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2006年第2回定例会-大つきかおり議員

  1. 保育施策の充実について
  2. 高齢者福祉の充実について
  3. 臨海副都心開発について

 日本共産党を代表し、大綱3点について質問を行います。
第一は、保育施策の充実についてうかがいます。
 はじめに、認可保育園の待機児解消についてです。
 今年4月時点の認可保育園の待機児は、昨年同時期より145人も多い656人にもおよんでいます。保育室や認証保育所など無認可施設もすでに満杯の状況です。「これでは働きたくても働けない」「引越しせざるを得ない」など区民の声は切実です。年々深刻となる待機児の状況を、区はどう認識しているのか、伺います。
 区は今後、豊洲地域に、私立の認可保育園を3園新設する予定ですが、待機児は全区的に深刻であり、これだけでは区内の待機児問題は解決できません。わが党はこの間、再三にわたり、区の責任で認可保育園を増設するよう求めてきましたが、それに対し区は、マンションなど計画がある際に事業者とも協議をしたいというだけで、自らの責任で直ちに対応しようとの姿勢がまったく見られません。これでは行政としての責任を果たしているとはいえません。豊洲以外の地域でも都有地などを活用し、直ちに認可保育園の増設を行うべきです。また、豊洲地域でも現在の待機児の状況と今後のマンション建設計画を考慮し、引き続き認可保育園の整備を進めるべきだと思いますが伺います。
 政府が今国会に提案していた「認定こども園」法案が可決されました。この「認定こども園」に、保育園の待機児解消を期待する声もありますが、「認定こども園」は、入所が、施設と親の直接契約制で、保育料も施設の自由設定のため、「保育に欠けている」かではなく、保育料が払えるかどうかが、入所の基準となるおそれがあります。また、職員配置もあいまいで、給食調理室、運動場などが必置でないなど、現在でも不十分な国基準を下回ることを容認する内容も含まれているなど保育関係者からも問題点が指摘されています。
 そもそも「認定こども園」は、財界のすすめる規制緩和、民間参入の流れの中でだされたものであり、保育所への国や自治体の責任を縮小し、保育を民間企業のもうけの場にすることがねらいです。今後、都で条例の策定が行われますが、現行の国の最低基準すら下回るような「認定こども園」の安易な導入はすべきではないと思いますが、区の見解を伺います。
 つぎに公立保育園の民営化についてうかがいます。
 豊洲保育園が民間委託されてから約2ヶ月半がたちましたが、委託後の豊洲保育園では、延長保育料の徴収トラブルやアレルギー食の間違え、おにぎりに絆創膏が混入していたなど子供たちの命にもかかわる問題が発生しています。
 また、引継ぎ期間については、区が当初1月から3月までとしていたものを父母たちの粘り強い交渉で、10月から委託先の保育士が数名、配置されることになりました。しかし、保育士が全員そろったのは3月になってからで、子どもたちの戸惑いや精神的ストレスは、避けられないものとなりました。
 これらは、父母の反対を押し切り、経費削減を最大の目的とした民間委託を推進した結果です。子どもたちの安全や保育の質を確保するためにも区は、事業者が延長保育や定員の拡大に見合う正規保育士や給食調理員の配置ができるよう委託料を増額すべきでありませんか。伺います。
 来年度、区は、毛利保育園の民営化を行うとしていますが、毛利保育園の子どもたちは、この間、園舎建て替えに伴う引越し、プレハブ園舎での生活、そして新園舎への引越しと毎年のように環境の変化を強いられてきました。さらに民間委託が続くことは子どもに大きな負担を強いるものです。今年5月には、横浜市で、「性急な民営化は園児の発育に悪影響を与える」として保護者が公立保育園の民営化取り消しと損害賠償を求めた裁判で、強引な進め方は「違法」であるとし、横浜市側に賠償金の支払いを命じる判決が下っています。豊洲保育園の民営化でも子どもに多大な影響を与えたことは明らかとなっており、父母の合意も得ずに、強引に毛利保育園の民間委託を行うべきではないと思いますが、伺います。
第二に、高齢者福祉の充実について伺います。
 まず、高齢者の負担軽減対策についてです。
 江東区は、今年4月からの高齢者の介護保険料基準額を、月額3,300円から3,800円と15%の値上げを行いました。今回区は、介護保険料の区分を多段階化し、負担能力に応じた保険料率に設定したとしていますが、この間の年金給付の引き下げや老年者控除や年金控除の廃止・縮小、住民税の非課税措置の廃止などによる増税に加え、介護保険料や国民健康保険料などの社会保険料の引き上げで、高齢者からは「負担も限界だ」との悲鳴の声が上がっています。区は第3期事業計画で、「低所得者への保険料負担軽減についても適切な方法による実施を検討していく」と明記しています。直ちに負担軽減対策を実施すべきだと思いますが伺います。
国の責任が不十分な今のままでは、今後も高齢者の負担は増えるばかりです。国に対し、介護保険制度開始以前の50%に段階的に国庫負担を引き上げるよう求めるべきだと思いますが、区の見解を伺います。
 昨年10月から実施された施設利用者の食費、居住費の自己負担化も深刻です。食費、居住費の負担増に耐えられず、やむなく施設を退所した人もでています。特に、低所得者対策が実施されなかった老人保健施設からの退所者が多くなっています。負担が重くて利用できないという事態がないよう、老人保健施設でも低所得者対策を実施すべきではないですか。また、デイサービスについても、荒川区で実施しているように、住民税非課税者については、食事代を半額補助するなど、区として負担軽減を行うよう求めますが、あわせて見解を伺います。
