするとともに、対象者拡大のための基準の引き上げ、対象品目の拡大、援助費用の引き上げを行うよう求めます。見解を伺います。
つぎに、給食費についてです。4月からの消費税の増税は、給食の食材費にも影響を及ぼします。区として消費税増税分を補填するなど、給食費の値上げを行わないようにすべきです。伺います。
つぎに高校授業料の無償化について伺います。
政府は、来年度から高校授業料の無償制をやめ、所得制限を導入します。
一昨年ようやく留保を撤回した国際人権規約の「中等高等教育無償化の漸進的(ぜんしんてき)実行」に反するものです。政府に対し、所得制限の導入をやめ無償化を継続するよう求めるべきです。また、都に対し、独自に無償化を継続するよう求めるべきです。以上見解を伺い、私の質問を終わります。
2014年第1回定例議会 大つきかおり議員の本会議代表質問全文
区議団ニュース2014年新年号「平和とくらし守る政治へ 今年もがんばります!」
各紙面をクリックするとPDFファイルで閲覧できます 続きを読む
「君が代斉唱と日の丸に敬礼しない議員は、小中学校の卒業式に議長代理としての出席を認めない」議長発言に対し公開質問状を提出。
2013年11月27日
江東区議会議長
星野 博 殿
日本共産党江東区議団
小・中学校卒業式への議会代表の出席に関する公開質問状
11月15日開催の幹事長会において議長より、小・中学校の卒業式に関し「君が代斉唱と日の丸に敬礼を確約しない議員は、議長代理を辞退すべき」との内容の発言があり、11月18日の議会運営委員会に報告されました。次いで11月22日の幹事長会では「確約ができない共産会派と無所属議員2名について、議長代理としての出席を認めない」との議長発言があり、11月25日の議会運営委員会では、この内容が報告されるとともに、これを追認する議長発言がありました。
「日の丸・君が代」については、国民の中にも様々な意見がありこれを強制することは「内心の自由」を侵す憲法違反であり、また、意見の違いをもって排除することは、議会の民主的運営を破壊する暴挙として到底認めがたいものです。さらに議長が、会議で出されたわが党議員の質問にもまともに答えようとせず、多数の力で押し切ろうとすることは、公平、公正な議会運営を行うべき議長の資格にも関わる問題で許せません。
今回の議長の対応に対し、厳しく抗議し撤回を求めるとともに、改めて、この問題に対する議長の見解と議会運営委員会での発言について下記の通り質問を行うものです。議長の明確な答えを求めます。
記
① 卒業式で祝辞を述べるに当たり、「君が代斉唱」と「日の丸への敬礼」について、その確約を求め、それを「議長代理」としての出席要件とすることは、憲法の保障する「内心の自由」を侵すものと考えるがどうか。
② 国旗・国歌を法制化する国会審議では、首相も文科大臣も憲法に保障された「内心の自由は守る」「強制はしない」と繰り返し答弁してきた。議長も 「強制するものではない」と言いながら、「代理としてふさわしい対応が不可能な場合、議長代理としない」とするのは、「強制」に他ならないと考えるがどうか。
③ 卒業式での祝辞は「議長の代理である」ということを根拠としているが、これまで、祝辞の内容や出席校の配分、出席者名についても、幹事長会、議会運営委員会でそれぞれ検討、確認されてきた。したがって、こうした経過から卒業式祝辞は実態として「議会の代表」として行ってきたものと考えるがどうか。
④ 日の丸・君が代への対応が、「議長の意向にそぐわない」として卒業式の祝辞から排除するという議長の行為は、区民の様々な意見を代表して構成する議会の公平・公正かつ民主的運営を行うべき議長の職責からして、許されない行為であると考えるがどうか。
⑤ 11月25日の議会運営委員会で議長は「関係者の中に混乱が生じている」「混乱を避ける必要があると判断した」と発言しているが、これまでどの 学校の卒業式も粛々と行われており混乱は生じていない。議長は、過去にどのような混乱が生じたというのか。「避けるべき混乱」とは具体的にど のような混乱なのか。
