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2017年第1回定例会―赤羽目たみお議員

 日本共産党江東区議団を代表し、大綱3点について質問します。

    • 子育て支援について
    • 介護保険制度について
    • 国民健康保険など医療保険制度の問題について

     まず、大綱1点目、子育て支援について伺います。
     先日、区内のひとり親家庭の保護者から、「夜間や休日もこどもを家に残し働いて、年収は約300万円。生活はぎりぎりで、こどもと向き合う時間がとれない」という声が寄せられました。
     現在、こどもの6人に1人、ひとり親家庭では2人に1人が貧困状態に置かれており、ひとり親家庭に対する支援策の拡充が必要です。
     昨年、国は、児童扶養手当法の一部を改定し、多子加算を増額しました。しかし、こどもが1人の家庭への手当は増額されなかったため、本区でもひとり親家庭の6割に当たる約1,800世帯は増額されませんでした。
     そもそも、児童扶養手当を受給できる所得基準が厳しく、こどもが1人の場合、年間所得が約230万円を超えると一切支給されません。さらに、手当の支給は、4カ月分まとめて年3回の支給となっており、家計のやりくりが大変という声が上がっています。
     区長は国に対し、こどもが1人の家庭に対する支給額の引き上げや厳しい所得基準の見直し、年3回の分割支給から毎月支給への変更など、児童扶養手当のさらなる改善を求めるべきです。伺います。
     また、本区が支給している児童育成手当についても改善すべきです。
     現在、区内のひとり親世帯は一月、1万3,500円が支給されていますが、20年以上、支給額の見直しが行われていません。支給時期についても、児童扶養手当と同じく、まとめて年3回の支給となっています。区長は、ひとり親世帯への生活支援のため、支給額の引き上げや分割支給から毎月支給に変更するなど、改善を図るべきです。伺います。
     次に、教育費の負担軽減について伺います。
     学校入学時に購入するかばんや制服の代金が保護者にとって重い負担となっていることから、我が党は、就学援助の入学準備費を入学前の3月に支給することや、支給額の引き上げを求めてきました。区はこれまで、私立学校に入学するこどもにも支給することになるなどとして、入学準備費の3月支給を拒んできました。しかし、子育て世帯の負担軽減として、支給時期を改善した自治体は全国で80区市町村に及んでいます。都内では5区2市で実施され、さらに4区8市で検討されるなど、今急速に広がっています。区長は、こどもの貧困対策を前進させるため、本区の支給時期を直ちに改善すべきです。
     また国も、入学時にかかる保護者負担と就学援助費が大きく乖離している現状を認め、来年度から生活保護世帯と同程度に困窮している要保護世帯に対する入学準備費の支給単価を、2倍に引き上げました。区は、今回の支給単価の引き上げにより、就学援助費が増額となる要保護世帯を把握し、直ちに支給できるよう対応すべきです。同時に、準要保護世帯に支給している入学準備費についても、実情に合わせ引き上げるべきです。伺います。
     次に、学校給食の無償化について伺います。
     区はこれまで、学校給食法で食材費は保護者の負担となっていることを理由に、年間4万円から5万円の費用を保護者から徴収しています。しかし、家計負担の軽減による子育て支援として、学校給食を無償化する自治体がふえています。都内でも、葛飾区では多子世帯の、文京区ではひとり親世帯の学校給食を無償化しています。本区でも、子育て世帯の負担軽減として、学校給食の無償化に踏み出すべきです。伺います。
     子育て支援の最後の質問は、緊急一時保育の改善についてです。
     区は現在、保護者の出産や病気による入院など、緊急の理由で一時的に保育ができなくなった場合、こどもを認可保育所などで預かる事業を行っています。
     先日、前置胎盤のため、入院もしくは在宅で絶対安静と医者から診断された保護者が、自宅での安静を選び、3歳のこどもを緊急一時保育に預けようとしたところ、入院していないことを理由に断られてしまいました。区長は、入院時に限らず、自宅安静が必要と診断された場合や、同じ病名で再入院となった場合でも利用できるように、緊急一時保育を改善すべきです。伺います。