 今年行われた国の増税は、区が実施している高齢者福祉事業にも影響を及ぼしています。緊急通報システムや福祉電話の設置、紙おむつや補聴器の支給などは、所得制限や所得による負担額が定められていますが、今回の増税で、収入状況は変わらないのに、非課税基準や所得基準が厳しくなったため、福祉サービスが受けられなくなったり、負担額が増える人が出てきます。
 台東区や新宿区では、税制改正前の基準で所得を算出するなど激変緩和策の実施を行いました。江東区でもただちに激変緩和策を行い、従前どおり福祉サービスが受けられるよう対策を行うべきではありませんか。答弁を求めます。
 次に、ひとり暮らし高齢者対策について伺います。
 都営住宅と都市再生機構の賃貸住宅で、2004年度中に自宅で誰にもみとられずに「孤独死」したひとり暮らし高齢者が、江東区では26人と都内でも2番目に多いことが報道されました。江東区の高齢者生活実態調査の「社会とのかかわり」という項目では「親しく話しをしたり、行き来する友人・知人が近所にいない」という人が約28%もいるなど、団地やマンションなどの多い本区では、隣近所とのつながりも薄く、高齢者が孤立化する傾向が強くなっています。亡くなって何日も発見されないなど、悲しい事態をなくすため、ひとり暮らし高齢者への支援の充実が求められているのではないでしょうか。区の見解を伺います。
 ひとり暮らし高齢者を地域で見守り、支えるネットワーク体制としてはじめられたのが「ほほえみネットワーク」事業ですが、16年度末時点での利用者は、わずか4人という状況です。これでは期待する役割が果たせているとは思えません。区はこの事業をどのように評価しているのか、伺います。
 「ほほえみネットワーク」では現在、見守り、声かけ活動を直接行っているのは、地域の民生委員だけという状況ですが、広くボランティアの活用を図るなどネットワークの充実が必要ではないでしょうか。また、見守る対象者も他の介護サービスを受けている人を対象外とするなど狭めたりせず、希望する人は誰でも利用できるようすべきだと思いますが、伺います。
 さらに、地域で孤立する高齢者をなくすためにも、いつでも気軽に利用でき、仲間作りのできる場所を、身近なところに整備することが重要です。特に、高齢化の進む辰巳団地など大規模団地のある地域への福祉会館の設置を行うべきだと思いますが伺います。
次に、臨海副都心開発について伺います。
 臨海副都心関連の第三セクターである東京テレポートセンター、臨海副都心建設、竹芝地域開発の三社が経営破たんし、民事再生法の適用を申請しました。三社の抱える債務超過額は、3,355億円にものぼります。昨年3月には、東京ファッションタウンとタイム24が破綻。民事再生法の適用を行っており、これで5社となりました。
臨海三セクが破綻した最大の原因は、バブルに便乗して過大なビル需要予測をもとに、本来、東京都がやるべきことではない不動産事業に手を出したことにあります。「都民の税金は1円たりとも使いません」と言って臨海開発を始めたにもかかわらず、東京都はこれまで、三社に対し、土地代の減額、無利子融資など、10年間で二七〇億円を投じるとともに、三セクの空ビルを埋めるため、都が事業所を移転して毎年十億円の税金をつぎ込み、さらには夢の島マリーナを無償貸与するなど手厚い支援をしてきました。
 わが党都議団や「臨海三セク都民オンブズマン」などが、石原都知事に対し、これ以上都民の税金をつぎ込むべきでないとして、直ちに破たん処理に踏み出すよう再三にわたって求めてきました。しかし、そうした意見に耳を傾けず、抜本処理を先送りし、都財政投入を拡大し続け、今回、債権放棄と減資で380億円という莫大な損失を出した石原都知事の責任は重大です。また、室橋区長も「臨海との共生」を掲げ、都と一緒になって臨海副都心開発を進めてきた責任は免れません。区長は今回の事態をどう考えるのか、見解を伺います。
 また、今回の民事再生では、都や銀行などのほか、23区特別区協議会も出資金3億円の債権放棄を求められていることがわかりました。破綻が明白な臨海の救済に3億円ものお金を出資していたことは重大な問題です。特別区協議会のメンバーである区長の責任が問われるのではありませんか。見解を伺います。
 本区も同じ臨海三セクのゆりかもめに2億4千万円もの区民の税金を出資していますが、特定の株式会社に出資するなど本来区がやるべきことではありません。都は今後、ゆりかもめや東京ビッグサイト、東京臨海熱供給などと破綻処理後の三社を経営統合し、事業の継続を行う方針ですが、破綻した三社の経営の中心であるビル事業の需要が伸びる見込みはなく、結局は今回と同じ事態になりかねません。直ちに出資金を引き上げるべきだと思いますが、伺います。
 石原都知事は、突如、東京へのオリンピック招致を表明し、基本方針を発表しました。都の計画では、有明北地区に選手村を建設し、本区スポーツセンターも練習場に当てる予定であることが明らかとなりました。有明北地区は、住宅を整備するのだとして、地元住民や釣船業者、環境団体など多くの都民の反対を押し切って旧貯木場を埋め立てて作られた土地です。選手村の建設は、埋め立ての目的からも逸脱するものです。また、本区に何の了解も得ず、都が勝手にこのような計画を進めていることを区長はどう考えるのか伺います。
 東京都はこれまで財政難を理由に都民の福祉やくらしの予算を削り、23区への財調交付金を不当に削減する一方、臨海開発だけは聖域扱いし、税金をつぎ込んできました。臨海副都心開発をこのまま進めることは、都財政だけではなく、区財政をも圧迫するものです。区として、臨海副都心開発を都民参加で抜本的に見直すよう都に求めるべきではないでしょうか。見解を伺います。

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