2013年第2回定例会-正保幹雄議員

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱4点について質問します。

  1. 区民税の徴収、滞納処分問題について
  2. 認可保育所の増設について
  3. 防災対策について
  4. 原発問題について

 第1は、区民税の徴収、滞納処分問題についてです。
 区は、区民税等の収納対策本部と滞納処分を専門に行う特別整理係を設置し、行財政改革計画の中で、差し押さえなど滞納処分の強化を行っています。区民からは、「徴収、滞納処分のやり方が余りにもひど過ぎる」という相談が寄せられています。
 高齢者でひとり暮らしの女性は、区民税23万円を滞納し、国税還付金の全額が差し押さえとなりました。この方の収入は年金のみで月3万5,000円、今は翻訳の仕事もなく、預貯金はゼロ、差し押さえによって生活困窮に追い込まれました。
 徴収確保を優先させ、納税者の生活保障を損なう結果を招くことは、それ自体自己矛盾であり、無益にして有害な執行ではありませんか。国税徴収法第153条並びに地方税法第15条の7には、地方自治体の長は、滞納処分を執行することによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるときは、滞納処分の執行を停止できると定めています。法令に基づき直ちに滞納処分の執行停止を行うべきです。伺います。
 運送会社所有のトラックでコンテナ運送を請け負っている運転手の方は、区民税の滞納で18万円の売掛金、事実上の労働賃金が差し押さえとなりました。その結果、8,000円しか手元に残らず、これでは生活がやっていけないと徴収職員に窮状を訴えたところ、「自分で考えてください」とはねつけられました。完納するまで毎月の賃金は差し押さえられ、生活保護を受けざるを得なくなりました。
 国税徴収法第151条並びに地方税法第15条の5は、自治体の長は、滞納者の事業継続、生活の維持を困難にするおそれがある財産の差し押さえを猶予し、または、解除することができると、換価の猶予を定めています。法令と社会的妥当性に基づき、この人の差し押さえを解除すべきです。伺います。
 納税義務を果たすために生存権が脅かされてはなりません。生活困窮者をさらに窮地に追い込む税金の取り立ては、憲法第25条の精神に反し、地方自治の本旨とも相入れません。納税者の個々の実情に対する配慮を怠り、人権、生存権さえ踏みにじり、最低限の生活と営業の継続に欠かすことができないなけなしの財産を、差し押さえて納付を迫る強引な滞納整理は即刻やめるべきです。伺います。
 さきの国会の質疑の中で新藤義孝総務大臣は、「全国の税務担当課長会で、滞納処分で生活を著しく窮迫させるおそれがあるときは、執行を停止することができると発言している。徹底するよう働きかける」と答弁しています。この趣旨を十分踏まえて対応すべきではありませんか。伺います。
 京都府では、地方税法第15条の7第1項第2号の滞納処分の執行停止の要件である、滞納処分をすることによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるときについて、税条例で具体的基準を定めています。本区でも、生計費需要額など適用要件の基準を条例等で定めるべきです。伺います。
 国税庁通達、納税の猶予等の取扱要領は、納付することが困難である旨の申出等があった場合には、その実情を十分調査し、納税者に有利な方向で納税の猶予等の活用を図るよう配慮するとしています。徴収の猶予が許可されると、新たな滞納処分が禁止され、安心して分納でき、完納できなければ1年延長の申請が可能となります。また、一定の要件で差し押さえの解除や延滞税の減額・免除ができるなど、納税者に有利な方向で納税緩和ができます。
 ところが、本区での分納は、徴収職員の裁量権にすぎず、分納の金額も期間も制約され、何より延滞税は残るというものです。区民が徴収猶予の申請ができるよう、申請書を窓口に用意するなど、法に基づいた納税緩和措置を積極的に図るべきです。伺います。
 国税徴収法制定にかかわった民法学者、我妻栄氏は、「国税徴収法精解」の著書の中で、「国税徴収法によって国が与えられている強権力と裁量権は真に悪質な滞納者に対してのみ行使するもので、大多数の善良な納税者に対して決して行使してはならないものである」と書いています。納税者の基本的人権や生存権、財産権を保障する立場に立った税務行政を強く求めるものです。伺います。
 第2は、認可保育所の増設についてです。
 杉並区や大田区、江戸川区など、23区の中で認可保育所に申し込んだのに入れなかったこどもの母親が集団で、保育士などの職員数、施設の広さ、園庭などの環境が整っている認可保育所の増設を求めて行政不服審査の訴えをしました。
 江東区では、ことし4月からの入園のため、認可保育所に3,447人が申し込みましたが、そのうち入れなかったこどもは1,338人となり、昨年度より約300人増加しました。4月からの入園に合わせて職場復帰を考えていたが、希望者多数で入所できないという通知に、「目の前が真っ暗になった」、「朝、目が覚めると、ああ、保育園どうしようと、そのことばかり考えている」などの切実な声が、私たちにも多数寄せられています。認可保育所の増設を求めての行政不服審査の訴えを区はどのように認識しているのか、伺います。
 東京都社会福祉協議会の調査では、保育所の利用希望者の半数が認可・認証保育所を並行して申し込みつつ、最も希望する保育サービスは認可保育所が8割との結果が出ています。本区でも、圧倒的多数の保護者は、施設の面積、設備、保育士の配置、保育内容、応能負担の保育料などから、認可保育所を求めています。この保護者の要望に真摯に応え、認可保育所の大幅な増設をすべきです。伺います。
 保育の質を支えるための国際的な共通認識は、1つ目は施設の面積や設備、2つ目は保育者の配置や年齢に応じた集団の規模、3つ目は保育内容、4つ目は保育の専門性となっています。これらを充実していくことが保育の質を向上させることになると思いますが、区の認識を伺います。
 横浜市は、待機児童数全国ワースト1位から待機児童をゼロにしたと報道されています。しかし、この待機児童ゼロには大きな問題があります。
 1つ目は、認可保育所580カ所の25%を株式会社が占めていることです。全国平均はわずか2%です。株式会社参入を一気に進めたことで矛盾が生まれています。ビルのテナントを借り上げ内装を整備すると市の補助金が受けられるため、横浜市では、園庭のないビル内の企業園が次々とつくられました。保育士の入れかわりも激しく、開園して半年で半数以上の保育士が退職したという園が複数あります。経営の悪化から企業が撤退し、別企業が引き継いだという事態も生まれており、株式会社による運営の不安定さは拭えません。
 2つ目は、定員拡大や弾力化、面積基準の引き下げなどによるこどもの詰め込みです。定員増を図るために園庭やプールをなくして園舎を増築したり、ホールを潰して保育室にしているため、保育環境が悪化しています。
 3つ目は、待機児童の定義を変え、意図的とも言える待機児童減らしをしていることです。
 安倍首相は、横浜方式を全国に広げ、5年間で待機児童ゼロを達成したいと表明し、企業による保育所経営を一気に推し進めようとしていますが、保育環境を悪化、後退させる横浜方式をお手本にすべきではありません。見解を伺います。