⑥ 同じく議会運営委員会の発言で「ふさわしい対応がなされるよう陳情がだされている」とそれを一つの理由にしているが、これまでもその反対の立 場での陳情も出されており、区民の中には多様な意見がある。一陳情を持って主張の正当化を図ることはできないと考えるがどうか。
以上
尚、この質問の回答は、本日より1週間後の12月4日(水)までにいただきたい。
江東区議団ニュース 特別号「小中学校卒業式の議会代表としての祝辞に関する申し入れ」について
「君が代斉唱、日の丸にお辞儀。できない議員は卒業式に参加するな!」
11月15日開催の幹事長会において突然、議長より上記の内容の発言がありました。
小・中学校の卒業式には例年、議員が議会を代表して出席し、祝辞を述べています。上記の発言は、幹事長会の議題として来年3月の卒業式の出席議員を決める手続きに入る中で出されたもので、「君が代斉唱、日の丸にお辞儀をすることを確約すること」「誓約書を出してもらうことも考えている」「できない議員は祝辞を述べることを辞退すべき」など発言があり、自民・公明・民主・みんなの幹事長がこれに同調する事態となりました。
また、この内容が報告された18日の議会運営委員会でも、オール与党から「議長の代理でいくのだから、その意向に沿った対応は当然」「強制するものではないのだから辞退すればよい」などの発言があり、共産党区議団は「卒業式の祝辞は議長個人の代理ではなく、議会の代表として行うもの」「憲法の保障する内心の自由を侵すことは許されない」と対決姿勢を明確に示し、その場での結論は保留となりました。この問題は22日の幹事長会でひきつづき議論することになり、オール与党による共産党締め出し、教育の右傾化をすすめる動きは予断を許さない状況です。
背景に「戦争する国づくり」
卒業式での「日の丸、君が代」への対応を巡っては、これまでも議会内で議論を闘わせてきたところでありますが、今回、オール与党でここまで踏み込んで共産党排除をせまってきた背景には、安倍内閣のもとでの憲法改定をはじめ、秘密保護法の提案、解釈改憲など一連の「戦争する国づくり」の動向が、これを支持する一部右翼的な区民を勢いづかせ、議会にも反映されているものと考えます。
区議団は幹事長会・議会運営委員会において、道理に立った論戦で立ち向かうと同時に、議長に対しても会派としての立場を明確にした「申し入れ」を行うなど、憲法と議会制民主主義を守る立場で奮闘しています。
申し入れ全文はコチラ→ 「小中学校卒業式の議会代表としての祝辞に関する申し入れ」全文
区議団ニュース2013年11月号「4月からの消費税大増税は中止を!」
各紙面をクリックするとPDFファイルで閲覧できます 続きを読む
2013年第3回定例会-斉藤信行議員
私は、日本共産党江東区議団を代表し、区長並びに関係理事者に三点について質問します。
- 若者の雇用・賃金・ブラック企業について
- 生活保護について
- 国民健康保険について
第一は、若者の雇用・賃金・ブラック企業についてです。
いま若者を使い捨てる「ブラック企業」が大きな社会問題となっています。
若者に過大な仕事を与え長時間労働やサービス残業、パワーハラスメントなどで、うつ病、精神疾患など2人に1人が3年以内に退職に追い込まれるなど、企業の目先の利益のため若者を使い捨てることが横行しています。
こうした背景には、財界の要求に沿って労働法制の規制緩和、派遣労働や非正規雇用の拡大、長時間労働など、労働法制を改悪してきた政府と政治の責任が問われます。
「ブラック企業」と言われる、ユニクロ、ワタミフードサービス、カフェー・ベローチェなど、江東区内にも存在しています。
社会問題になっている「ブラック企業」に対する区長の認識について先ず伺います。
我が党は、緊急措置として離職率調査と離職の高い企業の公表。採用募集の情報に離職率の明示を義務付ける。更に長時間労働などの法的規制、労働者派遣法の抜本改正を政府に求めています。
政府も世論に押され、「ブラック企業」対策として4千社を対象に調査を開始し、電話相談なども行い1日で1.042件の相談が寄せられています。
