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2014年1定本会議 正保みきお議員の本会議一般質問全文

日本共産党江東区議団を代表して大綱3点について質問します。

  1. 介護保険制度について
  2. 防災対策について
  3. 中小企業対策について

第一は、介護保険制度についてです。
 安倍政権は、社会保障を充実するといいながら、介護保険への公費支出の抑制・削減と利用者負担増を打ち出し、介護保険制度のあり方を大きく変えようとしています。
大きな問題の一つは、「要支援1・2」の方が利用する予防給付の訪問介護・通所介護を、区市町村に丸投げし、国の責任で行う介護保険サービスの対象から外すことです。
全日本民主医療機関連合会の調査では、訪問介護を利用する要支援者の8割、通所介護では要支援者の9割近くに何らかの認知症状があることが分かりました。要支援者に対する訪問・通所介護を介護保険から外すことによって、初期の認知症の方への支援が大幅に切り下げられ、家族の負担が一層深刻になり、「早期発見・早期対応」という認知症ケアの原則に反し、重度化を早めることになると思いますが、見解を伺います。
要支援者の訪問・通所介護を介護保険から外し、代わりにボランティアなどを活用するとしていますが、早期に病状を把握し、適切な対応をおこない、信頼関係を築いて生活全体を支え重度化を防ぐという役割は、介護の専門家にしか担えないと思いますが、見解を伺います。
二つ目は、要介護1・2の方を特養ホームに入れなくすることです。
現在、特養ホームは大幅に不足し、本区の特養ホーム待機者は2200人に上ります。この内、752人が「要介護1・2」の方です。この方々を特養ホームに入れなくし、代わりに「サービス付き高齢者向け住宅」を増やすとしています。
しかし、この住宅は特養ホームの代わりにはなりません。しかも、家賃・食費など月20万円程度もかかります。特養ホームの入所を原則「要介護3以上」とすることは、入所を待ち続け、自宅での介護が限界にきている高齢者・家族の希望を奪うものではありませんか。伺います。
三つ目は、介護事業所と介護職員への影響についてです。
要支援者の訪問・通所介護を保険から外し、ボランティアやNPOなどに安い費用でサービスを肩代わりさせるため、既存の事業所は利用者が減り、単価も「現在の報酬以下」に下げられるので、経営難に陥る事業所が続出するのは必至です。区は、「サービス事業者を今まで通り使うから、これまで通りのサービスを継続できる」といいます。しかし、今よりも報酬単価が下がるもとで、事業所にこれまで通りの仕事を求めれば、経営を窮地に追い込むことになるのではありませんか。そこで働く労働者の賃金や労働条件にも影響が出ることは明らかです。区の認識と対応について伺います。
四つ目は、利用者の負担増の問題についてです。
年金収入が280万円以上、所得で160万円以上の方の利用料を、現在の1割から2割へ引き上げようとしています。
2割負担になる方は、高齢者の5人に1人にのぼります。月々の保険料で収入による負担を求められたうえ、いざサービスを利用する時にまで収入で差をつけられることは保険の建前に反するものです。いまでも利用料負担の重さからサービス利用をあきらめている人たちが多いなかで、それに拍車をかけるもので、必要な介護が受けられなくなるのではありませんか。伺います。
要支援者向けの訪問・通所介護は、3年後の2017年4月までに、区の介護予防・生活支援サービス事業に移行しなければなりません。しかも、区には「費用の効率化」が課せられ事業費に上限が設けられます。毎年5~6%の割合で増えている予防給付費を、75歳以上の人口増加率に合わせて3~4%の伸びに抑えます。区がこれまで通りのサービスを提供しようとすれば上限を超えてしまい、結局、サービスを切り捨てざるを得なくなるのではありませんか。伺います。
