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2022年第1回定例会―赤羽目民雄議員

日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点について質問します。

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について
  2. 来年度予算とくらしを守る施策について
  3. まちづくりについて

大綱1点目、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 都内の新規感染者は1万人を超える日が続いています。区内では、2月18日時点で、入院317名、宿泊療養182名、自宅療養3305名となっています。
厚生労働省アドバイザリーボードが発表した直近の報告書では、療養者数、重症者数、死亡者数は増え続けており、特に死亡者数は過去最悪を更新し、救急搬送困難事案がコロナ前の5倍に達するなど、コロナ危機が始まって以来一番深刻な状況です。
 国の対応は後手に回り、ワクチンの3回目接種は2月20日時点で全国民の約14%と遅れています。PCR等検査を受けられず多くの人が苦しんでいる中で、検査能力の引き上げ目標すら持とうともしません。
 全国知事会は緊急提言を発表し、感染拡大の早期抑制に向けたコロナ対策の全体像を示すよう国に要請しています。区としても国に対し、ワクチン、検査、医療、暮らしの問題への戦略的な方策のパッケージを示して対策を進めすよう求めるべきです。伺います。

ワクチンの加速化と検査の拡充が求められています。
 2月21日時点の区内高齢者の3回目ワクチン接種は45.9%、区民全体では20.6%となっています。
 高齢者の集団接種については、日時・会場が指定されましたが、2回目の接種から8か月後の日時で指定さているため、予約を変更しなければ3月一杯までかかってしまいます。できるだけ早く接種してもらう取り組みが重要と考えますが、区の見解を伺います。
 また、ワクチン接種を加速するために、自宅で寝たきりの高齢者等に訪問接種を行うこと、ワクチンバスを区内の商業施設に巡回させること、駅直結の接種会場の設置や夜間接種を行うべきと思いますが、区の考えを伺います。
 2月21日から、5歳から11歳のワクチン予約が始まりました。区の保護者アンケートでは、対象者の3割が早期接種を希望し、5割が検討中と答えています。しかし、当面は、全体の2割分しかワクチンが確保されていません。ワクチンの安定供給を国に求めるべきです。また、ワクチンに不安と保護者の9割が回答しています。
 安全性、副反応などについて十分な情報提供を行うべきと考えますが、区の見解を伺います。

次に検査についてです。
 区は、第5波の時、保健所の人手が足りなくなりPCR検査センターを運営できない事態となったことから、昨年12月に補正予算を組み、PCR検査センターを民間委託すると共に、検査車両を活用したPCR検査を実施して、機動的に検査を行うとしていました。しかし、ようやく稼働したのは2月14日です。
 予算をつけておきながら、感染爆発の必要な時に、なぜ活用しなかったのですか、伺います。
 スピード感を持って検査を行うべきです。
 感染拡大を防ぐため、無症状の人を含め幅広く検査を行い陽性患者を早期に見つけ保護することが重要です。無症状者も対象に加え、広く検査を行い感染拡大を抑止すべきです。伺います。

 オミクロン株は感染力が強く、子どもの間でも感染を広げています。区内の保育所219施設の内、1月中に118園が休園、学校では学級閉鎖が相次いでいます。保護者や職員から「オンライン授業では子どもが集中できない」「クラスで感染があっても検査がされない」「何度も休園となって、仕事を休めない」といった声が寄せられています。
 わが党は、学校や保育園で定期的に検査を行い感染拡大を防ぐよう求めてきました。この度、東京都は、学校職員を対象に週1回の定期的検査の実施や保育園・学校のクラス内で感染者が複数出た場合、クラス全員を検査する際に補助するとしています。区はこれまで、「国や都の動向を注視して対応していく」と答弁してきました。都の事業を積極的に活用して検査を行うべきです。伺います。
 次に、保育の現場から「家族の罹患や濃厚接触などで出勤できない保育士が増え、園運営が大変厳しい」という声が寄せられています。保育は蜜が避けられず、遊具の消毒など業務量の増加で職員は疲弊しています、区は、第5波の時、感染拡大を防ぐために、登園自粛を保護者に要請しました。今、5波以上に感染が広がっています。登園自粛の要請を検討すべきです。
 また、保育園の休園や学校の休校などで仕事を休まざるを得ない保護者を支援する「小学校休業等対応助成金」を周知すべきです。伺います。
 医療現場で働く保護者から「保育園が休園になったが職場の人手が足りずどうしても休めない」といった声が寄せられています。
 国は、新型コロナの影響で保育園が休園となった子どもを他の施設で預かる「代替保育」の支援策を発表しました。国の支援策を活用して代替保育を実施することや、都のベビーシッター利用制度を活用すべきと考えますが、区の見解を伺います。
 政府のコロナ対策分科会は、改めて3蜜を避ける基本的とりくみの強化を求めています。文部科学省は2月4日、全国の教育委員会に「学校における感染対策の徹底について」通知を出し、喚気の重要性を訴え、喚気状態の目安となる二酸化炭素濃度測定機の設置を推奨しています。区は、二酸化炭素濃度測定器の設置は学校の判断としていますが、学校任せとせず区の責任ですべての教室に設置するとともに、蜜が避けられない保育所にも設置すべきです。伺います。