     大綱2点目、介護保険制度について伺います。
     介護保険制度は、介護の社会化を図ることを目的として創設されましたが、3年ごとの制度改定のたびに負担増やサービスの切り下げが行われ、保険あって介護なしの状況が広がっています。
     国は、要介護1・2の方への訪問介護などを保険給付から外すことは国民の強い反対で中止したものの、給付費の削減を目的として、2017年度から一月の介護サービスの自己負担上限額を7,200円も引き上げることや、現役世帯の保険料値上げにつながる介護保険料の総報酬割を導入するとしています。
     2018年度からは、一定所得以上の方に利用料3割負担を押しつけることや、生活援助に対する人員基準を緩和して単価を引き下げ、ケアプラン作成に自己負担を導入するなど、介護保険制度のさらなる大改悪を狙っています。
     制度改悪について、介護保険制度創設時に厚生労働省の老健局長だった堤修三氏は、「高い保険料をとっておきながら給付を抑えることは、国家的な詐欺」と厳しく批判しています。
     これまで区長は国の動向を見守ると答弁してきましたが、制度改悪が行われれば、耐えがたい負担増と介護の切り捨てを区民に押しつけることとなり、今以上に生活が厳しくなることは明らかです。介護保険制度の改悪中止を求めるとともに、国庫負担割合を引き上げて介護保険制度を改善するよう、区として国に求めるべきです。伺います。
     国による制度改悪のもとで、江東区には、介護サービスを保障する役割が強く求められています。
     まず、介護予防・日常生活支援総合事業について伺います。
     昨年4月から、要支援者の訪問介護、通所介護が介護保険給付から外され、区が実施する総合事業に移されました。我が党はこれまで、報酬単価が低いため、介護事業所の経営を悪化させ、要支援者の利用を拒む事態が起きると指摘してきましたが、その指摘どおり、報酬に応じたサービス提供ができないので要支援者の受け入れが難しい実態となっています。
     区長は、高い保険料をとっておきながらサービスが提供できていない現状をどのように受けとめ、今後対応していくのですか。低い報酬単価を直ちに引き上げ、要支援者に必要な介護サービスを提供できるようにすべきです。伺います。
     次に、地域包括支援センターについて伺います。
     高齢者の介護予防や権利擁護、虐待、認知症への対応や相談など、高齢者の生活全般を支える地域包括支援センターについて、我が党は早急に整備、拡充するよう求めてきました。来年度からようやく21カ所に整備されますが、東陽南の在宅介護支援センターを地域包括支援センターにせず、廃止することは極めて問題です。
     廃止されると東陽地域包括支援センターが担う高齢者は6,000人以上となり、国が示した設置基準を超えてしまうことや、利用者から遠い場所となり、きめ細やかな支援ができません。東陽地域の住民からも、身近な場所に残してほしいとの強い声が上がっています。将来の高齢者人口の増加を見据え、東陽南の在宅介護支援センターを地域包括支援センターとして残し、地域住民の願いに応えるべきです。伺います。
     次に、介護人材確保策の拡充について伺います。
     区民待望の塩浜の第15特別養護老人ホームは、介護職員の確保ができず、現在でも98床のベッドのうち50床があいている状況です。
     介護職員が確保できない原因は、全産業の平均月額給与と比較して10万円も低い賃金など、劣悪な処遇にあります。国は、来年度、処遇改善し、賃金を月額1万円引き上げるとしていますが、さらなる賃金の引き上げなど、介護職員の処遇改善を行うよう、区長は国に求めるべきです。
     来年度から、区の就職面接会に参加した方が区内の介護事業所に就職した際、就労準備金を支給する事業などを開始することには一定の評価をしますが、人材確保のために介護職員への家賃補助を復活させるなど、さらなる介護職員確保策の拡充を図るべきです。あわせて伺います。
     大綱3点目、国民健康保険など医療保険制度の問題について伺います。
