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2015年第2回定例会―山本真議員

 初当選させていただきました山本真です。私は、日本共産党江東区議団を代表して、大綱4点、質問いたします。

  1. 労働問題について
  2. 保育について
  3. マイナンバー制度について
  4. 交通対策について

 大綱1点目、労働問題について伺います。
 近年、非正規労働者が増加をし続けています。現在では3人に1人、また、若い人の2人に1人が非正規労働者で、そのほとんどはワーキングプアと呼ばれている年収200万円以下の人たちです。
 私自身も学童クラブの非常勤職員として働いてきました。1年更新で、来年は何をしているのかもわからず、先行き不安な状態です。賃金も低く、毎月の手取りは15万円前後、家賃や奨学金の返済、光熱水費に電話代を払ったら、手元に残るのは7万円。この状況では毎月生活していくのがやっとで、貯金など蓄えもできず、将来の設計もできません。親元を離れたくても、家賃が払えず自立できないという青年もいます。
 非正規労働が長期化すれば、正規労働につくのも難しくなります。そして、この人たちが定年を迎えるころには生活の糧もなくなります。そうなれば、生活保護の世帯も増大します。非正規労働者をこのままにしておく社会に未来はありません。
 舛添都知事も、昨年末の定例記者会見の中で、「3人に1人が非正規という非常に異常な状況が続いている」と述べ、正規雇用の確保を言っています。
 区長は、この3人に1人が非正規労働者という実態を異常と認識しているでしょうか、伺います。
 続いて、国の労働法制についても伺います。
 景気は回復傾向にあると言っていますが、個人消費も実質0.4%増と低迷が続いています。GDPの6割を占める個人消費の回復なしに景気回復はあり得ません。そのため、国でも、安倍首相は賃金の引き上げが必要と言っています。しかし、安倍政権は労働者派遣法の改悪を進め、部署を変えるなどすればいつまでも不安定な派遣労働ができるようにしようとしています。また、高度プロフェッショナル制度と言いながら、働かせても残業代を払わなくてもいいようにする法律をつくり、働く人の賃金をさらに削ろうとしています。
 労働者派遣法など、労働法制の改悪がさらに不安定雇用を増加させ、景気悪化を招くことは明らかです。安心して働ける労働環境確保のためにも、景気改善のためにも、労働者派遣法など、国の労働法制の改悪の中止を求めるべきです。伺います。
 続いて、江東区の正規職員の確保についても伺います。
 江東区においても、正規職員を減らし非正規労働者をふやし続けてきました。過去の10年間でも、正規職員を300人減らした一方で、賃金の低い非正規労働者を少なくとも400人以上はふやしてきています。
 学童保育の現場では、ベテランの指導員に変わったことで、学童クラブが楽しくなったという声があります。学童クラブでけん玉をしているところは多くありますが、あるベテランの指導員は、こどもたちにけん玉の基礎から教えます。立ち方やけん玉の持ち方、肘を固定して膝を使って玉を上げるなど、基礎・基本を教えます。そのような指導を受けたこどもたちは、最終的にはけん玉を両手でやりながら音楽に合わせてダンスをする、こういうこともできるようになります。こどもたちは、「できた、やった」と達成感を感じながら学童クラブでの時間を過ごすのです。こどもたちの可能性を引き出す技術のある指導員は経験年数も長いのです。長く続けられる指導員の確保が求められます。
 しかし、江東区は技能系現業職員の退職不補充でふやそうとはしていません。待遇の低い非常勤では長く働くことは困難です。このことは児童指導に限ったことではありません。このままでは技術の継承もできず、区民サービスの低下も招きます。住民サービス向上のためにも、必要な職員を正規雇用で確保すべきです。伺います。
 臨時職員についても伺います。
 ある江東きっずクラブでは、20人ぐらいのこどもがいる部屋を日常的に1人の臨時職員で担当しているという実態もあります。保育には欠かせない存在になっています。ですが、この土曜きっずクラブでは、臨時職員にも欠員が出ている、こういう実態もあります。この臨時職員の賃金は、4月から時給950円に引き上がったとはいえ、フルタイムで働いたとしても年収200万円に届くかどうかであり、まさに官製ワーキングプアです。臨時職員の賃金や休暇制度など、待遇を引き上げていくべきです。伺います。
