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2012年第4回定例会-赤羽目民雄議員

日本共産党江東区議団を代表して大綱3点について質問します。

  1. 原発問題・再生可能エネルギーの普及について
  2. 生活保護制度の充実について
  3. 高齢者の社会的孤立と見守り支援について

まず、原発問題・再生可能エネルギーの普及について質問します。
原発事故から1年8ヶ月が経過しましたが、いまだに福島県の避難者が16万人にのぼり、あらゆる産業、経済への深刻な打撃が続いています。私たち区議団は今月9日、原発事故によって大きな被害を受けた南相馬市を視察しました。そこでは、放射線量が高くて住民が戻れず無人化した市街地や、倒壊した家屋は手がつけられずに放置され、除染や復旧が進んでいない状況を目の当たりにしてきました。行政関係者から「マスコミも取り上げなくなり被災地のことを忘れられてしまうのではないか」と不安を口ぐちに語られていたことも印象的でした。
原子力規制委員会が公表した、全国16カ所の原発が福島原発と同じ規模の事故を起こしたときの放射性物質拡散予測は30キロの外側でも基準を超える拡散が予測されており、原発の危険性を改めて浮き彫りにしました。
しかも、原発事故がその規模にとどまる保証はなく、放射性物質がさらに大量に放出される事故の被害については、想定することは不可能だといわれています。区長はこれまで、「エネルギー政策は一義的に国策である」として、態度を明らかにしませんが、いったん事故が起きれば取り返しのつかない事態になることは今回の事故で証明されています。自治体の長の第1の責任である住民の命と財産を守るため、世田谷区長など全国64市区町村が参加している脱原発を求める市長会議に区長も加わり「原発ゼロ」を目指す立場で声を上げていくべきではありませんか。見解を伺います。
原発事故の恐ろしさが、多くの国民の実感となっており、原発に頼らない社会への道をすすもうという国民の意思が明白であるということは国も認めています。私たち区議団が行った区民アンケートにも「ひとたび事故が起これば、日本全体が危ない。そんな大きな危険と、負担を背負う原発は絶対にやめるべき。」という声が寄せられています。
区長はこうした区民の願いに応え、政府に対し、すべての原発からただちに撤退する政治決断を行い、「即時原発ゼロ」を実現するよう求めるべきです。伺います。
次に再生可能エネルギーについて伺います。
日本共産党はこれまで、原発をなくし再生可能エネルギーの本格的な普及や、低炭素社会構築への取り組みを進めるよう求めてきました。
これに対し財界など原発推進勢力は、原発をなくせば日本経済が衰退すると論調を展開していますが、再生可能エネルギーへシフトを変えることは、地域密着型の新産業であり、地域経済への波及効果も大きくなります。地域や自然環境の実情にあった小型の発電装置の開発、製造などは、中小企業の支援・育成になります。原発から再生可能エネルギーへの大転換こそ、日本経済の新たな成長と発展の可能性を切り開くものと思いますが、区長の見解を伺います。
「再生可能エネルギーのコストが高く電気代があがる」という議論もありますが、原発こそ一旦事故が起きれば大きな被害をもたらす最も高コストなエネルギーです。
再生可能エネルギーは導入時に一定の費用がかかりますが、普及や開発が進めばコストは下がります。普及が進むドイツでは、発電した電気の買い取り価格が、8年間で太陽光が約4割、風力では8割程度へとそれぞれ安くなっており、日本でも2020年には現在の火力発電コストを下回る可能性があると言われています。電源開発促進税など原発推進予算の使途を転換し、再生可能エネルギー普及に使えば料金上昇を抑えることは十分可能であり、多くの国民が原発ではなく再生エネルギーや省エネルギーを進めるよう求めています。区長は、再生可能エネルギーの普及のためにあらゆる手立てをつくすよう政府に求めるべきです。伺います。