 厚生労働省は、認可保育所への株式会社の参入を一層促す通知を、自治体に送付しました。通知は、自治体の判断で株式会社を排除することがないように戒めるものです。しかしながら、自治体が株式会社の参入に慎重なのは、株式会社が運営する保育所で、突然の閉園や職員の激しい入れかわりなどの問題が生じているからではないでしょうか。営利を目的とする株式会社が保育になじむのかという疑問は、保護者や保育関係者に根強くあります。
 さらに、2015年からの新システムでは、現行制度では認められていない株主配当が認められ、株主配当のために人件費が抑制される危険があります。保護者はこどもの安全や健やかな育ちを願い、認可保育所の増設を求めています。そのためには、保育士の人材確保や十分な配置が欠かせません。人で成り立つ保育で利益を上げようとすれば、削られるのは人件費です。保育でもうけを上げる仕組みを前提とした株式会社参入は、保護者の願いに応えるものとは到底言えません。本区では、認可保育所への株式会社の新たな参入を認めるべきではありません。見解を伺います。
 認可保育所を増設する上で、用地確保が重要です。認可保育所整備のための国有地及び都有地の活用について、情報提供と無償貸与などを求めるなど、よりよい条件で活用できるよう、国と都へ繰り返し働きかけていくべきです。伺います。
 また、保育士の質の向上を図るためにも、保育士の採用と定着を図ることは欠かせません。都は、国の補正予算に基づき、保育士の処遇改善に要する費用を含めた安心こども基金を積み増ししています。保育士の処遇改善を積極的に図るべきです。伺います。
 第3は、防災対策について伺います。
 東日本大震災を踏まえ、東京都は昨年12月、堤防や内部護岸、水門、排水機場などの施設が最大級の地震にも耐えられるよう、耐震・耐水対策の方針を発表し、2021年度までの10年間の新たな整備計画をつくりました。
 都は、整備を進めるに当たって、地盤が低い地域を優先するとしていますが、ゼロメートル地帯である本区における対象箇所を明確化し、整備スケジュールを区としてきちんと把握し、早期整備について繰り返し都に働きかけるべきと思いますが、伺います。
 区内には、古い基準で建築された木造住宅が1万軒以上残されています。これら古い住宅の耐震改修への助成制度の利用者は、7年間でわずか24件という状況です。助成制度の活用が低調なのは、耐震改修の結果、家屋の1階も2階も倒壊しない耐震性能とならなければならず、古い家屋ほど改修費用が膨らみ、自己負担額が大きくなるからです。住民の命を守る立場で要件を緩和し、助成額の増額と部分耐震にも助成すべきです。
 また、経済的な理由で大がかりな耐震改修ができない場合、家屋が倒壊しても一定の空間を確保することで命を守る耐震シェルター設置にも支援を行うべきです。あわせて伺います。
 今年度から区内の全中学校が、災害時の拠点避難所に指定されました。区は、今後、学校避難所を中心とした災害救助活動を展開するとしていますが、町会・自治会ごとに組織されている災害協力隊を、どの学校避難所の運営に当たってもらうのか、調整が必要だと考えますが、伺います。
 災害が長期化する場合、避難所が避難者の生活の場となります。区は、避難者のプライバシー確保のため、体育館等の居住スペースに区切りが必要だとしていますが、学校備蓄物資に間仕切りはありません。備蓄資機材として配備すべきと思いますが、伺います。
 避難所となる学校体育館や公共施設などでの震災時の安全確保を図るため、天井の耐震性や設置物の落下対策について、診断調査と必要な耐震改修を求めます。伺います。
 震災時等におけるエレベーター閉じ込め対策について、区役所庁舎の各エレベーター内に設置しているエレベーターチェアは、非常時にトイレとして使用でき、水や懐中電灯などの非常用品が収納されています。公共施設等への拡充を求めます。伺います。
 区は要援護者を、1次避難所から2次避難所、福祉避難所へ搬送、入所させるとしていますが、今の17カ所の2次避難所では足りません。ふやすべきです。
 また、1次避難所での混乱を避けるため、要援護者が福祉避難所として指定されている施設などへ直接避難できる体制も含め、前もって整えておく必要があると思いますが、あわせて伺います。
 古い民間住宅の敷地内に埋設されている白ガス管などの腐食しやすい旧式のガス管の交換が、ガス漏れの危険があるのに進んでいません。国土交通省によれば、旧式ガス管の未更新は319万本も残っているといいます。個人住宅敷地内のガス管が個人資産として扱われ、更新費用が自己負担となっているため、更新が進んでいないのが現状です。
 国土交通省は、耐震上危険なガス管の取りかえは、住宅の耐震改修や建てかえとあわせて行う場合、また、自治体が住宅改修と切り離してガス管の交換だけを支援する制度を設計した場合でも、国の耐震改修促進事業の補助対象になると言っています。地域防災対策上、白ガス管の実態について、ガス事業者に情報提供を求めるとともに、白ガス管の交換を促進するよう働きかけるべきです。また、危険な老朽ガス管の交換について、国の助成制度を活用した区の支援制度の創設を提案します。あわせて見解を伺います。
 第4は、原発問題について伺います。
 東京電力福島第一原子力発電所は、収束どころか事故の真っただ中にあります。この事故によって、周辺住民を初め、多くの人たちがふるさとを離れざるを得なくなり、今も多数の人たちが避難生活を続けています。
 東京電力福島第一原子力発電所では、事故で溶け落ちた核燃料を冷やすために原子炉内に水を送り続けなければなりません。ところが、原子炉建屋などに地下水が1日400トン流入し、高濃度の放射能汚染水がどんどん増加しています。汚染水を入れるタンクの増設を怠ったためタンクが足りなくなって、タンクのかわりに汚染水を入れた地下貯水槽から汚染水が漏れるという大事故を引き起こしました。放射能汚染水漏れの事故は69回も発生しています。放射能汚染水に含まれる放射性物質の量は、事故で大気中に飛散した量の10倍と推定されるほど巨大な量に達しています。このような巨大な放射能を含む大量の汚染水が、外部に流出する危機的状況の瀬戸際にまで陥っているのが、東京電力福島第一原子力発電所の現状です。とても収束した状況ではないと思いますが、認識を伺います。
 ここまで事態を悪化させた根本には、汚染水はいずれ海に捨てればいい、海に捨てれば薄まるだろうという無責任きわまる発想があります。どんな形にせよ、汚染水の海への放出は絶対にやってはならないと思いますが、見解を伺います。
 政府に対し、収束宣言をきっぱりと撤回すること、収束と廃炉を、日本の英知を結集した大事業と位置づけてやり抜くよう強く求めるべきです。伺います。
 安倍首相は、「世界最高レベルの安全基準で安全が確認された原発は再稼働する」と言い、原発再稼働と原発輸出政策を進めようとしています。しかし、事故の原因もわかっていない、収束もできていない状況で、どうして再稼働など許されるでしょうか。原発に絶対安全はありません。それは、日本国民が体験し、政府も認めたことです。政府に対し、原発の再稼働と輸出政策を直ちに中止することを求めるべきです。原発と人類は共存できません。即時原発ゼロの政治決断を強く求めるべきです。あわせて伺います。
 再生可能エネルギーは、風力、太陽光、地熱、小水力など、多様なエネルギーを組み合わせ、普及が進めば進むほど供給が安定します。
 日本は、多様で豊かな再生可能エネルギーの宝庫です。原発の40倍とも言われる巨大なその潜在力を生かし、自然エネルギーの普及に対する区独自の支援策の拡充を求めるものです。
 また、災害対策上、区内の拠点避難所や避難場所、公園等での小風力、太陽光発電等の積極的な活用を図るべきです。あわせて伺い、私の質問を終わります。(拍手)