 委託先の労働者の賃金も低いままです。区の臨時職員の賃金はふえましたが、区役所の駐車場で働く警備員の方などの賃金は昨年と変わらず、時給は900円のままふえていません。この間、最低賃金も引き上がっています。委託先の労働者の労働条件が確保されるようにすべきです。
 労働条件引き上げの担保にもなるよう、契約を結ぶときに労働条件も保障する公契約条例の制定をすべきです。伺います。また、国にも公契約法を制定させるよう意見を上げるべきです。あわせて伺います。
 大綱2点目は、保育について伺います。
 子ども・子育て支援新制度が4月からスタートしました。国は、「すべての家庭が安心して子育てでき、育てる喜びを感じられるために」と言いますが、安心して子育てができない事態が生まれています。
 ある保護者は、今まで通っていた保育園から退園してほしいと言われました。この方は2人目のこどもができ、今度は子育ても楽しみたいとフルタイムから週3日の勤務に変えました。ところが、これまで通っていた園が、ことしの4月に認証保育所から認可保育園に移行し、認可園の基準である週4日以上の勤務に満たないために退園してほしいと言われたそうです。区は、多様化するニーズへ対応すると言っていますが、実際にこの方は保育を打ち切られています。
 ことしの4月に認証から認可へ移行した園はわずか7園です。これから次々と認可園へ移行を進める中で、このような事態を生んではいけません。区として、認可園への移行に当たって、今まで受けていた保育を継続して受けられるようにすべきです。伺います。
 続いて、待機児童解消についても伺います。
 4月1日現在、待機児童は167人としていますが、この数には育児休業中の人は数えられていません。育児休業中の人は、育児休業が終われば保育園が必要になるのにです。また、認証保育所に入れた人も待機児童には含まれていません。多くの保護者が希望しているのは認可保育園です。この認可保育園に入れない児童は1,396人います。
 日本共産党江東区議団が行ったアンケートにも、「今は育児休業中で保育園を5つ申し込んだがどこもいっぱい。このままでは会社をやめざるを得ない」など、切実な声が多数寄せられています。待機児童の実態もきちんと捉え、保育園の増設を行うべきです。
 東陽一丁目など、区内には都有地の空き地が多数あります。この都有地などを活用し、区としても責任を持って保育園の増設を進めるべきです。伺います。
 続いて、保育料についても伺います。
 新制度の実施に合わせて保育料の改定が行われました。所得の低い階層については、これまでよりも保育料の負担が多少引き下げられたものの、保護者の4割を超すD11階層以上では、これまでより保育料の負担が上がりました。区は、今年度については昨年度と同程度の保育料となるよう、暫定的措置をとり、来年度以降については再度検討するとしています。
 出産にも育児にも負担がかかり、子育て世帯は経済的に大変です。「保育料が高く、働いてもほとんどが保育料に消えてしまう」との声が寄せられています。保育料の負担増は許されません。来年度以降の保育料については、引き上げないのはもちろんのことですが、さらに引き下げるようにすべきです。伺います。
 また、第二子以降について、港区が行っているように無料にしていくべきです。あわせて伺います。
 続いて、保育士の処遇改善などについて伺います。
 保育士不足と質の低下が問題になっています。その背景には保育労働者の低賃金、そして劣悪な労働条件のため、人が次々とやめている実態があります。
 区内のある株式会社が運営している保育園では、誕生会やハロウィンパーティーなど、盛大にやっていました。ですが、その準備にかかるお金は職員の持ち出しだったそうです。また、夜9時過ぎまで明かりがついているなどの長時間労働もあります。
 保育士がやめるのはやる気や技術の問題ではありません。低い労働条件です。現在区で行う指導検査体制では、保育士の待遇や労働条件まではつかめません。この労働条件や待遇、保育士の離職率などが把握できるよう、保育士の実態調査を区として行うべきです。伺います。