次に江東区の再生可能エネルギーの導入、省エネ対策の促進について伺います。
区長は、再生可能エネルギー設備の整備目的は、あくまでも環境学習施設として位置づけ、区立施設の新築・改築の際に太陽光発電システム等を設置していますが、長期計画では毎年1カ所ずつの計画であり、これでは不十分だと言わざるをえません。再生可能エネルギーにシフトを変える機運を一層高めることは行政の大事な役割です。区長は位置づけを抜本的に改め、計画を積極的に見直して設置数をふやすと共に、既存施設にも設置するよう求めます。伺います。
区は、省エネ設備の助成事業として、個人・住宅向けの太陽光発電システム設置の際に1kwあたり5万円を助成していますが、千代田区や中央区では1kwあたり10万円、港区では20万円の助成をしています。他区と比較しても低い助成額を引き上げるなど、省エネ事業の促進を図るべきです。伺います。
さらに区の街路灯や公園照明のLED化を試験的に行っていますが、試験的に止めず積極的に導入すべきです。伺います。
大綱二点目、生活保護制度の充実について質問します。
全国の生活保護受給者が211万人を超え過去最多の水準を更新し続けています。生活保護が増加している主な要因は、長引く景気の低迷や国の悪政で、不安定な非正規雇用の拡大、高い失業率、ワーキングプアと呼ばれる生活できない低い賃金、無年金や低年金生活者が増え、医療や介護など社会保障の負担増など雇用破壊と貧困の拡大にあると考えますが、区の認識を伺います。
医療や介護などのくらしを支える制度が繰り返し改悪されている中で、生活保護制度は最低限の生活を保証する最後のセーフティーネットです。しかし、この間のマスコミ報道など生活保護バッシングが行われ、受給者が怠け者、お荷物のように取り上げられ、生活保護を受けることが悪だと宣伝されています。実際、私たち区議団にも「精神の病を患い働きたくても働けない。病院に行きたいが医療費が払えないので控えている」と相談がありました。生活保護の申請をすすめましたが、「生活保護受けると迷惑をかけるのではないか」と戸惑っていました。本来なら生活保護を受けて支援されるべき人が、生保の申請をためらう事態を区はどう認識しているのか伺います。
生活保護は、憲法25条に規定する生存権を実現するため、国の責任において、生活に困窮するすべての国民に対し、必要な支援を行う制度です。しかし国は、増え続ける生活保護費をどう抑えるかの発想に立ち、受給申請を抑制させ、受給者に対しては“自立・就労支援”の名で、保護からの追い出し等、生活保護制度の大幅改悪を狙っていることは重大な問題です。区は、これまで生活保護制度の改悪について「国の動向を見守り、対応していく」と答弁してきました。今、貧困と格差が拡大する中で、最後のセーフティーネットである生活保護制度の改悪は許されません。区長は生活保護制度の改悪撤回を国に求めるべきです。伺います。
国が行うべきは制度の改悪ではなく、全国で600万世帯とも言われる生活に困窮しながら生活保護を受けていない世帯をなくす対策を講じること、さらに非正規雇用や低賃金、無・低年金の改善、医療費負担を減らすこと等、社会的な対策を抜本的に行うことだと思いますが、区の見解を伺います。
次に江東区の生活保護行政についてうかがいます。
私たち区議団に「木造のアパートが減る中、単身で53,700円以内の家賃の部屋を探すことが困難」「相談した福祉事務所管内で住宅を探せと言われ必死に探したが見つからない」という住宅に関する相談が被保護者や不動産業者からも多数寄せられています。これまで我が党の住宅扶助の引き上げを国に求めるべきとの質問に対し区は、地域の実態を考慮し国が定めたもので引き上げを要請する考えはないと答弁してきました。しかし、53,700円以内の家賃はほとんど無く、受給者の多くは高い家賃の部屋に入居し住宅扶助の足りない分は生活費の中から支払って暮しています。区は実態に合っていない住宅扶助を引き上げるよう国に求めるべきです。また、生活保護の申請を受けた福祉事務所管内で住宅を探させるというのではなく、江東区内全域で探せるよう対応をすべきです。合わせて見解を伺います。