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2013年第2回定例会-きくち幸江議員

日本共産党江東区議団を代表して質問します。

  1. 区民の暮らしと経済政策について
  2. TPP交渉への参加について
  3. 憲法問題について

第1は、区民の暮らしと経済政策についてです。
自民党政権にかわって5カ月余、株価が上がった、景気がよくなるとの期待感もつかの間、投機マネーにより株価は乱高下を繰り返し、アベノミクスなる経済政策は制御不能になりつつあります。一部の大資産家や大株主が何百億円、何千億円と資産をふやす一方、庶民に景気回復の実感はありません。
統計数値を見ても、ことし3月までの労働者の所得、設備投資、雇用、いずれも改善の傾向はなく、中小企業向け融資も史上最低です。実体経済を立て直すことなく、異常な金融緩和でバブルを起こす政策をこのまま続ければ、インフレによる物価の高騰や資産家と一般国民の格差の拡大、長期金利上昇により消費や設備投資が一層冷え込み、日本経済は大変な混乱に陥ることになります。政府の経済政策と区民生活への影響をどう受けとめていますか。まず伺います。
我が党はこれまで、デフレから脱却し景気回復を図るには、国民総生産の6割を占める内需をふやすという立場から、さまざまな提案をしてきました。
提案の第1は、雇用環境の改善です。労働法制の規制緩和によるワーキングプアが問題となっているのに、アベノミクスの成長戦略では、さらなる規制緩和で、解雇の自由化や残業代未払いの合法化を進めるなど、企業にとっては都合のよい、働く者を使い捨て自由にする法律をつくろうとしています。今でもひどい働かされ方で、体や心を壊され、若い世代は低賃金で結婚できない、結婚しても経済的理由で離婚に至る事態が深刻で、こどもの貧困も進行しています。これがまともな社会と言えるでしょうか。
260兆円にも膨らんだ大企業の内部留保金、そのほんの1%で、8割の大企業が月1万円の賃上げと非正規社員の時給を100円上げることができるということです。政府に対し、労働法制の規制緩和はやめ、正規雇用を基本とした法規制に改めること、中小企業に支援をして、最低賃金を引き上げるよう求めるべきと思いますが、伺います。
また、本区としても、区内の事業所に雇用拡大の申し入れを行うとともに、現在行っている中小企業若者就労マッチング事業の拡充を図り、技術力や精神面にも幅を広げた若者支援、就労支援に取り組むことを求めます。伺います。
さらに、公契約条例の制定についてです。
今年度の公共工事の設計労務単価が引き上げられました。国土交通省の通達では、その背景として、ダンピング受注の激化と下請へのしわ寄せが労働者の賃金低下をもたらしており、このままでは技能承継がされず、将来の災害対応やインフラの維持・更新にも支障を及ぼすおそれがあるとしています。
労務単価の引き上げが、下請代金や賃金の引き上げにつながる実効ある仕組みをつくるのが公契約条例です。公契約条例は、建設業界だけでなく人材不足の保育や福祉など、本区の仕事を請け負う多くの労働者の賃金水準の向上にもつながります。都内でも新たに足立区が制定を決めるなど、動きが広がっています。本区としても、公契約条例制定の検討に入ることを求めます。伺います。
提案の第2は、中小企業の振興です。
事業所数の99%、雇用の7割を占める中小企業が元気にならなければ、日本経済の復活はありません。しかし、長引く景気低迷に加えて、円安によるガソリン代などの燃料や資材の値上げの影響が、中小業者の経営にも襲いかかっています。
本区は、今年度、産業実態調査を行いますが、円安による影響と支援策も展望した調査項目を入れること、職員も特別の体制をとって面接による聞き取り調査を行い、将来のまちづくり、産業づくりの基礎をつくる調査とするよう求めます。伺います。
また、商店街では、大型店の出店と消費の低迷で、商店街の存続そのものが危ういとの不安も寄せられています。商店街の調査は個店の調査で終わらせず、地域の特徴、消費者の需要、空き店舗を活用した集客の可能性など、商店街ごとの要望を聞きながら展望の出せる調査とすることを求めます。伺います。
提案の第3は、消費税増税を中止させることです。
来年、再来年と消費税の連続増税を実行に移す動きがあります。しかし、中小・零細企業では、景気回復の見通しがない上、ほとんどの零細業者は消費税を販売価格に転嫁できないでいます。区長はこの間の答弁で、消費税は公平な税と答えていますけれども、決して公平ではなく、中小業者や低所得者に負担の大きい逆進性は政府も認めるところですが、今回、救済の対策はやらないということです。
売り上げが伸びない上に材料費が上がり、さらに消費税が上がったら首をくくるしかないと、悲痛な声が寄せられているように、消費税の増税は、頑張っている事業者に廃業を通告することにもなります。区内業者を守る立場で、消費税増税の中止を求めるべきと思いますが、伺います。
提案の第4は、社会保障の充実で暮らしを安定させ、消費購買力を伸ばすことです。
大企業には、減税などの大盤振る舞いをする一方で、ことし10月からの年金給付の引き下げを初めとして、国民の暮らしを支える社会保障制度を大幅に改悪する議論が進められています。
年金支給開始年齢は70歳まで先延ばし、医療・介護保険制度の利用料負担の引き上げと給付の引き下げ、保険料の大幅値上げなどが言われる中で、将来不安は高まり、庶民の財布のひもはかたくなるばかりです。業績の上がっている大企業に応分の負担を求めて財源をつくり、年金、医療、介護、保育、障害者福祉などについて、現状を引き下げるのではなく引き上げ、生活への不安の解消を図るように、国と自治体が責任を果たすべきときと思いますが、区長の見解を伺います。
さらに、生活保護制度についてです。
生活保護基準の引き下げが、最低賃金や課税基準などに連動して、国民の生活水準そのものを切り下げるものであるという指摘をこれまでしてきました。政府は、さらに生活保護の申請要件や扶養義務者への調査を強化するなど、窓口で申請書を渡さず追い返す水際作戦を合法化しようとしています。これでは、行政が相談を受けながら餓死や孤独死に追いやる状況を当たり前につくり出す人権侵害そのものです。
日本弁護士連合会からは、「生存権保障を空文化させるものであって到底容認できない」と声明が出され、国連からも、生活保護を恥と思う気持ちを根絶するため国民を教育することや、申請手続の簡略化を日本政府に求める勧告が出されました。先進国として恥ずかしいことです。国民の生存権、人権にかかわる問題として、生活保護制度改悪の中止を求めるべきと思いますが、伺います。
第2に、TPP交渉への参加について伺います。
安倍政権は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉への参加を表明し、手続に入っています。例外なき関税と非関税障壁の撤廃が大原則とされ、関税の撤廃では、国内の農林水産業や地場産業などが壊滅的打撃を受けます。
非関税障壁の撤廃では、国民皆保険制度が破壊され、食品安全基準や添加物規制なども緩和が求められます。自治体の公共事業も外国企業に開放することになり、本区が行っている地元業者優先発注、総合評価制度なども認められず、地域経済にも大きな影響を与えます。だからこそこれまでに9割の都道府県、8割の市町村議会から、反対や慎重にという意見書や決議が採択され、農業団体を初め、医師会や消費者団体など、幅広い層で強力な反対の声が広がっています。区長は、TPP参加による地域経済と区民生活への影響をどう受けとめていますか。伺います。
安倍首相は、「守るべきものは守る」と言っていますが、後から参加する日本は、既に合意された事項は全て承認するしかなく、年内にも妥結という交渉の最終段階にある中で、首相の言葉は全く国民を欺くものです。