「ブラック企業」の根絶は、若者や日本社会の今日と未来に係る重要問題であり、国民的・社会的に取り組む必要があります。
本区でも相談窓口を設置し、労働基準監督署や東京都など関係機関と連携して取り組むべきです。また「ブラック企業」に対して入札や契約、物品発注など行わないようにすべきです。合わせて伺います。
ある若者は、「労働法の知識がなく、不満のまま働き会社に対抗出来なかった。そう言う人が多いと思う」と話しています。
働く者の権利や労働基準法等を身につけ、不利益な扱いを許さないためにも区が「ポケット労働法」を区内各施設に置き、講座やゼミの開催などを行うべです。伺います。
次は、賃金についてです。
ある青年団体が駅頭や街頭などで行った「若者実態調査」や三菱総研の調査でも「給料が安い」「将来が不安」と応えた人が一番多く、背景に非正規雇用の広がりがあります。働く貧困層をなくし、「デフレ不況」の打開からも賃上げが必要不可欠です。
大企業がため込んでいる内部留保の1%を使うだけで月1万円の賃上げは可能です。内部留保を働く者に還元させ、正社員が当たり前の労働法の抜本改正を政府に求めるべきです。伺います。
また全国最低賃金が15円増の時給764円となるものの、欧米諸国や働く者の要求よりはるかに低く、大幅引上げが必要です。政府に求めるべきです。
区役所で働く非正規職員の賃金を時給1.000円以上に引き上げ、昇給制度、一時金の支給など労働条件の改善を図るべきです。合わせて伺います。
公共事業の現場で働く労働者に賃金の最低基準額をもうけ、公共事業の質の確保などを目的に「公契約条例」の制定は、全国の自治体に広がっています。
都内でも国分寺、多摩、渋谷区に続き、足立区も今議会に条例案を提案し来年4月から実施するとしています。
いま現場では、「低賃金で苦しい、食べるだけで精一杯」などの声が上がっています。本区は、条例化を拒否していますが、公契約条例を制定すべきです。伺います。
第二の質問は生活保護について伺います。
生活保護費が先月8月から引き下げられ今後、3年間で食費や光熱費など「生活扶助費」が平均6.5%、最大10%も引き下げられる過去に前例のないものとなっています。
「食事は1日2食、クーラーはあるが電気代が高くてつけない」「食料品が高くなっているのにたまらない」等々の悲痛な声が上がっています。
区は、こうした生活保護世帯の生活実態をどのように受け止めているのか伺います。
国の生活保護基準の引き下げに加え、本区単独事業で支給してきた小中学生の健全育成費と中学卒業後の進学や就職を援助する自立援助金まで廃止しました。いっそうの子どもの貧困、生活困窮に追いやるものです。直ちに復活すべきです。伺います。
生活保護費の削減で、いま全国的に不服審査請求が起こっています。
「削減は、憲法25条の理念に反する」「物価指数の取り方が恣意的で、貧困者の生活実態に全く合わない」など、本区の福祉事務所や東京都に不服審査請求が提出され、生存権をかけた闘いに立ちあがっています。
福祉事務所が受け取りを拒否する自治体もあるなど、誤った対応がなされ「生活と健康を守る会」など4団体が「適正な審査手続きの確保」を厚生労働大臣に求め是正されましたが、こうした生存権をかけた闘いをどのように受け止めているのか伺います。
生活保護基準の引き下げは、当事者だけでなく多くの分野に影響します。
世田谷区は、就学援助に影響が出ないよう現行水準を維持することを表明しました。本区の就学援助は生活保護の1.18倍と23区平均の1.2倍より低く、引き下げは許されません。少なくとも23区平均まで引き上げるべきです。
また保育料や介護保険料・利用料の減額基準、課税最低限など生活保護基準に基づいている減免・減額措置制度などは最低でも現行水準を維持すべきです。
本区では、いくつの事業に影響が出るのか、どのように対応するつもりか、合わせて伺います。
生活保護の増加とそれに伴ってケースワーカーの仕事量も増加しています。ケースワーカーの仕事は、相談、訪問、受給者の経過記録、入院や施設入居、保健所や児童相談所との連携など多岐にわたっています。