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【綾部健康部次長の答弁】
 新型コロナウイルス感染症対策についてのご質問にお答えいたします。
 まず、政府の対応についてです。
 国は、専門家会議による提言や地方自治体からの意見などを踏まえて対応を決定しており、各方面から総合的な対策がとられているものと認識しております。区としては、今後も国の動向を注視してまいります。
 次に、ワクチン接種についてです。
 まず、高齢者の接種についてですが、本区は、高齢者施設入所者への接種を、昨年12月から全国に先駆けて開始いたしました。一般の高齢者につきましても、接種間隔を6か月に短縮し、接種券の前倒し発送と予約相談窓口の開設により、円滑な予約環境を整備しております。また、会場・日時指定の方については、区報や掲示板等で、予約変更により早期に接種できる旨周知するなど、高齢者の接種の促進に努めており、2月21日現在の接種率は、46%となっております。
 次に、巡回接種についてですが、既に、重度の障害のある方が通所する施設を早期に巡回できるように検討を進めております。なお、家庭訪問型の巡回接種やワクチンバス、駅直結の接種会場や夜間接種についても、1・2回目と同様に必要な対応であり、接種の進捗状況や感染状況などを踏まえて、実施時期を検討しているところです。
 次に、小児用ワクチンの供給についてですが、4月に十分な量のワクチンが供給される見込みですが、3月は約6千人分に止まるため、国に対し、優先接種の方針を示すように求めております。
 また、保護者のための小児用ワクチンの情報につきましても、先般実施したLINEによるアンケートの調査結果を踏まえて、国に対し、更なる情報提供やメッセージの発信を求めているところです。
 次に、検査体制についてです。
 PCR検査の委託については、感染拡大の兆しが見え始めた1月当初から準備を始め、医療従事者の確保ができた2月14日から開始しております。現在、週3回の実施ですが、感染状況に応じて柔軟に対応してまいります。なお、委託開始までの対応ですが、必要な検査については、医療機関に個別に依頼しており、検査体制を確保しているものと認識しております。
 また、区で行うPCR検査は、症状のある方や濃厚接触者を対象に実施しており、無症状の方の検査については、東京都の検査無料化事業により区内で無料検査を実施している13か所の薬局等をご案内しております。
 次に、学校や保育園での抗原検査の実施につきましては、今般東京都が実施する抗原定性検査による定期的検査の対象に学校や保育施設等が加えられたことから、各施設の判断で同検査を活用できるよう周知しております。
 次に、学校や保育園等の感染拡大防止対策についてです。
 まず、登園自粛要請についてですが、保育園は、社会的機能維持のために、事業継続が求められている施設であり、保護者からも、できる限り休園期間を短くし、早期の再開を求めるご意見を多くいただいていることから、現段階で登園自粛を要請することは考えておりません。
 次に、小学校休業等対応助成金の周知につきましては、国からの通知に基づいて、すでに各施設を通じて、周知しております。
 次に、代替保育についてですが、保育園が休園となった場合には、感染拡大防止及び安全な保育に万全を期すため、原則、自宅での保育をお願いしております。その上で、できる限り短期間で濃厚接触者を特定し、休園期間の短縮又は段階的な保育の再開を行っており、現時点において都のベビーシッター利用支援事業や国が示す代替施設を活用する予定はございません。
 次に、二酸化炭素濃度測定器についてですが、区のガイドラインにおいて、換気の目安として用いることを検討するよう示しており、配当予算による全教室への設置状況も把握しておりますが、学校では常時換気が定着していることから、一律に設置する考えはありません。また保育園では、国の補助金を活用し、施設ニーズに応じた対策物品の購入がなされております。(答弁終わり)

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大綱2点目は、来年度予算とくらしを守る施策についてです。

