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2025年第2回定例会―すがや俊一議員

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱4点について質問いたします。

  • 物価高騰から区民の暮らしと営業を守ることについて
  • 本区のまちづくりについて
  • 子育て支援について
  • クリーンな区政の実現について

 大綱1点目は、物価高騰から区民の暮らしと営業を守ることについてです。
 初めに、区民の暮らしについてです。
 実質賃金と年金減が続く中、米の値段が2倍になるなど、物価高騰で区民の暮らしと中小業者の営業が深刻の一途となっています。
 我が党が行った暮らしのアンケートでは、「暮らしが厳しくなった」が8割に達し、その理由には物価高騰が圧倒的です。高齢者から「年金では暮らしていけない、もう限界」、「働いても税金と保険料で生活苦」、飲食店からも「材料費が上がり、やっていけない」、町会役員からも「米の値段が高くてみんな困っている。区は何もしないのか」という声が上がっています。
 区長は、物価高に苦しむ区民の声をどう受け止めるのか、認識を問うものです。
 消費税減税についてです。
 物価対策として、今どの世論調査でも消費税の減税や廃止を求める声が7割以上となっています。同時に、「財源を明らかにして」の声も7割超です。
 食料品、水光熱費、衣服など、あらゆるものが値上がりしている中、消費税一律5%減税が最も力強く効果的な暮らし応援であり、中小企業支援になると考えます。減税効果は、勤労世帯で年間12万円、食料品ゼロ%に比べ2倍の効果です。同時に、自営業者などに深刻な負担となっているインボイス制度の廃止も必要です。
 一律5%減税に必要な財源は年間15兆円、大企業と大株主への優遇税制を正せば12.1兆円、富裕層への応分の負担で2.9兆円など、財源は十分確保できます。区長の見解を伺うとともに、区長並びに区長会として政府に対し緊急要請することを求めるものです。伺います。
 中小事業者への支援強化も待ったなしです。
 令和2年度に実施した事務所や店舗に対する家賃補助を再実施するとともに、リース代など固定経費への補助実施を求めます。小規模企業特別資金融資の利子負担、現行1.2%を直ちに0.6%に軽減することを求めます。併せて伺います。
 本区においても公契約条例を速やかに制定するべきです。昨年度では23区中13区が制定、今年の4月から品川区と文京区が制定し、15区です。さらに荒川区と豊島区も制定が予定され、計17区となり、未制定は本区を含む6区のみです。制定区の増加について、区長の見解を問うとともに、区として調査研究を進めるべきです。伺います。
 制定している世田谷区では、「空前の人手不足。公共発注の賃金相場は、地域経済に大きな役割を果たす」として、今年度から公共工事や業務委託を受注する企業に対し、労働者の報酬額下限を時給1,460円と定め、都内最低賃金1,163円を大幅に上回るものとなっています。地域の賃金相場を引き上げ、人材確保や地域経済を活性化させるなど、本区においても必要な制度ではありませんか、伺います。
 区民生活への支援についてです。
 今、23区内の賃貸住宅の家賃が10年間で1.4倍、区内の新築ワンルームでも月10万円を超え、ファミリー向けでは平均で月21万円です。若者などから「給料の大半が家賃で飛んでしまう」、「家賃が高過ぎる」などの悲鳴が上がっています。
 緊急支援として、区は東京都に対し、若者や高齢者などへの家賃補助の実施を求めるべきです。杉並区ではひとり親家庭等に対し、年間30万円の家賃補助を始めました。本区でも独自に家賃助成を行うことを求めます。伺います。
 また、「固定資産税が高い」との声もあります。区は都に対して固定資産税の軽減を求めるべきです。
 さらに、国に対し、家賃が所得の2割以上の世帯に、高額所得者を除く家賃減税制度の創設を求めるべきです。併せて伺います。
 家庭ごみの有料化について伺います。
 今年3月、清掃港湾・臨海部対策特別委員会で区は、昨年の区長会総会において、ごみ減量政策の課題を検討するとして、一般廃棄物処理計画策定の1年延期を決定、そこでは、新たなごみ減量政策として家庭ごみの有料化を検討することが示され、23区の部課長会で検討するとしました。