区内の生活保護受給者に対して、相談活動をしたり、生活指導を行う福祉事務所のケースワーカーは、国が定めた1人当たり80世帯の基準に対し、現在、101世帯を担当しており、国の基準に照らしても20人も足りません。これでは高齢者や母子世帯、病気を抱えた人など、世帯が抱える問題も複雑化している中、ライフサイクルに応じた生活指導や就労支援など、きめ細かな対応はできないではありませんか。基準を満たすケースワーカーに速やかに増員すべきです。伺います。
大綱の三点目は高齢者の社会的孤立と見守り支援について質問します。
いま、家族や地域との関係が希薄化している無縁社会といわれる中で、高齢者の社会的孤立や孤独死が一層深刻となっています。江東区の65歳以上の高齢者人口は9万4千人を超え、人口の20%を超えています。特に公社・公団・都営住宅などの集合住宅は高齢化がさらに進み、都営住宅では50%以上に達し、中には70%を超える超高齢化した都営住宅も存在しています。こうした集合住宅では住民同士での支え、助け合いが困難となっており、支援が必要と考えます。
区は、こうした局地的に高齢化した地域の実態を把握すべきと思いますが、区の見解を伺います。
昨年度中に孤独死したひとり暮らし高齢者が、江東区では140人おり、中には死後数週間たっても発見されず、悲惨な事態も起きています。江東区職員労働組合が中心となって行った高齢者の社会的孤立の実態を調査した報告書によると「健康状態が悪い」「経済的に厳しい」という状態に置かれている人ほど、隣近所とのつながりも薄く、高齢者が孤立している実態があると指摘しています。高齢者の社会的孤立を防ぎ、孤独死をなくすため、高齢者への支援の充実が求められているのではないでしょうか。区の見解を伺います。
ある区民は「無年金で、子どもの仕送りのみで生活している。お風呂を我慢し水を入れたペットボトルを外で温めてシャワーを浴びています。人に迷惑をかけたくないから近所の人へ物事を頼まない」と話されました。この人のように経済的リスクを背負い、支え合いからもれ、地域で孤立する高齢者を行政が把握し責任を持って支援する体制づくりが必要です。新宿区や足立区では、公営住宅の一階の空き店舗に相談窓口を設置し、相談を受けるだけでなく地域に出かけていき高齢者の状況を把握する活動を行い、地域の高齢者からも喜ばれています。江東区も高齢化が進む集合住宅などに相談窓口を設置するべきです。伺います。
次に江東区の見守り事業の改善・充実について伺います。
区が主体となって行う見守り事業は、区民の認知度も低く、食事サービス、声かけ訪問、電話訪問などの事業のうち1つしか選択できないことから、必要としている高齢者が増えているのに、利用者が年々減少傾向にあることは問題です。区民への周知を強め、以前のように本人の希望があれば複数の事業が受けられるようにすべきです。また、訪問回数もふやすなど、見守り事業の改善を図るべきと思いますが、見解を伺います。
緊急通報システムの改善も求められています。
心臓にペースメーカーを入れ、ひとりで暮らしている高齢者が窓口に申請に行ったら、「緊急性がない、対象外だ」と断られてしまいました。高齢者の多くは健康に不安を抱えながら生活しており、一人暮らしの高齢者は、ならなおさら倒れてしまったらどうなるのかといった不安を抱え生活しています。緊急通報システムは高齢者の見守り事業として極めて有効な事業です。少なくとも一人暮らしの高齢者は全て対象にすること。また、民間型緊急通報システムの利用料負担を軽減し設置促進を図るべきです。合わせて見解を伺い私の質問を終わります。

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