また、TPP交渉に参加するためのアメリカとの事前協議では、既に高い入場料を払わされました。牛肉の輸入、かんぽ生命保険、自動車などでアメリカの要求を丸のみにし、さらに、交渉妥結までには、保険や知的財産権など、アメリカからの積年の要求に全て決着をつけることを約束させられています。
とりわけアメリカが導入を迫っているISD条項が導入されれば、日本の行政や司法判断、法律なども、アメリカの多国籍企業に都合が悪いとなれば制度変更を求められるなど、国の主権さえ侵害される事態も起こります。
安倍首相は、「アジア・太平洋地域の活力を取り込む」と言いますが、経済が発展している中国、韓国、タイ、インドなどは参加していません。結局、アメリカ主導の経済に日本を従属させ、一部の多国籍企業だけが恩恵を受ける代償に、日本の国を丸ごとアメリカに売り渡すことになります。
農林水産業を守り、国民皆保険制度を守り、日本の国益を守るには、TPP交渉から撤退するしかありません。政府に対し、TPP参加を撤回するよう強く求めるべきと思いますが、伺います。
第3に、憲法問題について伺います。
安倍首相は、憲法第96条の憲法改定要件を引き下げて、憲法を変えやすくすることを参議院議員選挙の争点にすると表明しました。しかし、これには全国の弁護士会から反対決議が次々に上がり、改憲論者にも反対の声が広がっています。この問題が単なる形式論や手続論ではないからです。
近代の立憲主義は、主権者である国民が、その人権を保障するために憲法によって国家権力を縛るという考え方に立っています。そのために憲法の改定要件も、時の権力者の都合のよいように変えることが難しくされているのであって、アメリカやフランスなど、先進国では当たり前のことです。この要件を一般の法律並みに変えてしまっては、憲法が憲法でなくなってしまいます。安倍首相の目指す憲法改定要件の緩和は、近代立憲主義の否定につながるものと考えますが、区長の見解を伺います。
次に、憲法を変えやすくしてどのような憲法をつくろうとしているのかという問題です。
自民党は昨年4月に憲法草案をまとめ、公表しています。日本を「天皇をいただく国家」と規定し、憲法第9条第2項を削除して国防軍を創設、集団的自衛権の発動を認めるとしています。社会保障における国の役割を弱め、集会・結社の自由に制限をつけ、基本的人権を規定する条項は全文削除するなど、人権を保障するための憲法の役割を180度変えて、国の統治を目的に、国民には義務を押しつけるものとなっています。これでは歴史の進歩に逆行し、戦前の日本に逆戻りさせるようなものと考えますが、区長の見解を伺います。
次に、こうした憲法改定案の背景にある歴史認識についてです。
麻生副総理ら閣僚が靖国神社に参拝し、安倍首相がまさかきを奉納する事態が起こりました。さらに、首相の村山談話、河野談話の見直し発言、また、同じ改憲派である橋下大阪市長の従軍慰安婦をめぐる発言などに、警戒や抗議の波紋がアジア各国やアメリカでも広がっています。
靖国神社はA級戦犯を合祀しているだけでなく、過去の日本軍による侵略戦争を自存自衛の正義の戦い、アジア解放の戦いと美化、正当化し、宣伝する施設であり、ここへの参拝はこの趣旨を認めると宣言するものです。
日本の過去の戦争が明確な侵略戦争であったことは、ポツダム宣言やサンフランシスコ平和条約を持ち出すまでもなく、国際的に確定しています。もし安倍政権がこれを否定するようなことになれば、戦後国際政治の秩序を丸ごと否定することになり、国際社会で生きる道はありません。過去の歴史にきちんと向き合い、誤りは正してこそ、国際社会に認められ、名誉ある地位を得られる国に足を踏み出せると考えます。区長の見解を伺います。
次に、憲法第9条についてです。
押しつけられた憲法という意見もありますが、現行憲法には、恒久平和、国民主権、基本的人権の尊重、議会制民主主義、地方自治という、世界でも極めてすぐれた思想が盛り込まれています。とりわけ憲法第9条は、多くの犠牲を出したさきの侵略戦争の反省のもとに、日本の国として二度と戦争はしない、軍隊は持たない、交戦権は認めないと、世界に向けて公約したものです。
区長は、さきの本会議答弁で、領有権問題や北朝鮮の無法に対して、憲法第9条の見直しについて意見があると説明していますが、世界の流れは、紛争の対話による解決です。東南アジア諸国は、紛争の対話による解決の枠組みをつくり、域外にも広げています。紛争はなくならないかもしれないが、戦争にしないことは人類の英知でできる。この平和への流れを先駆的に刻んだ憲法第9条を生かして、北朝鮮問題や中国との紛争問題も、道理に立った外交交渉による解決を目指すことを求めるべきと思いますが、区長の見解を伺います。
第4に、高齢者の住宅問題について伺います。
住宅は、人として生きていく基盤であるにもかかわらず、国や都の公的支援が縮小され、さまざまな問題が生じています。
民間賃貸住宅に居住する高齢者では、居住環境のよさを求めれば家賃が高く入れない、家賃が安いアパートでは、狭い、風呂がない、トイレが共同で和式など、高齢になって要介護にでもなればとても居住できない環境にあります。
昨年から区の相談窓口が改善され、あっせんの効果は上がっていますが、払える家賃と求める居住環境の間には距離があると聞いています。家主やディベロッパーに対し、高齢者住宅への理解を求め、バリアフリー化や緊急連絡設備などへの支援を行うと同時に、賃貸住宅に居住する低所得の高齢者への家賃助成制度の創設が必要であると考えますが、伺います。
UR賃貸住宅では、民営化路線の中で、3年ごとの家賃値上げが大変な負担で、公営住宅への入居希望が絶えません。長年住みなれた家であり、設備的には要介護になっても生活できる環境です。UR都市機構と政府に対し、これ以上の家賃値上げはやめ、収入に応じた家賃制度となるよう求めるとともに、当面区として、借り上げや家賃助成など、継続居住への支援策を求めます。伺います。
都営住宅では、入居者を絞り込むための収入基準の引き下げ、承継者の制限で高齢化が加速しています。
承継問題では、親の介護で仕事をやめざるを得なかったのに、親を見送ると同時に住まいを追い出されるなど、相談が相次いでいます。高齢化で自治会役員のなり手がいない、病気やけが人で役員会が成立しないこともあるなど、住民同士の見守りもままならず、役員や清掃などができない世帯に金銭の負担を求めるところもあると聞いています。区はこうした状況をどう受けとめていますか。入居収入基準、使用承継基準をもとに戻すこと、「住まいは人権」の立場で、都営住宅の新規建設を東京都に強く求めるべきです。伺います。
また、5階建ての区営住宅で、いまだにエレベーターが設置されていない状況があります。住民合意を困難にしている共益費負担を求めることはやめ、住宅設置者の責任でエレベーターを設置し、バリアフリー化を図るべきと思いますが、伺います。
また、低所得者向けの住宅が圧倒的に不足している中で、無料低額宿泊所が問題となっています。行政支援のすき間を埋める緊急の入所施設として区内でもふえていますが、二段ベッドにカーテンで仕切るだけの個人スペースなど、劣悪な状況にもかかわらず、食事が提供されることで高齢者が住み続ける状況があると聞いています。住環境や食費などについて区として一定の基準をつくるなど、適切な指導や援助が必要と考えますが、伺います。
高齢になれば認知症や要介護になることは必然ですが、在宅での生活が困難なとき、ケアハウス、グループホーム、サービスつき住宅など、メニューはあっても絶対数が足りないことと同時に、入居費用が高過ぎて低所得者が締め出されてしまう施設があります。応能負担で入れるように国に制度設計を求めると同時に、実態を調査し、当面の補助制度をつくるべきと考えますが、見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
(山崎孝明区長登壇)