 有料化した自治体では、ごみの不法投棄が増えるなど、ごみの減量化にはつながっていません。「お金を出せばごみを幾ら出してもいい」という意識も生まれ、有料化前よりごみが増加した自治体もあります。
 物価高騰下でのごみ有料化は、区民の理解は得難く、住民の反発を招くことは必至です。区長の見解を伺います。
 ごみの減量化は、分別収集と資源化など、住民と自治体の協力が何よりも重要であり、生産者責任に基づくごみ減量の徹底化も必要と考えます。区長の認識を問うとともに、区長として有料化反対の立場を明確にするべきです。伺います。

 大綱2点目は、本区のまちづくりについてです。
 西大島駅前・大島三丁目1番地地区市街地再開発事業について、改めて伺います。
 本計画案は、高さ156メートル、42階建て、700戸のタワーマンションを中心とし、都税事務所と城東保健相談所の建て替えなどが含まれ、開発区域内の地権者及び野村不動産などの再開発準備組合が事業を推進しています。
 今、23区内では、大手デベロッパーによるタワーマンションなどを中心とする市街地再開発が行われ、新築マンションの平均販売価格が1億円を超えるなど、住宅価格が高騰。特に新築マンションの売買では、約3割が投機目的の住宅取得と転売による金もうけの場となり、住宅価格高騰の要因になっています。市街地再開発における異常事態について、区の認識を伺います。
 西大島駅前の本事業も、富裕層にしか購入できない住宅価格となり、投資家による住宅転売・金もうけの場になるのではありませんか。その結果として、西大島かいわいの住宅価格や家賃の高騰、固定資産税も引き上がるなど、住民が安心して住み続けることができないまちになりかねないと考えますが、区の見解を伺います。
 本事業計画を見直し、高齢者や若者向けの公的住宅等の整備など、地域住民のための再開発事業にすることを求めますが、区の見解を伺います。
 また、区は都に対し、投機目的の住宅転売など、不動産投機の規制強化を求めるべきです。伺います。
 次に、UR大島四丁目団地の建て替え問題についてです。
 我が党は、前定例会本会議質問で同団地の建て替えについて、「8万円の家賃が、建て替え後は15万円。住み続けられない」、「建て替えを契機に追い出すのか」など、住民の切実な声を示し、区として家賃助成の実施など、伴走型支援を求めましたが、区は応じませんでした。
 この間、我が党は、第1期工事の991戸を全戸訪問し、住民アンケートを実施。その結果、「建て替え後も住み続けたい」、「家賃の値上げが不安」、「家賃減額があるのか」などが多数を占め、家賃問題が最重要課題になっています。
 本区の都市計画マスタープラン住宅編には、UR賃貸住宅の活用について、「UR都市機構と連携し、多様な世代や世帯が、安心して住み続けることができる住環境づくりを推進する」と明記されています。
 区は安心して住み続けるための家賃補助実施に踏み切るべきです。伺います。
 また、我が党は、3月、国交省・URに対し家賃の減免などを求める要請を行いました。UR側は、「戻り入居者には、一定の減額措置を取る」などと回答しましたが、値上げの姿勢を変えていません。建て替え後において、高齢者、低所得者が住み続けられるよう、区はURに対し、都市再生機構法第25条4項の規定に基づく家賃減免の実施を要請するべきです。伺います。
 区内のデータセンター建設計画について伺います。
 現在、千石三丁目と塩浜二丁目に巨大コンピューター、IT機器を設置するデータセンター建設計画が上がっています。データセンターは、莫大な電力消費による大量のCO2を排出すること、巨大コンピューターを冷却する空調機器による高い排熱量があるなど、これまでのまちづくりでは想定外の大きな環境問題になっています。
 排熱による気温上昇で近隣地域のヒートアイランド化が危惧され、住環境が破壊されかねません。また、大量のCO2排出によって、区のCO2排出削減計画にも重大な影響を及ぼすなど、地球温暖化対策に逆行すると考えますが、区の見解を伺います。
 地域の環境保全対策が必要不可欠です。CO2排出をゼロにする、再生エネルギー利用計画や省エネ化の義務化とともに、ヒートアイランド化防止など、排熱処理計画を義務化すること、さらに、電力使用量とCO2排出量並びに排熱量などの情報開示を義務づけ、住宅地での設置規制など、区として国や都に対し、法整備等の規制強化を求めるべきです。伺います。