厚労省は、申請者が窓口に来た段階で、「要介護認定を受けるか、認定を受けずに区市町村のサービス事業を使うか」の振り分けをおこない、介護保険サービスを利用するのに必要な「要介護認定」を受けないよう誘導する方針です。介護が必要な高齢者を支えるための公費を無理やり抑え込むやり方はやめるべきです。
日本共産党は、国庫負担割合をただちに10%増やし、将来的には介護保険が始まる前の50%にまで引き上げることを提案しています。大企業・富裕層に応分の負担を求めて財源を確保するなど、消費税に頼らず、介護保険料・利用料の減免と介護内容の充実、介護労働者の処遇改善をすすめるべきです。いかがですか。介護保険充実のための財源確保について、合わせて見解を伺います。
第2は、防災対策についてです。
 この先30年のうちに、東京に大地震が来る確率は70%といわれています。木造住宅の耐震・不燃化は待ったなしです。しかし、江東区の木造住宅にたいする耐震工事助成は、制度開始7年間でわずか24件です。なぜ、すすまないのか伺います。木造住宅の耐震化には大きな費用がかかるため、現行150万円の耐震化工事助成額を引き上げるべきです。また、住民の生命と財産を守るという観点から木造住宅の部分耐震、簡易耐震にも助成を求めます。合わせて伺います。
耐震シェルターは、比較的に安価で、住みながらの工事や短期間の設置が可能です。東京都は一部屋型とベッド型を選定し公表しています。現在、本区では都の補助金を使って「ベッド型」に助成していますが、一部屋を丸ごと耐震補強できる一部屋型も助成すべきです。伺います。
 地震火災の原因は、6~7割が電気です。国の中央防災会議は、首都直下地震の被害想定において、地震を感知して自動的に電気をおとす「感震ブレーカー」を設置すれば、死者は4割以上減らせるとし、普及を呼びかけています。都と連携し「感震ブレーカー」の設置に助成すべきです。伺います。
老朽建築物の除却についてです。昨年4月から区独自に実施している老朽建築物の除却助成は、防災上、安全なまちづくりを推進し、災害発生時の被害を最小限とするためにも引き続き助成を継続すべきです。伺います。
次に北砂3・4・5丁目地区の不燃化事業です。この事業は、砂町銀座を中心とする一帯の木造住宅密集地域の不燃化・難燃化を加速させ、燃えない燃え広がらない街をつくるものです。現在、区が住民説明会を行っていますが、参加した住民からは、「年金暮らしで建て替えは無理」「道路が狭いが建て替えできるのか」など疑問や不安の声がでています。本事業の推進にあたっては、住民の立場に立って個々の実情や要望をよく聞き取り、住民の納得と合意にもとづいて、ていねいにすすめよう求めます。伺います。
この地域に特有の建築基準法上、再建築できない未接道敷地等の対応について、区の考え方を伺います。 また、不燃化建て替え等による居住者の移転先として、区営・都営住宅やUR住宅等の優先的なあっせん、住み替え費用の助成など、移転先の確保について支援をすべきです。伺います。
 今回の不燃化事業は、砂町銀座を中心とした一帯であり、商店街の店舗併用住宅の不燃化建替えについて支援が求められています。不燃化建替は一定の期間を要することから、仮店舗にたいする家賃助成など、商店街の要望を踏まえた支援を行うべきです。
また、燃え広がらない街をつくるためにも、小規模な公園整備用地やオープンスペースの確保を積極的に行うべきです。合わせて伺います。
次に、学校体育館等の天井耐震化です。東日本大震災では、吊り天井の大規模な崩落により人的な被害が発生しました。本区では、総点検の結果、対策が必要な吊り天井が体育館7施設、校舎1施設あると聞いています。災害時の避難所にもなる学校体育館の天井落下の防止対策と耐震化を早急に行うべきです。伺います。
第3は、中小企業対策についてです。 
 円安による燃料・原材料の値上がりなどが中小零細企業を苦しめています。東京商工リサーチの調査によれば、昨年1年間で休廃業した中小・零細企業は2万8943件で、企業倒産の2・6倍に達し、過去最高を更新しました。区内中小企業の実態について、認識を伺います。