 コロナ禍のもと、経済・雇用状況は悪化しています。非正規労働者は職場や住まいさえも追いやられ、中小企業者も倒産・廃業が相次いでいます。今、くらしと営業守ることが強く求められています。
 来年度の国の予算は、コロナに苦しむ方や中小企業への支援はほとんどありません。社会保障は診療報酬の引下げ、75歳以上の医療費倍化を行うとしています。一方、軍事費は10年連続増額の5兆円が計上されています。くらしに冷たく危険な予算では、国民のくらしや中小企業の営業を守ることはできません。
 国に対し、軍事費を削って社会保障や中小企業支援にまわし、命くらしを守る予算とするように求めるべきです、伺います。
 次に区の来年度予算案についてです。
 来年度の一般会計は2284億円余で、前年度比で113億円、5.2%の増となっています。
 予算案には、わが党が求めていた認可保育所の増設や障害者入所施設の整備、まなびサポート事業の拡充、胃がん検診の充実など、一定の区民要求が盛り込まれたものの、区立保育園やきっずクラブ、学校用務などの民間委託、国民健康保険料の引き上げなど、福祉を削り、区民負担増を行うとしています。また、コロナ対策もほとんどがワクチン接種のための経費と今年度補正予算で対応したもので、新しい支援策はなく、くらしを守る予算とはいえません。
 区は、予算編成方針で「税収の減収が懸念される」としていましたが、区税収入は今年度と比べ15億円余の増収を見込んでおり、特別区交付金も、35億余の増額を見込んでいます。また、区の基金は毎年膨らみ、今年度末時点の基金総額は1642億円の見通しとなっています。
 基金の一部を活用するなどして、コロナで苦しむ区民や、中小企業の生活を守る予算とすべきです。伺います。
 以下具体的に提案します。
 まずコロナ対策です。国は困窮者支援として、非課税世帯や子育て世帯に10万円給付しましたが、単身で給与所得が100万円以上の人は課税世帯となり、給付の対象から外されるなど、困窮者支援は不足しています。足立区では、世帯所得が200万以下の課税世帯、5万9000世帯を対象に加えて現金給付を行うとしています。江東区としても世帯所得200万以下の世帯に現金給付を行うなど経済的支援を強化するよう求めます。伺います。

 次に、中小企業支援についてです。東砂の美容店は、「客足が遠のき、売り上げはコロナ前の10分の1、国の支援金をもらっても家賃に消えてしまい、もう耐えられない」と悲鳴を上げています。区内でも閉店・廃業が増加しており、事業継続への支援が求められます。
 家賃支援給付金の再支給やリース料など固定費にも補助を行うこと、生鮮3品小売店支援事業の対象店舗の拡大、住宅リフォーム助成制度の創設を求めます。また国に対し、事業復活支援金の増額と手続きの簡素化、迅速な支給を求めるとともに3月末までとなっている雇用調整助成金の延長を要求すべきです。合わせて伺います。

 次に、子育て支援についてです。長引くコロナ禍や、物価の値上がりは子育て世帯に大打撃を与えており、経済的支援の拡充が必要です。東京都は18歳までの医療費を無償化する方向を示しています。都の動きを待たず江東区でも、18歳まで医療費無料化に取り組むとともに、就学援助の拡充、返済不要の「給付型奨学金制度」を創設する等、子育て世帯の家計負担を軽減すべきです。伺います。

 次に、障害者支援ついてです。現在整備中の障害者入所施設は、制度上2・3年で退所となることから、その後の受け皿となるグループホームの整備を急ぐべきです。さらに失語症者の社会復帰と家族を支援するため、失語症への理解促進と支援者派遣事業を実施すべきです。合わせて伺います。

 防災対策については、激甚化する自然災害から命を守る取り組み強化が求められます。昨年度作成し全世帯に配布したハザードマップを活用して住民説明会を開催することや区内各所に海抜表示板を設置するなど、防災意識の向上を図るとともに、災害時に置き去りにしないために福祉避難所の整備や木造住宅の部分耐震助成、感震ブレーカーの設置補助を行うよう求めます。伺います。