     来年度の国民健康保険料について、1人当たり平均7,252円もの大幅な値上げが提案されています。今回の値上げは、加入者全員が負担する均等割額が3,300円も値上げされ、過去5年間で最高の負担増となり、国民健康保険加入者の大半を占める低所得者や高齢者、多人数世帯にとって非常に厳しい内容となっています。
     例えば年収400万円の40歳代夫婦とこども2人の世帯では、今回2万9,000円も値上げされ、48万4,801円にはね上がり、算定方式が変更された6年前と比べると、13万2,000円もの大幅な負担増で、家計に深刻な打撃を与えます。収入が一向にふえない中で厳しい暮らしを強いられている区民に、さらなる負担増は許されません。区長は来年度の国民健康保険料の値上げを撤回すべきです。伺います。
     保険料値上げの要因は、医療給付費の増加と、2018年度からの広域化に向けて、これまで保険料の値上げを抑えてきた高額療養費への一般財源の繰り入れの割合を縮小したことです。国民健康保険制度の広域化のために高額療養費への一般財源の繰り入れをやめるとしていますが、繰り入れが全てなくなれば、大幅な負担増が区民に襲いかかります。区長は、国民健康保険制度の広域化中止を国に求めるべきです。また、高額療養費への一般財源の繰り入れ割合の縮小を撤回すべきです。あわせて伺います。
     国は、保険料を引き下げるため、保険者支援金として自治体に1,700億円を投じました。立川市はこの財源を趣旨どおり全額保険料の引き下げに充て、昨年度、保険料の値下げを実現しました。江東区にも約5億円が配分されます。この財源を保険料の引き下げに充て、23区一体となって国民健康保険料の負担軽減を行うべきです。伺います。
     区は、保険料が高過ぎて払えない滞納者に対して、正規の保険証の取り上げや預金などの差し押さえを行っています。先日、私たち区議団に、振り込まれた給料全額が差し押さえられ、御飯も食べられないといった相談が寄せられました。区は、差し押さえは相談につなげるための手段などとしていますが、生活が成り立たなくなるほどの差し押さえは違法です。強権的な差し押さえは是正すべきです。
     また、窓口で全額自己負担となる資格証明書の発行は、医療機関での受診を困難にして健康状態を悪化させます。資格証明書の発行は中止すべきです。あわせて伺います。
     次に、多子世帯に対する保険料負担の軽減について伺います。
     これまで国は、子ども医療費に助成を行う自治体に対し、国庫負担金を減額するペナルティーを科していましたが、子ども医療費無償化の拡充を求める強い世論に押され、就学前のこども分までのペナルティーを廃止しました。それに伴い本区でも、3,700万円ほどの新たな財源が生まれました。この間の保険料の算定方式の変更で、多子世帯の負担は他の世帯と比べ重くなっています。区長は、この財源を活用して多子世帯の保険料負担を軽減すべきです。
     さらに、就学以降についても、子ども医療費助成の減額ペナルティーを撤廃し、国の制度として子ども医療費の無償化を実施するよう求めるべきです。あわせて伺います。
     高齢者医療の充実、負担の軽減も強く求められています。しかし、国は、社会保障削減計画のもと、ことし8月から医療費の自己負担に上限を設ける高額療養費制度における70歳以上の自己負担上限額の引き上げや、療養病床に入院する65歳以上の方の居住費を年間1万8,000円も値上げ、さらには、これまで徴収してこなかった重症患者にも居住費負担を強いるとしています。
     75歳以上の後期高齢者医療では、ことし4月から、低所得の世帯に対する保険料の軽減措置が縮小され、所得割は5割軽減から2割軽減へ移行し、低所得の区民、5万7,000人の負担が重くなります。この間、年金が削られ、高齢者の暮らしが厳しさを増しています。追い打ちをかけるさらなる負担増は、区民生活を破壊するものです。区長は、高齢者を狙い撃ちにした医療保険制度の改悪中止を国に求めるべきです。区長の見解を伺い、私の質問を終わります。
     御清聴ありがとうございました。(拍手)

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