カテゴリー: 区議会定例会 タグ: , , , パーマリンク

2013年第1回定例会-大つきかおり議員

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点について質問を行ないます。区長並びに関係理事者の答弁を求めます。 

  1. 来年度予算編成について
  2. 区民の暮らしに関わる都政の問題について
  3. 平和施策について

 第一に、来年度予算編成について伺います。
 まず、政府の来年度予算案についてです。政府の来年度予算案は、大都市圏環状道路、国際コンテナ戦略港湾などの大型公共事業が軒並み増額され、研究開発減税の拡充や投資減税など、大企業向けのばらまきが拡大される一方、雇用対策費は12年度と比べ9.9%減額、地方公務員の給与引き下げを前提とした地方交付金の引き下げ、年金減額や生活保護基準の引き下げなど社会保障費削減、中小企業円滑化法の打ち切り、35人学級の実施見送りなど、国民の暮らしの予算は削減、さらに軍事費は、400億円の増額で、社会保障関係費を上回る伸びとなっています。
 国民の税金でまかなう予算は、まず国民の暮らし最優先で使われるべきです。生活保護や国民の生活向けの予算は削減し、大企業向けの予算や軍事費を優先させるなど本末転倒ではないでしょうか。政府の来年度予算に対する区長の見解を伺います。
 安倍政権は、「デフレ」脱却のためとして、無制限の金融緩和、大型公共事業のばらまき、大企業支援を行なおうとしています。
 しかし、「金融緩和」でいくらお金を刷っても、働く人の所得を増やさなければ需要は冷え込んだまま、むしろ投機マネーによる副作用を招くことになります。「財政出動」の中身も不要不急の大型開発が中心で、儲かるのは大手のゼネコンばかりです。「成長戦略」の名で、強い企業をますます強くする「規制緩和」もこの間、貧困と格差を広げる原因となってきたものです。「研究開発減税」も大企業は潤っても中小企業には恩恵が乏しく、景気の底上げにはならないなど、「三本の矢」は破綻済みの対策の寄せ集めでしかありません。
 デフレ不況に陥った最大の原因は、賃下げとリストラで働く人の所得が減り続けて消費が落ち込み、内需が冷え込んでいるからです。デフレ不況から抜け出すためには、何よりも国民の所得を増やす方向に転換することが必要です。区長はデフレ不況の原因と打開策についてどのように認識していますか。伺います。
 デフレ不況から抜け出すためには、第一に、デフレ不況打開に逆行する消費税大増税、社会保障大改悪の計画を中止することが必要です。第二に、日本経団連の新たな「賃下げ宣言」や電機・情報産業の大企業による13万人もの首切りを許さず、賃上げと安定した雇用を実現することが必要です。大企業の内部留保は大不況化でも積み上がり、今や史上空前の260兆円にも達しています。内部留保のわずか1%を使うだけでも賃上げと安定した雇用を確保することは十分に可能です。第三に、労働者派遣法を抜本改正し、正規雇用を原則とすること。中小企業には国が手当を行ないながら、最低賃金の引き上げを行なうこと。公正取引で適正な下請け、納入単価を実現することなど、政治がきちんとルールをつくることが必要です。働く人の所得を増やす方向で政策を抜本的に見直すよう求めるべきではないですか。区長の見解を伺います。
 次に、本区の来年度予算について伺います。
 賃金や年金の引き下げ、長引く不況と社会保険料の負担増などで、区民の暮らしは一層厳しさを増しています。江東区の生活保護受給者は昨年12月時点で7300世帯を超え、国保の滞納世帯も加入者の4割、就学援助を受ける子どもは3割にもなっています。「年金だけでは生きていけない」「自分が病気で働けず、夫もリストラされた」「必要最低限もものだけ買っている」など深刻です。区長は区民の暮らしの実態をどのように認識していますか、伺います。
