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2025年第1回定例会―赤羽目たみお議員

 日本共産党区議団を代表し大綱4点について質問します。

  1. 来度予算案と行財政改革について
  2. 防災対策について
  3. 大規模団地の建て替え問題等について
  4. 介護問題について

大綱の1番目は、来度予算案と行財政改革についてです。
 収まらない物価高騰、実質賃金の低迷、年金の目減り、医療・介護の負担増などによって深刻な生活苦が広がっています。私たち共産党が実施した暮らしのアンケートには1500通を超える回答があり「あらゆる生活必需品が値上げとなり、暮らしが立ち行かない」「人件費や原材料の高騰が経営を圧迫し、耐えられない」など切実な声が寄せられています。区長は、区民の暮らしの声をどう受け止めますか。伺います。
 暮らしが厳しさを増す中、国の来年度予算案は、医療費の高額療養費制度の自己負担上限額の引き上げなど、社会保障のさらなる改悪を進める一方、軍事費に8兆7千億円も充て大軍拡を行うと共に、半導体分野の企業に2兆円の支援など、財界・大企業を優先するものとなっています。
 今行うべきは、540兆円に及ぶ大企業の内部留保に課税して財源を作り、中小企業を直接支援し賃金を時給1500円以上に引き上げることや、富裕層・大企業への行き過ぎた減税や大軍拡等を見直しして、消費税減税、インボイス中止、社会保障充実、教育費負担の軽減等を行い、暮らしと営業を支え、格差をただす予算とするよう国に求めるべきです。伺います。
 本区の来年度予算案には、我が党が求めてきた物価高騰に対する支援や、補聴器支給事業の拡充、中小店舗の機械設備購入や店舗改修に助成など、一定の区民要求が盛り込まれたものの、防災を口実にした駅前再開発や、総工費690億円以上が見込まれる豪華庁舎の建設等、大型開発を推進する一方、全公共施設の使用料20%値上げや、区立幼稚園9園の廃園などを推し進めるとしており、区の予算案は開発優先で福祉削減と区民負担増を押し付けるものです。
 4月から飲料や建築資材など新たに1200品目以上の値上げが予定されている中で、公共施設使用料の20%値上げは断じて許されません。施設使用料の値上げは中止し、引き下げこそ行うべきです。伺います。
 区の役割は福祉の増進であり、区民生活を最優先にした予算とすべきです。
 中でも、中小企業支援は待ったなしの緊急課題です。円安と物価高騰などにより、経営が行き詰まり、コロナ禍を上回るペースで倒産件数は増加しています。特に、商店街は非常に厳しく、江東区で1・2を競う砂町銀座商店街や中の橋商店街では、耐えきれずシャッター―を下ろす店舗が相次いでいます。
 区は、事業継続支援を強めるべきです。事務所・店舗への家賃助成を実施するとともにリース料など固定費への補助を行うこと。さらに、商店街のキャッシュレス決済への補助実施を求めます。伺います。
 子育てにかかる費用負担も重くなっており、支援が求められています。品川区や葛飾区に続き、来年度から江戸川区や台東区などが学用品の無償化に踏み出し、墨田区や荒川区などは就学旅行の費用を無料にするとしています。他区にできて江東区にできない理由はありません。学用品や修学旅行等の無償化を実施すべきです。伺います。
 本区はこの5年間で500億円も基金を増やし、3月末時点の基金残高は過去最高2076億円を見込んでいます。区は、庁舎建設基金を創設し毎年35億円、10年間で350億円も新たに積み立てるとしていますが、690億円に及ぶ豪華庁舎でなく防災センターを継続使用して総工費を抑え、ランニングコストなど後年度負担を減らすよう再検討を求めます。
 区民からは悲鳴があがっています。予算を組み替え、暮らし応援型の財政運営に転換すべきです。伺います。
 次に、行革についてです。
 区は、園児減少等を理由に今年度一杯で亀戸第1幼稚園を廃止し、現在16園ある区立幼稚園を3年間で7園にする計画です。
