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2013年第4回定例会-赤羽目たみお議員

 日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。

  1. 子育て支援について
  2. 高齢者の生活支援について
  3. 区内中小企業・商店街振興について

 大綱1点目は、子育て支援についてです。
 まず、こどもの貧困について伺います。
 この間の労働環境の悪化や社会保障の改悪などで貧困が拡大し、こどもを取り巻く状況は厳しさを増しています。江東区内でも保育料、給食費などの滞納や林間学校、修学旅行に行けないこども、高校中退を余儀なくされたり、大学進学を諦めたり、虐待や家庭の崩壊などで貧困に直面させられているこどもがふえています。区長は、区内でも深刻なこどもの貧困の実態をどう認識していますか、伺います。
 こども時代の貧困は、今後の社会全体にさまざまな悪影響を及ぼすことから、貧困克服は江東区にとっても待ったなしの緊急課題です。
 荒川区では、4年前からこどもの貧困対策に取り組み、関係部署と連携して実態調査を行いました。その結果から、こどもの貧困は家庭の経済状況や親の養育力不足、社会からの孤立などの複合的な要因で発生しているとの認識を持ち、学習支援や育児困難家庭へのヘルパー派遣など、具体的施策の展開を図っています。
 江東区としても、全庁を挙げて実態調査を行い、来年度見直しが行われる江東こども未来プランにこどもの貧困問題を位置づけ、具体的な目標を立て、貧困対策を進めるよう求めます。あわせて区長の見解を伺います。
 次に、とりわけ深刻なひとり親家庭に対する支援について伺います。
 区内のシングルマザーから、「昼間と夜、パートで働いて手取りは20万円、何とか生活していますが、家事にも追われ、こどもとゆっくり話す時間もとれません。負担を軽くしてほしい」、保護者の願いは切実です。
 区が行った調査でも、ひとり親家庭の多くは子育てに不安や負担を感じており、仕事と家庭生活の両立支援を求めています。しかし区は、今年度、3,700件以上も利用実績があるひとり親家庭休養ホームを廃止し、さらにひとり親家庭等ホームヘルパー派遣事業の新規受け付けを中止してしまいました。
 ある母親からは、「ヘルパーさんの力を借りて仕事と育児を両立してきましたが、今後は利用できないと聞いてとてもつらい。もとに戻して」という声が寄せられています。貧困と格差が広がる中で、多くの困難を抱え、不安や負担を感じている区民を支援することは区の大事な役割です。区長は区民の願いに応え、ひとり親家庭を支援するひとり親家庭休養ホーム、ひとり親家庭等ホームヘルパー派遣の両事業を復活し、充実こそ図るべきです。伺います。
 また、国は、児童扶養手当を受給開始から5年後に半減するという改悪を行いましたが、国民からの強い反対で凍結されています。区長は改悪の撤回を国に求めるべきです。
 さらに、国は、物価と比べて支給額が高いと不当な理由を持ち出し、今年度から3年間、児童扶養手当を削減するとしています。ひとり親家庭の命綱とも言われ、区内でも3,300人が受給している児童扶養手当の削減を撤回し、支給額を生活実態に合わせて引き上げるよう国に要請すべきです。あわせて区長の見解を伺います。
 次に、教育に係る保護者負担の軽減について伺います。
 本年6月の通常国会で、教育支援などを盛り込んだ「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が制定されたことは、貧困の克服に社会全体で取り組む第一歩と評価します。しかし、政府は、高校授業料の無償化制度を見直し、来年度から所得制限を導入するとしています。これは、高校生などの学びを社会全体で支えるという制度の理念を後退させるとともに、昨年9月、高校や大学の教育を段階的に無償にすると明記された国際人権規約の適用留保を撤回した、政府みずからの国際公約にも逆行するものです。
 誰もがお金の心配なしに教育を受けられる条件を整えることは、憲法でも定められた国の重大な責任です。教育長は政府に対し、今後も高校授業料の無償化制度を堅持し拡充するよう、強く要請すべきです。
 また、世界的に見ても異常に低い教育予算を引き上げることや、返済義務のない奨学金制度を速やかに創設するよう求めるべきです。伺います。