消費税増税は、中小業者にとって死活問題です。区内労働組合が中の橋商店街で行ったアンケート調査では、(消費税が増税されたら)「事業継続できない」と回答した人が7割を占めました。ある商店主は、「八百屋仲間がみんな廃業するって言っているよ」と悲鳴をあげています。4月からの消費税増税の実施は、今からでも中止するよう政府へ求めるべきです。伺います。
先の定例会で区長は、「消費税増税の影響は否定できない」「制度融資や各種事業の拡充で支援を強化する」と答えました。ところが、制度融資の中で一番利用されている低金利0.2%の区独自の景気対策資金を「期限だ」といって打ち切ります。中小業者にとって景気対策資金は、〝いま必要な命綱〟です。廃止を撤回し、継続すべきです。また、小規模企業特別資金の利子補助を引き上げ、区民の金利負担の軽減を求めます。合わせて伺います。
次に商店街への支援です。高崎市では、商店街振興策として、店舗等の改装や備品の購入にたいし、「店舗リニューアル」助成を実施しています。昨年1年間だけで申請が738件にのぼり、「気持ちも店も地域も明るくなる」と業者さんの中でも大評判となり、全国からの視察が相次いでいます。その仕事は、大手でなく地元業者が条件となっており、地域経済の活性化にも役立っています。本区でも、店舗リニューアル助成を行うべきと考えますが、伺います。
次に建設業への支援です。いま、建設産業は、若者と職人が減少するなど人手不足が深刻で、区の入札にも影響が出ています。そのおおもとには、「きつい・汚い・危険」の〝3K〟という建設業の低賃金や労働環境の悪さという構造的な問題があります。中高年の建設労働者は「三代続いた家業を廃業する」と嘆き、若い職人は、「子どもの教育費を稼げる職業に変わりたい」と悩んでいます。建設労働者・職人さんがいなくなり、永年継承されてきた熟練技能が失われたら、区民生活を支えるまちづくり、ものづくりはできません。区内建設産業の実態をどのように認識しているのか、伺います。建設業の実態調査を早急に行なうとともに、住宅リフォーム助成など直接的な支援策を講じるべきです。伺います。
昨年、技能労働者への適切な賃金水準の確保のため、公共工事設計労務単価が15・1%引き上げられ、今年も2月から7・1%上がりました。しかし問題は、単価引き上げが現場の労働者の賃金に行き渡っていないことです。区が受注業者に「誓約書」を提出させるだけでは不十分です。単価引き上げが、下請け単価と現場労働者の賃金引き上げ、法定福利費の支払いや社会保険加入等、労働条件と労働環境の改善につながるよう、設計労務単価の適正な支払いを確認・点検できるしくみをつくるべきです。見解を伺います。
 次に印刷関連業への支援です。仕事量の減少や円安による資材の値上げ、単価の下落など中小印刷関連業者の多くで依然として厳しい状況が続いています。
 東京春闘共闘の調査では、東京23区の内、最近1年間の印刷の最低落札率が50%以下の区が8区、なかには20・5%という異常な落札率も報告されています。江東区での最低落札率は43・3%です。区発注の印刷物が適正価格で発注されるよう印刷物の入札に関しては、最低制限価格を設定すべきです。伺います。
公契約条例についてです。我が党の条例制定の提案にたいし、区は「労働条件の確保は広域的に取り組むべき」「公共の介入は法律によるべきもの」と拒んでいます。しかし、公契約条例は労働条件への規制・介入を定めたものではありません。公契約の締結を通して、労働者の賃金・労働条件の向上と公共サービスの質の確保を図ろうとするもので、憲法の理念と労働基準法、最低賃金法の趣旨に沿い、住民福祉の向上に寄与するものです。23区でも渋谷区、世田谷区、足立区で条例制定され、さらに広がる傾向です。本区でも公契約条例を制定すべきです。答弁を求め、質問を終わります。

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