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可決した意見書(2015.03.17)

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厚生委員会(2015.02.06)

◎開会の宣告
◯委員長  ただいまから、厚生委員会を開会いたします。
本日の委員会は、本会議休憩前に付託されました案件により、急ぎ開催いたしましたので、出席理事者につきましては関連部課長に限定をさせていただいております。
また、委員会通知及び資料につきましても、席上配布とさせていただきましたので、あわせて御了承願います。
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◎議題1 議案第2号 江東区保育費用徴収条例の一部を改正する条例
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◯委員長  それでは早速、委員会審査に入ります。
議題1「議案第2号 江東区保育費用徴収条例の一部を改正する条例」を議題といたします。
理事者から説明を願います。
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◯保育課長  それでは、資料1をごらんいただきたいと思います。江東区保育費用徴収条例の一部を改正する条例について、御説明させていただきます。
本件は、1月26日開催の本委員会におきまして御報告させていただいた内容についての条例改正案で、趣旨といたしましては、平成27年4月から実施されます子ども・子育て支援新制度に伴う改正でございます。
改正の概要でございますが、2番をごらんいただきたいと思います。主な点といたしましては、認可保育所保育料の見直し、そして保育短時間利用者の保育料設定の2点でございます。
まず、(1)認可保育所の保育料見直しについてでございますが、算定の基礎となります所得階層区分の定義を所得税ベースから住民税ベースへと変更いたします。この変更によります新しい保育料算定基準表につきましては、恐れ入りますが、議案の3ページに出ておりますので、御参照いただければと思います。
なお、この階層区分の変更につきましては、保護者、区民への周知が十分に確保できないということ、また激変緩和の観点から、平成27年度につきましては暫定措置を行いたいと考えております。暫定措置の内容については2点ございまして、1点目は、在園児について、今年度と比較しまして階層が上がる場合は、今年度の階層区分に戻しまして適用いたします。逆に、現行と比較しまして階層が下がる場合は、新しい階層をそのまま適用いたします。
2点目は、新規入所児童についてです。新規入所児童は、新しい階層を適用することとなりますが、D11階層以上の場合、現在の在園児と比べると負担が大きくなることが想定されますので、階層を1つ下げて適用させていただきたいと考えております。
次に、(2)保育短時間利用者の保育料設定についてでございます。子ども・子育て支援新制度におきましては、保育の必要量としまして、保育標準時間と保育短時間の設定が求められており、新たに保育短時間の保育料の設定を行う必要がございます。これにつきましては、国が示すとおり、保育標準時間の保育料のマイナス1.7%に設定したいと考えております。
なお、こちらの保育料基準額表ですが、議案の5ページに記載しております。
以上2点の変更、それから根拠法令等の明示、そして文言整理を行いまして、江東区保育費用徴収条例の改正をいたします。
恐れ入りますが、別紙の新旧対照表をごらんいただきたいと思います。新旧対照表の2ページの第3条でございますが、こちらの(1)が保育標準時間の保育料、(2)が保育短時間の保育料の規定でございます。
ちなみに、第2項は延長保育料、第3項はスポット延長保育の保育料の規定になってございます。
2枚おめくりいただきまして、4ページでございます。こちらは附則といたしまして、今回の暫定措置に関する内容を記載しております。附則の2番で在園児の階層区分の適用について、3番で新規入所児童の階層適用についてを規定しております。そして4番ですが、こちらは兄弟、姉妹がいる場合についてですけれども、在園している兄、姉につきましては暫定措置の2番で、新規入所となります弟、妹につきましては暫定措置の3番によって、それぞれ階層を適用するという内容でございます。
3の施行期日でございますが、平成27年4月1日を予定しております。
説明は以上でございます。御審議の上、御可決いただきますよう、よろしくお願いいたします。
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◯委員長  本件について、質疑を願います。
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◯大嵩崎かおり委員 最初に、この保育時間の問題について、伺いたいと思います。
1つ目は、今回、保育標準時間と保育短時間ということで区分をされて、それぞれの保育料の設定がされているわけですけれども、この保育標準時間というのは何時間なのでしょうか。そして、保育短時間とは何時間なのでしょうか。また、その認定について、それぞれ保育標準時間の認定と保育短時間の認定はどのようになっているのか、まず伺いたいと思います。
それで、前回もらった資料の中には、保育短時間の場合、延長保育は利用できないということになっていますが、その理由について伺いたいと思います。
2つ目は、この保育料の額の設定についてです。今回、D11階層以上はかなり上がってしまうために、区としては、在園児については、上がってしまう場合には今年度と同じ階層にするということですが、前回は所得税だったのが今回は住民税になっていますし、税額の区分についても違うわけです。ですから、平成26年度と同じ階層ということが、イコールで同じ保育料ということになるのかどうか、その点を伺いたいと思います。
それから、3つ目は、新規入園児について、D11階層以上は1階層下げるということですが、これも1階層下げて、平成26年度と同じ保育料ということになるのでしょうか。その点をお聞きしたいと思います。
それから、平成26年の第4回区議会定例会で、何区かでは保育料が既に決められていますが、そこと比べましても、やはり江東区の保育料は高いという状況です。この間、保育課長は、江東区の保育料が高いという認識はないという御答弁をされているのですけれども、私は、他区と比べても江東区の保育料は高いと思います。これについての認識を改めて伺いたいと思います。
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◯保育課長  何点かの質問にお答えいたします。
まず、保育標準時間、それから保育短時間の区分ですが、保育標準時間の認定につきましては、11時間以内の保育となります。保育短時間の認定につきましては、8時間以内の保育となります。
それで、保育標準時間と保育短時間の区分けでございますが、まず、月に64時間以上120時間未満の就労等でありましたら、そちらは保育短時間になりまして、120時間以上の就労でございましたら、そちらは保育標準時間になります。
それから、保育短時間の延長料金の設定がないということでございますが、基本的に短時間の8時間以内にということになりますので、恒常的に発生するものではないということで、延長料金は設けてございません。ただ、スポット延長保育として延長保育は使うことがございます。
それから、階層を戻したり、新規で入って1階層下げたりということの保育料でございますが、今ある階層の保育料で適用させていただきます。
そして、本区の保育料が高いということについての認識でございますが、最高額は確かに高いかと思います。出ているとおりでございますけれども、各階層の幅がございまして、その中では安いところもございます。ですので、江東区の保育料が全て高いという認識はございません。
また、新規入園児の1階層下げるところは、下がったところの階層における今の保育料を適用するものでございます。
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◯大嵩崎かおり委員 保育短時間の場合、8時間以内だということなのですが、この利用の時間が、8時間以内なら開所時間のどの時間でもいいということではなくて、9時から17時の間の8時間ということで江東区は決めているわけです。そうしますと、この時間に当てはまらない場合、結局パートで働いている方が保育短時間ということになるわけですけれども、この9時から17時の間というところにぴったり当てはまらない、例えば、もう少し朝の早い時間や、もう少し夕方の時間などに働いている方については、毎日スポット延長保育を使うことになるのでしょうか。そうしますと、保育料の負担がかなり重くなってしまう可能性ということは出てくると思うのですけれども、その点についてはどのように認識をされているのですか。まず、それを伺いたいと思います。