 廃止対象となった区立園の保護者や関係者から「短期間に庁内で勝手に決めて廃園を押し付けることは乱暴すぎる」「共働きでも区立園に預けて働きたい、選択肢を狭めないでほしい」といった声が上がっています。
 区立幼稚園は50年以上にわたって地域に根差し、手厚い支援を必要とする子どもの受け皿として、大事な役割を担ってきました。
 園児が減ったからと言って廃園にするのではなく、公立・私立とも幼児教育の質の向上を図るため、あらゆる支援を行うべきです。特にニーズの高い3歳児保育は全ての区立園で実施すべきです。子育て支援に逆行する、区立幼稚園の廃園は中止するよう求めます。合わせて伺います。
 区は行財政改革と称して、区直営の公共施設の民間委託を推進しています。民間委託されたきっずクラブでは、職員の確保ができず撤退する事業者が相次いでいます。また、委託された塩浜保育園の委託費に占める人件費の割合は、区立直営が8割代に対し6割台と低調、低い処遇のため離職率は区立3%に比べ20%と高く職員の確保や定着が困難な状況となっています。
 財政効率を優先とした民間委託の推進は、不安定雇用や低賃金の労働者を増やし、区民サービスの低下を招いていることは明らかです。民間委託の拡大は中止すべきです。伺います。
 区は、正規職員を減らし続けてきた結果、人口千人当たりの職員数は23区中最下位です。
 来年度からの新たな定員適正化計画では、職員定数の上限はなくされたものの、技能系職員の退職不補充は継続する方針です。
 土木系技能職員はこの10年間で24名から12名に削減されたため、古石場親水公園のポンプ故障で浸水した際に駆けつける職員がいませんでした。道路の補修や消灯した街灯の交換が円滑に行われず、区民サービスが後退しています。また、災害時に現場に急行する職員がいなくなり防災上も危機管理上も問題です。
 技能系職員の退職不補充方針を撤回し、計画的に採用すべきです。伺います。

大綱2点目、防災対策について伺います。
 昨年12月、国は、能登半島地震の教訓や被災者が尊厳のある生活を送ることを目的に定められた国際的基準、所謂スフィア基準等を踏まえ「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取り組み指針」を改定しました。この指針は、避難所におけるトイレや入浴、食事、居住空間の確保などについて、具体的な基準を示したものであり、江東区としても、改定された指針を基に避難所の生活環境の改善に取り組むべきと考えますが、認識を伺います。
 指針では、避難所におけるトイレの数は、避難者20人に1基と示されています。本区の場合、想定避難者数13万人に対し6500基ほど仮設トイレが必要ですが、約500基しか備蓄がありません。私たちが視察した静岡市では、近年2度の大水害に襲われ、避難所でのトイレの不足が大きな問題になったと伺いました。
 区は、仮設トイレの備蓄の増強、トイレトレーラーの確保など平時から進めるべきと思いますが、見解を伺います。
 避難所における入浴支援についても指針に明記されており、シャワーや仮設風呂を避難者50人に1つ設け、男女別に提供するよう求めています。しかし、現状では区が備蓄している簡易風呂は4基にとどまっています。
 区は、災害時の入浴支援についてどのように考えているのでしょうか。民間企業等と協定を結ぶなど、備蓄の補強と施設確保の取り組みを強化すべきと考えますが、区の方針と今後の対応を伺います。
 指針では、避難所での食事の提供について、栄養バランスを考慮するなど、質の確保を求めています。区は、クラッカーやアルファ米を中心とした備蓄を行っていますが、江戸川区は、昨年9月、約700の事業者からなる「社団法人日本キッチンカー経営審議会」と協定を結び、避難所でキッチンカー等から温かい食事を提供する体制を整えました。江東区においても、関係事業者と協定を結び、質の高い食事の提供を確保すべきです。伺います。
 次に、福祉避難所についてです。
