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2009年第4回定例会-すがや俊一議員(雇用 築地市場 障害者支援)

  1. 区の緊急雇用対策について
  2. 築地市場の豊洲移転問題について
  3. 障害者支援の拡充について

日本共産党区議団を代表して、大綱4点について質問いたします。

 質問の1点目は、雇用対策について伺います。
 大企業製造業などによる雇用破壊が推し進められる中、ことし9月の完全失業者数は363万人に達し、失業率は史上最悪の水準となっています。そうしたもとで、今、富士通が正規社員を2,000人リストラする計画を初め、429兆円もの巨額な内部留保を持つ大企業、中でもトヨタでは、エコカー減税による増産体制づくりで短期の使い捨て雇用を前提にした期間工や派遣などの非正規雇用を復活させるなど、容認できない動きが広がっています。区長は政府に対して、大企業が雇用の責任を果たすために強力な指導を行うよう緊急要請するときだと思いますが、伺います。
 こうした雇用破壊の最大の原因は、派遣労働の自由化を初めとした労働法制の規制緩和です。労働者派遣法は、登録型派遣の原則禁止や製造業の派遣を禁止にするなど、雇用を守る社会的ルールを確立することこそ不況を克服していく上で必要不可欠です。労働法制の抜本的転換を政府に要請すべきと考えますが、区長の見解を伺います。
 有効求人倍率が0.43倍と最悪の水準が続く中で、都内のハローワークには、仕事も住居も奪われ、雇用保険もない若者などが連日押し寄せ、このままでは昨年末の「年越し派遣村」の事態になりかねません。雇用保険の失業給付の延長など、失業者に対するセーフティーネットの拡充は急務です。
 ことしの3月の改正雇用保険法により、失業給付が60日間延長され150日間になりましたが、政府の発表では、毎月15万人もの失業者が失業給付を打ち切られ、年末までに100万人近くに達するとしています。ところが、新政権の緊急雇用対策には、失業給付の支給延長がありません。区長は政府に対し、厚生労働大臣の判断で支給日数が延長できる全国延長給付の実施を求めるべきです。伺います。
 また、失業給付の受給者数は、フランスやドイツでは失業者の8割から9割の人が受給していますが、日本では失業者全体のわずか3割です。雇用保険対象外の失業者への失業給付の実施と住宅確保の支援強化も政府に要請すべきと思いますが、区長の答弁を求めます。
 次に、区の緊急雇用対策について伺います。
 増大する失業者への緊急対策として区は、臨時職員雇用や緊急雇用創出事業を行っていますが、臨時職員雇用では、1カ月平均の雇用は15人で、10月末までの延べ人数が139人となっています。このままでは来年3月までの雇用目標、360人に遠く及びません。雇用対象者の適用範囲を、「企業の都合で失職した人」だけに限らず、「自主退職に追い込まれた人」や「個人自営業で仕事がない人」も対象にするなど、拡大することを求めます。伺います。
 また、緊急雇用創出事業については、新たに17事業を追加しましたが、区民からは、「路上喫煙禁止になっても喫煙者が多く、2歳のこどもを連れて歩くのが怖い」として、歩行喫煙パトロール員の増員を求める声が上がっています。速やかにパトロール員を増員するとともに、放置自転車対策や河川・公園清掃などでの雇用拡大も行うべきと思いますが、伺います。
 本区は構造改革路線に追随し、官から民へのアウトソーシングを推し進め、12年間で正規職員を1,010人も削減してきました。一方、非正規雇用者数は1,200人を超えて、4人に1人が非正規職員であり、その時給額は大半が1,000円以下、年収では200万円以下の低所得者です。地方自治法が定める住民福祉の向上と暮らしを守るべき自治体の役割からして、これ以上官製ワーキングプアを拡大・恒常化させてはなりません。地域経済を支えるためにも、正規職員との均等待遇を基本に据え、非常勤・臨時職員の賃金、労働条件を抜本的に改善すべきです。伺います。
 これまで我が党は、正規職員の採用をふやすよう要求し続けてきました。特に法定必要人員に対して、今なお10人も不足している福祉事務所のケースワーカー不足問題は深刻です。生活状況の確認に手が回らないために、東陽一丁目に続いて大島六丁目でも、生活保護受給者が孤独死し、1カ月も放置された事件が発生するなど、これ以上の職員不足は許されません。正規職員の緊急確保を強く要求するものです。区長の答弁を求めます。
 質問の2点目は、中小企業への支援強化についてです。
