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2010年第4回定例会-正保みきお議員(築地市場移転 国保料 介護保険)

  1. 築地市場の東京ガス豊洲工場跡地への移転問題について
  2. 国保料の値上げと「広域化」問題について
  3. 介護保険制度の見直しについて

 12番(正保幹雄議員) 日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。
第1に、築地市場の東京ガス豊洲工場跡地への移転問題についてです。
 石原都知事は、10月22日、築地市場の豊洲移転に全力を挙げることを表明し、移転関連予算1,281億円の全額執行を決めました。将来に禍根を残す愚かな選択と言わざるを得ません。
 都議会で移転と現在地整備との比較検討が続けられ、9月議会でも継続調査を決めたにもかかわらず、移転を強行することは議会の意思を踏みにじるものです。区民からも、欠陥だらけの土壌汚染対策では食の安全が守れないと、厳しい批判の声が上がっています。
 移転予定地の東京ガス豊洲工場跡地は、発がん性物質のベンゼン、猛毒のシアン化合物などで高度に汚染された土地です。区長は移転に向けた協議を行うとしていますが、食の安全・安心を守れるとみずから区民に約束できるのですか、伺います。
 東京都の土壌汚染対策はずさんなものです。それは、調査もせずに有楽町層より深い部分は汚染されていないと断定し、地下水の流れなどの解明をせずに地下水管理ができるとするなど、科学的裏づけのないもので、欠陥対策だという厳しい批判を受けています。
 さらには、汚染対策の有効性を確認するはずの適用実験も、ほとんどの高濃度汚染土壌の処理実験で行わず、ベンゼンを処理したという微生物の鑑定もない、実験データの真偽にも疑惑があるなど、重大な瑕疵があります。
 石原都知事は、こうした指摘に対し、科学的論拠を持った答弁が不能となっています。山崎区長は、これら土壌汚染対策にかかわる指摘にどう答えるのか、伺います。
 区長は都に対して、土壌汚染対策をしっかり行っていただくと議会で答弁されました。そうであれば、微生物処理実験など、すべてのデータを区民に公開するとともに、地下水の調査と対策、有楽町層以下の汚染の調査と対策などについて、日本環境学会など、土壌汚染対策の専門家の意見を取り入れて根本的に検証するよう、東京都へ強く働きかけるべきではありませんか、伺います。
 前定例会の本会議で、我が党の赤羽目議員が、「都は盛り土汚染の原因を特定できないとしているが、原因を特定しなければいくら対策を行っても再汚染を防ぐことができないのではないか」と指摘し、原因の徹底的な究明を求めました。区長は、「盛り土の安全対策に万全を期すよう都に求める」と答弁されましたが、その原因究明については求めていません。確実な汚染対策を履行するには、盛り土の汚染原因の徹底的な究明が不可欠ではありませんか。盛り土汚染の徹底的な原因究明を都に求めるべきです。見解を伺います。
 都議会の委員会で築地関係者は、「私どもはだれ一人として、築地を去りたくて去る者はいません」と述べました。これが関係者の本当の気持ちだと思います。私たち区議団が実施した江東区民アンケートには、1,400通の回答が寄せられ、豊洲への移転については、移転賛成が19%、移転反対が51%と反対の声が圧倒的です。山崎区長は、まず受け入れありき、開発優先の態度を改め、土壌が汚染された移転予定地への受け入れ方針を白紙撤回すべきです。都議会で検討してきた現在地再整備案の過大な施設計画規模を、適正な水準に見直し、都が財政支援を行えば、業者の負担を抑えて築地で再整備することは可能です。現在地整備を東京都に求めることこそ、食の安全を最優先に考えるべき賢明な本区の責任ではありませんか、伺います。
  第2は、国保料の値上げと「広域化」問題について伺います。
