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2010年第1回定例会-きくち幸江議員(予算編成 雇用 保育)

  1. 来年度の予算編成について
  2. 雇用問題について
  3. 保育問題について

 日本共産党江東区議団を代表して質問します。
 質問の第1は、来年度の予算編成についてです。
 今、区民の暮らしは本当に大変です。「仕事がなくて暮らしていけない」、「入院で貯金を使い果たした」、「家賃が大変なので都営住宅に入居できないか」などなど、さまざまな相談が寄せられ、「先の見通しが立たずにもう生きているのが嫌になる」という言葉を聞くのも珍しくありません。
 保護第一・第二課に伺ったところ、生活相談はことしに入って毎月400件を超え、生活保護の申請もウナギ登りにふえています。就学援助は生徒数の4割近くが対象に、また国民健康保険料や税金の滞納も若い人にふえていると聞いています。若い世代から高齢者まで、職種を問わず困窮度を増している区民生活の現状をどう認識していますか、伺います。
 言うまでもなく江東区の役割は区民福祉の増進にあり、このようなときの予算編成では、区民が「元気に働き」、「生きていてよかった」と思えるように、区民の暮らしと営業を支えることを最重要課題として進めるべきです。
 本区の来年度予算案では、我が党も繰り返し求めてきた認可保育所の開設や借りかえ融資の実施、介護従事者確保の支援強化など、区民要求の一定の反映はあるものの、雇用破壊が社会全体の大問題となっているときに職員を46名も減らし、保育所2園の民間委託を初め、給食、警備などのアウトソーシングを推進、共働き世帯のよりどころである学童クラブを放課後事業と一体化することには、父母から「こどもたちの居場所がなくなる」と不安が広がっています。
 また、「暮らしが大変」と悲鳴が上がっているのに、国民健康保険料の値上げなど、とんでもありません。区長は、プラス3.5%の区民生活重視型予算と言いますが、国が行う子ども手当を除けばマイナス予算であり、内容的にも区民生活重視とはとても言えません。もっと区民の暮らしに視点を当てて組み替えるべきです。
 まず、アウトソーシングの中止を求めます。我が党は、これまでもアウトソーシングは、正規職員の職場をパートや非常勤など、安上がりの労働に置きかえるものとして問題点を指摘してきました。雇う側の経済効率優先で雇用責任を放棄し、公務でありながら働いても生活できない官製ワーキングプアを生み出していることは、区民福祉に責任を負う行政の役割をみずから放棄するものです。
 区民サービスが向上すると言っていますが、保育時間の延長などは公立のままでもできることです。いかがですか、伺います。
 正規職員も減らすどころか増員が必要です。福祉事務所のケースワーカーは、担当件数80件の基準に対し、現在、少ない人でも97件、多い人は141件を受け持っているとのことです。ひとり暮らし高齢者や母子世帯、病気を抱えた人など、世帯が抱える問題も多様化し、かつ孤立化している上に、失業者の増大でふえ続ける受給者に対して、生活支援や自立支援のためのきめ細かな対応はとてもできないのではありませんか。来年度、2名の増員が予定されていますが足りません。少なくとも基準を満たすケースワーカーと相談員の拡充が必要です。
 また、子育て人口の急増、新型インフルエンザなど、新たな感染症に対応できる保健師の増員、障害者や高齢者の生活支援、人口増でふえている事務量に見合った職員の増員を進めるべきです。伺います。
 次に、区民の暮らしの問題です。
 中小業者からの「仕事がない」という声に対応する姿勢が見られません。予算の基本方針では、将来像を目指すということが強調されていますが、地域産業が活力を失ってはまちづくりの基盤がなくなります。区内業者の仕事確保を区政の重点課題として打ち出すべきです。
 予算案には多くの大型の施設建設や改修工事が予定されています。地元業者に仕事が回るよう入札での総合評価制度のさらなる改善と件数の拡大、最低制限価格の引き上げ、分離分割発注の工夫など、思い切って進めると同時に、新たな事業として木造住宅の耐震補強工事では、簡易改修やシェルターを単独でも認めるなどの事業の拡充、住宅リフォームへの助成、公共施設の小規模改修など、区内業者の仕事確保の視点で事業全般を見直すべきと考えます。
 また、区内の事業所に対しても、工事や物品の発注を含め、地元業者を使うよう区として働きかけを強めるべきです。伺います。
 商店街振興では、観光に力点を置いた施策が展開され、これらは区民とともに進めるべきものと考えますが、それだけでは拠点の支援で終わってしまいます。従来から要望の出されている街路灯補助の拡大を初め、特色ある商店街づくりや空き店舗対策などは、商店街からの提案待ちではなく、職員が町に出て事業者と一緒に考え、取り組むことで有効的な施策を打ち出すことが求められます。伺います。
 次に、区民負担についてです。