 不況が長期化し、仕事不足が一層深刻化する中で、中小企業は今、かつてない危機に直面しています。全国商工会連合会が10月に行った小規模企業調査では、「廃業や転業を検討中」と答えた企業が3割を超えています。本区の中小企業景況調査でも、業況判断DIが過去最低のマイナス50.0、中でも製造業を初め、建設業などでの仕事の受注が落ち込み続け、最悪の事態となっています。中小企業の厳しい現状について、区長の見解を伺います。
 借金返済に困窮する中小企業への支援はもちろんのこと、仕事の確保を含めた総合的な緊急対策が政府に求められています。鳩山内閣は、中小企業融資の返済期間延長や金利の軽減要請に金融機関が応じる「中小企業金融円滑化法案」を提出していますが、努力義務にとどめています。三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行の3大メガバンクは、中小企業への融資をこの1年間で4兆円以上も減らしています。区長は政府に対し、大銀行の貸し渋り、貸しはがしの防止とともに返済期間延長など、中小企業の要請に応じさせるために、政府による徹底指導が行われるよう申し入れるべきです。伺います。
 また、中小企業向けの雇用調整助成金の抜本拡充を初め、大企業による下請切り防止の徹底指導、倒産・廃業防止に向けた休業補償など、国による直接支援の実施、さらに、公共事業の生活密着型化を徹底させ、中小企業に緊急発注を行うことなど、政府や都に強く求めるときと考えますが、区長の答弁を求めます。
 次に、本区の中小企業への支援強化について伺います。
 この間、区は緊急経済対策として、公共工事の前倒し発注やプレミアム付区内共通商品券の発行、「景気対策資金」などを実施してきましたが、さらなる支援強化が急がれています。
 区内業者からは、「融資の返済負担を減らしてほしい」、「年末年始の仕事が来ない、こんなことは初めて」との悲痛な声が上がっています。江戸川区の特別借換制度の利用が1,700件、140億円を超える中で、新たに新宿区が実施しました。我が党はこれまで繰り返し借りかえ制度の実施を求めてきましたが、年末年始に向けた早期実施を求めるものです。同時に、実施に際しては、返済期間を長期とし、信用保証料への補助や利子負担も0%台の長低利なものとし、負担軽減が図れるようにするべきです。伺います。
 また、本区の景気対策資金についても、現行3年間の返済期間を延長するなど、返済負担の軽減を行うよう求めます。あわせて伺います。
 中小企業の仕事不足への緊急対応として、公共工事の前倒し発注を初め、区の少額随意契約による修繕や物品発注を年末年始に向けてふやすことを求めます。さらに、地元中小業者への仕事確保対策の一環として、住宅リフォーム補助制度を創設すること、木造住宅耐震改修助成制度についても、部分耐震・簡易耐震改修など、助成対象の拡大を行うべきです。伺います。
 民間の建設工事受注が大きく落ち込み、受注競争が激化する中、本区の公共工事の入札においても、低価格、ダンピング受注の傾向が強まり、本区も入札における最低制限価格を70%から85%の間に引き上げました。しかし、70%台の落札では原価割れ、不採算になることが多く、北海道では、地域経済を支えるためとして、最低制限価格を90%に引き上げています。本区でも、最低制限価格の再引き上げとともに、印刷や製本など、すべての契約に適用するよう検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 また、入札での総合評価方式については、特に大型工事では、地元下請業者の使用割合や労働者の適正な賃金確保など、社会的評価項目を盛り込むことを求めます。さらに、区長は、新政権に対し、ILO(国際労働機関)の第94号条約、「公契約における労働条項に関する条約」を批准することを求め、同時に公契約法の早期制定を要求することを求めます。伺います。
 質問の3点目は、築地市場の豊洲移転問題について伺います。
 東京都は、9月、豊洲新市場予定地で実施した環境確保条例に基づく土壌汚染の追加調査の結果を発表しました。そこでは、1,034地点で採取した9,180検体のうち、1,371もの検体からベンゼンやシアン化合物など、基準値を上回る汚染が改めて確認されました。ところが、東京都は、「汚染対策を実施すれば安全性を確保できる」との見解を表明、さらに、不透水層とされている有楽町層の欠落調査結果についても、「大きな欠落の可能性はない」として、地下水汚染の広がりを調べず、2014年末の豊洲移転を強行しようとしていることは問題です。
 さきの都議会議員選挙では、築地市場の豊洲移転問題が大きな争点となり、そのときの世論調査では、約6割近くの都民が「移転反対」を示し、その結果、移転反対議員が過半数を超えました。都議会議員選挙の結果に示された「築地移転ノー」の審判をどう受けとめているのか、区長の見解を伺います。