 また区は、データセンターに特化した対応方針を定めましたが、室外機設置の配慮はあるものの、計画周知の条例化検討などでは不十分です。
 環境保全への規制強化とともに、住民合意を条例化するなど、区として住宅地での設置を規制するべきです。伺います。

 大綱3点目は、子育て支援についてです。
 教育費負担の軽減についてです。
 我が党は、学校給食費無償化実現に続き、学用品、修学旅行などの無償化を繰り返し区に求めてきました。
 23区では、品川区、葛飾区での学用品の無償化実施を皮切りに、今年度からは江戸川、台東、足立区が新たに実施、補助教材では千代田区が無償化しました。
 また、修学旅行と移動教室の無償化では、葛飾、品川、荒川、墨田、足立区が実施し、教育費負担の軽減が拡大しています。
 特に品川区は、区立中学の制服代無償化にも踏み出し、義務教育にかかる主要な費用は全て無償になりました。
 学校給食無償については、都の補助が2分の1となり、区の負担が軽減しています。本区でも学用品、修学旅行、移動教室、学生服などの無償化実施を求めます。伺います。
 次に、企業立認可保育園の保育の質確保についてです。
 これまで我が党は、企業立認可保育園について、保育の質確保に重要な保育士の安定就労に向け、運営費補助金に占める人件費比率の改善を求めてきました。
 令和5年度の資料では、企業立保育園120社の人件費比率は、平均で57%、最低は37%であり、過去5年間にわたり低水準が続いています。同年度の社会福祉法人の人件費比率は、平均73%、公立園の80%以上と比べ、企業立保育園は低水準です。
 保育士の離職率は、公立園6%に対し、企業立園が21%と3倍も高く、平均勤続年数も、公立園17年に対し、企業立園は7年の不安定就労です。
 区内の企業立保育園で働いている方からは、「保育士の給与は20万円未満。二、三年で保育士が辞めていく」、「こどもの保育によくないのでは」との指摘があります。
 区はこのような事態を放置し続けるのか、見解を伺います。
 保育士の処遇を改善し、安定して働き続けることで、豊かな経験が蓄積され、保育の質の向上が図られると考えます。
 区の認識を問うとともに、区として企業立保育園の人件費比率をルール化し、社会福祉法人並みにするべきです。伺います。
 また、企業立保育園では、人件費を抑えて、その余剰金をため込み、法人本部の運営費や役員報酬などに流用する弾力運用制度、補助金の目的外運用は問題です。区として、国に対し弾力運用制度の廃止を求めるべきです。伺います。
 区の未就園児の定期的な預かり事業についてです。
 この事業は、生後6か月から2歳児までの乳幼児を対象に、親の就労には関係なく、保育園にて週1回もしくは月2回、1か月間の一定利用時間を定めて預かるもので、保育所以外の認可施設も実施可能です。
 本区は昨年度から、公立保育園1施設、私立保育園4施設で試行実施し、その課題として、1歳・2歳児では保育士の確保が必要、また、私立園では保育の専用スペース確保が困難としています。
 そもそも日本の保育士配置基準が低く、保育士1人が見るこどもの数が多過ぎる下で、本事業の実施には問題が多いと考えます。
 現場の保育士からは、「新たな乳幼児が短時間で、しかも日替わりで来ることで、現場の負担が大きい」、また、「初めて預かる乳幼児のストレスで、通常保育のこどもたちにも影響が及ぶ」との指摘がありますが、区の認識を伺います。
 何よりも、保育士の配置基準の抜本的見直しが必要不可欠であり、専用保育室の確保も必要と思いますが、併せて伺います。
 また、本事業は、保護者と保育所との直接契約であり、公的責任が後退しかねません。区は今年度に設置基準等の条例化を予定していますが、拙速に進めてはならないと考えます。区の見解を伺います。

 大綱4点目は、クリーンな区政の実現についてです。
 今年4月16日、東京地方裁判所は、2023年4月23日に執行された江東区長選挙をめぐり、元自民党衆議院議員の柿沢未途氏から現金20万円を受け取り、被買収容疑で起訴されていた元自民党の星野博議員、米沢和裕議員、にしがき誠議員に対し、罰金20万円と追徴金20万円の有罪判決を下しました。判決では、「金額は少額とは言えず、選挙の公正さを害し、政治に対する信頼を損ねるもの」と断じています。