しかしケースワーカー1人当たり80世帯の基準を大幅に超え147世帯も受け持っています。これでは、きめ細かな相談や訪問も出来ず、増え続ける生活保護者への十分な対応も出来なくなります。大幅な増員を求めます。
また人口が増加している南部方面に福祉事務所を開設すべきです。合わせて伺います。
政府は、臨時国会に生活保護法の改悪案を再提出し、生活保護のいっそうの締め付けと抑制を図ろうとしています。
生活保護の増加は、高齢化、低い年金、非正規雇用の低賃金などの広がりが、背景にあります。
生活保護を締めつけても根本解決にはなりません。憲法25条は、「健康で文化的な最低限度の生活」と生存権を保障するものです。
政府に求められていることは、貧困の根本原因をなくし社会保障を拡充し、だれでも安心して暮らせる社会を実現することにあります。
政府に生活保護改悪を行わないように求めるべきです。伺います。
第三は、国民健康保険について伺います。
国民健康保険料が毎年値上げされ、6月に納付通知書が区役所から発送されと、1.670件もの問い合わせや抗議が区に殺到し、「高くて払えない」「もう限界」との悲鳴の声が上がっています。
2.011年から保険料の賦課方式が「旧ただし書き」方式に変更され、扶養控除や障害者控除などが無くなり、夫婦と子ども2人の4人家族で保険料が19万4千円から35万5千円と一気に跳ね上がり、耐え難い負担となっています。
私たち共産党区議団は、賦課方式が変更され保険料が増える人に、負担を軽減するため「国民健康保険福祉助成金支給条例案」を2.011年に提案しました。
更に今年の2月14日、山﨑区長に「区長会において、平成25年度の保険料の値上げは行わないこと」「激変緩和の減額措置を引き続き継続し、拡充すること」などを申し入れました。しかし区長会は、区民の声に耳を貸さず減額措置も非課税世帯を除き廃止し、耐え難い負担を強いています。
区民から「国保料を下げてほしい」、以前の「住民税方式」に戻してほしいと署名運動が起きています。
こうした区民の声をどう受け止めているか。高すぎる保険料は引き下げるべきです。伺います。
次に滞納と差し押さえの問題です。
保険料が高くて滞納世帯が、3万2千世帯と加入者の4割近くになっています。滞納者に正規の保険証を渡さず資格証明書や短期証を発行しているのが3千5百件に及んでいます。
滞納世帯の約半数が、保険料が均等割のみの低所得者です。正規の保険証がなく、医者にかかるのを我慢して、受診した時は手遅れと言う事態が全国的に起き、社会問題となっています。
正規の保険証は無条件に交付し、滞納世帯には保険料だけでなく生活全般にわたり、きめ細かな相談と必要に応じた生活支援などで対応すべきです。伺います。
保険料滞納による差し押さえも年々増加し、22年度は26件だったものが24年度は、180件と7倍にもなっています。
不況の中、自営業者や低所得者が「万が一」の時を考えて、かけている生命保険まで差し押さえるなど、強権的な取り立てを行い区民から「生活実態を見ないやり方だ」「人権まで無視されているようだ」と批判の声が上がっています。
滞納の背景には、貧困の広がりがあります。強権的取り立てや差し押さえはやめるべきです。伺います。
国保料の大幅な値上げの原因は、国庫負担を49.8%%から25%へと引き下げ、更に賦課方式の変更などを行ったからです。
国庫負担を元に戻すよう国に働きかけるべきです。また一般会計からの繰り入を増やすよう、都に都区財政調整交付金の配分率を引上げるなど求めるべきです。合わせて伺います。
次に国保の広域化についてです。
国民健康保険の運営主体を現在の区市町村から都道府県に移すことを8月に閣議決定しました。自治体の一般会計から国保会計への繰り入れをやめさせ、国保料の範囲で医療サービスを押し込めようとしています。しかも保険料の徴収は、区市町村に押し付けようとしています。
国民健康保険の広域化は、国の責任放棄と保険料の大幅値上げを招き、地域の実情や住民の声を踏まえた対応が困難になります。
