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2010年第3回定例会-赤羽目たみお議員(高齢者 築地市場 防災)

  1. 高齢者の生活支援について
  2. 築地市場の豊洲移転について
  3. 防災対策について

 日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。
 まず、高齢者の生活支援について質問します。
 ことしの記録的猛暑で、高齢者の熱中症による健康被害が続出し、江東区でも熱中症による救急搬送患者数は全体で148人、昨年の5倍近くに達しました。クーラー等による適切な予防や応急処置によって深刻な事態は回避できると言われていますが、低収入で生活が苦しい高齢者の中には、経済的に厳しくてクーラーが設置できない、また電気代の節約としてクーラーをつけない人もいると聞いています。区は、熱中症による健康被害を予防するために、電気料金の補助やクーラーの設置、修理費用の助成措置など支援を行うよう求めます。伺います。
 高齢者の貧困化は深刻です。江東区が行った調査でも、収入200万円以下の世帯は、高齢者世帯全体の43.5%、ひとり暮らし高齢者では57.9%にまで上り、6年前と比べて約1.5倍に低収入世帯がふえ、65歳以上の生活保護受給者は3年間で700人ほど増加しています。私たちのところにも、「医療費が高くて病院に行く回数を減らしている」、「貯金を切り崩して生活してきたがもう限界」など、切実な声が多数寄せられています。区長はこうした実情をどう認識していますか、伺います。
 核家族化が進み、地域のきずなが薄れつつある中で、ひとり暮らし高齢者の孤独死や100歳以上の所在不明高齢者の問題など、高齢者の社会的孤立も大きな問題となっています。区は、高齢者の社会的孤立を防ぐには、高齢者地域見守り支援事業を進め、地域団体が主体となって高齢者を見守っていくことが重要とし、現在、11のサポート地域を5年後に32地域に広げるとしています。しかし、区の支援は1年間だけで、その後は地域任せ、困難ケースにはどう対応するのかなど、多くの問題が指摘されています。高齢者を地域で見守るという大事な事業を、安定、発展させるために、担当職員や地域包括支援センターの人員、設置数をふやすなどして、区を中心に地域住民の協力を得て事業を進めるべきです。伺います。
 また、高齢者への食事サービス利用料の本人負担を軽減することや、食事サービス、声かけ訪問、電話訪問を、本人の希望により複数の事業が受けられるようにするなど、区の見守り事業を充実すべきです。伺います。
 高齢者の安否確認や緊急時の対応策の充実も求められています。本区の民間型の緊急通報システムには、本体とペンダント以外に生活センサーがついており、より迅速に安否確認や緊急対応が行えるようになっていますが、利用者負担が重く設置数はふえていません。民間型の緊急通報システムの利用料を全額無料にしている千代田区や、住民税非課税世帯は無料にしている中央区、荒川区では、設置数がふえ、利用者からも喜ばれています。本区も費用負担の軽減を図り、設置促進を図るべきと思いますが、区の見解を伺います。
 高齢者の住宅問題も深刻です。「年金が減らされて家賃が払えないので都営住宅に入りたい」など、少ない年金で暮らす高齢者にとって家賃負担が重くのしかかっています。ことし6月のシルバーピアの募集4戸に対し、274名が申し込むなど、高齢者住宅を求める要求は切実です。区は、都営住宅建てかえの際に、シルバーピアの地元割り当てなどにより対応していきたいとしていますが、建てかえ予定は当面決まっておらず、いつまでたっても入居できない高齢者がふえ続けてしまいます。区として高齢者住宅や借り上げ住宅を計画的に整備すべきです。伺います。
 収入の少ない高齢者にとって家賃も大きな負担です。区は、我が党の再三の家賃負担軽減策の提案に、住宅マスタープランの中で検討していくとしていたのに、新しく改定された住宅マスタープランでは、居住支援協議会を設置し、高齢者世帯等の安定した居住の支援について協議、調整するとしただけで、家賃助成の具体化は全くありません。改めて高齢者の家賃助成を行うよう求めます。伺います。
 次はテレビ放送の地上デジタル化問題についてです。
 テレビ放送が地上デジタルに完全移行するまで1年を切りましたが、共聴アンテナの問題や難視聴地域の問題が指摘されており、とりわけ低所得者への対策が進んでいません。政府は、低所得者対策としてNHK受信料の全額免除の家庭に無償でチューナーを支給していますが、江東区内では対象世帯のおよそ5割しか申請していません。対象にならない高齢者など、低所得世帯にとって地上デジタル化の負担が大きく、このままでは大量の地デジ難民が出ることが予想されます。区長は、地上デジタル対応受信機の普及や買いかえが進み条件が整うまで、完全移行を延期するよう政府に求めるべきです。伺います。
 次に、築地市場の豊洲移転について質問します。
 東京都は7月、豊洲の東京ガス工場跡地で行った土壌汚染の処理実験の最終報告を発表しました。都は中間報告でも、処理対象になっている汚染土壌の初期値を一切公表しないなど、データ隠しを行ってきました。最終報告では、環境基準の4万3,000倍のベンゼンが検出されていたところの土壌の初期値が環境基準の2.7倍にすぎなかったことや、砒素を無害化したとした地点の土壌も、実験前から砒素濃度が基準値を下回っていたことが明らかになりました。
 都は、この実験結果をもって汚染土壌の浄化は可能として安全宣言を行いましたが、日本環境学会の畑明郎前会長や市場関係者などから、「ベンゼンを処理したという微生物の鑑定もない」、「砒素が洗浄処理で浄化できたからといって、鉛など重金属が洗浄可能とは言えないのではないか」などの疑問の声が出され、これに対し東京都はまともに答えられていません。都はさまざまな問題が指摘されている中で安全宣言を行ったことは、無責任のきわみだと言わざるを得ません。区長は実験の最終報告を注視するとしてきましたが、これで安全な土地になったと思っているのですか、伺います。