 この間、江東区議会は、我が党の提案により、3会派が共同して、3人の議員に対し辞職勧告決議を採択してきました。今回の事件は、本区議会が制定した政治倫理条例の倫理基準第1項「区民の信頼を失墜させる行為は行ってはならない」に照らして、許されるものではないと考えます。罪を認め、直ちに区議会議員の職を辞することを求めるものです。
 この間、区長選挙をめぐり、一連の公選法違反事件が続いてきました。「クリーンな江東区政の実現」を掲げる区長としての見解を伺うものです。
 政治倫理条例についてです。
 3月23日付の東京新聞において、自民党、川北直人議員が、本区のごみ処理委託契約を落札した企業から、区との契約日である4月1日の前日、3月31日に同区議が代表の政党支部に370万円が献金されたとの報道がありました。
 また、同報道では、370万円とは別に、23年の12月まで毎月20万円の寄附を受けていたとしています。同企業は、23年4月以降、本区と6件の業務委託契約を締結したと報じています。
 毎月の20万円は、23年4月の区議選中にも寄附されていたとしており、公職選挙法の「区議会議員選挙に関して、本区の契約事業者からの寄附行為禁止」に抵触するのではとの指摘があります。
 また、本区との事業委託契約を結んだ企業と同議員の関係について、区民から疑念の声も上がっています。
 この間、政治倫理条例をめぐり、我が党は、「道義的批判を受ける寄附の自粛」を政治倫理基準に盛り込むよう、繰り返し求めてきました。しかし、同条例案の検討会で自参無会派と共生会派が反対して除外されてきました。改めて道義的批判を受ける寄附の自粛について、政治倫理基準に盛り込むことを提案するものです。
 汚職や不正行為が続いてきた本区政においては、政治と金の癒着を断ち切ることが、区民の政治に対する信頼回復になると考えます。
 本区においても、内部規定のコンプライアンス方針でとどめるのではなく、政治倫理条例を制定し、区民の信頼回復に努めるべきです。
 区長の見解を求め、質問を終わります。(拍手)

~~~~~~~~~~【答弁】~~~~~~~~~~~

 菅谷俊一議員の御質問にお答えします。
 初めに、物価高騰から区民の暮らしと営業を守ることについてです。
 まず、区民の暮らしについてですが、物価高騰の影響が区民生活に及んでいる状況は認識しており、令和7年度においても、国の交付金を活用した物価高騰対策を実施することとしております。今後も区民や区内中小企業等の声に耳を傾け、必要な施策に取り組んでまいります。
 次に、消費税減税についてですが、消費税は社会保障の安定財源であり、その減税は、国において確実な代替財源とともに検討すべきものであると認識しております。そのため、国に対して緊急要請を行う考えはありません。
 次に、中小事業者への支援強化についてです。
 まず、事務所等への家賃や固定費の補助については、エネルギー価格高騰対策補助金をはじめ、様々な支援策を実施しており、制度創設の考えはありません。
 小規模企業特別資金の利子負担の軽減については、既に本人負担に十分配慮した、多様な目的に応じた融資があることから、実施する考えはありません。
 次に、公契約条例についてです。
 まず、条例制定区増加の見解ですが、最低賃金の停滞期間に制定した区が多く、近年は徐々に増えているものと認識しております。区としての調査研究については、これまでも他自治体の動向や実施状況についてできる限り情報収集してまいりました。
 また、人材確保策としては、特に工事の週休2日制、電子契約の導入等の取組、地域経済活性化に向けては、今年度開始の経営改善支援資金等の融資・補助等を実施しており、引き続き公契約条例も含め、様々な施策の調査研究を行ってまいります。
 次に、区民生活への支援についてのうち、都に対して家賃補助の実施を求めるべきとのことです。
 都は、対象範囲の設定や民間家賃への影響など、多くの課題があるとしており、都へ実施を求める考えはありません。
 また、本区では、お部屋探しサポート事業や公営住宅の募集、各種相談窓口など、重層的な住宅セーフティーネット機能を構築しており、現段階で区独自に家賃補助を行う考えはありませんが、都や他自治体の動向等を注視しつつ、引き続き区民に寄り添って取り組んでまいります。
 次に、固定資産税の減税についてです。
 固定資産税は本区の基幹的な歳入である特別区交付金の財源であるとともに、都では中小企業等の支援を目的に、一定の要件を満たす非住宅用地の税額の2割減免を既に行っており、都に対しさらなる減税を求める考えはありません。