 高齢者や障がい者など災害弱者の避難先となる福祉避難所について、区は、災害時の情報伝達や人的支援、物資等の確保が課題としています。我が党が視察した京都市は、福祉避難所を300以上指定しており、福祉避難所の開設から撤収までに必要な情報を示したガイドラインをもとに、情報伝達手段として衛星携帯電話の確保等に努め、介護団体等と協定を結び人的・物的支援の体制を整備しています。また、市が直接避難の受け入れ可能施設を募集し、受け入れ可能施設とその施設を利用する対象者との間で調整が整ったところから、直接避難を実施しています。
 区は、京都市等の先進事例を参考にして、25指定している福祉避難所を少なくとも倍以上に整備するとともに福祉避難所への直接避難を導入すべきです。伺います。
 次に、住宅の耐震化についてです。
 区は、来年度、木造住宅の除却助成の増額や耐震改修計画の改定を予定しています。現行の計画では、来年度末までに耐震性が不十分な住宅を概ね解消するとしていますが、2万戸以上未耐震の住宅が残されています。
 住宅の耐震化を進める最大のカギは費用負担の軽減です。以前、耐震改修助成金を増額した際、耐震化が一定進んだ経過があります。また、人件費や建築資材等が高騰しており実情に見合った金額にする必要に迫られています。
 区は、木造住宅やマンションの耐震改修工事助成金を大幅に引き上げるべきです。伺います。

大綱3点目、大規模団地の建て替え問題等についてです。
 昨年12月URは、大島四丁目団地について、令和16年までに、3号棟から5号棟、約千戸を対象とした第Ⅰ期建替え計画にかかる説明会を入居者向けに行いました。しかし、引越しや建替えスケジュールなどの説明については具体性に乏しく、入居者から不安や戸惑いの声が上がっています。また、建替え後の家賃は近隣の家賃と同程度となり、現在8万円の家賃が15万円に引き上がるとの資料が提示され、入居者からは「建替えを契機に追い出すのか」と怒りの声があがっています。さらに、高齢の居住者は、「仮移転と戻り移転と二度の引越しは大きな負担」、「移転先次第では通院や介護サービスなど日々の暮らしに支障をきたす」。子育て世帯からは、「仮移転の際、子どもの学区域が変わるのか」などの声が寄せられています。建て替えに伴う引っ越しは暮らし全般に関わることから大混乱が生じています。住民に寄り添った対応が必要と考えますが、区の見解を伺います。
 入居者は大島四丁目団地に安心して住み続けたいと望んでいます。建替え後も建替え前と同じ家賃とすることや、家賃助成の実施、移転先を近くに確保する等、入居者の暮らしを最優先にし、住民合意を大前提とした計画とするようURに求めるべきです。また、区としても、お部屋さがしサポート事業の拡充、家賃補助などを行い、移転先を確保するとともに、移転先が今の学区域から外れても転校を不要とするなど、住民に伴走型の対応を図るべきと思いますが、伺います。
 大島4丁目団地周辺は、大規模水害時に約5m浸水し20日以上も水が引かない地域となっています。水害から区民の命を守るため、避難スペースの確保や防災倉庫の上層階への設置をURに求めるべきです。伺います。
 建替えにより創出される空地については、不足している特養ホームや障害者福祉施設などが整備できるようURと協議すべきと考えますが、伺います。
 大島四丁目団地以外にも古くなっている団地は複数あり、居住者から「自分たちの団地も建替えが始まるのか」など心配の声が上がっています。しかしURからは何の説明もありません。区内のUR団地建替え計画について、速やかに情報を発信するようURに求めるべきです。伺います。
 UR団地は区内に27団地、住戸総数は約1万6千戸あり、区民の重要な住居の受け皿となっています。しかし、生活難が広がるもとで家賃の高騰が続き、家賃が払えなくなり引っ越しを余儀なくされる方が増加しています。
 URに対し、家賃の値上げは行わないことや、都市再生機構法第25条4項に定められている「家賃の減免」規定を現在の入居者に適用するよう求めるべきです。伺います。