それから、江東区の保育料は、最高額については高いかもしれないけれども、ほかは高くないという御答弁なのですが、やはり高いのです。渋谷区などは、住民税額でいうと11万円までのところのD5階層までゼロですし、11万円から14万円のところのD6階層は7,490円という保育料です。渋谷区は特別安いわけですけれども、そのように独自でかなりの保育料の負担軽減をやっているところもあります。また、台東区も既に新しい保育料を決定していますけれども、台東区と比べてもやはり高いと思います。D11階層のところ、これは所得区分が違いますけれども、14万8,700円から18万8,800円のところで月額2万9,400円であり、江東区の場合で言うと、13万円から15万円のところが2万9,800円です。ここで比べても高いですし、江東区の場合、15万円を超すと3万2,100円になってしまうということと比べても、やはり高いのです。
この間、私たちは23区を全部調べましたが、どの階層でも、今の保育料の場合、所得税額20万円のところでも3,000円から5,000円高い、50万円のところでも3,000円から7,000円高い、100万円のところでは4,000円から1万円近く高くなっていました。そういうことをきちんと示して、どの階層でもやはり高いのですから、区分が違いますからぴったり穴があいて安くなるところもありますけれども、江東区の保育料というのは全体として高いのです。ですから、今回この暫定措置をとるとしても、今の保育料と変わらないように暫定措置をとるだけであって、保育料の設定自体が高いということには変わりがないと思います。今、経済的にも子育て世帯は大変な中で、もっと引き下げた保育料設定にすべきではないかと思うのですけれども、この点、いかがですか。
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◯保育課長  まず、1点目でございます。例えば9時から17時以外の8時30分から預ける必要がある場合、それから逆に言うと17時30分まで預ける必要がある場合などに、スポット延長保育が発生してしまうのではないかという御質問でございます。恒常的にそれが発生することが明らかな場合は、こちらのほうは保育標準時間の認定をさせていただきたいと思っております。これは国のほうからもそのようにするようにという指示がございますので、それに基づいてやっていきたいと思います。突然長くなるということはあると思っております。
それから、区の保育料が高いということでございますが、今回の階層区分の見直しに関しまして、C3階層の部分は住民税額4万8,600円ということで、この部分は今までよりかなり引き下げております。今までD5階層ぐらいにいた方、それらの方を、C3階層のほうに入れてきています。これは、ほかの区を言うのも何なのですが、台東区から出ている表を私も見ましたが、そこら辺は考慮しておりませんので、それから比べれば江東区のほうが安くなると考えております。
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◯大嵩崎かおり委員 一つ一つどこの部分ということで比べると、確かに高い部分、安い部分が出てくるとは思いますけれども、でも全体的に江東区の保育料が高いということに変わりはないと思います。また、台東区などでは、非課税世帯は保育料ゼロです。江東区は保育料を徴収しています。この点でいえば、非課税世帯からも保育料を徴収しているのは江東区、墨田区、大田区、世田谷区、足立区だけです。そういう点からも、所得の低い人の負担も重くなっているという実態があると思います。
それから、保育短時間の方で9時から17時に当てはまらない方は、保育標準時間での認定を行うということで、恒常的に時間がずれている人の対応については理解をいたしました。ただ、保育短時間の問題では、認証保育所の場合は、今回、保育短時間の認定を受けられるのは64時間以上です。ですから、これは例えば週4日、1日4時間以上働いている人がこれに当てはまるのですけれども、それ以下、例えば1日3時間という方は、保育短時間の認定を受けられないわけです。皆さんのところにもメールが行ったかどうかわかりませんけれども、既にそういう保育短時間にも当てはまらなくて、保育の申し込みができないという方が出てきているという状況になっています。
今、認証保育所が認可保育所に移るか、地域型保育事業に移るかということがありますが、地域型保育事業であっても、保育短時間の認定を受けていなければ預けられないということで、今までは短時間で仕事に出ている人も預けるところがあったのになくなってしまうという、新たな問題も出てきています。そもそも保育短時間、保育標準時間という区分そのものにも問題があると思います。9時から17時と区が設定したのも、結局はこどもの発達というところで、こういう設定をしたのだと思いますが、そういった問題についても、今後議論していきたいとは思っています。保育料については、この保育料では賛成できないということを申し上げたいと思います。
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◯細田勇委員  さきの1月26日の委員会でも御説明をお聞きしまして、申し上げました。国の制度改正に伴う負担を軽減するために、本区は、きめ細やかに特段の配慮をしています。一般会計の1割ほどが保育、子育て関連の予算になっていますけれども、この予算の1%に近い1億4,000万円という今回のこの保育料を、きめ細やかに、負担増にならないよう、段階的に全ての世帯に対して配慮して、本年度、負担を軽減する措置をしていただいたところです。これは大変に高く評価するところであります。子育て支援のトップランナーとして、引き続き東京23区をリードする施策を展開していただきたいと思います。本条例案に賛成します。
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◯議長  余り時間がないので、細かい質問は避けたいと思うのですけれども、私は、これから先の保育料の負担ということを非常に心配しておりまして、平成26年度の認可保育所、認証保育所、それ以外の無認可の保育所に通っているこどもの数を、とりあえず教えてください。
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◯保育課長  平成26年の4月でございますが、認可保育所に通っている児童数は約8,400人でございます。認証保育所のほうは約2,000人、それ以外の小規模保育、地域型保育につきましては、約200人が通園してございます。
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◯議長  実は、いわゆる子育て世帯の、ゼロ歳から5歳のこどもを幼稚園で見た場合、区立の幼稚園に通われているこどもの数が約1,900人、それから私立幼稚園、これは3年保育なのですけれども、約2,900人です。そうすると、1年の学年単位で見ると、区立幼稚園が1,000人ぐらい、私立幼稚園も1,000人ぐらいになります。今のお話ですと、保育園と称されるものに通っている人が1万1,000人弱ぐらいなので、単純に5で割ると2,000人ぐらいが保育園または類似施設に通っているということになるのです。だから、一時期に比べると、幼稚園に通っているこどもより保育園に通っているこどものほうが多くなってきているという流れの中で、この4月からの新法の施行により、5年間で認証保育所がどんどん認可保育所にシフトしてくるという現実を見た場合、今、細田委員から、子育ての予算は一般会計の約1割だというお話がございましたが、私の認識だと8分の1ぐらい、200億円ぐらいかかっているのではないかと思います。
ですから、要は、この200億円がこの5年間でさらに大きくなると思うのです。こどもの数もふえるでしょうけれども、私は認証保育所から認可保育所へ移る場合に、当然区の負担というのも大きくなると思うのです。その辺の中長期的な財政負担という面ではどうなのでしょうか。その辺、お答えいただきたいと思います。
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◯保育課長  認可保育所については、平成25年度決算では133億円でございました。続いて、認証保育所のほうは約22億円、これに保護者負担軽減補助が約4.5億加わっていますので、27億円近くになります。それから、小規模保育には補助として1.5億を区が負担しております。これが認証保育所が認可保育所に向かって移行していく場合になりますと、今、認証保育所は区の単独補助でやってございますので、今でも出ているのですが、認可保育所になりますと国や都からの補助が入ってきますので、定員数によってでこぼこがあり、要するにふえたり、逆に減ったりする場合もございます。ですので、定員によってわからないのですけれども、ただ一つ言えるは、保育料負担における国の部分との差額を区で持っていますので、認証保育所が認可保育所になればなるほど、その部分の負担がふえていくことは間違いないと考えております。