 収入がふえないどころか減っていく中で、住宅家賃、医療や介護、子育て費用の負担が重くのしかかっています。区民の安心というなら、まず国民健康保険料の値上げはやめ、介護費用や障害者の応益負担の減免の拡充など、負担軽減を図るべきではありませんか。
 渋谷区では、保育料の無料化を含む負担軽減を行います。本区においても、認可外保育施設に通うこどもたちへの補助の拡大、低所得者の保育料引き下げ、第3子の保育料無料化など、支援を拡充すべきです。伺います。
 次に、基金についてです。
 地下鉄8号線建設のためとして5億円の積み立てが提案されています。なぜ今、江東区一人、基金の積み立てかと疑問を持たざるを得ません。地下鉄8号線建設は区民の強い願いであり、我が党としても早期建設のための取り組みを、区民ぐるみで進めるよう求めてきました。課題としてきた事業主体や財政面での裏づけなどの検討には、関連自治体との一致した取り組みが必要ではありませんか、見解を伺います。
 江東区には600億円を超える基金がありますが、この基金は、職員を減らし、定率減税や老年者控除廃止などの区民増税で積み上がってきたものであり、思い切って区民の暮らしを守るために活用すべきです。我が党が提案してきた要介護度4・5の人に介護費用として月1万円支給する重度介護手当は、年間3億円でできます。難病患者からの要望であるタクシー券の支給は年間1億5,000万円、65歳以上の新規障害者への手当支給は年間5,800万円、就学援助の対象を生活保護基準の1.2倍に引き上げることは、年間1,000万円増額することでできます。いかがですか、伺います。
 次の質問は、雇用問題についてです。
 雇用をめぐる状況は一層深刻で、昨年末、職も住まいも失って公設派遣村を訪れた労働者は800人を超え、事態の深刻さを浮き彫りにしました。とりわけ高卒の就職内定率が12月末で74.8%と、若い世代が働きたくても働く場所がない、生活できるだけの賃金が得られないという状況は、自立を妨げ、結婚ができない、こどもが産めないと、少子化に拍車をかけるだけでなく、夢も希望も持てない状況から社会不安を広げることにもなり、今後の日本社会にとって一刻も放置できない問題です。区長は、今日の雇用をめぐる状況をどう認識していますか、伺います。
 我が党はこの間、こうした雇用状況をつくり出した大もとに労働法制の規制緩和があり、労働者が使い捨てにされる一方で、大企業は空前の利益を上げて巨額の内部留保金をふやしてきた問題があることを指摘し、雇用を守る社会的ルールの確立に向けて、区としても政府への働きかけをするよう求めてきました。しかしながら、区は、「雇用政策は企業みずから判断すること」、「政府の対応を見守る」と、まるで後ろ向きです。
 この10年間だけでも、労働者の賃金は減り続ける一方、大企業の内部留保金は200兆円から400兆円へと2倍に膨れ上がっています。区民生活の安定のため、また、医療や年金など、社会基盤の安定のためには、大企業が莫大な利益を上げても企業内に蓄積され、国民の暮らしに回らないシステムを社会に還元させる政治の役割がどうしても必要ではありませんか。
 政府は、労働者派遣法の改正を進めていますが、製造業派遣や登録型派遣の原則禁止を言いながら、抜け道を残す問題が明らかになっています。労働者の使い捨てを許さない労働者派遣法の抜本改正を直ちに行うよう求めるべきです。
 また、下請企業も、無法な単価の切り下げで営業も雇用も守り切れない状況に追い込まれています。下請代金支払遅延等防止法、下請中小企業振興法など、大企業の身勝手から中小企業を守る法の遵守を政府に求めるべきです。伺います。
 次に、職を失った人へのセーフティーネットについてです。
 昨年10月末から住宅手当緊急特別措置事業が始まり、都も生活福祉資金の貸し付け要件を緩和するなど、生活と就労を支援するメニューの拡充が図られました。しかし、実績で見ると、住宅手当では相談件数148件に対し、支給は30件と2割にとどまっています。生活福祉資金の貸し付けも、制度実施前6カ月で164件の相談であったものが、その後3カ月で669件の相談と急増していますが、貸し付けに至るのはほんのわずかです。住宅手当の収入要件などでは一定の改善が図られましたが、離職票や通帳、所得の証明など、必要書類が多く、用意できないことなどで利用をあきらめる人もいるとのことです。緊急の生活支援策として相談に訪れた人を救済できるよう、制度の改善を求めるべきです。伺います。
 相談窓口の改善、拡充も必要です。就職支援はハローワーク、貸し付けは社会福祉協議会、都の就労支援は庁舎2階の生活相談総合窓口、生活保護は保護第一・第二課、住宅手当は保護第一課のみと分担があり、相談者はあちらこちらと回らなければなりません。昨年、日にちを限って行われたワンストップサービスを、国の責任で常設するよう求めるべきです。
 また、相談件数がふえている上に、生活費や仕事の確保、住居、家族関係、借金など、さまざまな問題が絡み合っているため、自立の方向を決めていくには時間もかかり、相談回数も重なるため、後でまた来るようにと言われた人もいます。それぞれの窓口の相談員をふやす必要があります。伺います。
