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2007年第2回定例会-正保みきお議員(高齢者 中小企業 築地市場)

  1. 高齢者の福祉施策
  2. 中小企業支援について
  3. 豊洲への築地市場移転問題

  私は、日本共産党江東区議団を代表して大綱三点について質問します。
 第1は、高齢者の福祉施策です。
 いま高齢者のくらしはどうなっているでしょうか。
 高齢者にいま襲いかかっている増税は、負担が数倍から十数倍にもなるもので、世帯によっては住民税増税と介護保険料、国民健康保険料の負担増だけで1カ月分をこえる年金が吹き飛んでしまう、あまりにもひどいものです。「これでは暮していけない」「もう限界だ」という悲鳴の声が上がっています。
 区長は、高齢者のこの叫びをどう受け止めていますか。伺います。
 高齢者が耐えられる限度をはるかにこえた増税・負担増のもとで、高齢者への経済的支援が求められています。千代田区では今年4月から、満75歳以上の後期高齢者が入院した場合、日用品類、洗濯代、寝具リース等にかかる医療保険適用外の費用を月2万円の度で助成する入院負担軽減制度をはじめています。本区でも、高齢者の入院に伴う経済的負担を軽くする助成制度の創設を求めます。いかがですか。
 介護サービスにおける在宅介護サービスの利用率は平均で5割程度、寝たきりの重度要介護度4・5の高齢者でも6割にとどまっています。重度の家族介護者の5割が「終日介護」で「老老世帯が多数」という実態からも、経済的支援で必要な在宅サービスを確保することが求められています。
 重度の要介護状態の高齢者に介護手当を支給する条例の制定を求めます。伺います。
 少ない年金に家賃負担が重くのしかかり、生活困難な高齢者には家賃の助成が必要です。区政モニターによると、高齢期に一番必要なものとして3人に1人が「住みなれた地域で住み続けられる住まいや日常生活を支えるサービス」を求めています。
 緊急対策として区が家賃助成を行うよう求めます。伺います。
 補聴器支援事業についてです。この事業は、医師会の協力で一人に一台限り無料で補聴器が支給されています。本区の場合、補聴器の機種を一つに決めて助成していますが、他の区と同様にいくつかの機種を本人が選べるよう改善をすべきと思います。伺います。
 一人暮らしの高齢者に対する支援について伺います。
一人暮らし高齢者の孤独死は、都営住宅だけでも年間300~400件あると聞いています。本区でも、都営住宅と都市再生機構の賃貸住宅で、2004年だけでも26人の高齢者がだれにも看取られずに亡くなりました。本区は、都内でも2番目に孤独死の多いことがマスコミでも報道されました。
 区は、警察や消防、住宅管理者、地域団体などと連携し、一人暮らしの高齢者の孤独死の実態を把握すべきと思いますが、伺います。
 一人暮らしの高齢者の孤独死が社会問題化する中で、地域で見守り、支える重層的で思いやりのあるネットワークが求められています。
 ところが区は、これまで複数のサービスが受けられ喜ばれていた食事サービス、おはよう声かけ訪問、電話訪問の見守り3事業を、4月からどれか一つ選ばせる事業へと後退させました。見守りは、高齢者の生活サイクルに即した3つの事業の折り重なりこそ必要ではないでしょうか。
 本人の希望を尊重し、必要なサービスが受けられるようにすべきです。伺います。
 また、ほほえみ訪問事業は、民生委員をはじめとするボランティアが訪問・安否確認する体制となっています。ところが、ボランティアはいまだ一人も登録されていません。民生委員だけでは限界です。職員を配置し、ボランティアなど地域と連携した必要なマンパワーの支援体制を構築すべきと思いますが、伺います。
 第2は、中小企業支援についてです。
 区内の中小企業は、原材料の高騰や単価引き下げ、大銀行による貸し渋り、貸しはがしなどで、喘いでいます。商店街は、個人消費の低迷と大型店の無秩序な出店で衰退の度合いがすすみ、まちの活気が失われています。
 区長は、区政運営の基本に、中小企業・商店街の活性化を優先課題と位置づけ、「意欲とスピード感と思いやりをもってすすめていく」と表明されています。
 私は、いまこそ区内中小企業・商店街が生き生きと経営に励み、その働きがむくわれるきめ細かい施策の拡充が必要だと思いますが、区長の認識を伺います。
私たちは、「中小企業は地域経済の主役」であり、「商店街はまちの宝」という立場から、その振興・活性化策を「区長の責務」とするとともに「中小業者の努力」「区民の理解と協力」を定めた中小企業振興基本条例の制定を、議案提案を含め長年にわたり、繰り返し提案してきました。
 これに対して、区は「国の中小企業基本法に基づき事業を展開しているので必要ない」と答弁してきました。しかし、23区のほとんどの区が独自の振興条例をつくって、きめ細かなす施策をすすめています。
 江東区には江東区の商工業の歴史と伝統、未来があります。江東区の顔をもった特色ある中小企業振興条例の制定に踏み出す時です。区長の意欲ある答弁を求めます。
 本区では、小売業の売り場面積に占める大型店の割合がいまや9割に近づく勢いです。その一方で、商店街は空き店舗が増え、地域の活性化にとっても、安心・安全なまちづくりにとっても大きな損失となっています。