 民間の賃貸住宅でも高家賃が家計を直撃し、家賃のために食費や光熱費等、生活に欠かせない支出を節約せざるを得ない状況が広がっています。
 40代の若者は「家賃の支払いが将来への最大の不安要素。住居がないと生活基盤を維持できない。住宅支援を進めてほしい。」70代の区民からは「年金が増えない中で、家賃の負担が重すぎる」といった声が寄せられています。
 区民生活を支えるため、民間の賃貸住宅で暮らす低所得の若者や高齢者に対し、家賃補助を行うよう求めます。伺います。

大綱4点目は介護問題についてです。
 物価高と人材不足が深刻化する中、介護サービスの提供が困難であるとの声が多く寄せられています。特に昨年、訪問介護の報酬が削減されたことで、訪問介護事業者が相次いで倒産する等、介護崩壊が進んでいます。
 私たち共産党区議団には、「経営が厳しい」「介護が必要なのに受け入れ先がみつからない」「引き受けたくても職員不足」といった声が寄せられています。
 区は「報酬改定について介護現場から意見は届いていない」と冷たい答弁に終止していますが、実態に向き合い、介護崩壊を防ぐ取り組みを強化すべきではないですか。伺います。
 昨年12月、世田谷区は苦境に喘ぐ介護事業者を支えるため、区独自に給付金を支給、訪問介護事業所に対しては1事業所当たり88万円が支給され、現場から「助かった」という声が上がっています。江東区としても給付金を支給すべきです。伺います。
 今、介護保険の充実こそ必要です。しかし国は、保険料徴収年齢の引き下げ、利用料2割負担の対象者拡大、ケアプランの有料化、要介護1、2の保険はずしなど、全世代に負担を押し付け、必要な介護を奪う大改悪を狙っていることは許されません。
 介護の再生を求める有識者や団体は、公費負担割合を50%から60%に引き上げることを強く要求しています。
 介護保険改善のため、区内介護の現状を把握して、公費負担割合の引き上げと制度改悪中止を国に求めることこそ、住民に最も身近な自治体としての責務ではないですか、区の見解を伺います。
 次に、介護人材の確保についてです。
 公共財団法人介護労働安定センターの調査によると、7割近くの介護施設が慢性的に職員の不足を感じており、そのうち9割が「採用が困難である」と回答。区内でも「人手不足で利用者を断っている」「採用しても定着しない」といった声が上がっています。
 介護人材が確保できない要因は、全産業平均給与と比べ約5万円も低い給料と長時間労働など低賃金・低処遇です。
 外国人の登用や介護ロボットなどを活用して人材不足に対応するとしていますが、それでは事態の根本解決にはなりません。
 保険料が上がらないよう、介護報酬とは別枠で介護職員の処遇を改善するよう国に求めるべきです。伺います。
 区は、最大8万円の家賃補助行う宿舎借り上げ支援事業について、「事業の周知やヒアリングを行い利用勧奨に努める」と答弁してきましたが、十分な周知が行われていないため、事業を知らない事業者が多く残されています。
 事業者向け専用サイト・ケアクラブへの掲載回数を増やすことや、法人あてに事業の案内を発送するなどして、利用拡大を図るべきです。伺います。
 最後に介護保険料の滞納差し押さえ問題についてです。
 来年度から区は、介護保険料の収納率向上として、財産の調査や差し押さえを行うとしています。
 介護保険料滞納者2900人のうち約1100人は非課税世帯の方で滞納者の多くは低所得世帯です。そもそも介護保険は、保険料を滞納すると利用制限が課せられます。そこに加えて、差押えが行われれば、暮らしに深刻な影響を及ぼすことは明らかです。これまで差し押さえ実施してこなかったのも暮らしを壊す恐れがあるからではないですか、差押えの検討・実施は中止すべきです。区の答弁を求め、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

~~~~~~~~~~【答弁】~~~~~~~~~~~

