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2011年第3回定例会-そえや良夫議員(防災・放射能・行革)

2011年9月22日(木)2011年第2回定例会-そえや良夫議員

  1. 防災対策について
  2. 放射能汚染と自然エネルギーの活用について
  3. 行革問題について

[議会発言映像=クリック](区議会サイトへ)
日本共産党区議団を代表し、大綱3点について質問します。
第1は、防災対策についてです。
東日本大震災後、今後予想される地震規模と被害想定などについて、各自治体で見直しが進められています。港区では、想定される津波の高さを現行の2倍、10メートルに引き上げ、また、一斉帰宅抑制のための物資備蓄を企業や事業者に求めるなど、マニュアルの見直しに取りかかりました。
練馬区長は、早急に地域防災計画の総点検と万全な防災体制の構築を表明、足立区では、庁内緊急体制の強化、初動対応についての個別マニュアル策定など、被害想定と対策の見直しに取りかかっています。
ところが、本区では、前定例会での地震規模と被害想定の見直しを求める同僚議員の質問に、国や都で防災計画を修正したら区も見直しを図ると、大変消極的でした。大震災から区民や滞在者を守るという自治体の本旨に沿って、国や都の計画策定待ちではなく、被害想定の前提をマグニチュード9、震度7に引き上げて、現行災害対策の総点検と必要な対策の見直しに速やかに取りかかるべきです。伺います。
次は、保育園、病院の耐震補強についてです。
都営住宅1階部分にある区立保育園のうち、7園ではいまだに耐震補強の計画がありません。速やかな実施を求めます。特に辰巳第二、第三保育園が、都営住宅建てかえを理由に、10年後、12年後まで先送りとなっているのは問題です。耐震補強工事をまず最優先で行うべきです。伺います。
被災地では多くの病院も壊滅的被害を受け、救急救護体制に重大な支障を来しました。病院の耐震化は、被災した区民の命を守る上で最優先の課題です。区内医療施設の状況を区としても把握し、補助引き上げなど、耐震化の促進への支援を強化すべきです。あわせて伺います。
次は、個人住宅の耐震改修についてです。
個人住宅の耐震補強のおくれは依然深刻です。建物倒壊から命を守るための対策強化が必要です。区はこの間、部分改修、耐震シェルター設置に対する助成について、建物の安全面に課題が残る木造住宅の部分補強は対象外との答弁を繰り返してきました。区民の命をまず守るという姿勢が見られません。23区中15区では、高齢者世帯などを対象に、部分改修、耐震シェルター設置に対する助成を始めました。本区でも速やかに助成を始めるべきです。伺います。
次は、発災時の通信手段についてです。
3月11日の発災後、都内でも携帯電話がつながらないという事態が長時間にわたって続いたため、公衆電話の前に大行列ができました。公衆電話があまりにも少な過ぎます。一時避難場所となる木場公園の周りにも1台しかありません。外出中に地震に遭ったら、安否確認さえままならない状態です。
コンビニエンスストアでは、災害時には公衆電話を各店舗に設置するとのことですが、災害時の通信手段確保は本来、国とNTTの責任です。コンビニエンスストア任せではなく、国とNTTに対し、屋外公衆電話の大幅増設を求めるべきです。伺います。
次に、障害者の災害時安全対策と避難所確保についてです。
本区内には82カ所の民間通所作業所やグループホームがあり、1,200人の障害者が利用しています。しかし、これらの施設の中には老朽化したものも多く、早急な耐震補強を求める声が寄せられています。速やかに実態を調査し、一日も早く耐震補強ができるよう支援を強化すべきです。伺います。
障害者のための避難所の整備のおくれ、受け入れ態勢のあり方も問題です。前定例会では、福祉作業所を含めた2次避難所の拡充を検討との答弁がありました。しかし、障害認定を受けている人7,000人に対し、2次避難所は17カ所、受け入れ人数はわずか450人程度です。しかも備蓄物資の準備もありません。深刻なおくれです。認識を伺います。
2次避難所という位置づけ自体が問題です。先に1次避難所に行って判定を受けなければならないという今の仕組みは、障害者には大変な負担です。位置づけを福祉避難所と改め、事前に各人が入れる避難所や連れていってくれる人を決めておき、真っすぐに行けるようにするべきです。そのためにも福祉避難所の増設と受け入れ人数の大幅な引き上げを図るべきです。あわせて伺います。
最後に、災害時の学校用務員の位置づけです。