 江東区の来年度予算は、我が党区議団が求めてきた認可保育園や特別養護老人ホームの増設、幼稚園へのクーラー設置や高齢者・障害者の耐震ベッド設置助成、備蓄物資の充実や区内中小業者の実態調査などが盛り込まれているものの、区独自に支給していた生活保護の健全育成費・中学卒業者自立援助金の廃止、区民の要望の高い私道整備補助の要件の縮小、中小企業融資の利子補助率を削減し、さらにがん検診の有料化や国民健康保険料の大幅値上げなど新たな区民への負担増を行なおうとしています。
 「区民応援予算」などと言えるものではありません。区民の暮らしが厳しくなる中で、区民に一番身近な区政が暮らしを守る防波堤の役割を果たさなければなりません。区民の暮らしを支えるための施策の拡充を求めます。
 中小企業対策では、融資制度の利子補助の拡充、商店街装飾灯の電気代の全額補助、仕事起こしのための住宅リフォーム助成制度の実施などを求めます。また、子育て支援では、生活保護世帯に区独自が実施している健全育成費、中学卒業者自立援助金の廃止取りやめ、認可保育園の増設、就学援助の対象の拡大を行なうこと。高齢者福祉では、特別養護老人ホームなど高齢者施設の増設、入院助成や重度介護手当の支給、家賃補助など経済的支援を実施すべきです。さらに防災対策では、住宅耐震化助成制度の拡充を行なうべきだと思いますが、伺います。
 くらしが厳しい中で、区民への新たな負担増は許されません。
 がん検診について区は、受益者負担を掲げ、これまで無料だった子宮がん、大腸がん、胃がん、肺がんの検診の有料化を行なおうとしています。有料化による区民への負担増は、検診の目的である早期発見にも逆行し、逆に医療費の増大をもたらすことになりかねません。有料化は撤回すべきです。見解を伺います。   
 国民健康保険料は、23年度、24年度の2年間、実施してきた激変緩和措置を大幅に縮小。さらに均等割の値上げを行なう計画です。この間、国民健康保険料は、毎年値上げが繰り返され、特に23年度からの算定方式の変更により、家族の人数が多い世帯や障害者のいる世帯などで大幅な負担増が押し付けられました。夫婦と子ども2人の世帯では、収入が前年とかわらない年収308万円なのに、激変緩和措置が行なわれた後でも保険料が6万6千円も跳ね上がりました。来年度、激変緩和措置が無くなれば、13万円を超える保険料値上げが襲いかかることになります。今でも負担が重いのに、これではとても払いきれません。
 このような負担増を区長はどう認識しているのですか。引き続きこれまで同様の軽減措置を講じるとともに、保険料の値上げを中止すべきです。あわせて伺います。
 江東区では毎年人口が増加し、担わなければならない仕事が増えているにもかかわらず、来年度も22人もの職員を削減するとともに、学校用務や学校給食の民間委託を拡大。さらに来年度は、新たに福祉会館・児童館併設館の民間委託を実施するなど、区の仕事を民間に丸投げし、区自らが安上がりの労働を拡大させようとしています。福祉事務所のケースワーカーや保健師など不足する職員を増員し行政需要に対応するとともに、民間委託の拡大を中止すべきです。伺います。
 区は、財政が厳しい、将来の見通しが不透明だと言って、施策の切り捨てや新たな負担増を行なおうとしていますが、しかし、区の基金総額は、来年度の予算編成後も688億円にも達しています。この間、当初予算では100億円を超す基金の取り崩しを行なうものの、最終補正で大幅な積み増しを行なうため、ほとんど基金総額は減ってはおらず、ここ数年、決算時点では800億円を超す状況が続いています。
 区民のくらしを支えるために、ため込んだ基金を活用すべきです。特に、区は来年度も地下鉄8号線建設基金へ5億円の積み増しを行なう計画ですが、これ以上の積み増しはやめ、施策の拡充にまわすよう求めます。また、オリンピック招致応援活動経費の削減、株式会社ゆりかもめへの出資金の引き上げ、同和対策の廃止、区長・議長の交際費の削減、副区長の2人制をやめ一人にすることなどムダな税金の使い方を見直し、区民の暮らしの願いに応える財源を確保するよう求めますが、見解を伺います。
 
 第二に、区民の暮らしに関わる都政の問題について伺います。