 大型店の無秩序な出店による商店街の衰退の現状を、区長はどのように認識されていますか。伺います。
 JR小名木川貨物駅跡地への大型店出店計画においては、イトーヨーカ堂と区商連・地元商店街との話し合いが一向に進展していません。区は、開発誘導方針に「業態上の棲み分け」を掲げた責任があります。区は業態上の棲み分けについて、区商連や地元商店街の意向をよく聞き、JR貨物・イトーヨーカ堂へ要望書を提出すべきです。区長の見解を求めます。
 また、区は「JR会社法」と小売商業調整特別措置法を積極的に活用し、地元中小商業の事業機会が確保されるよう力を尽くすべきです。伺います。
 現在、区内の3つの商店街で61台の防犯カメラが設置され、安全で安心なまちづくりに貢献しています。防犯カメラの設置経費の補助の増額をとともに、電気代を助成するよう併せて求めます。伺います。
 商店街の装飾灯の電気代補助事業については、今年から補助率が20%アップされました。しかし、商店数の減少から装飾灯の明かりを半分にして電気代の負担を軽くしている商店街もあります。電気代の全額補助を求めます。伺います。
 制度融資の拡充も切実な要望です。ところが、その願いとは裏腹に国は信用保証の100%全額保証から80%部分保証へと後退させようとしています。残りの20%を金融機関が分担することで、「選別融資がいっそう厳しくなるのではないか」という危惧の声が上がっています。多くの中小業者は、安心して借りられる「低利で無担保・無保証」の制度融資を望んでいます。
 区長は、東京都と国に対し、信用保証の全額保証の継続を求めるべきです。伺います。
 第3は、豊洲への築地市場移転問題です。
 築地市場の豊洲移転は、8年前に石原都知事が突然築地を視察し、「古い、狭い、危ない」と述べ、移転を拒否していた東京ガスと強引に交渉し、それまでの築地での再整備をほごにし、豊洲移転に転換したものです。
 まず、豊洲への築地市場の移転について区長の見解を伺います。
本区は、これまで豊洲移転の受け入れを表明しつつも、「決して無条件に認めない」との立場をとってきました。東京都へどのような条件をつけてきたのか。伺います。
 いま、豊洲へ築地市場を移転させることには、多くの市場関係者や消費者団体などから反対の声があげられ、食の安全の問題としても疑問の声があげられています。
何よりも重大なことは、移転予定地の東京ガス豊洲工場跡地の土壌が、発がん性のあるベンゼンが環境基準の1500倍、毒ガスに使われるシアンが490倍、大変な猛毒のヒ素が49倍、水銀24倍など環境基準を大きく超える有害物質で汚染されていることです。
 区長は、市場の移転予定地が、人の健康被害が生ずる、ひどく汚染された土地だという認識をもっていますか。伺います。
 わが党区議団は先月23日、党都議団と日本環境学会の正・副会長とともに豊洲の東京ガス工場跡地を調査しました。そこでは、排水口から明らかに排水基準を超えた高アルカリの水が川に排出されていました。
 区長は、江東区環境基本条例に基づいてただちに水質汚濁を調査し、結果を区民に公表すべきです。明確な答弁を求めます。
 現在、土壌調査に基づいた土壌改良がおこなわれています。しかし、専門家などから東京ガスの土壌調査は極めて不十分だという批判が上がっています。
東京ガスの土壌調査は、2003年に施行された「土壌汚染対策法」の調査方法に則っていません。土壌汚染対策法では、汚染地の場合10mメッシュ単位の土壌調査と深さ10mまでのボーリング調査を行います。しかし、東京ガスの調査は30mメッシュとおおまかで、ボーリングの深さも極めて浅いものです。
 地元区として、東京都に対し土壌汚染対策法の調査方法に基づく再調査を求めるべきです。伺います。
 東京ガスが実施している土壌改良に対する専門家の意見も厳しいものがあります。早くからこの問題に取り組んできた日本環境学会は、毛細管現象などの汚染地下水の上昇による表層土壌の再汚染の恐れ、首都直下型地震時の液状化と側方流動による汚染土壌の噴出の危険を指摘し、「豊洲は食品市場に適さない」として豊洲移転に反対しています。
 区長は、日本環境学会のこれらの指摘をどう受けとめますか。伺います。
 本区は、「市場は歓迎できるものではない。しかし、それが都民的な立場に立ったとき、豊洲移転しかないとすれば、受け入れを前提に協議するのは当然」だとして受け入れを表明してきました。
 しかし、汚染土壌や汚染地下水を残した土地に水産物や青果などの生鮮食料品を扱う市場を移転することは、食品の汚染を起こし、食の安全を脅かすことになります。
 区長、本当に都民的な立場に立つなら、都民・区民の食の安全こそ最優先に考えるべきではありませんか。責任ある答弁を求めます。
 豊洲の土壌汚染が判明した後の今年4月、東京魚市場卸協同組合(加盟797社)の意向調査が実施されました。その結果、移転反対が586社・74%と圧倒的です。賛成はわずか1%に過ぎません。さらに、市場内の青果仲卸業者の 9割が築地市場での営業の継続を望んでいます。
これらの現状を踏まえ、区長は築地市場の豊洲受け入れ表明を撤回するとともに、東京都に対し豊洲移転計画の中止を求めるべきです。
 見解を求め、私の質問を終わります。

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