社会保障としての制度を危うくする広域化に反対し、国民の保健の向上に寄与する制度を堅持、充実するよう政府に求めるべきです。この事を最後にお伺いして私の質問を終わります。
区議団ニュース2013年7月号「消費税の増税STOP!!」
各紙面をクリックするとPDFファイルで閲覧できます 続きを読む
区議団ニュース2013年4月号「800億円の基金を活用しくらし応援の区政に」
各紙面をクリックするとPDFファイルで閲覧できます 続きを読む
2013年第1回定例会-大つきかおり議員
日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点について質問を行ないます。区長並びに関係理事者の答弁を求めます。
- 来年度予算編成について
- 区民の暮らしに関わる都政の問題について
- 平和施策について
第一に、来年度予算編成について伺います。
まず、政府の来年度予算案についてです。政府の来年度予算案は、大都市圏環状道路、国際コンテナ戦略港湾などの大型公共事業が軒並み増額され、研究開発減税の拡充や投資減税など、大企業向けのばらまきが拡大される一方、雇用対策費は12年度と比べ9.9%減額、地方公務員の給与引き下げを前提とした地方交付金の引き下げ、年金減額や生活保護基準の引き下げなど社会保障費削減、中小企業円滑化法の打ち切り、35人学級の実施見送りなど、国民の暮らしの予算は削減、さらに軍事費は、400億円の増額で、社会保障関係費を上回る伸びとなっています。
国民の税金でまかなう予算は、まず国民の暮らし最優先で使われるべきです。生活保護や国民の生活向けの予算は削減し、大企業向けの予算や軍事費を優先させるなど本末転倒ではないでしょうか。政府の来年度予算に対する区長の見解を伺います。
安倍政権は、「デフレ」脱却のためとして、無制限の金融緩和、大型公共事業のばらまき、大企業支援を行なおうとしています。
しかし、「金融緩和」でいくらお金を刷っても、働く人の所得を増やさなければ需要は冷え込んだまま、むしろ投機マネーによる副作用を招くことになります。「財政出動」の中身も不要不急の大型開発が中心で、儲かるのは大手のゼネコンばかりです。「成長戦略」の名で、強い企業をますます強くする「規制緩和」もこの間、貧困と格差を広げる原因となってきたものです。「研究開発減税」も大企業は潤っても中小企業には恩恵が乏しく、景気の底上げにはならないなど、「三本の矢」は破綻済みの対策の寄せ集めでしかありません。
デフレ不況に陥った最大の原因は、賃下げとリストラで働く人の所得が減り続けて消費が落ち込み、内需が冷え込んでいるからです。デフレ不況から抜け出すためには、何よりも国民の所得を増やす方向に転換することが必要です。区長はデフレ不況の原因と打開策についてどのように認識していますか。伺います。
デフレ不況から抜け出すためには、第一に、デフレ不況打開に逆行する消費税大増税、社会保障大改悪の計画を中止することが必要です。第二に、日本経団連の新たな「賃下げ宣言」や電機・情報産業の大企業による13万人もの首切りを許さず、賃上げと安定した雇用を実現することが必要です。大企業の内部留保は大不況化でも積み上がり、今や史上空前の260兆円にも達しています。内部留保のわずか1%を使うだけでも賃上げと安定した雇用を確保することは十分に可能です。第三に、労働者派遣法を抜本改正し、正規雇用を原則とすること。中小企業には国が手当を行ないながら、最低賃金の引き上げを行なうこと。公正取引で適正な下請け、納入単価を実現することなど、政治がきちんとルールをつくることが必要です。働く人の所得を増やす方向で政策を抜本的に見直すよう求めるべきではないですか。区長の見解を伺います。
次に、本区の来年度予算について伺います。
賃金や年金の引き下げ、長引く不況と社会保険料の負担増などで、区民の暮らしは一層厳しさを増しています。江東区の生活保護受給者は昨年12月時点で7300世帯を超え、国保の滞納世帯も加入者の4割、就学援助を受ける子どもは3割にもなっています。「年金だけでは生きていけない」「自分が病気で働けず、夫もリストラされた」「必要最低限もものだけ買っている」など深刻です。区長は区民の暮らしの実態をどのように認識していますか、伺います。