 次に、区の緊急雇用創出事業について伺います。
 雇用環境が改善されていないもとで、当面の生活を支える緊急雇用創出事業は拡充が求められます。しかし、区の臨時職員雇用について、問い合わせは月100件以上あるとのことですが、新規採用は毎月数人です。委託事業では35事業が行われ、公園がきれいになったなど喜ばれていますが、来年度の事業予定を見ると、予算規模こそ今年度並みに見込まれているものの、事業数は17事業と半分に減っており、仕事の創出が求められます。事業の趣旨にかんがみて、区長を先頭に特別体制をとるなど、雇用創出に総力を尽くすべきです。伺います。
 次に、保育問題について伺います。
 来年度の認可保育所入園の第1次決定が届き、ことしも1,000名を超えるこどもたちが次の入所先を探さなくてはなりません。「仕事が続けられなくてどうやって生活しろというのか」「2人目の出産は考えられない」など、父母の思いは深刻で、少子化がこれだけ問題になっているのに出産、子育ての環境整備ができていない政治の責任は重大です。 ところが、政府が先月発表した「子ども・子育てビジョン」では、保育サービス量拡大の具体策として、保育所の認可基準を緩和し、株式会社など民間企業の参入を認め、保護者と保育所の直接契約とするなど、保育の公的責任を放棄し、営利企業のもうけの場とする、前政権以来進められてきた大改悪の方向を打ち出しました。
 区は、この問題に対し、「基準緩和は地方分権で歓迎すべきもの」、「区は基準を上回っている」との立場をとってきました。しかし、これまで行われた基準緩和だけでも、定員増で昼寝の場所も十分にとれないほどのこどものすし詰め、園庭がない、高層ビルでの避難階段の規制緩和など、既にこどもの発達と命の安全を脅かす状況が生まれています。
 保育施設などの事故で重度障害を負ったり、亡くなったりしたこどもの家族や弁護士でつくる「赤ちゃんの急死を考える会」の調査では、基準を緩和した2001年度以降、認可保育所での死亡事故が急増しているとのことです。政府は、ことし4月から定員を超えた受け入れの上限を撤廃する通知を出しましたが、さらなる基準緩和で、入所さえできればどんな環境でもよいというのでは、未来を担うこどもの命と発達に責任が持てないではありませんか、伺います。
 現在の保育基準は、戦後間もなく貧しい時代に最低基準としてつくられ、今後、こどもたちの健やかな成長のためには「水準の向上に努める」べきことが明記されています。今日の日本は経済大国とまで言われるようになりました。1人当たりの保育面積でも保育士の数でも世界的に低いことが明らかになっている現在の保育基準は、緩和するのではなく先進国にふさわしく引き上げ、待機児童の解消は国と自治体で責任を持って認可保育所をふやすよう求めるべきです。伺います。
 さらに、保育園給食の基準緩和について伺います。
 政府は、公・私立保育所3歳児以上の給食を外部調理で認める基準緩和を打ち出し、ことし3月末までに決定するとしています。これまで小泉内閣時代、構造改革特区の公立保育所に限り認められ、学校給食センターから持ち込むという形で行われましたが、学校児童と献立は一緒で、野菜の切り方を細かくしただけ。学校給食センターが閉鎖される夏休みには、調理パンやそうめんが続くなど、問題が多くありました。基準が緩和されれば民間給食業者の参入は必至で、添加物などの安全性の確保も難しくなります。
 今、保育所の給食は、こどもの発達過程や状況に合わせ、食材にも配慮して各園できめ細かくつくられています。特にアレルギーを持つ子には、間違えれば命にかかわるだけに細心の注意で配食されています。政府方針に対しては、全国保育協議会、保育士会から断固反対を表明した意見書が直ちに提出されました。給食の基準緩和は撤回するよう政府に求めるべきです。伺います。
 次に、本区の保育についてです。
 待機児童解消が待ったなしの課題とされてきましたが、いまだに要求に追いついていません。山崎区長は常々、スピードを強調されておられますが、待機児童解消目標年度が長期計画でも平成26年度、計画最終年度というのでは父母の要求にこたえられません。認可保育所の建設計画は前倒しすべきです。
 廃園した辰巳第一保育園の再開について、区は「辰巳地区には保育需要がない」と言いますが、待機児童の多い豊洲出張所管内であり、現状は、豊洲から東陽町、南砂など、大変な思いでの通園がされています。父母は歓迎すると思いますが、いかがですか。
 待機児童問題の深刻化には、民間頼みの区の姿勢があります。民間の土地を含め、必要な土地購入を確保して保育所の建設を急ぐべきです。
 また、大島三丁目に建設されている民間マンションの計画では、日の当たる三方を建物に囲まれた北側に保育所がつくられているので、この計画の変更を求めるべきと思います。見解を伺い、質問を終わります。(拍手)

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