 また、国が私立幼稚園、保育所などに対して、職員給与の処遇改善の措置をとっていますが、この分がきちんと保育士の賃金にも反映されているのか、この制度の周知徹底や実施状況の把握などもあわせて行うことを求めます。伺います。
 大綱3点目、社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度について伺います。
 このマイナンバー制度は、赤ちゃんから高齢者まで全ての人に12桁の数字が割り振られ、この番号をもとに社会保障と保険料、税の納付状況など、国が一括して管理する制度になっています。ことしの10月には、住民票を持つ全員に番号が交付され、来年の1月から使用が開始されます。
 このマイナンバー制度は、個人情報を一元的に把握、活用するもので、一度の情報漏えいで莫大な情報が漏れます。プライバシー権侵害の危険性が極めて高いと日本弁護士連合会も指摘しています。
 セキュリティー対策に対しても、行政独自の回線を使う、分散して管理をする、暗号化を進めるなどと言っていますが、そのようなやりとりは、結局はイタチごっこで、100%大丈夫というセキュリティー体制を構築することは困難です。一度のミスでも取り返しのつかない被害につながります。それは、この間の日本年金機構の問題からも明らかです。
 政府は、今回の日本年金機構の問題を受け、マイナンバー法の改悪は先送りにしましたが、今後、預貯金や健康診断情報、カルテや診療報酬明細などの医療情報、自動車登録情報など、民間の分野にもこの範囲を拡大しようとしています。行政だけがしっかりしていればいいという問題ではありません。
 この制度の導入に当たっては、区でも現段階でシステム開発などにより4億円を支出しています。従業員が少ない民間の中小企業などは特に負担が重くのしかかります。そして、民間企業が加わることで情報漏えいの危険性はさらに高まります。区長は、このマイナンバー制度の危険性をどのように認識していますか、伺います。
 このマイナンバー制度は、行政の効率化などをうたっていますが、住民の利益はほとんどありません。まして情報保護の負担が重くのしかかり、膨大な費用の浪費や人権侵害が行われかねない状況を押してまで進めるべきではありません。マイナンバー制度の実施中止を国に求めるべきです。伺います。
 大綱4点目は、交通対策についてです。
 高齢化社会で、江東区も人口の2割が高齢者です。町の利便性の向上が求められます。
 まず、1点目は、東陽町駅前発の錦13系統のバスですが、地域住民の切実な声で、東陽町駅前から昭和大学江東豊洲病院までバス路線を延伸させ、本数の改善も行われました。このバス路線を、東陽町駅前からがん研有明病院まで延伸させてほしいという強い要望が寄せられています。
 江東区は南北の移動が不便で、区の北部からがん研有明病院まで行くには、電車でもバスでも、何度も乗りかえをして行かなくてはなりません。医療機関へは病気を抱えている人が行くので、公共交通でのきめ細やかな対応が求められます。東陽町駅前からがん研有明病院まで1本で行けるバス路線を延伸するよう、東京都への働きかけを求めます。
 2点目に、昭和大学江東豊洲病院へバスで行くときに、ほとんどの路線が深川五中前のバス停でおりることになります。この深川五中前からだと病院まではかなり歩くことになります。東京都にこの昭和大学江東豊洲病院前のバス停を経由する便をつくるよう、バス路線の運行経路改善を働きかけることを求めます。
 3点目は、塩浜福祉園前の歩道橋について伺います。
 ある高齢者からは、「イトーヨーカドーへ買い物に行くが、荷物を持って階段の上り下りがつらい」。また、車椅子を利用されている方からは、「押して通るのも、スロープの坂道がつらく、遠回りをして通っている」という声を聞きます。この下に横断歩道があれば30秒で通過できるところを、大回りして行くと5分近くかかります。生活で使う道を毎日遠回りすることは大変なことです。地元の住民からの要望が大変強いところです。道路の安全対策も図りながらこの歩道橋の下に横断歩道の設置をするよう、関係機関に求めます。
 この3点について伺います。
 以上、大綱4点、これで質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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