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◯こども未来部長  今後の保育関係の負担の危惧ということでございますけれども、私ども、平成25年度の決算で見ましても、一般会計1,743億円のうちの約11.8%に当たる205億円をこの保育関連経費として使わせていただいています。これは平成25年度の決算でございますが、今、私どもは、一生懸命、施設を整備しておりまして、今後それをすればするほど定員数がふえますから、そのこどもたちにかかってくる金額というものが大きくなってきます。
ちなみに、先ほど御意見もありましたが、江東区の保育料は高いということですけれども、ゼロ歳児で36万8,000円、37万円ぐらい月々費やしてございます。4歳、5歳で10万円ぐらいです。こういったことから考えまして、現在、平均いたしますと年額で大体百七、八十万円、この保育園児のために区で負担を強いられていると、こういった状況になってございます。これが今、議長が危惧されますように、認証保育所が認可保育所になりますと、その分、こどもたちへの保育の補助金がふえ、財政面の負担もふえてくるということで、私どもは考えてございます。
特に今後、江東区の場合、公共施設の整備によっては、起債残高等、それから基金の残高がかなり拮抗してくると、こういうことも含めまして、私ども、計画的に保育園の運営を考えていきたいと思っています。
以上でございます。
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◯議長  ありがとうございました。今回の議案については賛成をしたいと思いますが、私立・公立幼稚園の人数を聞きましたが、やはり江東区の子育てということで考えると、今、こども未来部長から答弁があったように、幼稚園と比べて保育関係には非常に区費が投じられているという感じがします。そういった意味で、江東区の保育料が高いか安いかという部分もあるのだけれども、幼稚園との比較とかそういうことを考えながら、今後保育料の設定ということを議論していかなければいけないのかと認識をしております。
以上です。
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◯伊藤嘉浩委員  今、こども未来部長から、保育料、そしてそのもとになるというか、年間コストは平成25年度決算で、一般会計の約11.8%、205億円だったというお話もありました。これから認証保育所が認可保育所に移行していくという流れの中で、さらに保育園がふえればふえるほど、もちろんコストはふえる中、加えて国から今回、その指針といいますか、それがなかなか出てこない中で、かつ時間がない中で、よくこれだけきめ細やかに料金表をつくれたと私は思っております。
そして、今回、この料金表、条例の改正に関しましては、我が会派は賛成でございます。平成28年度に向けて、これはまたかなりシビアな調整というのが必要になってくるのだろうと思います。加えて、ただ保育園をつくるといっても、つくればつくるほどコストはかかって、維持をしていくのにももちろんコストがかかります。その全体の予算の中で、この保育料のバランスをどうとっていくのかということも含めて、これはかなり難しいバランスとりだと思っておりますが、我が会派としましては、引き続きこの保育施策に関して、細かく見させていただきます。特に私としては、この保育料もそうなのですけれども、そこに係るコストの部分というのも、ある程度はまとまって大きくかかってもしようがないものだとは思います。そこに関しても、そのコストと保育料のバランスというのは、これは多分、23区でいえば23通りの別々の事情があると思いますので、単純な比較みたいなことは、私はできないと思っています。そういったものを含めて、本条例案には賛成でございます。ただ、平成28年度に向けて、またシビアな作業があると思いますが、それはまたちょっと頑張っていただきたいと思っております。
以上です。
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◯新島つねお委員  私も同じなのですけれども、平成28年度以降はいろいろと意見を言っていかなければいけないと思いますが、今回の平成27年度の保育料については、暫定措置もありますし、賛成をさせていただきます。
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◯赤羽目民雄委員 我が会派の態度については、先ほど大嵩崎委員からもいろいろありました。平成27年度は暫定措置があり、またそのときに考えて見直しをするのだというお話ですけれども、やはりこれは値上げです。保護者負担の増大の道を開くものということで、やはりこれは認めることはできないと思います。
この保育料そのものなのですけれども、これを決めるに当たっては、児童福祉法の第56条に、子育て世帯の負担について、家計の状況などを考慮して決めるとなっているのです。この間、子育てのニーズ調査ですとか、子ども・子育て支援新制度に移行する際の調査などを江東区は実施して、子育て世帯のそういった声も聞いていると思うのですけれども、その中で経済的支援を求める声が非常に多いのです。これは保育に限らずですけれども、ローンや高い家賃等さまざまな経済的負担を抱えている保護者の状況を区はどのように認識していらっしゃるのでしょうか。
それと、コスト、コストというお話がありますけれども、江東区は今、人口がふえておりますし、マンション協力金も徴収しております。江東区の子育てということであるならば、基金も十分あると思いますので、こどもの未来にかかわる大事な部分は、きちんと財源を充てて、必要な保育園をふやして、保育料の負担の軽減を図るべきだと思うのです。
港区は、多子世帯、第二子以降は来年度から無料にするということにしました。これは認証保育所も認可保育所もそうですが、この多子世帯の負担の軽減等については、この間、子ども・子育て支援新制度の議論の中でされてきましたけれども、その辺についての考えもお聞かせください。
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◯保育課長  子育て世帯への負担軽減に対する区の認識でございますが、今回、何回か申し上げておりますけれども、C3階層の税額が4万8,600円のところ、要するに所得が高くないと思われる世帯に対して、必要なところには手厚くするというような形で、今回改正をさせていただいております。
それから、多子世帯ですが、現状でも第二子は半額、第三子は免除ということはやっておりますので、これはこのまま継続していきたいと考えております。
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◯赤羽目民雄委員 必要な軽減措置を行ったということなのですけれども、子育て世帯の経済的負担が重いという認識をお持ちなのか、そこを聞いているのです。きちんと答えてください。
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◯こども未来部長  子育て世帯の経済的負担が重いという認識があるからこそ、今回、暫定措置を設けて、この1年でも1億4,000万円から5,000万円かけております。先ほどからも渋谷区、台東区、港区など、抱えている保育園児が違うところは、やはり区の負担というものも違ってきますので、その辺もあわせて考えながら、我々、進めていきたいと考えております。
以上です。
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◯委員長  それでは、各会派から御意見も出そろいましたので、ここでお諮りしたいと思います。本案は、区長提案のとおり可決することに御異議ございませんか。
(「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり)
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◯委員長  本職の宣告に対し御異議がございますので、挙手により採決いたします。
議長も委員会の委員であり、採決に加わりますのでよろしくお願いいたします。
本案は、区長提案のとおり可決することに賛成の方は挙手を願います。
(賛成者挙手)
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◯委員長  賛成多数であります。よって、本案は区長提案のとおり可決することに決しました。
なお、その旨を議長宛て報告いたします。
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◎閉会の宣告
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◯委員長  本日予定されておりました案件は全て終了いたしました。
これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
午後2時23分 閉会