江東区の来年度予算は、我が党区議団が求めてきた認可保育園や特別養護老人ホームの増設、幼稚園へのクーラー設置や高齢者・障害者の耐震ベッド設置助成、備蓄物資の充実や区内中小業者の実態調査などが盛り込まれているものの、区独自に支給していた生活保護の健全育成費・中学卒業者自立援助金の廃止、区民の要望の高い私道整備補助の要件の縮小、中小企業融資の利子補助率を削減し、さらにがん検診の有料化や国民健康保険料の大幅値上げなど新たな区民への負担増を行なおうとしています。
「区民応援予算」などと言えるものではありません。区民の暮らしが厳しくなる中で、区民に一番身近な区政が暮らしを守る防波堤の役割を果たさなければなりません。区民の暮らしを支えるための施策の拡充を求めます。
中小企業対策では、融資制度の利子補助の拡充、商店街装飾灯の電気代の全額補助、仕事起こしのための住宅リフォーム助成制度の実施などを求めます。また、子育て支援では、生活保護世帯に区独自が実施している健全育成費、中学卒業者自立援助金の廃止取りやめ、認可保育園の増設、就学援助の対象の拡大を行なうこと。高齢者福祉では、特別養護老人ホームなど高齢者施設の増設、入院助成や重度介護手当の支給、家賃補助など経済的支援を実施すべきです。さらに防災対策では、住宅耐震化助成制度の拡充を行なうべきだと思いますが、伺います。
くらしが厳しい中で、区民への新たな負担増は許されません。
がん検診について区は、受益者負担を掲げ、これまで無料だった子宮がん、大腸がん、胃がん、肺がんの検診の有料化を行なおうとしています。有料化による区民への負担増は、検診の目的である早期発見にも逆行し、逆に医療費の増大をもたらすことになりかねません。有料化は撤回すべきです。見解を伺います。
国民健康保険料は、23年度、24年度の2年間、実施してきた激変緩和措置を大幅に縮小。さらに均等割の値上げを行なう計画です。この間、国民健康保険料は、毎年値上げが繰り返され、特に23年度からの算定方式の変更により、家族の人数が多い世帯や障害者のいる世帯などで大幅な負担増が押し付けられました。夫婦と子ども2人の世帯では、収入が前年とかわらない年収308万円なのに、激変緩和措置が行なわれた後でも保険料が6万6千円も跳ね上がりました。来年度、激変緩和措置が無くなれば、13万円を超える保険料値上げが襲いかかることになります。今でも負担が重いのに、これではとても払いきれません。
このような負担増を区長はどう認識しているのですか。引き続きこれまで同様の軽減措置を講じるとともに、保険料の値上げを中止すべきです。あわせて伺います。
江東区では毎年人口が増加し、担わなければならない仕事が増えているにもかかわらず、来年度も22人もの職員を削減するとともに、学校用務や学校給食の民間委託を拡大。さらに来年度は、新たに福祉会館・児童館併設館の民間委託を実施するなど、区の仕事を民間に丸投げし、区自らが安上がりの労働を拡大させようとしています。福祉事務所のケースワーカーや保健師など不足する職員を増員し行政需要に対応するとともに、民間委託の拡大を中止すべきです。伺います。
区は、財政が厳しい、将来の見通しが不透明だと言って、施策の切り捨てや新たな負担増を行なおうとしていますが、しかし、区の基金総額は、来年度の予算編成後も688億円にも達しています。この間、当初予算では100億円を超す基金の取り崩しを行なうものの、最終補正で大幅な積み増しを行なうため、ほとんど基金総額は減ってはおらず、ここ数年、決算時点では800億円を超す状況が続いています。
区民のくらしを支えるために、ため込んだ基金を活用すべきです。特に、区は来年度も地下鉄8号線建設基金へ5億円の積み増しを行なう計画ですが、これ以上の積み増しはやめ、施策の拡充にまわすよう求めます。また、オリンピック招致応援活動経費の削減、株式会社ゆりかもめへの出資金の引き上げ、同和対策の廃止、区長・議長の交際費の削減、副区長の2人制をやめ一人にすることなどムダな税金の使い方を見直し、区民の暮らしの願いに応える財源を確保するよう求めますが、見解を伺います。