 猪瀬氏が東京都知事になって初めての予算となる都の来年度予算案は、高速道路や過大な港湾整備など大型開発の推進を最重点とする一方、福祉や雇用、中小企業対策等はきわめて不十分で、福祉を軽視してきた石原前都政の路線を継承するものとなっています。
 この間、石原都政のもとで高齢者福祉が削られた結果、決算に占める高齢者福祉の割合は、1999年は全国2位だったのが、今や44位と全国最低クラスに転落しています。区長は、このような現状をどう認識しているのか伺います。
 東京都の特別養護老人ホームの待機者は4万3千人、江東区でも2000人を超え、2年も3年も待たなければ入れないなど不足は深刻です。来年度、東京都は、特養ホームの整備数を5400人分盛り込んだもの、不十分だと言わざるを得ません。都に対し、特養ホームの整備数をさらに増やし、廃止した用地費補助を復活するよう求めるべきではないですか。伺います。
 認可保育園の不足も深刻です。東京都は、この間、認可保育園の抜本的な増設を行なわず、認可保育所に比べ基準の低い認証保育所で賄おうとしてきました。江東区でも認可保育園への入園を希望しても入れなかった子どもの数は、昨年4月時点で1053人にも及ぶなど、多くの保護者が認可保育園への入園を希望しています。抜本的な増設のために用地費補助の創設、都有地の積極的な提供を都に求めるべきではないですか。伺います。
 次に、防災対策の拡充について伺います。
 東京都は東日本大震災をふまえて、都内の堤防や水門の耐震化を2022年度までの10年間で進める計画を12月に策定しました。
 江東区をはじめとする東部低地帯は、過去に高潮による被害を繰り返し受けてきた地域で、大地震による津波や液状化などで堤防が一ヶ所でも決壊すれば、深刻な被害が予想されます。都が今回、最大級の地震に対応できる新たな計画を策定したことは大きな前進ですが、首都直下地震や東海地震などがいつ来てもおかしくないと言われる中で、10年もかけるのでは遅すぎます。完了年度を短縮するよう都に求めるべきではありませんか伺います。
 住宅の耐震化は、人命を守るとともに、その後の復興を容易にするためにも重要です。
 東京都は特定緊急輸送道路の沿道建築物については、耐震診断の実施を義務づけるとともに、手厚い補助を行ないっています。住民負担がほとんどないことから、江東区で対象となる120件あまりのうちこれまで38件が耐震診断の助成制度を申請しています。しかし、この助成制度は耐震診断については25年度まで、耐震工事も27年度までのため、マンションなど住民合意に時間がかかるので、これから申請しても期間内に完了できず、補助が受けられないという問題が生まれています。東京都に対し期間の延長を求めるべきではないですか。また、特定緊急輸送道路以外の主要幹線道路についても都の補助率の引き上げを求めるべきだと思いますが、あわせて見解を伺います。
 東京都は、木造住宅については、木造密集地域の整備地区に指定したところにしか耐震化助成を実施していません。古い木造住宅の場合、高齢者も多く、経済的な負担も重いために、江東区でも耐震工事が進んでいません。都として補助を行ない木造住宅の耐震化を促進できるよう求めるべきではないですか。また、マンションについても補助率の引き上げを行なうよう都に求めるべきだと思いますが、見解を伺います。
 次に、都営住宅の整備について伺います。
 石原都政は、都営住宅の新規建設をいっさい行なわないどころか、家賃値上げと入居収入基準の引き下げ、三親等への承継を極端に制限するなど追い出しを強化してきました。来年度も都営住宅の新規建設はありません。
 低すぎる年金、重くなる社会保険料、深刻な不況の中で、都営住宅へ入居を希望する区民が増加しています。8月の単身者向けでは平均で47.6倍、シルバーピアでは108倍、11月の一般世帯では31.2倍にもなっています。