 次に、家賃減税制度についてですが、新たな減税制度は、その目的や財政への影響等の十分な検討が必要であり、国に対して創設を求める考えはありません。
 次に、家庭ごみの有料化についてのうち、住民の理解や反発についてですが、有料化に限らず新たに区民負担を求める場合には、必要性等の理解に十分努めることが不可欠と認識しております。
 ごみの減量化については、区民、事業者、区が協力し、5Rに取り組むことが重要と考えております。
 生産者責任については、現在の容器包装などにおける一定の責任者負担に加え、拡大生産者責任の原則に基づくさらなる対策を区長会として国に要望しているところです。
 また、家庭ごみ有料化への立場ですが、有料化については、23区として取り得るごみ減量施策の可能性の一つとして、実務的な課題や効果を検討しているものであり、本区として賛否を表明するべき段階ではないと認識しております。
 次に、子育て支援についての御質問にお答えします。
 初めに、教育費負担の軽減についてです。
 学用品については、児童・生徒個人の所有物で、学校と家庭のいずれでも使用でき、その利益が直接児童・生徒に還元されるものとして、各家庭での購入としておりますが、保護者の負担を軽減するため、必要な使用教材等の見直しに取り組んでおります。
 また、学用品費や修学旅行費等については義務教育の無償制度の範囲ではありませんが、本区では、経済的に困難な世帯に対する就学援助の対象としており、保護者負担を軽減しております。
 学用品費や修学旅行費等を無償化する自治体があることは認識しておりますが、これらの費用を無償化することによる財政負担も踏まえ、慎重に評価・検討していく必要があると考えております。
 次に、企業立認可保育園における質の確保についてです。
 まず、保育士の処遇改善や安定就労についてですが、保育の質を維持・向上するためには、保育人材の確保や定着、働きやすい環境づくりを支援することが重要と認識しております。そのため、引き続き、国の処遇改善等加算や都のキャリアアップ補助を実施するほか、宿舎借上げ支援や保育士の負担軽減など、様々な支援を展開してまいります。
 次に、企業立認可保育園の人件費比率のルール化についてですが、保育所ごとに職員の年齢構成や経験年数等が異なるため、人件費の割合のみをもって適否を判断することは困難であり、区独自のルールを定めることは考えておりません。
 また、国に対して補助金の弾力運用制度の廃止を求めるべきとのことですが、委託費の弾力運用は、適切な施設運営が確保されていることを前提として認められるものであり、国の通知に基づき、最終的に東京都の審査の上で実施されていることから、廃止を求めることは考えておりません。
 次に、区の未就園児の定期的な預かり事業についてです。
 まず、現場に負担がかかっているとのお尋ねですが、乳幼児は環境の変化に敏感であり、環境に慣れるまでに様々な対応が必要になる場合があります。
 そのため、各園においては、事前面談を実施し、本人の状況を丁寧に把握するとともに、当日の保育体制を調整するなど、個々のお子さんの状況に応じた対応に努めております。区といたしましては、今後も、保育現場の声を聞き取りながら、保育体制の支援に努めてまいります。
 また、配置基準の抜本的見直し及び専用保育室の確保についてですが、国は配置基準の改善に向けた対応を行っているところであり、区としましては、引き続き国の動向を注視してまいります。
 専用保育室の確保につきましては、国の制度上、空き定員や既存スペースを活用して柔軟に実施できる余裕活用型が認められていることから、施設の状況に応じて柔軟に対応してまいります。
 条例制定につきましては、国の法改正等を踏まえ、令和8年度のこども誰でも通園制度の本格実施に向けて、今年度中に規定整備を進めていく必要があります。
 区としましては、保育現場や保護者の声、他自治体の事例も踏まえた制度構築を目指していく考えでございます。
 その他の御質問につきましては、所管部長が答弁いたします。

 次に、本区のまちづくりのうち、西大島駅前・大島三丁目1番地地区市街地再開発事業についてであります。
 まず、分譲住宅の価格高騰についてですが、23区の新築分譲マンションにおける平均販売価格は、ここ数年上昇傾向にありましたが、令和6年は5年と同水準で推移している状況を区としても把握しており、今後もその動向を注視してまいります。