 昨年区はゼロカーボンシティ宣言を行い、取り組みを進めるとしていますが、環境検定の実施などだけでは不十分です。CO2削減目標を引き上げるとともに公共施設に小型風力発電や太陽光パネルを設置しネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを積極的に進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 次に、ジェンダー平等社会の実現に向けた取り組みについてです。
 東京都は、来年度予算で同性パートナーシップ制度の導入を進める関係予算を計上しました。23区内でも10区に拡大されています。
 江東区でも同性パートナーシップ制度やファミリーシップ制度を導入するとともに、公共施設に生理用品を配置するなど、取り組みを進めるよう求めます。伺います。
 次に、民間委託の中止についてです。
 来年度区は辰巳第2保育園を民間に委託するとしています。
 保育園は、こどもが安心して過ごせる場の確保や保育の質の向上などが求められています。しかし、これまでに民営化した亀高保育園などでは職員が一斉退職してしまい、保護者から不安の声が上がっています。保育の質を確保するため、辰巳第2保育園の民間委託は見直すべきです。
 また、保健所で行っている食品添加物の検査や、六価クロムなどの汚染土壌の水質検査などについて、区は、検査機器の維持管理に経費がかかり、検査数も少ないことを理由に民間委託するとしています。
 しかし、検査の委託は緊急時の対応を困難にし、保健所体制を弱めるものです。検査業務の民間委託は中止すべきです。伺います。

 次に、区民負担増についてです。来年度の国民健康保険料について、都は、今年度と比べ1人当たり9691円も値上げとなる算定結果を発表しました。これは、運営主体が都に変わってから最大の値上げ幅です。国保料は毎年値上げされ加入世帯の4割が滞納せざるを得ない事態となっています。加入者の多くは非正規雇用の労働者や個人事業主で、コロナ禍のもと、厳しいくらしを強いられており、さらなる負担増は許されません。
 国民健康保険料の値上げは撤回し、一般財源を投入して引下げるべきです。伺います。
 また、施設使用料の値上げは据え置き措置の延長ではなく中止するよう要望します。

【区長の答弁】
 赤羽目民雄議員のご質問にお答えします。はじめに、来年度予算とくらしを守る施策についてのお尋ねであります。
 まず、国の来年度予算案についてです。国に対し、国の予算をくらしを守る予算とするよう要望すべきとのお尋ねですが、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期しつつ、「成長と分配の好循環」による「新しい資本主義」の実現を図る予算として、感染拡大防止策のほか社会保障関係費の拡充等、くらしを守る予算となっているものと認識しており、本区から要望する考えはありません。
 次に、区の来年度予算案について、基金を活用し、区民の暮らしを守る予算とすべきとのお尋ねですが、四年度は過去最大の百二十億円余を財政調整基金から繰入れ、施策の充実を図っており、区民の暮らしを守る予算と認識しております。
 次に、くらしを守る施策についてのうち、低所得者への現金給付についてですが、区では、住民税非課税世帯等への給付金や生活困窮者自立支援金などの支給業務を着実に進めており、区独自の財源による低所得者への現金給付を実施する考えはありません。
 中小企業支援についてですが、持続化支援家賃給付金に関して、対象の拡充も含めた再実施や、生鮮三品小売店支援事業の対象拡大及び住宅リフォーム助成については、現在のところ実施する考えはありません。また、国の事業復活支援金及び雇用調整助成金については、国で適切に実施されるものと認識しており、本区から要望する考えはありません。
 子育て支援についてですが、18歳までの医療費無償化については、財源確保が課題であり、今後、都区の協議を注視してまいります。また、給付型奨学金については、国や都の就学支援金等の授業料負担を軽減する制度等を引き続き周知し、就学援助については、新型コロナの影響による収入減少にも対応しているため、対象者等の拡充を行う考えはありません。
 障害者支援についてですが、障害者入所施設については、地域への移行後も安心して生活ができるよう、グループホームの整備や相談支援体制強化など、地域で支える体制をさらに充実してまいります。また、失語症者の支援については、理解や配慮を求める区報掲載を行っているほか、支援者養成の状況や派遣事業の先行事例等を調査研究してまいります。
 防災対策についてですが、これまで同様に防災講話等によるハザードマップの説明を行うとともに、公共施設等への海抜標示板などの設置の可能性を検討してまいります。また、福祉避難所ついては、現在国のガイドラインに基づき検討するとともに、木造住宅への耐震助成については、区の耐震改修促進計画に基づき実施しております。なお、感震ブレーカーの設置補助を行う予定はありません。
 環境施策についてですが、CO2削減目標の引き上げは、既に本区の環境審議会より答申を得ており、次期計画の中で検討してまいります。また小型風力発電の設置は、騒音や振動被害の恐れもあることから困難であり、電力確保の方法は他施策で検討しております。さらに、太陽光パネルの設置は、公共施設の改築等の機会を捉え検討してまいります。
 ジェンダー社会の実現についてですが、同性パートナーシップ制度の導入については、今後の東京都の詳細な制度設計やパブリックコメントを踏まえ、対応を検討してまいります。また、公共施設への生理用品の設置については、配布対象者を限定して実施すべきと考えますので、すべての施設に設置する考えはありません。
 次に、民間委託についてですが、保育園については、利用者アンケートや第三者評価において高い評価を得ており、多様な保育サービスの提供と効率的な施設運営がなされていることから、今後も民営化を推進してまいります。
 また、食品添加物などの検査の民間委託については、現在の検査機器の保守・賃借料、稼働率等を考慮して行うものであり、委託後についても引き続き、精度管理の徹底や緊急時の対応体制を維持し、区民の安全を確保してまいります。
 次に、区民負担増についてですが、4年度の国民健康保険料は、医療費の増加などにより、保険料の上昇が求められる状況でありましたが、特別区長会では、コロナ禍において、保険料の特例的な抑制が必要であるとの認識に立ち、特別区全体での一般財源の繰入れを106億円増額し、一人あたりの保険料を本来より、5千821円引き下げる決定を行ったところであり、区民の負担軽減を図っております。
 なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。(答弁終わり)