 都に対し、都営住宅の新規建設を行なうとともに、建替えの際には入居戸数を増やすこと、募集倍率の特に多いシルバーピアを増設することなど求めるべきではないですか。さらに入居収入基準の引き上げと三親等への承継についても元の基準へ戻すよう求めるべきではないですか。伺います。
 三点目は、平和施策についてです。
 安倍首相が、過去の侵略戦争と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」や日本軍「慰安婦」問題について軍の関与と強制を認めた「河野談話」の見直しを公言したことに対して、ニューヨーク・タイムズ紙が「安倍氏の恥ずべき衝動」との強い批判の社説を掲載するなど、国際的な批判が広がっています。
 安倍首相は、国会の本会議質問で「慰安婦」となった人々への思いは歴代政府と変わらないと「持論」を封印せざるをえませんでしたが、「村山談話」については、「しかるべき時期に談話を発表したい」と述べています。日本が侵略戦争と植民地支配の責任を認め反省することは、戦後日本が国際社会に復帰するための大前提となるものです。安倍首相の「見直し」がこれまでの言動通り、日本の侵略戦争を否定するようなものとすれば、戦後の世界秩序を否定することになり、許されません。区長は「村山談話」「河野談話」についてどのように認識していますか、伺います。
 さらに安倍首相が、戦争放棄・戦力不保持を定めた憲法9条の廃棄を狙い、まずは、集団的自衛権の行使にむけた解釈改憲と憲法96条が定めた憲法改定の発議要件の緩和を行なおうとしていることは重大です。
 そもそも憲法は、国の最高法規であり、国民の権利を守るために権力を縛る役割を持つものです。だからこそ憲法をかえる際の発議要件も衆参各院の3分の2以上の特別多数決を必要とするという厳格な要件を定めています。権力者の都合のいいように発議のハードルを下げてしまおうなどということは許されません。
 憲法9条は、侵略戦争と植民地支配によってアジアで2000万人、日本人310万人もの甚大な犠牲者を出したことへの反省にたって、「二度と戦争はしない」「軍隊はもたない」という決意のもとにつくられたものであり、平和を願う国民の切実な願いが込められています。
 江東区は、平和都市宣言で「我が国が日本国憲法に掲げられた恒久平和の理念と『非核三原則』を堅持していくことを強く求める」とし、再び戦争の惨禍を繰り返してはならないことを強く世界の人々に訴えています。
 憲法9条を改悪し、アメリカとともに戦争に乗り出す国に変えてしまうことは、区の平和都市宣言にも反するものではないでしょうか。区長の見解を伺います。
 日本がなすべきことは、世界にも誇る平和の宝、憲法9条を生かし、自主独立の平和外交を行なって、アジアと世界の平和に貢献できる国づくりこそ進めるべきではないでしょうか。見解を伺います。
 次に、本区の平和施策の拡充について伺います。
 山﨑区長が昨年、平和市長会議に加盟されたことは大いに評価するものです。これを契機に本区の平和施策の一層の充実が求められます。
 江東区の平和事業はこれまで、学童疎開や東京大空襲などに関するものが中心となっていますが、平和市長会議は、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に寄与することを目的に、広く事業を実施することを掲げています。平和市長会議の加盟自治体として、本区としても原爆写真展の実施、広島・長崎の平和式典への区職員、区民の代表派遣、夢の島の第五福竜丸前を出発点として毎年実施されている平和行進への区長の参加など、核兵器廃絶に向けた事業を実施すべきだと思いますが、見解を伺います。
 さらに、区内各地にある戦跡、慰霊碑などに、わかりやすい説明文を掲げ、広く区内外にその存在を知らせるとともに、ホームページや区報などでも紹介すること。また、戦災資料館や第五福竜丸、戦跡や慰霊碑などをめぐる企画を実施するなど平和学習の促進に勤めるべきだと思いますが、伺います。
 以上、区長並びに関係理事者の見解を伺い、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です