 国民健康保険は、高齢者や自営業者、失業者など、生活困難者が加入者の大半を占めているにもかかわらず、保険料は毎年のように値上げが繰り返され、今年度も1人当たり、平均6,223円もの大幅な値上げがありました。「払いたくても払えない」、「これ以上高くなるともう限界だ」という悲鳴の声が上がっています。
 その結果、本区の保険料滞納は3万3,255世帯、加入世帯の実に4割を超える異常事態となっています。国保料を値上げしても滞納がふえて国保財政は悪化するだけです。区は、国保料の負担が区民の負担能力をはるかに超える額であることを認識し、国や東京都に財源を強力に求めるとともに、一般会計の繰り入れなど、あらゆる方法で国民健康保険料の引き下げを行うべきと思いますが、見解を伺います。
 本区では、正規の保険証を受け取れず、医療費を全額負担する資格証明書に変えられた人が1,000世帯を超え、5年前の6.5倍に激増しています。資格証明書の発行世帯は、国保加入世帯の中でも特に所得階層が低い世帯です。区は、1年以上の滞納者を悪質滞納者扱いし、資格証明書に変えていますが、長妻前厚生労働大臣は、本年3月4日の参議院予算委員会での我が党の小池晃議員の質問に対し、「払えるのに払わないことが証明できた場合以外は慎重に取り扱う」と答弁しました。このことからも、悪質な滞納者であることを区が証明しない限り、資格証明書の発行はできません。厳格な実施を求め、区の見解を伺います。
 短期被保険者証、資格証明書発行の義務規定の削除を国に求め、保険証は無条件で全世帯に交付し、区民が安心して医療を受けられるようにすべきです。伺います。
 23区区長会は、11月16日、来年度の国保料率の暫定案を了承しました。暫定案のもとで区民の保険料負担がどれだけふえるのか、本区の試算について伺います。
 区長会は、来年度からの賦課方式を、これまでの住民税方式から旧ただし書き方式に変更することに伴い、障害者世帯を初め、所得の低い多人数世帯ほど大きな負担増になります。賦課方式の変更による区民の保険料への影響について伺います。
 世帯収入が変わらないのに保険料の取り方の変更によって負担がさらにふえることは許されません。賦課方式の変更は中止すべきです。伺います。
 区長会は、2年間限定で経過措置をとり、その財源に高額療養費を充てるとしています。しかし、高額療養費の一部を保険料に算入すれば、今後の保険料の値上げにつながります。経過措置の財源は、23区の一般財源で補うべきです。保険料の上昇を抑えるために、高額療養費を保険料に算入していない23区独自の制度を引き続き堅持すべきです。あわせて伺います。
 また、前期高齢者交付金の過払い分の精算については、国や都に負担を求め、保険料に全額算入すべきではありませんか、伺います。
 保険料率や賦課方式の変更など、区民にとって重要なことを、区民や区議会に明らかにせず、事実上、区長会が密室で協議して決めていることは問題です。保険料率の算定や保険制度のあり方などは、検討段階から区議会、区民に情報を公開して区民参加で行うべきです。伺います。
 政府は国保の都道府県単位での広域化に向けて動き出しています。国保の広域化は、政府が進める事業主負担の軽減、廃止をねらった医療保険制度の一元化の布石であるとともに、自治体の一般会計からの繰り入れなどの財政支援をやめさせることで、さらなる保険料の大幅値上げ、強引な保険料徴収や給付の抑制などをもたらすものです。区は、広域化に反対し受け入れるべきではありません。区の見解を伺います。
第3は、介護保険制度の見直しについて伺います。
 介護を社会的に支えることを目的に発足した介護保険制度が施行されて10年、「保険あって介護なし」とも言うべきさまざまな問題が表面化しています。厚生労働省は、来年度の法改正、再来年度の制度改正へ向けて動き出しています。また、2012年は、3年ごとの市町村介護保険事業計画と介護報酬、診療報酬の改定時期にも当たります。こうしたもとで、江東区として介護保険制度の検証を行うとともに、区民が安心できる介護保険制度となるよう、国へ見直しを求めるべきだと思いますが、伺います。
