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2015年第2回定例会―そえや良夫議員

日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点について質問します。

  1. 介護保険制度について
  2. 消費税増税と中小企業支援について
  3. 本区のスポーツ施策について

 第1は、介護保険制度についてです。
 介護保険制度は、見直しのたびにサービス削減や介護保険料引き上げなどが繰り返されてきました。中でも今回の見直しは、要支援者の保険外し、低所得の施設入所者に対する補助縮小、深刻な特別養護老人ホームの不足はそのままに、要介護1、2の人は原則入所の対象外、さらに、介護報酬は施設・在宅サービスともに大幅削減するなど、保険としての根本が問われる大改悪となりました。
 まず、要支援者に対する保険外しについてです。
 専門職であるヘルパーの要支援者に対する継続した支援は、認知症や健康状態の変化を素早く見つけ、重度化を防ぐ役割を果たしてきました。この仕事をボランティアなどによる買い物や掃除、洗濯など、細切れの生活支援に置きかえる総合事業は、要支援者の状態変化を見落とし、悪化させると心配されています。しかも、大半の自治体で総合事業の担い手確保に苦慮しています。
 本区でも、家事援助、家事代行に参入の意向を示した訪問介護事業所は全体の約4割、ボランティア団体や町会・自治会などでは全体のわずか3%の21団体で、担い手確保の難しさが浮き彫りになっています。
 ことしからスタートさせた品川区では、介護事業所に従来の8割の報酬単価で総合事業を肩がわりさせていますが、経営の悪化が懸念されています。見切り発車も介護事業所への低い単価での肩がわりも求めるべきではありません。区の責任で要支援者に対する現行のサービス水準を維持するとともに、利用料の負担増や介護報酬の低下を招かないようにすべきです。また、国に対し、要支援者の保険外しをやめるよう求めるべきです。伺います。
 次に、特別養護老人ホーム入所の低所得者に対する補助縮小についてです。
 2005年に施設入所者の食費、居住費が自己負担とされました。同時に負担増に伴う退所者が出ないように、住民税非課税世帯に対する補助制度が導入されました。それでも退所に追い込まれた人が出ました。ことしの8月からこの補助の要件が大幅に狭められ、世帯分離をしていても、配偶者が住民税課税者であれば、食費、居住費が全額負担となります。本区でも1,200人近くが補助を受けており、少なくない人が退所に追い込まれる心配があります。
 特別養護老人ホーム入所者は、老老世帯など、さまざまな理由で特別養護老人ホーム以外では介護を受けられない人たちです。制度の改悪によって退所に追い込まれる事態があってはなりません。認識を伺います。今からでも国に補助の縮小を中止するよう求めるべきです。また、区の独自補助で引き続き入所できるようにすべきです。あわせて伺います。
 次に、特別養護老人ホームの介護報酬削減の影響についてです。
 政府は、特別養護老人ホームには内部留保があるとして、この4月から基本報酬を6%も削減しました。しかし、この積立金は修繕費や資材価格の高騰などに備えるもので、配当準備金など、民間企業の内部留保とは意味が違います。全国老人福祉施設協議会は、この介護報酬引き下げにより、介護職員処遇改善加算など各種加算がされたとしても、収入減になり、6割近くの施設が赤字に転落するとしています。
 特別養護老人ホームでは、きつい仕事と低賃金のため、職員不足が常態化し、入所を制限している施設もあります。そうしたもとでの介護報酬削減に、事業者はさらなる職員不足とサービス低下の負の連鎖を招きかねないと、頭を抱えています。介護保険の国庫負担割合を緊急に10%引き上げ、介護報酬の引き上げを図るとともに、介護報酬とは別枠で国費による介護労働者の賃金の引き上げの仕組みをつくるよう、国に求めるべきです。伺います。
 次は、介護保険料についてです。
 介護保険料の基準額は、5,000円が限界と言われてきました。しかし、利用者にも事業者にも大きな犠牲を強いながら、比較的安いと言われる本区でも、基準額が5,200円に引き上げられました。
 また、厚生労働省が、消費税増税と引きかえに実施するとしていた低所得者の保険料軽減計画の大部分を反故にしたため、引き下げられる一方の年金から高額な保険料が天引きされ、「年寄りは死ねということか」など、区民から悲鳴の声が上がっています。
 しかも、2025年には基準額が8,000円を超えるとの試算も示されています。公費負担2分の1、介護保険料などの国民負担2分の1という制度設計がそもそも問題です。国庫負担割合の抜本的引き上げを求めるべきです。また、保険料負担を軽減するための区の独自助成を行うべきです。あわせて伺います。
 第2は、消費税増税と中小企業支援についてです。
 昨年4月の消費税増税と異常な円安政策により、事業者は、「仕入れ価格は上がり、売り上げも利益も減ったのに、消費税額がふえた」と怒りの声を上げています。将来の見通しが立たないと廃業する事業者も相次いでいます。区長は消費税増税の影響について、「景気は緩やかに回復」などと答えてきましたが、もうけているのは円安と減税の恩恵を一手に受けた大企業だけ。中小業者の約半数は消費税を転嫁できず、少なくない事業者が10%になれば廃業せざるを得ない状況に追い込まれています。こうした中小業者の実態についてどう認識しているのか、伺います。また、消費税10%への増税中止を国に求めるべきです。あわせて伺います。
 次に、商店などの改修に対する助成事業についてです。