 赤羽目たみお議員のご質問にお答えいたします。
 はじめに、来年度予算案と行財政改革についてのうち、区民の暮らしの声の受け止めについてですが、物価高騰の影響が区民生活にも及んでいる状況は認識しており、これまでも中小企業支援や高齢者・子育て世帯への支援など、様々な施策を展開してまいりました。7年度においても、国の交付金を活用した物価高騰対策を行うこととしており、今後も区民や区内中小企業等の声に耳を傾け、必要な施策に取り組んでまいります。
 次に、国の予算案についてですが、国の7年度予算案では、国民の生活を支える社会保障費が歳出全体の3分の1を占めており、社会保障費の財源ともなっている消費税減税などを本区から要望する考えはありません。
 次に、施設使用料の値上げ中止についてですが、人件費高騰などにより施設の維持管理経費が増加している状況等も踏まえれば、一定の受益者負担は必要と認識しており、6年度末で特例的措置を終了するという方針を変更する考えはありません。
 次に、区民生活を守る施策の拡充についてのうち、事務所等への家賃助成、固定費の補助については、既にエネルギー価格高騰対策補助金をはじめ、様々な支援策を実施しております。また、キャッシュレス決済については、キャッシュレス化を促すために端末機器導入に関する補助を実施しており、今後も継続する予定です。
 学用品や修学旅行等の無償化につきましては、本区では経済的に困難な世帯に対し実施している就学援助の対象としていること、また、学用品費については使用教材等の見直しにより、保護者負担の軽減にも取り組んでいることから、現時点では全ての世帯に対する無償化を導入する予定はございません。
 次に、暮らし応援型の財政運営への転換を図ることについてです。
 区では7年度予算において、物価高騰対策や高齢者・障害者施策、子育て支援の充実等に取り組み、その財源として基金を259億円取り崩すなど、区民生活を支える予算であると認識しており、組み替える考えはありません。
 次に、区立幼稚園の閉園についてです。
 「江東区立幼稚園の今後のあり方に関する基本方針」については、適正配置や今後の取組について、状況の変化や保護者のニーズなどにより、必要があれば見直すこととしておりますが、園児数の減少が見込まれるため、閉園をすべて中止することについては考えておりません。
 次に、民間委託の中止についてですが、本区では、健全な労働環境が確保されるよう、公共施設の設置者として、指定管理者を対象とした労働モニタリング等を実施しているところであり、今後とも、効果的・効率的な行政サービス提供のために、アウトソーシングの活用を図ってまいります。
 次に、技能系職員の計画的採用についてです。
 技能系職員の退職不補充方針を撤回すべきとのお尋ねですが、災害時の対応については、民間協力会社等との協力体制が構築されていることに加え、緊急時には土木部全体として対応する体制としていることから、定員適正化計画における技能系職員の退職不補充を見直す考えはありません。

 次に、防災対策についてのご質問のうち、改定された国の指針に基づき、避難所の生活環境の改善に取り組むことについてです。
 区では、能登半島地震の発生を受け、備蓄の質・量の充実など、迅速に取り組んでまいりました。また、今般の国の新たな指針を踏まえ、トイレの確保・管理、食事の質や生活空間・生活用水の確保など、避難所の生活環境の更なる改善に取り組んでおります。なお、令和7年度は、避難所管理運営マニュアルを見直し、必要な環境整備について検討していく考えです。
 次に、避難所におけるトイレ問題についでです。
 区では、地域防災計画上、発災当初は避難者約50人当たり1基、その後は約20人当たり1基の災害用トイレを東京都と連携して確保することとしており、これまで、仮設トイレに加え、避難所の洋式トイレの利用を想定した携帯トイレの備蓄やマンホールトイレの整備を進めてまいりました。