 私たちが行った区民アンケートにも、「制服代や学校で使う教材費は、子育て中の親にとって負担が大きい。義務教育は全て無料にしてほしい」など、教育費の負担軽減を求める意見が多数寄せられました。
 就学援助の充実について、我が党は、区の認定基準である生活保護基準1.18倍を、東京23区平均の1.2倍に引き上げるよう繰り返し求めてきました。しかし区は、近隣区の平均より高いなどを理由に、かたくなに拒み続けています。学校現場からも、「ほかの区では援助を受けられるのに江東区で受けられないのはおかしい」という声が上がっています。教育長は、教育の機会均等の視点に立ち、認定基準を少なくとも23区平均まで引き上げるべきです。見解を伺います。
 義務教育無償の原則から言えば、学校で使う必要な教材の保護者負担はなくさなくてはなりません。府中市では、算数ドリルなど、教材や教具は無料となっています。江東区としても、教材費は公費負担とすべきです。
 さらに、学校給食費は、小学校で平均5万円、中学校では6万6,000円が保護者負担となっており、区民から、「こどものためには無理をしてでも払いますが、負担を減らしてほしい」という声が上がっています。「児童・生徒の健全育成」、「給食は教育」の観点からも負担の軽減を図るよう求めます。教育長の見解を伺います。
 大綱の2点目は、高齢者の生活支援について伺います。
 区内の70歳と67歳の御夫婦は、年金が合わせて月16万円、そこから国民健康保険料、介護保険料が約1万円、住宅の家賃が7万円、光熱水費を支払い、2人の食費を2万円に抑えてもほとんど手元にお金が残りません。持病を抱えていて医療費もかかる。今後のことを考えると不安で仕方がないと、涙ながらに話してくれました。この御夫婦だけではありません。低過ぎる年金、重い医療や介護の負担、食材など諸物価の高騰が高齢者の暮らしを脅かしています。区長は、区内高齢者の暮らしの実情をどう認識していますか、伺います。
 生活が苦しいと嘆く高齢者に対し、政府は来年も年金を削減、さらには、消費税の増税や70歳から74歳の医療費窓口負担の引き上げなど、社会保障の大改悪を押しつけようとしています。厳しい暮らしを強いられている高齢者に対し、今以上の負担増は許されません。区長は政府に対し、年金の削減や消費税の増税、医療など社会保障の改悪は撤回するよう求めるべきです。伺います。
 政府が推し進める悪政の防波堤となり、高齢者が安心して暮らせる施策の拡充が強く求められています。
 私たち区議団に、「家賃負担が重いので都営住宅に入りたいが、3年間毎回申し込んでも入れない」、このような声が多数寄せられています。区の高齢者住宅は全部で106戸しかなく、10年以上も前から1戸もふえていません。ことし6月に行った空き家募集は全部で4件、応募倍率は60倍を超え、大島の高齢者住宅では、応募倍率が100倍以上と深刻な事態が続いています。
 我が党は、これまで高齢者住宅の建設を再三求めてきましたが、区は「高齢者住宅の建設計画は考えていない」と冷たい答弁を繰り返しています。このような姿勢では、厳しい経済状況のもと、増加する高齢者の住宅要求に応えることはできません。区長は東京都に対し、都営及び高齢者住宅の建設を強く求めるとともに、区としても、国の地域住宅交付金制度を活用するなどして、高齢者住宅の建設や借り上げ住宅を整備すべきです。また、高齢者に対する家賃助成を緊急に行うべきです。あわせて見解を伺います。
 高齢者の貧困、孤立化が進む中で、通院や社会参加に大きな役割を果たしているシルバーパスは、都民の強い要求に押され、この間の税制改定に伴い住民税非課税から課税になった方の利用料金を1,000円に据え置く特別措置を東京都は実施しています。しかし来年度、特別措置が打ち切られてしまうと、課税対象となる人は一気に2万510円へとはね上がり、「値上げになったら買えなくなってしまう」と、区内高齢者から不安の声が上がっています。
 区長は、特別措置の来年度継続を都に要請すべきです。また、住民税課税者に対し、所得に応じて3,000円、5,000円などのシルバーパスを導入し、負担軽減策を実施するよう東京都に申し入れることを求めます。あわせて伺います。
 次は、紙おむつ支給事業の充実について伺います。
 現在、区は、高齢者の入院時の負担軽減策として、約6,000円分の紙おむつの現物支給もしくは月7,500円を上限におむつ購入費を助成する事業を行っています。