 我が党が繰り返し求めてきた空き店舗対策の拡充に加え、ことし4月、商店の改修等に対する助成事業が、生鮮三品を扱う商店を対象に始まりました。また、その工事などの発注先を原則区内業者とし、仕事おこしにつなげたことも重要です。しかし、対象となる生鮮三品を扱う店は全部で100軒程度。商店街はさまざまな店が集まり、消費者の多様なニーズに応えにぎわっています。また、商店街、町工場は、身近な雇用の場をつくり、地域経済の中核を担っています。区の商店街、製造業事業所調査で必要性が明らかになった区内小規模事業者の事業継続支援と仕事おこしを同時に進め、地域経済の活性化を図るためにも、本事業の対象を飲食店など全ての小規模店と町工場に広げるべきです。
 また、今後、建設、運輸、生活関連サービスなど全業種にわたる小規模事業者の悉皆調査を行い、小規模事業者団体などが幅広く参加する検討会を開いて、それぞれの業種に見合った支援策を打ち出すべきです。あわせて伺います。
 次に、区内業者への優先発注についてです。
 我が党は、これまでも区が調達する物品等について、区内業者への優先発注を求めてきました。しかし、随意契約による少額な物品の区内業者への発注は、平成24年には、件数、金額ともに60%を割り込むなど減少しています。学校の現場では、給食食材の納入契約を交わしながら一度も注文せず、他県のメーカーのものを買っていたということもありました。改めて区内業者優先発注の趣旨を全庁的に徹底して広め、調達比率を高めるよう求めるものです。伺います。
 次に、信用保証制度改悪についてです。
 小規模事業者を対象とする特別小口保証は、信用保証協会が全額保証するもので、全国で101万社が利用し、中小企業融資の約7割を占めています。全国信用保証協会連合会の調査でも、小規模事業者ほど全額保証の比率が高くなっており、小規模事業者にはなくてはならない制度となっています。ところが、政府は今国会に、特別小口保証についても、部分保証に後退させることを前提とする法案を提出しています。
 8年前、中小企業融資に対する信用保証協会の保証割合が8割にされたことをきっかけに、貸し渋りがひどくなりました。本法案は、自治体の制度融資を後退させ、小規模事業者の経営に大きな打撃になることが懸念されています。国に対し、特別小口保証の改悪中止を求めるべきです。また、都に対し、信用保証協会による全額保証の継続を求めるべきです。あわせて伺います。
 第3は、本区のスポーツ施策についてです。
 スポーツ基本法では、スポーツは全ての人々の権利と位置づけ、日常的に親しみ、楽しむ機会が確保されなければならないとうたっています。さらに、青少年、高齢者にとっての重要性も明らかにしています。
 しかし、東京都の人口100万人当たりの体育・スポーツ施設数は全国最低です。本区の人口は、この10年間で9万人もふえましたが、スポーツ、運動を行える施設の整備は大幅に立ちおくれたままです。そのため、屋外スポーツ施設の申し込み倍率が5倍になるなど、深刻な施設不足となっています。
 また、マンションなど大型開発が進む一方で、球技ができる広場は区内7カ所にすぎないなど、幼児や児童が思い切り遊べる場所も著しく不足しています。
 スポーツ基本法の趣旨にのっとり、未活用の都有地の活用などで、多目的運動広場を初め、スポーツ施設を増設すべきです。伺います。
 次に、障害者のスポーツ環境の整備についてです。
 区のスポーツ推進計画では、障害者スポーツの推進に当たり、施設のバリアフリー化が必要としています。しかし、例えば東砂スポーツセンターの障害者用更衣室は、入り口のドアや敷居、シャワー室の床が高いなど、車椅子使用者が介助なしに利用できる状態ではありません。他の施設についても実態調査をし、障害を持つ利用者の声を生かしたバリアフリー化を速やかに進めるべきです。伺います。
 障害者スポーツに係る指導員の不足も、スポーツに親しむ機会を狭めています。障害者水泳教室を開いているスポーツ会館でも、専任の指導員は常駐せず、教室以外の利用申し込みがあったときには、まず、外部の指導員との日程調整等が必要で、障害者にとっては利用しづらいものとなっています。区が行ったアンケート調査でも、指導員の養成が強く求められており、指導員の常駐体制を区が責任を持って確立すべきです。また、スポーツ会館以外での水泳教室開催や、障害者の要求に沿った種目の拡大も進めるべきです。あわせて伺います。
 次に、高過ぎる本区のスポーツ施設利用料の引き下げについてです。
 区は、平成28年度に財政基盤確立の観点から、スポーツ施設利用料の見直しを検討するとしています。しかし、本区のスポーツ施設利用料はたび重なる値上げで、近隣区に比べ、野球場が1.7倍から2.3倍など、一番高い水準にあります。4年前の20%もの値上げで、スポーツセンターを利用する高齢者から「使いづらくなった」との声が寄せられています。
 また、7年前には、高齢者でも団体利用は割引がなくなったため、プールを使った高齢者のサークル活動が中止に追い込まれる事態も起きました。区のスポーツ推進計画でも、高齢者のスポーツを通じた交流や健康づくりが位置づけられています。スポーツ基本法で国民の権利と位置づけられているスポーツに親しむ機会が、経済的事情によって制限されることはあってはなりません。認識を伺います。
 誰もが等しく、スポーツに親しみ、楽しめるように、近隣区の中で一番高い水準のスポーツ施設の利用料金は引き下げるべきです。また、こどもや高齢者、障害者の利用料は無料にするなど、大幅に引き下げるべきです。あわせて伺い、質問を終わります。(拍手)

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