 なお、トイレトレーラーの導入については、能登半島地震の被災地において、水の補給や汚水の排水が難しいなど課題もあり、現時点では考えておりませんが、避難所管理運営マニュアルの改定を行う中で、更なるトイレの確保・管理のあり方について整理してまいります。
 次に、災害時の入浴支援についてですが、避難者の健康維持やストレス緩和などの点から、入浴機会の確保は重要であると認識しており、組立式のシャワー及び浴槽の備蓄を行っているほか、発災直後の衛生面の維持を図るため、今年度は防災用ウェットシート約 17万個を新たに備蓄いたしました。区では、国の指針を踏まえ、更なる入浴環境の整備に向け、現在、入浴設備を持つ事業所との連携を視野にヒアリングを開始しております。
 避難所における質の高い食事の提供につきましては、国の指針においてキッチンカーの活用が示されていることから、他の自治体の取組を参考に、キッチンカーの業界団体と協定締結に向けた協議を既に進めているところです。
 次に、福祉避難所についてです。
 まず、福祉避難所の整備についてですが、これまでも新たな協定の締結へ向けて福祉関連施設と意見交換や調整を行っており、福祉避難所の確保へ向けて取り組んでいるところです。
 また、直接避難については、受け入れ施設の状況などから、現時点では実施困難な状況にあるため、各施設と協定内容の見直しを行っていく際に、施設利用者等の直接避難のあり方についても検討してまいります。
 次に、住宅耐震化の促進についてです。
 木造住宅の耐震改修助成については、老朽化が著しいなど耐震改修が困難なケースが多いことから、まずは除却費用の助成上限額を増額し、費用負担の軽減を図ることといたしました。
 また、マンションの耐震改修助成については、合意形成や意欲醸成が課題であり、その支援に注力しているところです。
 今後も、人件費や建築資材等の高騰への対応を含め、耐震化率の向上に資する効果的な方策について、国や都、他自治体の状況を参考にしながら、研究してまいります。
 なお、その他のご質問につきましては、所管部長が答弁いたします。

 次に、大規模団地の建て替え問題などについてのうち、区民に寄り添った対応を行うことについてです。
 UR大島四丁目団地建替え計画については、現時点では建替え計画の初期段階であり、居住者への説明は概略的な説明となっているものと聞いております。
 区としては具体的な建替えスケジュールや引越し、家賃など計画がまとまり次第、入居者に対して丁寧な説明を行い、理解を得るよう求めているところです。
 また、建替え後の家賃については、URは法律を基にした算出方法により家賃を設定するため、URに対し、家賃に関する働きかけや、入居者への家賃補助は考えておりません。
 移転先についても、URは、通院や通学先を含めた団地居住者の現状や希望を調査し、近隣のUR団地のあっせんなど居住者ニーズに寄り添った対応を行う方針であり、区として移転先の確保を行う考えはありません。
 区としては、移転に伴う入居者への周知や分かりやすい説明が必要であると認識しており、URに対して、伴走型の対応をするよう求めているところです。
 次に、水害対策として避難スペースの確保や防災倉庫を上層階に設置することについてですが、江東区浸水対応型まちづくりビジョンに基づき、避難デッキ等の地域住民のための避難スペースや、備蓄倉庫の上層階設置を求めており、また、マンション建設条例により、入居者避難のための集会所を3階相当の高さ以上に設置するなど水害時対応を指導しているところです。
 次に、建替えにより創出される空地活用をURと協議することについてです。
 団地の建替えは現段階では概略的な計画であり、新たな空地の有無については承知しておりませんが、福祉施設などについては周辺地域の人口動態や区民ニーズを総合的に勘案し、必要性について検討してまいります。