 先日、80歳の男性から、「区内の病院に寝たきりで入院している妻のおむつ代が月平均3万円、体調を崩すと5万円になることもあり、経済的に非常に負担が重い」という声が寄せられました。入院時には、おむつ代のほかにも差額ベッド代や食事代などもかかり、家計を圧迫しています。区長は、紙おむつ現物支給の拡大や助成限度額の大幅な引き上げを行い、経済的支援を拡充すべきです。伺います。
 次に、緊急通報システムについて伺います。
 江東区の緊急通報システムの設置には、「慢性疾患があるなど日常生活を営むうえで常時注意が必要な高齢者」と条件をつけていますが、高血圧などで突発的に倒れてしまう危険性が高い高齢者も多くいます。また、毎月かかる利用料を負担に感じ、設置をためらっているという声も数多く寄せられています。豊島区や足立区では、慢性疾患がない高齢者も対象にしています。民間型の緊急通報システムの利用料を無料にしている千代田区や中央区、荒川区では設置が進み、利用者からも大変喜ばれていると伺いました。江東区も、認定基準の緩和や費用負担の軽減を図り、設置促進を図るべきです。区長の見解を伺います。
 大綱の3点目は、区内中小企業・商店街振興について伺います。
 区内の中小企業は今、ガソリンなどの原材料の高騰や下請単価の引き下げ、大銀行による貸し渋りで、もう限界だと悲鳴を上げています。商店街は、個人消費の低迷と薄利多売の大型店やチェーン店の出店などで疲弊し、シャッターが幾つもおりた商店街をさらに寂しくさせています。
 帝国データバンクの企業意識調査によると、来年4月からの消費税増税について、小売業の86%が「悪影響がある」としており、「増税分を販売価格に転嫁できない」と4割の業者が答えています。このまま消費税の増税が強行されると、増税分を販売価格に転嫁できない多くの業者は、倒産、廃業に追い込まれ、区内経済にも大打撃を与え深刻な事態になると思いますが、区長の見解を伺います。
 ある商店会の会長さんは、「お客は減るが負担はふえるばかりで、お先は真っ暗だ」と話されました。中小企業・商店街振興策の拡充が強く求められています。
 我が党がこれまで求めてきた産業実態調査が行われていることは一歩前進です。区長は、この産業実態調査を区内全産業に広げ、具体的支援策を直ちに行うべきです。さらに、23区の中でも低水準の産業経済費を抜本的に引き上げるべきです。伺います。
 江東区は、中小企業活性化協議会を年に3回、1回1時間程度開催していますが、意見や情報の交換にとどまっています。区長はこの不況に対応して開催回数をふやすべきです。産業実態調査の結果を生かすためにも、所管だけでなく全庁を挙げて取り組み、商店や消費者などのメンバーをふやすとともに、業種別などの専門部会を設置して意見を酌み上げ、福祉的な観点や地域からの要望などさまざまな意見を取り入れ、地域経済活性化の具体化を図るべきです。あわせて区長の見解を伺います。
 区内業者から、「仕事がない」、「仕事があっても利益が上がらない」という声が寄せられています。区長は、中小企業向けの生活密着型公共事業は、分離分割して区内業者に優先発注を進めることや、入札契約に係る最低制限価格の引き上げを行うこと。さらに、末端下請業者までの労務単価を保証するために、検査・指導を徹底的に行うべきです。また、オリンピック・パラリンピック関連事業についても、区内業者に仕事が回るよう働きかけるべきです。あわせて伺います。
 近年、商店街の中にコンビニエンスストア、ドラッグストアといったチェーン店がふえています。こうした状況に商店街から、「コンビニエンスストアなどチェーン店ができても、お客を持っていかれるばかりで、地域や商店街の行事などには協力してもらえない」と不満の声が寄せられています。
 また、チェーン店の経営者にお話を聞くと、「商店街の取り組みに参加したいが、本部のマニュアルに縛られて思うようにできない」という悩みも伺いました。
 江東区の条例では、大型店、コンビニエンスストア、チェーン店も商店会に加入することとしています。商店街任せにするのではなく、チェーン店の本部や親会社に商店会加入を求めるべきです。伺います。
 長引く不況で厳しい状況に置かれている商店街を急いで支援すべきです。これまでにも求めてきた商店街街路灯の電気代全額補助やLED化の促進、区内共通商品券の印刷代助成など直ちに行うべきです。区長の見解を伺い、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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