前定例会での同僚議員の質問に、区は、用務員は各校ごとにつくる防災態勢の中で位置づけられると答えましたが、実態は学校任せで、位置づけは各校ばらばらです。このままでは大災害時に区民を守るための十分な力が発揮できません。実態を調査し、校内や地域の事情に詳しい用務員を、防災態勢に位置づけるよう指導すべきです。伺います。
第2は、放射能汚染と自然エネルギーの活用についてです。
福島原発事故によって大量の放射能が広範囲に放出され、国民の間に不安が広がっています。放射能への感受性が強いこどもの健康を守ることは、日本社会の大問題です。放射能汚染の実態を正確につかみ、被曝は少なければ少ないほどよいとの最新の科学的知見を踏まえ、区民の命と健康を守るためにあらゆる手だてを尽くすことが必要です。
本区が校庭、園庭や公園516カ所で行った空間放射線量の調査は大事な一歩です。しかし、側溝や雨水ますとその周辺など、詳しい調査を求める声が寄せられています。放射能からこどもたちをできるだけ遠ざけるためにも、よりきめ細かく調査すべきです。こどもたちの遠足などにも利用される夢の島公園や木場公園、猿江恩賜公園、亀戸中央公園などの都立公園は、いまだ調査もされておりません。速やかな調査を都に求めるべきです。あわせて伺います。
原発事故は、収束の見通しも立たず、放射能の放出も続いています。事故収束まで調査を継続し、その結果を教職員、保護者にわかるように公表するとともに、年間1ミリシーベルトを超える場所については、速やかに除染すべきです。伺います。
次に、食品の検査体制についてです。
食品の検査は厚生労働省が都道府県に行わせていますが、検査機器も体制も不十分なために、実態の正確な把握にはほど遠く、こどもの保護者などに大きな不安を広げています。政府が決めた食品の暫定規制値を超える食品を、市場に絶対流通させないことはもとより、暫定規制値の検証、見直しが必要です。
また、放射能汚染に責任のない生産者に損害を与えないための万全の態勢も必要です。そのためにも、国の責任で最新鋭の検査機器を最大限に確保して、検査体制の抜本的強化を図るとともに、暫定規制値の見直しを進めるよう求めるべきです。伺います。
本区も給食食材の産地表示を開始しました。しかし、産地の検査体制の現状を踏まえたさらなる対応が求められています。
杉並区では、区民の納得を得るためにより細かい値を出したいとして、放射性セシウムの測定器の導入を決めました。本区でも食材の独自測定と数値の公表を行うべきです。伺います。
次に、原発事故と原子力発電に対する認識についてです。
福島原発の事故で放出されたセシウム137は、広島型原爆の168倍、海洋への放射能放出量は1.5京ベクレルと天文学的です。しかも、これを抑える技術はなく、汚染地域は限りなく広がり、原発周辺の地域丸ごと存続を危うくする事態となっています。
また、原子炉の老朽化が進み、緊急停止したときに壊れる危険性が指摘されているものもあります。使用済み核燃料の貯蔵量は限界に近づき、その処理技術も確立されていません。原発事故の異質の危険性と原発に関する技術の未完成な現状について、区長の認識を伺います。
次に、原発からの撤退についてです。
原発推進の理由に、発電コストが一番安いとの主張があります。しかし、設備利用率や耐用年数、国家財政からの資金投入など、実態に即してコストを計算すれば、原発が一番高いとの試算もあります。いつまでも原発にしがみつく理由はありません。
福島県浪江町は原発交付金の受け取りを拒否し、福島県も原発からの撤退を表明しました。前定例会で区は、エネルギー政策は国の問題と答弁しましたが、区民の命と健康、地域社会を守ろうとするのかどうか、区長の姿勢が問われています。次世代に危険と負担を残さないよう、速やかに原発から撤退し、自然エネルギーへ切りかえるよう、国に求めるべきです。見解を伺います。
最後は、自然エネルギーの活用についてです。
我が党区議団は、先月、日本初の地熱発電所である松川地熱発電所と、エネルギーの地産地消体制構築を目指す岩手県葛巻町を視察してきました。
同町では、既に町で必要とする電力の160%を風力や太陽光、バイオマスなどで発電しています。また、その過程において町で働く人に雇用と所得が生まれているとも言います。今、温暖化防止と同時に、原発からの撤退を進めることが求められています。区が率先して、公共施設の屋上や壁面などへの太陽光発電パネルの設置や省スペースの縦型風力発電機の設置などに取り組むべきです。
また、区内の大型マンションやオフィスビルの建設、改修に当たって、屋上や壁面への太陽光パネル設置など、自然エネルギーの活用を求めるべきです。あわせて伺います。
環境省は、個人住宅への設置拡大とその促進のための補助の拡大が、再生エネルギー拡大のかなめとしています。国に対し補助拡大を求めるとともに、本区の独自補助も引き上げるべきです。伺います。
最後は、行革問題についてです。