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大綱3点目、まちづくりについて質問します。

 まず、都市計画マスタープランについて伺います。
 現在策定中の江東区都市計画マスタープランでは、住宅マスタープランを統合し住宅政策と連携した総合的な施策を展開するとしています。しかし、統合することによって、区民の暮らしを中心とした住宅政策が後退・縮小してしまいます。それは、これまでの住宅マスタープランが163ページにわたって展開されてきたのに対し、今回13ページに圧縮されていることからも明らかです。
 住宅は区民生活の基礎であり、町づくりの要です。住宅マスタープランを個別計画として策定し、都市計画マスタープランと連携すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 本マスタープランは「地下鉄8号線延伸」「未来の臨海部」「浸水対応型」のまちづくりという巨大開発プロジェクトが重点戦略に据えられ、また、拠点や核の形成に市街地再開発等を行う大規模プロジェクト優先のまちづくりとなっています。
 大規模開発優先のまちづくりは、将来の人口減少や高齢化社会が進む中、市街地再開発事業において、保留床の処分が進まず、区の財政支出が必要となるなど、莫大な財政負担となりかねません。
 0メートル地帯を抱える江東区では、水害から命とくらしを守るまちづくりが求められており、3つの重点戦略として並べるのではなく「浸水対応型」を最優先にすべきと考えますが、見解を伺います。

 江東区が進める「浸水対応型」のまちづくりは、建物を整備する際に電気室や備蓄倉庫などを予想される浸水の高さ以上に設置するとともに、一時的な避難スペースとなるデッキ等を建物に設置し、大規模開発や住宅団地の建て替えなどの際にビルどうしをデッキでつないでいくというものです。
 こうした再開発は多大な年月がかかり、環境への負荷が多く、また、新たな大規模開発が誘導され、甚大な鉄とエネルギーを投入することになり、マクロ的な視点から見ると異常気象を招き、さらなる浸水リスクを高めることにつながります。区の見解を伺います。
 大規模開発が優先され、人員や予算が集中的に投入されると、周辺地域の身近なまちづくりが遅れかねません。
 今、必要なのは、コロナ禍のもとで明らかになった身近な地域で安全・安心・快適な居場所づくりであり、住宅、医療、福祉、健康等にかかわる身近な施設整備を充実させ、地域住民のよりどころとなるコミュニティ拠点を核としたまちづくりを進めるべきではありませんか、伺います。