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区議団ニュース2015年1月号

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くらしと営業守る区政に!予算修正案を提出しました。

修正案の主な内容、提案理由はリンク先に貼ってあります。①面
②面

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2014年1定本会議 正保みきお議員の本会議一般質問全文

日本共産党江東区議団を代表して大綱3点について質問します。

  1. 介護保険制度について
  2. 防災対策について
  3. 中小企業対策について

第一は、介護保険制度についてです。
 安倍政権は、社会保障を充実するといいながら、介護保険への公費支出の抑制・削減と利用者負担増を打ち出し、介護保険制度のあり方を大きく変えようとしています。
大きな問題の一つは、「要支援1・2」の方が利用する予防給付の訪問介護・通所介護を、区市町村に丸投げし、国の責任で行う介護保険サービスの対象から外すことです。
全日本民主医療機関連合会の調査では、訪問介護を利用する要支援者の8割、通所介護では要支援者の9割近くに何らかの認知症状があることが分かりました。要支援者に対する訪問・通所介護を介護保険から外すことによって、初期の認知症の方への支援が大幅に切り下げられ、家族の負担が一層深刻になり、「早期発見・早期対応」という認知症ケアの原則に反し、重度化を早めることになると思いますが、見解を伺います。
要支援者の訪問・通所介護を介護保険から外し、代わりにボランティアなどを活用するとしていますが、早期に病状を把握し、適切な対応をおこない、信頼関係を築いて生活全体を支え重度化を防ぐという役割は、介護の専門家にしか担えないと思いますが、見解を伺います。
二つ目は、要介護1・2の方を特養ホームに入れなくすることです。
現在、特養ホームは大幅に不足し、本区の特養ホーム待機者は2200人に上ります。この内、752人が「要介護1・2」の方です。この方々を特養ホームに入れなくし、代わりに「サービス付き高齢者向け住宅」を増やすとしています。
しかし、この住宅は特養ホームの代わりにはなりません。しかも、家賃・食費など月20万円程度もかかります。特養ホームの入所を原則「要介護3以上」とすることは、入所を待ち続け、自宅での介護が限界にきている高齢者・家族の希望を奪うものではありませんか。伺います。
三つ目は、介護事業所と介護職員への影響についてです。
要支援者の訪問・通所介護を保険から外し、ボランティアやNPOなどに安い費用でサービスを肩代わりさせるため、既存の事業所は利用者が減り、単価も「現在の報酬以下」に下げられるので、経営難に陥る事業所が続出するのは必至です。区は、「サービス事業者を今まで通り使うから、これまで通りのサービスを継続できる」といいます。しかし、今よりも報酬単価が下がるもとで、事業所にこれまで通りの仕事を求めれば、経営を窮地に追い込むことになるのではありませんか。そこで働く労働者の賃金や労働条件にも影響が出ることは明らかです。区の認識と対応について伺います。
四つ目は、利用者の負担増の問題についてです。
年金収入が280万円以上、所得で160万円以上の方の利用料を、現在の1割から2割へ引き上げようとしています。
2割負担になる方は、高齢者の5人に1人にのぼります。月々の保険料で収入による負担を求められたうえ、いざサービスを利用する時にまで収入で差をつけられることは保険の建前に反するものです。いまでも利用料負担の重さからサービス利用をあきらめている人たちが多いなかで、それに拍車をかけるもので、必要な介護が受けられなくなるのではありませんか。伺います。
要支援者向けの訪問・通所介護は、3年後の2017年4月までに、区の介護予防・生活支援サービス事業に移行しなければなりません。しかも、区には「費用の効率化」が課せられ事業費に上限が設けられます。毎年5~6%の割合で増えている予防給付費を、75歳以上の人口増加率に合わせて3~4%の伸びに抑えます。区がこれまで通りのサービスを提供しようとすれば上限を超えてしまい、結局、サービスを切り捨てざるを得なくなるのではありませんか。伺います。
厚労省は、申請者が窓口に来た段階で、「要介護認定を受けるか、認定を受けずに区市町村のサービス事業を使うか」の振り分けをおこない、介護保険サービスを利用するのに必要な「要介護認定」を受けないよう誘導する方針です。介護が必要な高齢者を支えるための公費を無理やり抑え込むやり方はやめるべきです。
日本共産党は、国庫負担割合をただちに10%増やし、将来的には介護保険が始まる前の50%にまで引き上げることを提案しています。大企業・富裕層に応分の負担を求めて財源を確保するなど、消費税に頼らず、介護保険料・利用料の減免と介護内容の充実、介護労働者の処遇改善をすすめるべきです。いかがですか。介護保険充実のための財源確保について、合わせて見解を伺います。
第2は、防災対策についてです。
 この先30年のうちに、東京に大地震が来る確率は70%といわれています。木造住宅の耐震・不燃化は待ったなしです。しかし、江東区の木造住宅にたいする耐震工事助成は、制度開始7年間でわずか24件です。なぜ、すすまないのか伺います。木造住宅の耐震化には大きな費用がかかるため、現行150万円の耐震化工事助成額を引き上げるべきです。また、住民の生命と財産を守るという観点から木造住宅の部分耐震、簡易耐震にも助成を求めます。合わせて伺います。
耐震シェルターは、比較的に安価で、住みながらの工事や短期間の設置が可能です。東京都は一部屋型とベッド型を選定し公表しています。現在、本区では都の補助金を使って「ベッド型」に助成していますが、一部屋を丸ごと耐震補強できる一部屋型も助成すべきです。伺います。
 地震火災の原因は、6~7割が電気です。国の中央防災会議は、首都直下地震の被害想定において、地震を感知して自動的に電気をおとす「感震ブレーカー」を設置すれば、死者は4割以上減らせるとし、普及を呼びかけています。都と連携し「感震ブレーカー」の設置に助成すべきです。伺います。
老朽建築物の除却についてです。昨年4月から区独自に実施している老朽建築物の除却助成は、防災上、安全なまちづくりを推進し、災害発生時の被害を最小限とするためにも引き続き助成を継続すべきです。伺います。
次に北砂3・4・5丁目地区の不燃化事業です。この事業は、砂町銀座を中心とする一帯の木造住宅密集地域の不燃化・難燃化を加速させ、燃えない燃え広がらない街をつくるものです。現在、区が住民説明会を行っていますが、参加した住民からは、「年金暮らしで建て替えは無理」「道路が狭いが建て替えできるのか」など疑問や不安の声がでています。本事業の推進にあたっては、住民の立場に立って個々の実情や要望をよく聞き取り、住民の納得と合意にもとづいて、ていねいにすすめよう求めます。伺います。
この地域に特有の建築基準法上、再建築できない未接道敷地等の対応について、区の考え方を伺います。 また、不燃化建て替え等による居住者の移転先として、区営・都営住宅やUR住宅等の優先的なあっせん、住み替え費用の助成など、移転先の確保について支援をすべきです。伺います。
 今回の不燃化事業は、砂町銀座を中心とした一帯であり、商店街の店舗併用住宅の不燃化建替えについて支援が求められています。不燃化建替は一定の期間を要することから、仮店舗にたいする家賃助成など、商店街の要望を踏まえた支援を行うべきです。
また、燃え広がらない街をつくるためにも、小規模な公園整備用地やオープンスペースの確保を積極的に行うべきです。合わせて伺います。
次に、学校体育館等の天井耐震化です。東日本大震災では、吊り天井の大規模な崩落により人的な被害が発生しました。本区では、総点検の結果、対策が必要な吊り天井が体育館7施設、校舎1施設あると聞いています。災害時の避難所にもなる学校体育館の天井落下の防止対策と耐震化を早急に行うべきです。伺います。
第3は、中小企業対策についてです。 
 円安による燃料・原材料の値上がりなどが中小零細企業を苦しめています。東京商工リサーチの調査によれば、昨年1年間で休廃業した中小・零細企業は2万8943件で、企業倒産の2・6倍に達し、過去最高を更新しました。区内中小企業の実態について、認識を伺います。
消費税増税は、中小業者にとって死活問題です。区内労働組合が中の橋商店街で行ったアンケート調査では、(消費税が増税されたら)「事業継続できない」と回答した人が7割を占めました。ある商店主は、「八百屋仲間がみんな廃業するって言っているよ」と悲鳴をあげています。4月からの消費税増税の実施は、今からでも中止するよう政府へ求めるべきです。伺います。
先の定例会で区長は、「消費税増税の影響は否定できない」「制度融資や各種事業の拡充で支援を強化する」と答えました。ところが、制度融資の中で一番利用されている低金利0.2%の区独自の景気対策資金を「期限だ」といって打ち切ります。中小業者にとって景気対策資金は、〝いま必要な命綱〟です。廃止を撤回し、継続すべきです。また、小規模企業特別資金の利子補助を引き上げ、区民の金利負担の軽減を求めます。合わせて伺います。
次に商店街への支援です。高崎市では、商店街振興策として、店舗等の改装や備品の購入にたいし、「店舗リニューアル」助成を実施しています。昨年1年間だけで申請が738件にのぼり、「気持ちも店も地域も明るくなる」と業者さんの中でも大評判となり、全国からの視察が相次いでいます。その仕事は、大手でなく地元業者が条件となっており、地域経済の活性化にも役立っています。本区でも、店舗リニューアル助成を行うべきと考えますが、伺います。
次に建設業への支援です。いま、建設産業は、若者と職人が減少するなど人手不足が深刻で、区の入札にも影響が出ています。そのおおもとには、「きつい・汚い・危険」の〝3K〟という建設業の低賃金や労働環境の悪さという構造的な問題があります。中高年の建設労働者は「三代続いた家業を廃業する」と嘆き、若い職人は、「子どもの教育費を稼げる職業に変わりたい」と悩んでいます。建設労働者・職人さんがいなくなり、永年継承されてきた熟練技能が失われたら、区民生活を支えるまちづくり、ものづくりはできません。区内建設産業の実態をどのように認識しているのか、伺います。建設業の実態調査を早急に行なうとともに、住宅リフォーム助成など直接的な支援策を講じるべきです。伺います。
昨年、技能労働者への適切な賃金水準の確保のため、公共工事設計労務単価が15・1%引き上げられ、今年も2月から7・1%上がりました。しかし問題は、単価引き上げが現場の労働者の賃金に行き渡っていないことです。区が受注業者に「誓約書」を提出させるだけでは不十分です。単価引き上げが、下請け単価と現場労働者の賃金引き上げ、法定福利費の支払いや社会保険加入等、労働条件と労働環境の改善につながるよう、設計労務単価の適正な支払いを確認・点検できるしくみをつくるべきです。見解を伺います。
 次に印刷関連業への支援です。仕事量の減少や円安による資材の値上げ、単価の下落など中小印刷関連業者の多くで依然として厳しい状況が続いています。
 東京春闘共闘の調査では、東京23区の内、最近1年間の印刷の最低落札率が50%以下の区が8区、なかには20・5%という異常な落札率も報告されています。江東区での最低落札率は43・3%です。区発注の印刷物が適正価格で発注されるよう印刷物の入札に関しては、最低制限価格を設定すべきです。伺います。
公契約条例についてです。我が党の条例制定の提案にたいし、区は「労働条件の確保は広域的に取り組むべき」「公共の介入は法律によるべきもの」と拒んでいます。しかし、公契約条例は労働条件への規制・介入を定めたものではありません。公契約の締結を通して、労働者の賃金・労働条件の向上と公共サービスの質の確保を図ろうとするもので、憲法の理念と労働基準法、最低賃金法の趣旨に沿い、住民福祉の向上に寄与するものです。23区でも渋谷区、世田谷区、足立区で条例制定され、さらに広がる傾向です。本区でも公契約条例を制定すべきです。答弁を求め、質問を終わります。

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