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2006年第4回定例会-すがや俊一議員

  1. 一人暮らし高齢者の支援について
  2. 江東区のまちづくり対策について
  3. 都バス路線など交通対策の拡充について

 日本共産党区議団を代表して大綱3点について質問します。
 一点目は、高齢者の生活支援の充実についてです。
 はじめに一人暮らし高齢者の支援について伺います。いま区内の一人暮らし高齢者は、70歳以上で1万5千人、65歳以上では2万2千人へと増加し、孤独死が年平均30人、さらに一昨年の区内自殺者98人の内、4人に1人が65歳以上です。誰にも見取られずに亡くなり、自ら命を断つ高齢者が年に26人もいることなど、あってはならないことであり、一人暮らし高齢者などへの支援策の拡充が急がれています。
 こうしたなかで区は、11月に一人暮らし高齢者の実態調査を行い、「ほほえみネットワーク」やおはよう訪問事業、福祉電話、食事サービス、緊急通報システムなどの見守り事業の機能を再編・統合するとしていますが、 どのように再編・統合するのか、はじめに伺います。
 港区でも一人暮らし高齢者の生活実態調査が行われ、4人に1人が親族や友人、近隣の人との交流がない社会的孤立状態にあることが明かとなっています。 区が行う実態調査でも、有効な支援策の構築に向け、高齢者の生活実態や要望を丹念につかむとともに、これまで再三指摘してきた一人暮らし高齢者の孤独死や自殺の実態も、警察や消防署と連携し把握するべきです。伺います。
 高齢化による孤立・うつ化が増加して自殺率がトップの秋田県では、県内の自治体と住民が連携した「ふれあい相談員」事業を展開し、周1回の「珈琲サロン」での気軽な会話や悩み事の相談にも応じ、その自治体では自殺者がゼロとなっています。
 孤独死だけではなく、自殺防止を含めた区の「ほほえみネット」の充実に向け、民生委員や地域住民と連携した相談員体制を確立強化すること。団地自治会などによる茶話会など、孤立解消に向けた「ふれあい活動」の普及へ、社会福祉協議会による「ふれあいいきいき事業」との連携を含め、区が支援強化すべきと思いますが、伺います。
 食事サービス、おはよう訪問、福祉電話、緊急通報システムなどの見守り4事業とヘルパー派遣の自立生活支援事業の利用件数は合計約3000人余で、一人暮らし高齢者全体の約14%に過ぎません。 自立生活支援及び食事サービスは、低所得者の利用促進へ、負担を軽減するとともに、民間利用型緊急通報システムの住民税非課税者は、港区と同様に無料とすることを求めます。また福祉電話の所得制限を緩和し、安否確認は、本人の必要に応じて回数を増やすべきです。 さらに、福祉会館などを利用した会食サービスの実施など、社会的孤立の解消へ、新たな事業展開も必要と思いますが、伺います。
 次に、高齢者のスポーツ会館・スポーツセンターなどの利用料有料化について伺います。区は、これまで高齢者団体や60歳以上を減免・無料としてきたスポーツセンター利用料やプール利用料などを、今年10月から全面有料化しました。この間、区内スポーツ団体や高齢者・区民から「江東区の良い制度を無くさないで」といった陳情や、有料化後でも、年金者の卓球クラブなどから「会費の大幅値上げなど、運営が大変」、プール利用の高齢者からも「無料に戻して欲しい」との声が上がっています。高齢者が積極的にスポーツに取り組み、健康な生活が送れるように、また医療・介護予防でも貢献するものとして、区が支援することこそ必要ではありませんか。
年金が減るなかでの増税と保険料負担増が続き、高齢者の生活が苦しくなっている時に、追い打ちをかけるような有料化は中止し、無料に戻すべきです。伺います。
 次は、高齢者の住宅対策の拡充についてです。