 次に橋梁の改修工事についてです。
 区はコロナの影響で、今後4年間で160億円減収が生じるとして、老朽化した緑橋や東富橋などの改修工事を先送りしました。
 しかし、前年度比で特別区交付金や区税等は増収、国・都支出金は増額となっており、老朽化している橋梁の架け替えや改修を先送りする理由はありません。工事を着工するよう求めます。伺います。
 私の地元、千石町と東陽町の間にかかる豊住橋は、危険な太鼓橋で交通事故も多発しています。地域住民からも早期改修が求められていますが、工事は一向に進んでいません。ほかにも、清州橋通りの岩井橋は5年以上、枝川一丁目の白鷺橋は10年以上工事が行われていますが、いまだに終わりません。なぜ、工事が進まないのか、区として強く求めるべきです。伺います。
 次に、歩道橋が設置されている交差点の改良についてです。
 越中島通りと清澄通りの交差点、及び塩浜通りと三つ目通り交差点については歩道橋のみで横断歩道が設置されていません。
 地域の高齢者や障害者、そのご家族、幼い子どもを育てる保護者から「足が悪くて上り下りが大変」「車いすでは歩道橋を渡れない」「ベビーカーを押して渡りづらい」「大きく迂回しないと反対側に行かれないので、とても不便」との声が寄せられています。横断歩道を設置するよう関係機関に求めるべきです。
 区の見解を伺い、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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【杉田土木部長の答弁】
 次に、まちづくりについてお答えします。
 まず、江東区都市計画マスタープラン(案)についてのうち、住宅マスタープランの統合についてでありますが、住宅施策と都市計画の多様な部門とを連携させ、総合的な施策展開を図るため、両プランを統合したところであります。
 本区には多くの民間共同住宅や公的賃貸住宅が存在し、その住宅施策の展開にあたっては、防災・環境などのテーマ別のまちづくり方針と関連する事項も多くあることから、両プランの統合により、多角的な視野に立った施策展開と、実効性の向上が図られると考えております。
 次に、大規模プロジェクト優先のまちづくりについてであります。今回の都市計画マスタープランでは、早期の実現に向けて取組むべき重点戦略として、「地下鉄8号線延伸のまちづくり」「未来の臨海部のまちづくり」「浸水対応型のまちづくり」を位置付けております。
 ご指摘の「浸水対応型のまちづくり」は、頻発・激甚化する水害への対策が喫緊の課題である中、洪水ハザードマップで3メートル以上の浸水が想定される城東地域において、国土交通省の「災害に強い首都『東京』形成ビジョン」を踏まえ、浸水リスクに対応するまちづくりを進めていくもので、本区の取り組むべき重要な施策の一つと考えております。
 また、「浸水対応型のまちづくり」は、大規模開発や建て替えなどを契機として浸水対応型建築物の整備を誘導し、それを面的に広げて垂直避難ゾーンの形成を目指すものであり、浸水リスクの増大ではなく軽減につながる、災害に強いまちづくりを推進する取組みと認識しております。
 次に、身近な地域のまちづくりについてであります。都市計画マスタープラン地区別まちづくり方針では、駅周辺を中心とする各拠点のまちづくりや、防災・環境などのテーマ別まちづくりを土台として、地域住民等が主体となったエリアまちづくりを位置付けております。
 このエリアまちづくりでは、地域の魅力増進、課題解決に向けた協働のまちづくりに取り組むことにより、地域住民等の要望・意見等を踏まえたまちづくりが展開でき、満足度の高いコミュニティ形成につながるものと認識しております。
 次に、橋梁の改修についてのうち、区道橋の改修工事についてであります。
 橋梁の改修事業は、橋梁点検の結果により、江東区橋梁長寿命化修繕計画を策定し、計画的に架替え及び改修等の工事を実施して参りました。
 コロナ禍の影響を鑑み、長期計画全体を見直す中で、橋梁の改修計画も変更いたしましたが、本区の管理橋梁、全81橋については、耐震補強の一環として、落橋防止装置の設置を完了しております。
 今後とも定期的な点検により、現橋の破損・劣化状況を充分に把握した上で、工事の優先順位を検討してまいります。
 次に、都道橋の改修工事についてであります。まず、豊住橋については、再三に渡る入札の不調に続き、今年度、改めて設計内容を見直しましたが、発注には至っていないと聞いております。区としても太鼓橋の解消は喫緊の課題と捉えております。
 また、岩井橋と白鷺橋については、工事着手後、設計の見直しや都の財政状況悪化による工事中断がありました。工事が長期化することは、区民に対してもご不便をかけることは十分承知しており、今後も都道橋工事の早期着手及び完了を、強く働きかけてまいります。
 次に、歩道橋が設置されている交差点の改良についてであります。
 交差点の改良には、そこを通過する様々な人への影響を考慮する必要があります。
 交通管理者である深川警察署によると、ご指摘の箇所の現状では、歩道橋の階段や橋脚が、運転者、歩行者双方の視認性を妨げることから、横断歩道の設置はできないとのことであります。
 なお、この2橋の管理者である東京都は、現在、歩道橋を撤去する計画はないとの見解であり、区としても、横断歩道設置を求める考えはありません。(答弁終わり)

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