 日本共産党国会議員団は、全国の介護事業所、自治体、利用者、家族に介護調査を実施しました。また、私たち日本共産党江東区議団も、江東区民アンケートを実施し、その結果も踏まえ、介護保険制度の抜本的な見直しを求めるものです。
 第1は、保険料・利用料の負担軽減です。夫を週2回おふろに入れる介護を受けるお金のために、妻は夕食を食べない、こういう実態がNHK「福祉ネットワーク」で放映されました。日本共産党の介護調査でも、介護事業所から、「重い負担を理由にサービスを抑制している人がいる」との回答が、76%に上り、全国の自治体から、「低所得者に対する介護保険料・利用料負担の軽減策を国の制度として確立すべきだ」との要望が共通して寄せられています。区民アンケートにも、介護保険料について、70%の方が「負担が重い」と答え、「介護サービスが不足している」と答えた方が80%を超え、その理由では、「利用料の負担が重くて必要なサービスが受けられない」が44%と最も多く、保険料・利用料負担の軽減が必要です。国の責任で、介護保険料・利用料の軽減対策を実施するよう求めるべきです。伺います。
 第2は、特別養護老人ホームの待機者の解消です。
 本区では、1,800名を超える方々が何年も特別養護老人ホームの入居を待っており、増設は急務です。これまで国が低い施設整備の目標を自治体に押しつけ、基盤整備の予算を削減してきたことは大問題です。先月10月7日、事実上、施設整備の抑制となってきた国の参酌標準が廃止されたことに伴い、地域の実情に応じた施設整備を早急に進めるべきと思いますが、伺います。
 23区では、高い土地代が介護施設整備のネックとなっています。国や都に対し、施設整備や用地取得費などの財政支援の強化を求めるべきです。また、区として、「緊急5カ年施設整備計画」を策定するなど、期限を定め、スピードを持って待機者の解消を図るべきです。国有地、公有地などの積極的活用も必要です。国有地等の所在地、面積等の具体的な情報の提供や、自治体が優先的かつ無償貸与で利用できるよう、国や都に積極的に働きかけるべきです。
 また、都営住宅、UR住宅や公団・公社団地、民間マンションなどの新築・改修に合わせて、介護施設の併設を求めていくべきと考えますが、あわせて伺います。
 第3に、ひとり暮らしや認知症の高齢者を初め、地域で安心して暮らし続けられるよう、地域ケアの充実、推進が重要です。厚生労働省は、2012年度の介護保険制度改正で、「24時間地域巡回型訪問サービス」を新たに導入する一方で、調理や洗濯、掃除などの生活援助を介護保険から外す方向です。生活援助を介護保険制度から除外すべきでないと思いますが、区の見解を伺います。
 生活援助については、同居家族がいても、就労などの実態を踏まえ利用できるよう、国の通知に基づいた適正な運営の再徹底を求めます。
 また、生活援助の法令への明記、院内介助を介護保険給付として明確に位置づけること、ヘルパーによる散歩同行を認め、基準を明確化するよう国へ求めるべきです。あわせて伺います。
 第4は、介護の人材不足の解消と報酬の引き上げについて伺います。
 今、介護事業者の廃業や従事職員の離職が深刻化しています。介護現場の人材不足が深刻なのは、労働条件が劣悪だからです。その根本原因は、介護提供者に支払われる介護報酬が低過ぎるからです。介護報酬とは別枠での公費投入による賃金の月3万円の引き上げ、介護報酬の大幅な底上げ、当面5%以上の引き上げを求めるべきです。その際、国庫負担割合の引き上げ、利用料の減額、免除などにより、保険料や利用料の値上げにつながらないようにすべきです。あわせて伺い、私の質問を終わります。(拍手)

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