 次に、本事業における分譲価格による影響についてです。
 計画している住宅の販売価格や家賃は現時点で設定されておらず、同様に分譲価格による固定資産税の影響も確認できる状況ではありませんが、一方で、本事業により生活利便機能や地域交流機能等が導入され、地域住民の利便性向上など、暮らしやすい環境形成が期待されます。
 次に、高齢者や若者が住み続けられる住宅等の整備についてです。
 本事業計画では、一部に賃貸住宅の設定を検討していると聞いておりますが、現在検討中の大島三丁目駅前エリアまちづくり方針の目標である「全ての人々が暮らしやすい住環境の形成」の実現に向けて、幅広い世代や多様な世帯に対応する住宅の整備について、引き続き準備組合と調整してまいります。
 次に、不動産投機への規制強化についてです。
 現段階で都に対して規制強化を求めることは考えておりませんが、国や都の動向を注視してまいります。
 次に、UR大島四丁目団地の建て替え問題についてです。
 まず、団地の入居者への家賃補助についてですが、UR賃貸住宅の家賃は法令に基づきURが適切に設定するものと認識しており、区による家賃補助は考えておりません。
 また、家賃減額措置については一定のルールが定められており、URからは家賃が上昇する世帯に対しては一定の軽減措置を講じると聞いているため、URに家賃減額を要請する考えはありません。
 区では、入居者に対する分かりやすい説明など、URに対し今後も丁寧に対応するよう促してまいります。
 次に、区内データセンター建設計画についてです。
 まず、ゼロカーボンシティ江東区実現プランへの影響について、地球温暖化に逆行するとのことですが、データセンターについては、DXや生成AI技術の進展などを支える社会的に有益な施設である側面もあり、適切に社会と共存していく必要があるものと認識しております。
 次に、地域の環境保全対策について、国や都に規制強化を求めるべきとのことですが、本区では、これまでも機会を捉え、国や都に対し要望を行っており、現在、国においてデータセンターの電力使用量の抑制や効率を高めるための規制等の検討を行っており、本区としても国等の動向を注視してまいります。
 次に、データセンター建設に対するさらなる取組について、住民合意を条例化すべきとのことですが、住民との合意形成は、良好な近隣関係の形成や健全な生活環境の維持・向上などに向けて、事業者による近隣住民への丁寧な説明と双方の歩み寄りによる解決が望ましいと考えております。
 引き続き、丁寧な対応を事業者に求めていくとともに、環境保全対策など、国や都の動向を注視してまいります。

 次に、クリーンな区政の実現についての御質問にお答えします。
 まず、クリーンな江東区政の実現に向けての見解についてです。
 本来、公正・公平でなければならない選挙において、公職選挙法違反により有罪判決を受けるに至っている事案が本区で生じていることは、大変遺憾であります。
 一般論として、選挙活動に当たり政治家一人一人が襟を正し、区民から信頼を得られるよう、姿勢を正していくことが何よりも肝要であると認識しております。
 本区といたしましては、区民から信頼いただけるよう、区長が公約に掲げる「クリーンで公正な区政」の実現に向け、職員一丸となって全力で取り組んでまいります。
 次に、政治倫理条例の制定に関してのお尋ねですが、現時点において、区として政治倫理条例を制定する考えはありません。
 本区としては、本年1月に江東区コンプライアンス基本方針を策定しており、区民から信頼される区役所の実現を目指し、職員一人一人が社会規範や法令等を遵守するとともに、公平・公正に日々の職務に取り組んでおります。
 本区では、既に区に対して、専門的立場から助言等を行う外部人材を活用したコンプライアンス推進アドバイザーを設置するなど、本区のコンプライアンスにおける客観性・透明性の確保に努めております。
 また、コンプライアンス基本方針に基づき、庁内のコンプライアンス意識醸成に努めるとともに、公正取引委員会から講師を招き、区長を含めた幹部職員を対象とした不正防止講習会を7月に開催するなど、具体的な取組を着実に実行しているところです。
 本区では、引き続きコンプライアンスの推進に取り組み、区民の期待に応えてまいります。

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