第二に、区民の暮らしに関わる都政の問題について伺います。
猪瀬氏が東京都知事になって初めての予算となる都の来年度予算案は、高速道路や過大な港湾整備など大型開発の推進を最重点とする一方、福祉や雇用、中小企業対策等はきわめて不十分で、福祉を軽視してきた石原前都政の路線を継承するものとなっています。
この間、石原都政のもとで高齢者福祉が削られた結果、決算に占める高齢者福祉の割合は、1999年は全国2位だったのが、今や44位と全国最低クラスに転落しています。区長は、このような現状をどう認識しているのか伺います。
東京都の特別養護老人ホームの待機者は4万3千人、江東区でも2000人を超え、2年も3年も待たなければ入れないなど不足は深刻です。来年度、東京都は、特養ホームの整備数を5400人分盛り込んだもの、不十分だと言わざるを得ません。都に対し、特養ホームの整備数をさらに増やし、廃止した用地費補助を復活するよう求めるべきではないですか。伺います。
認可保育園の不足も深刻です。東京都は、この間、認可保育園の抜本的な増設を行なわず、認可保育所に比べ基準の低い認証保育所で賄おうとしてきました。江東区でも認可保育園への入園を希望しても入れなかった子どもの数は、昨年4月時点で1053人にも及ぶなど、多くの保護者が認可保育園への入園を希望しています。抜本的な増設のために用地費補助の創設、都有地の積極的な提供を都に求めるべきではないですか。伺います。
次に、防災対策の拡充について伺います。
東京都は東日本大震災をふまえて、都内の堤防や水門の耐震化を2022年度までの10年間で進める計画を12月に策定しました。
江東区をはじめとする東部低地帯は、過去に高潮による被害を繰り返し受けてきた地域で、大地震による津波や液状化などで堤防が一ヶ所でも決壊すれば、深刻な被害が予想されます。都が今回、最大級の地震に対応できる新たな計画を策定したことは大きな前進ですが、首都直下地震や東海地震などがいつ来てもおかしくないと言われる中で、10年もかけるのでは遅すぎます。完了年度を短縮するよう都に求めるべきではありませんか伺います。
住宅の耐震化は、人命を守るとともに、その後の復興を容易にするためにも重要です。
東京都は特定緊急輸送道路の沿道建築物については、耐震診断の実施を義務づけるとともに、手厚い補助を行ないっています。住民負担がほとんどないことから、江東区で対象となる120件あまりのうちこれまで38件が耐震診断の助成制度を申請しています。しかし、この助成制度は耐震診断については25年度まで、耐震工事も27年度までのため、マンションなど住民合意に時間がかかるので、これから申請しても期間内に完了できず、補助が受けられないという問題が生まれています。東京都に対し期間の延長を求めるべきではないですか。また、特定緊急輸送道路以外の主要幹線道路についても都の補助率の引き上げを求めるべきだと思いますが、あわせて見解を伺います。
東京都は、木造住宅については、木造密集地域の整備地区に指定したところにしか耐震化助成を実施していません。古い木造住宅の場合、高齢者も多く、経済的な負担も重いために、江東区でも耐震工事が進んでいません。都として補助を行ない木造住宅の耐震化を促進できるよう求めるべきではないですか。また、マンションについても補助率の引き上げを行なうよう都に求めるべきだと思いますが、見解を伺います。
次に、都営住宅の整備について伺います。
石原都政は、都営住宅の新規建設をいっさい行なわないどころか、家賃値上げと入居収入基準の引き下げ、三親等への承継を極端に制限するなど追い出しを強化してきました。来年度も都営住宅の新規建設はありません。
低すぎる年金、重くなる社会保険料、深刻な不況の中で、都営住宅へ入居を希望する区民が増加しています。8月の単身者向けでは平均で47.6倍、シルバーピアでは108倍、11月の一般世帯では31.2倍にもなっています。