 我が党が最近行った「アンケート調査」では、公団在住の年金生活高齢者は、家賃の支払いで年金の大半が無くなり、都営住宅入居を申し込んでも何年も当たらず、生活困難の広がりが明かになっています。今年6月の高齢者住宅の空き家募集の倍率は101倍。同じ5月の大島地域の都営住宅の空き家募集では、1戸に564人が申し込むなど、高齢者や区民の公営住宅の入居要求は切実です。 区は、高齢者の生活実態や住宅要求をどう認識しているのか、伺います。
 区は、我が党の公営住宅建設を求める本会議質問で「都につくる方針が無いので困難」と答弁しています。このような姿勢では、切実な高齢者・区民の公営住宅要求に応えることはできません。 都に対して都営及び高齢者住宅の建設を強く求め、国の地域住宅交付金制度を活用した高齢者住宅の供給も含め、公営住宅の緊急整備計画を区民に示すべきです。伺います。
 直近の区政モニターでも、高齢期に一番必要なものとして「住みなれた地域で住み続けられる住まいや日常生活を支えるサービス」を求める人が、3人に1人以上の割合でトップです。年金月額が10万円前後のために「生活保護対象外」となる高齢者も少なくありません。家賃が重く生活困難な高齢者などには、家賃助成が必要です。 「家賃助成は国の仕事」などと傍観者的な区の姿勢では、逼迫した高齢者の生活支援はできません。緊急対策として、区が独自に家賃助成を行うよう強く求めます。伺います。
 四点目は、高齢者をめぐる医療制度について伺います。
 今年6月に成立した高齢者の医療制度は、医療費の自己負担が2倍から3倍に増え、長期療養の入院高齢者は、診療報酬見直しによる病院追い出しがマスコミで取り上げられるなど、深刻な事態となっています。2008年4月から始まる75歳以上の「後期高齢者医療制度」は、患者の窓口負担を1割とし、保険料は、介護保険料と合わせて年金から強制天引き、保険料滞納者は保険証が取上げられます。また医療費支出が増えれば、保険料を上げるか医療給付を制限する仕組みに加え、診療報酬を制限して「差別医療」を行うなど、許されるものではありません。
 区の見解を問うと同時に、国に対して、高齢者の医療費負担増や差別医療の中止を求めるべきではありませんか。都に対しても、高齢者医療への責任を明確にし、患者負担の軽減対策を求めるべきです。伺います。
また区として、高齢者入院見舞金や入院給食費補助を行うとともに、後期高齢者医療制度での保険料徴収や減免を取り扱う区の窓口業務では、滞納による制裁措置などは行わないなど、高齢者の実情に応じた親身な対応とすることを強く求めるものです。伺います。
 大綱2点目は、江東区のまちづくり対策について伺います。
一つは、ワンルームマンションの対策強化です。平成15年度に17物件・約1000戸だったワンルームマンションは、16年には44件2100戸に急増し、17年度では69件・4000戸近くに達しています。こうした中で分譲型ワンルームでは、投資目的のオーナーによる「賃貸し」「転売」など、管理面や地域コミュニティーづくりでも問題点が指摘されています。区内でも、8階建87戸の分譲ワンルーム建設をめぐり、近隣住民からは「所有者・入居者がバラバラで管理できるのか」「近隣とのトラブルが心配」「分譲ワンルームはやめて欲しい」と声が上がっています。 区は、ワンルームマンションの急増やこうした住民の声をどう受け止めるのか、伺います。
 昨年区は「江東区マンション等建設指導要綱」を改定し、管理人設置や自転車駐輪場設置など、ワンルームマンションへの対策を強めましたが、実際の管理体制や近隣コミュニティーがどうなっているのか、 対策強化を図るためにも実態調査の実施を求めます。
 千代田・文京区の「指導要綱」や新宿区の「ワンルームマンション条例」では、「全戸ワンルーム化」を認めず、一定のファミリー用戸数設置を定めて規制を強めています。 区の「指導要綱」を「条例化」し、全戸ワンルーム化を規制する条項を盛り込むべきです。併せて、ワンルームマンションの建設抑制へ、商業地域や近隣商業地域内での自転車駐輪場設置台数の緩和規定の廃止を求めます。伺います。