区が新たに発表した行財政改革案は、新たな時代に即したものとしていますが、その特徴は、社会保障に対する国の責任放棄と地方切り捨てを柱とする地方行革を一層推し進める地域主権改革の引き写しにほかなりません。
本区では、この10年来、毎年1万人の割合で人口がふえ続け、行政需要も猛烈な勢いで増加してきました。そうした中にあって区は財政危機をあおり、保育料や自転車駐車場利用料を初め、各種利用料や使用料を値上げしてきました。また、効率化の名目で正規職員を削減し、民間委託の拡大で低賃金労働者への置きかえを進めてきました。
保育園や特別養護老人ホームの増設は民間任せで、特別養護老人ホームの入所待ちは1,950人を超えています。こうしてため込んだ区の基金総額は、決算ベースで800億円を超えています。
新たな行革案は、不況にあえぐ区民に保育料を初め、使用料や利用料の値上げなど、さらなる負担増を押しつける一方、特別養護老人ホームの増設計画は既に決まった1カ所だけなど、自治体の使命を置き去りにした理念なきため込み主義と言わざるを得ません。ため込む前に区民の負担を和らげ、区の責任で足りない特別養護老人ホームや認可保育所を増設するなど、区民福祉向上に力を尽くすべきです。伺います。
次は、職員定数についてです。
新たな定員適正化計画では、技能系職員を単純労務職員と決めつけて、その採用は原則として行わないとしています。これは人を職業、業種で差別する考え方であり、断じて許せません。また、差別をなくし、対等で平等な社会実現に力を尽くすべき自治体の役割に照らしても、あってはならないものと考えます。区長の見解を伺います。
新たな削減対象とされた現業系職員、例えば土木事務所の職員は、道路の傷みや道路標示の不備などを常時見守り、改善するとともに、区民からの通報にも速やかに対応するなど、区民の安全確保に日ごろから大事な役割を発揮しています。また、集中豪雨などの折には、区民生活を守るために最前線で体を張って頑張っています。長年の経験に基づく判断力と公務員としての高い自覚を持って働き、その仕事ぶりへの区民の評価も高い、この大事な職員を際限なく減らす根拠は何か。区長が考える適正な定員数とはどのような基準で決めるのか。基本的な考えを伺います。
際限のない職員削減は、防災対策上も問題です。大地震の際には、区の職員が休日返上で対応し、区民に喜ばれました。被災地からは、みずからも被災しながら住民を守り必死に働く自治体職員の姿が報道されています。しかし、今現地では、復旧・復興に当たる職員の不足が大きな問題となっています。
復興担当大臣は、NHKのインタビューで、地方行革による職員削減が原因だと答えています。本区では、10年前と比べ、人口が8万人近くふえたのに職員は800人も減らされ、人口1,000人当たりの職員数は9人から6人となりました。いざというときに区民を守る体制が大幅に弱められました。認識を伺います。
民間委託の拡大は、社会的、経済的にも問題です。
学校の給食調理では、266人の正規職員が、時給1,000円程度の年収百数十万円の低賃金労働者に置きかえられ、所得低下の一因となりました。
また、ある自転車保管場所では、入札による契約価格引き下げを口実に、法律で決められた最低賃金さえ支払われていませんでした。また、別の自転車駐車場では、少し離れた場所にあるもう1カ所の機械式自転車駐車場の故障に備え、職員が常時2人以上詰めるとの契約条件を受託業者が守らなかったために、利用者とトラブルになり、退職に追い込まれる事態も発生しました。こうした事態は議会で取り上げられるまで放置されていました。
民間委託の拡大は、事業者の雇用に対するモラルハザードと所得の低下を招き、景気悪化と区税収入減少の原因を、区みずからがつくり出すものとなっています。区長の認識を伺います。
非正規雇用の拡大や不況などを理由にした賃金引き下げが景気悪化の原因との認識は、財界系シンクタンクの専門家からも広く指摘されています。景気の悪化、区税収入の減少を食いとめるためにも、まずは区が民間委託の拡大計画などを取りやめ、正規職員の採用をふやすべきです。
以上を伺い、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
再質問
再質問2点です。
まず、1つは、障害者の2次避難所についてですけれども、整備がおくれているかどうかの認識について、答弁がなかったかと思います。これは今後の取り組みにかかわる問題なのできちんと答弁願いたい。
それから、原発の異質の危険性に対する問題について、これについてきちんと考え方を示すべきだというふうに思いますので、再度答弁を求めます。

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