 最終報告を受けて、食の安全に対する不安が広がっています。専門家や市場関係者と技術会議委員とが公開討論を行い、土壌汚染の処理実験について、根本的に再検証するよう求めるべきです。伺います。
 次に、もとの土壌だけでなく、その上に後から運び入れた盛り土からも30地点で発がん性の高いベンゼンやシアンなど、土壌汚染が見つかり、大きな問題となっています。東京都は、搬出元の3割で内規どおりの汚染調査をしておらず、また、土地の利用履歴を調べていたのに、これを明らかにしてきませんでした。東京ガス豊洲工場跡地の土壌汚染がマスコミで取り上げられ、食の安全が大きな問題となっているのに、自分たちで決めた内規を守らず、移転ありきでずさんな計画を強引に進める東京都のやり方はあまりにもひど過ぎます。区長は当該区の区長として、東京都のずさんなやり方に抗議したのですか。伺います。
 東京都は最終報告の中で、盛り土汚染の原因は地下水上昇による汚染の可能性もあるが、特定はできないとしています。原因を特定しないままでは、いくら対策を行っても再汚染を防ぐことはできないのではありませんか。区長は都に対し、もとの土壌が汚染されていたのか、地下水上昇による汚染なのか、再度盛り土汚染の状況を調査し、原因を徹底的に究明するよう求めるべきです。伺います。
 次に、築地市場の現在地再整備について伺います。
 区長は、築地での再整備は無理だと断言してきましたが、先日開かれた清掃港湾・臨海部対策特別委員会の中で、我が党議員の質問に東京都は、「現在地での整備は可能、都は現在地で整備ができないとは一言も言ったことがない」と答弁しています。それでも区長はいまだに築地市場の現在地整備は無理だと考えているのか、伺います。
 食の安全が保証されない東京ガス豊洲工場跡地への受け入れ方針を白紙撤回し、現在地で整備を行うよう都に求めるべきです。伺います。
 次に、防災対策について伺います。
 まず、集中豪雨対策について質問します。今月8日、時間50ミリを超える激しい雨が降り、亀戸九丁目や木場一丁目、大島七丁目、千田など、数カ所で床下浸水や道路冠水が起こりました。住民から、「大雨の際には何度も被害を受けているのになぜ区は対策をとってくれないのか」など、不安と不満の声が上がっています。区は、亀戸九丁目公園や東大島児童遊園、川南海辺公園の下に雨水貯留槽を東京都と連携して早急に整備すべきです。
 また、木場一丁目にある大型商業施設に対し、敷地内から雨水の流出を防ぐよう求めるなど、緊急対策を講じるべきではありませんか、あわせて伺います。
 次に、集中豪雨対策として今年度から区は、公共施設の建てかえや大規模改修時に雨水貯留・浸透施設を設置していくことは一定評価します。しかし、浸水被害を防止するためには、さらなる拡充が必要です。東京都に対し、50ミリ以上の豪雨に対応できる下水道の整備や、都道の保水性・透水性舗装など、早急に進めるよう求めるべきです。伺います。
 区内の大規模な敷地を持つ民間事業者に対しても、駐車場の浸透化や敷地内の緑化面積をふやすなど、雨水の流出を防ぐ対策をとるよう求めるべきです。伺います。
 区としては、学校の校庭や公園の下などに貯水槽を設置するなど、雨水流出対策の整備計画を早期につくるべきです。
 また、既に世田谷区や練馬区など、23区中9区で実施され、東京都も雨水流出抑制を図る上で効果的な施策であると認めている個人住宅への浸透ます設置助成を江東区でも行うべきです。あわせて伺います。
 次に、大雨浸水ハザードマップについてです。ハザードマップでは、避難が必要なときに、近くにある3階以上の建物に速やかに避難するよう記載されていますが、区内の3階以上の建物の多くはマンションで、オートロック化が進み、いざというときに逃げ込めない危険があります。区長は、マンション管理組合に協力を依頼し、災害時の避難場所確保に努めるべきです。
 また、区民の防災に対する意識を高めるとともに、水害を最小限に抑えるために、大雨浸水ハザードマップを全戸配布すべきではありませんか、あわせて伺います。
 次に、地震対策について伺います。
 地震が起きると、高層マンションではエレベーターが停止し、高層階で孤立してしまうことや、水道やガスなどライフラインがとまり、避難所に集中することが予想されます。港区、渋谷区では、マンション住民が発災後、一定期間マンション内で生活ができるように要綱等で、水や食料、トイレ、衣料品等の備蓄を義務づけています。本区は規則を改正し、金づちやラジオ、軍手など、資機材の備蓄は規定しましたが、水や非常食等についても、マンションに備蓄を促し、リストに加えるよう求めます。また、水や非常食を備蓄する際の費用を助成するよう求めます。あわせて伺います。
 最後に、住宅の簡易耐震改修について質問します。
 私たちはこれまで、最低限区民の命を守るために、居室のみの耐震化や住宅避難出口の確保などの簡易改修にも助成するよう求めてきました。しかし、区は、市街地の安全性が十分に得られないので難しいと拒み続けていますが、区は市街地の安全を守ることはもとより、区民の命を最優先に考えるべきです。簡易改修への助成は、墨田区や杉並区を初め、渋谷区、足立区と広がっています。江東区も区民の命を守るために簡易耐震改修に助成するよう求めます。
 また、東京都の補助もあり、都内5市13区で既に実施されている防災シェルター単独の設置費用の助成を、本区も行うよう求めます。区長の見解を伺い、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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