 次に、建築物等の解体工事に対する指導強化について伺います。
 6月の区議会本会議をはじめ、何度も解体工事問題を取り上げてきましたが、最近でもマンション等の建設に伴う解体工事での振動と騒音、さらにはアスベスト含有建材を含む粉塵被害をめぐり、近隣住民とのトラブルが後を断ちません。これまで我が党の住民説明会実施などの指導強化の求めに対し、区は、「口頭」による業者への要請で十分だとしてきましたが、説明会報告書の提出義務も無く、実態把握に努めていません。解体工事をめぐり、「工事前にまともな説明や説明会が無い」「振動・騒音・粉塵対策が不十分」という住民の苦情や怒りの声が多数となっているのです。 区は、このような住民の声を受け止めることができないのか、区が行っている要請では、まともな住民説明など行われていないではありませんか、答弁を求めます。
 すでに16区が、アスベストの除去を含む解体工事の「指導要綱」等を制定し、工事前の「標識設置」と「説明会の実施及び区への報告書提出」を義務づけ、紛争の未然防止や近隣住民の住環境の保全に取り組んでいるのです。 区として直ちに、アスベスト除去を含む解体工事の指導要綱制定を求めるものです。伺います。
 さらに大島地域の解体工事に伴う土壌汚染では、敷地面積が都の「環境確保条例」で定める3000㎡未満のために、区の指導管理が及ばず、近隣住民から対策強化の要求が強まっています。 敷地面積3000㎡未満の土壌汚染対策について、区が独自に指導管理できるよう「指導要綱」の整備を求めます。
 次ぎは、建築物の高さ制限について伺います。
 区内各地でマンション建設が続くなか、低層住宅街に隣接して高層マンションが建設され、風害や景観など住環境をめぐり、近隣住民との紛争が多発しています。23区内では高層マンション建設に対し、「絶対高さ制限」を設けて規制する動きが強まり、新宿区などの都心区を含め、9区が「絶対高さ制限」に乗り出しています。江戸川区が低層住宅地域を中心に高さ16メートルまで、また葛飾区では、住民合意のもとで帝釈天の参道区域を高さ10メートル以下にして景観保護に乗り出しています。石川県金沢市や京都市でも伝統ある歴史文化を大切にした町づくりが行われ、観光にも寄与しています。近年区内では、深川の寺町地域を代表する霊巌寺近隣で、高層ビジネスホテル建設に伴う紛争も起きています。 深川不動尊地域や江戸資料館通り地域、あるいは亀戸天神界隈などについては、住民合意を前提に、歴史ある町並みの景観保護を目的に「絶対高さ制限」の設置について、検討することを提案するものです。伺います。
 質問の最後は、都バス路線など交通対策の拡充について伺います。
 いま、亀戸や大島地域、東砂地域の住民からは、都バス路線の拡充とともに、公共施設や病院などを経由する循環バスの運行を求める声が高まっています。
 大島地域で年金で暮らす高齢者は、足のひざが悪く歩行が困難なために、亀戸9丁目の城東社会保険病院へタクシーで通院し、「シルバーパスが使えるバスがあれば助かります」との声が上がっています。また、亀戸東地域の住民からは、乗り換え無しで東陽町の区役所や新砂の高齢者医療センターなどに行ける循環バスを、区で運行して欲しいとの要望が切実です。さらに、番所橋通り沿いの住民からも、亀戸~葛西橋間の「亀24」都バス路線を、新砂の高齢者医療センターまで延長を求める要望が日増しに強っています。
亀24都バス路線の高齢者医療センターまでの延長とともに、亀戸地域など交通不便地域や高齢者の交通利便を図るためにも、循環バスの運行を区に求め、質問を終わります。

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