都に対し、都営住宅の新規建設を行なうとともに、建替えの際には入居戸数を増やすこと、募集倍率の特に多いシルバーピアを増設することなど求めるべきではないですか。さらに入居収入基準の引き上げと三親等への承継についても元の基準へ戻すよう求めるべきではないですか。伺います。
三点目は、平和施策についてです。
安倍首相が、過去の侵略戦争と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」や日本軍「慰安婦」問題について軍の関与と強制を認めた「河野談話」の見直しを公言したことに対して、ニューヨーク・タイムズ紙が「安倍氏の恥ずべき衝動」との強い批判の社説を掲載するなど、国際的な批判が広がっています。
安倍首相は、国会の本会議質問で「慰安婦」となった人々への思いは歴代政府と変わらないと「持論」を封印せざるをえませんでしたが、「村山談話」については、「しかるべき時期に談話を発表したい」と述べています。日本が侵略戦争と植民地支配の責任を認め反省することは、戦後日本が国際社会に復帰するための大前提となるものです。安倍首相の「見直し」がこれまでの言動通り、日本の侵略戦争を否定するようなものとすれば、戦後の世界秩序を否定することになり、許されません。区長は「村山談話」「河野談話」についてどのように認識していますか、伺います。
さらに安倍首相が、戦争放棄・戦力不保持を定めた憲法9条の廃棄を狙い、まずは、集団的自衛権の行使にむけた解釈改憲と憲法96条が定めた憲法改定の発議要件の緩和を行なおうとしていることは重大です。
そもそも憲法は、国の最高法規であり、国民の権利を守るために権力を縛る役割を持つものです。だからこそ憲法をかえる際の発議要件も衆参各院の3分の2以上の特別多数決を必要とするという厳格な要件を定めています。権力者の都合のいいように発議のハードルを下げてしまおうなどということは許されません。
憲法9条は、侵略戦争と植民地支配によってアジアで2000万人、日本人310万人もの甚大な犠牲者を出したことへの反省にたって、「二度と戦争はしない」「軍隊はもたない」という決意のもとにつくられたものであり、平和を願う国民の切実な願いが込められています。
江東区は、平和都市宣言で「我が国が日本国憲法に掲げられた恒久平和の理念と『非核三原則』を堅持していくことを強く求める」とし、再び戦争の惨禍を繰り返してはならないことを強く世界の人々に訴えています。
憲法9条を改悪し、アメリカとともに戦争に乗り出す国に変えてしまうことは、区の平和都市宣言にも反するものではないでしょうか。区長の見解を伺います。
日本がなすべきことは、世界にも誇る平和の宝、憲法9条を生かし、自主独立の平和外交を行なって、アジアと世界の平和に貢献できる国づくりこそ進めるべきではないでしょうか。見解を伺います。
次に、本区の平和施策の拡充について伺います。
山﨑区長が昨年、平和市長会議に加盟されたことは大いに評価するものです。これを契機に本区の平和施策の一層の充実が求められます。
江東区の平和事業はこれまで、学童疎開や東京大空襲などに関するものが中心となっていますが、平和市長会議は、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に寄与することを目的に、広く事業を実施することを掲げています。平和市長会議の加盟自治体として、本区としても原爆写真展の実施、広島・長崎の平和式典への区職員、区民の代表派遣、夢の島の第五福竜丸前を出発点として毎年実施されている平和行進への区長の参加など、核兵器廃絶に向けた事業を実施すべきだと思いますが、見解を伺います。
さらに、区内各地にある戦跡、慰霊碑などに、わかりやすい説明文を掲げ、広く区内外にその存在を知らせるとともに、ホームページや区報などでも紹介すること。また、戦災資料館や第五福竜丸、戦跡や慰霊碑などをめぐる企画を実施するなど平和学習の促進に勤めるべきだと思いますが、伺います。
以上、区長並びに関係理事者の見解を伺い、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。