 次に、区内のUR団地の建替え計画を区民に発信するようURに求めることについてですが、平成年にUR賃貸30住宅ストック活用・再生の方針が示されているものの、現段階において大島四丁目以外の大規模団地では具体的に確定した計画はないとのことですが、区としては、計画確定後の速やかな情報発信を求めているところです。
 次に、URに対し家賃の値上げは行わないこと等を求めることについてですが、URは家賃の設定を含め、公的機関として法律に基づき政策的に賃貸住宅を運営していることから、家賃引き上げを行わないよう求めることは考えておりません。
 次に、民間賃貸住宅居住者への家賃補助の実施についてです。
 区では低所得の区民に対しては、区営住宅の整備・運営や都営住宅の申し込み案内を行っているほか、住宅確保に特に配慮を要する高齢者等へのお部屋さがしサポートによる入居支援や、賃貸借契約の契約金の一部助成を行っております。
 そのため、現段階で区からの家賃補助を行う考えはありませんが、引き続きお困りの区民に寄り添い、住宅確保に向けて取り組んでまいります。

 次に、介護問題についてのご質問にお答えいたします。
 まず、介護崩壊を防ぐ取り組みの強化についてですが、本区における訪問介護事業所の状況は、令和6年4月と令和7年1月現在で事業所数を比較すると、4事業所増えている状況であります。
 介護事業者への支援としては、介護事業者が負担と感じている人材確保、定着支援について、採用活動費補助や資格取得助成、職員研修等を行うなど、区民に安定的な介護サービスが提供し続けられるよう努めております。今後も後期高齢者の人口増加に伴い介護サービスの需要も増加が見込まれるため、引き続き介護事業者との意見交換を行い、よりよい介護サービスの運営が可能となるよう努めてまいります。
 また、江東区としての給付金支給については、物価高騰に対する緊急的な支援として、都と連携してすべての介護事業者を対象とした補助金支給を実施しており、現在のところ区独自の給付金を支給する考えはありません。なお、報酬減を補う支給については、国が実態把握を行ったうえで対応するものと認識しております。
 次に、公費負担割合の引き上げと制度改正中止を国に求めることについてですが、区が実施した在宅介護実態調査の結果を踏まえ、国に対する介護保険料の抑制や、負担割合の引き上げなども含め、介護保険制度の充実について、全国市長会、特別区長会を通じて、毎年、国へ要望しているところであります。
 次に介護人材の確保についてです。介護職員の処遇等の改善について、国は、令和7年2月7日に令和6年度介護人材確保・職場環境改善事業等の実施について各都道府県に通知しました。この事業は、国が介護事業者に対し、人材募集や研修などの職場環境改善経費と人件費の改善に充てる手当など、12月に遡って補助する事業です。本区としましては、この事業の周知に努めるとともに、引き続き国の動向を注視してまいります。
 また、宿舎借り上げ支援事業につきましては、住宅費負担の軽減等を目的に、都が対象としない事業所を区がカバーする形で家賃補助を実施しており、周知につきましては、専用サイトおよび区ホームページへの掲載に加え、介護事業者団体に周知協力を依頼するなど、周知強化を図っているところです。今後も事業周知に努めるとともに、事業者のニーズに応じた支援策を研究してまいります。
次に介護保険料の滞納差し押さえ問題についてですが、保険料を2年間滞納すると時効となり、時効となった保険料は納められなくなります。その結果、滞納期間に応じて、介護保険サービス利用時の利用料が1割負担から3割負担になるなどの給付制限が発生することから、不利益を受けることのないようお知らせをするとともに、滞納者へ保険料の督促を行っているところです。
 なお、低所得世帯の方には、分納相談を実施するなど、区民に寄り添った対応をしてまいりますが、庁内に設置している区税等収納対策本部会議にて、昨年度決定した方針を受け、高額所得の方には、財産調査等を実施し、滞納処分を実施してまいります。

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