 今回の調査による新たな土壌汚染は、都が昨年まで調査の必要はないとしてきた地点にもかかわらず、基準の1,200倍ものベンゼンを初め、シアン化合物86倍、砒素も67倍など、高濃度の汚染の広がりが明らかとなりました。こうした事態に対する区長の見解を伺うとともに、都民の食の安全に対する不安の高まりをどう受けとめるのか、区長の答弁を求めます。
 また、不透水層が欠落している2地点の周辺調査でも、不透水層の上端に3メートル以上もの不自然な高低差があり、専門家から「不透水層が不連続」との指摘がなされ、加えて、ゆりかもめの橋脚や旧工場施設の基盤、基礎などが不透水層である有楽町層を破壊し、地下水の流動による汚染拡大の可能性が大きいとしています。区長は都に対して、地下水の流動など、綿密な再調査を要求すべきと思いますが、答弁を求めます。
 技術会議が示した土壌汚染対策の工法については、専門家の指摘では、既存技術の組み合わせや部分改良にすぎないこと、また、汚染の可能性が高い地下水の流動管理は、リスク管理方式であり、豊洲の地層での実証性がなく、管理は困難だとしています。そして、地震時の液状化の危険が極めて大きく、「生鮮食品を扱う市場の安全は確保できない」と指摘しているのです。さらに、許認可を行う政府の農林水産大臣も、「安全だと確認できない限り認可しない」と断言しています。このような専門家の指摘や政府見解について、区長の見解を伺います。
 石原都知事が豊洲移転に固執する最大の理由は、大手の量販店や流通業者、外食産業が求めている巨大流通センター施設にすることであり、多くの既存中小業者が廃業になりかねません。築地市場の現地再整備については、ローリング方式やつり上げ式による総2階の人工地盤方式などで施工は可能であり、アスベスト除去の適切処理も可能ではありませんか。区長は都知事に対し、移転計画の撤回と築地での現地再整備を要請すべきです。伺います。
 質問の4点目は、障害者支援の拡充についてです。
 障害者が生きていく上で不可欠な最低限の支援を「益」だとみなし、障害が重い人ほど利用料負担が重くなる障害者自立支援法が実施されて4年、先月の30日、日比谷公園では「さよなら障害者自立支援法」などを掲げた1万人規模の障害者の大集会が行われ、応益負担の一日も早い廃止などを求める声が一段と強まっています。
 鳩山政権は、障害者自立支援法の廃止を表明しましたが、後期高齢者医療制度と同様に、新制度は4年後としていることは問題です。新法ができるまで深刻な現状を放置することは許されません。障害者自立支援法の応益負担を早急に撤廃し、事業所の経営を困難にしている報酬の日払い制度を月払い制度に戻すよう、区として要請することを求めます。伺います。
 政府は、新しい法制度制定に向けて直ちに具体化を急ぐべきです。その際、障害者など、関係団体の意見を十分反映させると同時に、障害者が人間らしく生きる権利を国の責任で保障する総合的な障害者福祉法とし、障害者予算の拡充を図るよう政府に求めるべきと思いますが、区の見解を伺います。
 また、国に対し、応益負担が廃止されるまでの間、国の利用者負担軽減制度を継続するよう要請するべきです。伺います。
 次に、本区の障害者支援の拡充について伺います。
 障害者自立支援法が施行されたもとで、我が党は区に対して、利用者負担の軽減や施設運営支援などを提案してきました。こうしたもとで区は、食費負担の軽減を初め、施設運営補助等の改善を行ってきましたが、さらなる拡充が必要です。放課後クラブへ障害を持つこどもの送迎を行う移動支援は、ひとり親家庭以外は認められていません。共働き世帯等への適用拡大を求めます。
 また、利用している保護者からは、「移動支援の利用時間の制限がなければ正社員として働ける」、「利用制限をなくしてほしい」との声が出ています。現行1カ月16時間までの支給上限をなくすと同時に、人口急増地域などへの障害児の放課後クラブの増設を求めます。
 さらに、障害児などへの移動支援に対応するヘルパー不足が深刻で、必要なサービスが受けられず、改善を求める声も切実です。区として、障害児に対応できるヘルパー養成や居宅支援事業所への補助を行うことを求めます。伺います。
 障害者施設で働く職員不足が深刻化するもとで、都は、障害福祉サービス等従事職員のための処遇改善助成金事業を実施しましたが、地域活動支援センターなど、区内6施設は助成金の対象外であり、職員の処遇改善に格差を生むことは問題です。対象外施設に対し、区の独自支援の実施とともに、国に対し、3年間のみとなっている事業の継続と、対象施設の拡大を要請すべきです。伺います。
 さらに、障害児が通うこども発達センターのデイサービスの利用料負担を無料にすることを強く求め、質問を終わります。(拍手)

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